ボクのお姉ちゃんはIS 作:衛人操縦士訓練生
「という事で、この1年1組のクラス代表は織斑一夏君に決まりました。1繋がりで何だか良い感じですね!」
次の日、朝の
「……クラス代表って、クラスで一番強い人がなるんだろ? だったら明日香でもいいんじゃ……」
お兄ちゃんの疑問は分かるし、ボクもISで戦うのはいいけど、千冬先生が許さないだろうね。
「ほう、織斑は自分より
ほらね? しかも指の関節バキバキ鳴らして、イイ笑顔してるし。
「わああああ!? ごめんなさい! やります、俺がやります!! だから千冬ね……ガッ!?」
「織斑先生だ、馬鹿者」
あの出席簿、何で出来てるんだろう……?
≪うへぇ、痛そー≫
≪私のマスターもアレ受けてたけど、痛みに悶えるだけってレベルで微調整されてるんだって≫
≪越えられない壁あるよな≫
「では山田先生」
「はい! それじゃあ、授業を始めますよー」
おっと、教科書を出さないと。何でか知らないけど、授業の内容がスルッと頭の中に入ってくるから、勉強がとっても楽しいんだよね! さあ、今日も1日頑張ろー!
◇◇◇◇◇
今日はISの実習授業があるから、ちょっと遠いけどボクとお兄ちゃんはアリーナの端っこにある男子更衣室まで着替えに来ていた。
「あ~、何で男子更衣室ってこんなに遠いんだ? もうちょっと近くにあってもいいと思わないか?」
「でも、ここも元々女子更衣室だったんでしょ? むしろボクたち二人だけのために、更衣室を男子用に変えてくれた事をありがとうって思うけど……」
「そんな考え方出来るなんて、明日香は優しいな」
お兄ちゃんはばつが悪そうな表情をした後、笑ってボクの頭を撫でてくる。
「ぅんっ……あははっ、くすぐったいよ」
「悪い悪い……っと、授業に遅れちまうな。さっさと着替えようか」
「うん!」
手早く着替えを終わらせたボクたちは、なんとかチャイムが鳴る直前にクラスのみんなの所に行けた。
「ギリギリだぞ。次からはもっと時間に余裕を持って行動しろ」
「はい!」
「分かっ……り、ましたっ」
≪アレ絶対『た』って言った瞬間出席簿アタックだったぜ≫
≪せんせー、ハイパーセンサーですらブレて見えるってどういう事ですかー?≫
≪想定の範囲外です≫
「あうっ」
あれってそんなに痛いの? とか思ってたら、千冬先生の出席簿でホントに叩かれちゃった。
「こら、これから授業だから、IS達と話すのは後にするんだぞ」
≪千冬先生マジ甘い!≫
≪乗せただけ!≫
「ごめんなさい……」
「分かればよろしい」
授業に集中しないとまた叩かれちゃうから、気を付けないとね。
「明日香きゅんと千冬様の絡み……イケる!」
「ご飯3杯は軽いわね!」
「王道は一×明でしょ」
「成る程、そんなにコレを貰いたかったのか」
『すいませんでしたぁっ!』
「あははは!」
クラスの人たちが話して、千冬先生に叩かれそうになって、揃って謝る。この流れは分かってはいても笑っちゃうよ。
「ふぅ、それではこれより、専用機持ちによるISの飛行実演をしてもらう」
表のキリッとしてる表情は変わらないけど、千冬先生って心の中でいっぱい表情を変えてて、とっても器用だね。
「織斑、オルコット、と、明日香君」
「あ、千冬先生!」
「どうした」
ちょっと前から思ってた事、言っておかないと……。
「ボクの事、特別扱いしなくていいよ。お兄ちゃんとかセシリアさんみたいに、苗字の刈内って呼んで?」
「…………分かった。織斑、オルコット、刈内の3人は前に出てISを展開しろ」
ふふっ、視線を彷徨わせてる千冬先生、ちょっと可愛い。
「
≪はい! 出番ですね!≫
モノクルが光の粒に変わってボクを包むと、次の瞬間打鉄参式を身に着けて地面に立っていた。えっと……頭の装甲も出さなくていいし、お姉ちゃんたちと繋がる感覚も、今はそんなに深くなくても大丈夫かな。
横を見るとセシリアさんは
「白お姉ちゃん……じゃなかったね。うぅんと、白式だから……式お姉ちゃん、手伝ってあげて?」
≪……なんで? オリムライチカのIS展開が遅いのが悪いだけ≫
「そうだけど……今の式お姉ちゃんの体は、お兄ちゃんの専用機の白式なんだよ。白お姉ちゃんを守るのもとっても大事だけど、それだけじゃダメ」
≪だから協力しろってこと? わたしは別にオリムライチカが困ってても気にしない≫
何だかとっても気難しいお姉ちゃんみたいだ。タダじゃ動いてくれないみたいだし、こういう時は……。
「じゃあ、式お姉ちゃんのお願いを1つ聞くから、ボクのお願いを聞いてくれる?」
≪……≫
「明日香が何を話してるのか知らないけど、何もそこまでしなくても……うわっ!?」
ボクを止めようとしたお兄ちゃんの白い籠手から溢れた光の粒がお兄ちゃんを包んで、白式に変わった。良かったぁ、これでダメならどうしようかと思ったよ。
≪これで1つ。わたしからのお願いは、アスカと一緒に空を飛ぶこと≫
「……え? それでいいの?」
思ってたより楽っていうか、楽しそうなお願いだね。
≪ただし、アスカが白式を纏って、が条件≫
≪あ、明日香さんが!?≫
≪なに? 文句あるの?≫
≪い、いえ、別に……≫
専用機ってほかの人が使えないから、専用機なんじゃなかったっけ?
「分かった! それじゃあ明日のお休みにね!」
≪……楽しみにしてる≫
お姉ちゃんたちは出来ないって言ってないし、何とかなるってことだよね!
≪くっ……コレ駄目だって……≫
≪や、やめて差し上げ……プフッ≫
≪なによみんなして。ここの訓練機だって一緒に飛んでたじゃない≫
お姉ちゃんたちが何を言いたいのか分かんないけど、授業をこれ以上遅らせちゃいけないか。
「もう大丈夫! 授業止めてごめんなさい!」
「問題が無ければそれでいいんだが、変な約束をして無理をするなよ?」
「うん、心配してくれてありがとう!」
千冬先生ってぼーじゃくぶじん(?)に見えるけど、結構心配性だよね。
「では上空100mラインまで上昇しろ」
「うん!」
「分かりましたわ」
「はい!」
ボクたち3人は同時に飛び立つ。打鉄参式は超高機動型の機体っていうこととか、ほかにも色々な理由が重なってるおかげで、スラスターを吹かさなくても
≪相変わらず凄い出力ですわね≫
≪まぁその分防御は薄いですから。その為の
「織斑、遅れているぞ。お前の白式は高機動型の機体故、ブルー・ティアーズよりも出力は上の筈だ」
千冬先生からお兄ちゃんに向けての通信でダメ出しが来たけど、よくよく考えなくてもお兄ちゃんが白式に乗ったのって、昨日が初めてなんだよね。もしかしてまだ違和感が残ってたりするのかな?
「そんな事言ったって、空を飛ぶのに慣れてないんだからさぁ! 普通、人は人型のまま飛ばないんだって!」
……そう言われればそうかも? まぁでも、今こうして飛べてるんだから、慣れてもらわないとね。
「一夏さん、空を飛ぶと言っても、ISは思念操縦……要はイメージですわ」
「そうそう、お兄ちゃんが一番飛びやすいイメージで動けばいいんだよ!」
「イメージって言ってもなぁ」
うーん、何かイイアイデア無いかな……。
≪明日香タソ、『舞空術』ですぞwww≫
≪ロボットアニメとかでもいいんじゃない? アレも飛び方は似てるでしょ≫
「お兄ちゃん、ぶくうじゅつ、だって!」
「ハッ!? なるほど! サンキューな、明日香! なんか分かった気がする!」
「それなら良かった! ありがとね、お姉ちゃん」
≪礼には及ばぬよ…………ふおお! みwなwぎwっwてwきwたwww≫
≪イロモノ陣の知識が役に立つとか、珍しい事もあるもんだ≫
≪後半が台無しだけどな!!!≫
切りのいいところで、千冬先生の言った上空100mに着いた。
「それじゃあお兄ちゃん、明日ボクと特訓しない? 同じ高機動型だし、白式の中の式お姉ちゃんとの約束もあるし、ね?」
「それいいな! 明日香の技術、盗ませてもらうぜ!」
「明日香、一夏さん。その特訓、
「うん、もちろん! セシリアさんは友達だし、雫お姉ちゃんとも一緒に飛びたいし!」
あぁ、明日が楽しみになってきたよ!
「次は急降下からの急停止。目標は地上5cmだ、やってみろ」
「ボクから行くよ!」
≪速度を上げ過ぎない事だけ気を付ければ、誤差0cmも余裕です!≫
いつもよりは少し遅めに降りてるつもりだけど、重力がある分加速がつきやすいから注意して下りる。
「…………今!」
ギリギリでスラスターを下に吹かして急減速。後は、頭の中に知識はあるんだけどうまく説明できないな……、えっと、機体の
≪……おしい! 地上4.6cm!≫
≪それくらいいいじゃねぇか!?≫
≪ダメッスよー。特に明日香と
うん、あれは
「まだまだ、だね」
「何を落ち込んでいる。明日香は十分凄いじゃないか!」
箒さんが近寄ってきて、慰めてくれた。あんまり顔に出さないようにしてたけど、何で分かったんだろ?
「分かるさ。明日香が気付いてないだけで、十分私達には伝わっている」
「そ、そうなんだ……」
ちょっと複雑な気分になってると、セシリアさんが下りてきた。……3cmかぁ。
「まだまだ制御が甘い、精進しろ」
「くっ……はい……」
「専用機を持たない私には分からんが、十分凄いと思うぞ」
「あ、ありがとうございます。少し、気が楽になりましたわ」
何だかんだで箒さんもとっても優しい人だよね。
≪なぁ、『妹』ってこんな奴だったっけ? もっとランボーな奴じゃなかったか?≫
≪ランボー……うん、ランボーね……って違ぁう!!≫
≪それじゃあスタローンになっちまうぜ!≫
≪『HAHAHA!!』≫
お姉ちゃんたちは時々……じゃないや、しょっちゅう分かんないことで盛り上がるよね。ボクが意識した時も変な話してたし。たしか……六個のチェーンソーを束ねたら武器になるか、だっけ? ボクはならないと思うなぁ。重くて動けなくなるでしょ。
≪危険、ぶつかる≫
式お姉ちゃんの声に反応して上を向くと、さっきのボクよりも速く急降下してた。
≪ヤバいって! 制御失ってる!≫
≪明日香! 強制停止命令を!!≫
≪集中して、『止まって』ってお願いするのよ≫
何でか体が感じる時間が遅く感じるからお姉ちゃんたちと話す余裕があるけど、早くしないと地面にぶつかっちゃうし、クラスの人たちにも衝撃が行っちゃう!
≪わたしじゃなくて、白式に言って≫
「分かった! …………『止まって』!!」
≪限定行動権限受諾、強制停止≫
「ぐぉ!?」
機体の全出力を制御に使って、なんとか地面にぶつかる前に止まってくれた。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「……今のは明日香が止めてくれたのか?」
「うん」
詳しくは違うけど、説明しづらいからボクがやったことにしておこう。
「そうか……助かったよ、ありがとな。出来ると思ったんだけど、やっぱり難しいな」
そう言って頭を掻くお兄ちゃん。……なんだか
「難しいな……じゃないよ。ふざけてるの? 出来ると思うだけで制御出来るほど、お姉ちゃんは、ISは単純じゃないんだよ? もし地面にぶつかってたら、お兄ちゃんは大丈夫だったかもしれないけど、お兄ちゃん以外の人が怪我するかもしれなかったんだよ? 分かってる?」
「ご、ごめん……」
≪なんでこんなのがわたしのマスターなんだろ……≫
≪まあまあまぁまぁ、いいじゃねぇか。こうして謝ってるし……な?≫
≪自業自得な気もするけど……。ま、別に私達は気にしてないから、そこら辺で許してやれば?≫
≪ていうか、いちいち怒ってたらキリが無いわよ? コイツみたいなのは特に、ね≫
「……仕方ないなぁ。お姉ちゃんたちが気にしてないって言ってるから、許してあげる」
「そ、そうか……。本当にごめん、それと止めてくれてありがとう」
ちゃんと反省してるみたいだし、
「話は済んだな。思った以上に時間を使ってしまったが、実際にISが飛行する所を見てもらった。では次にISの持つ機能について、3人のISを参考に解説しよう」
とりあえずまだ授業中だし、これ以上授業を止めないようにしておこう。
その後は特に何も起こらなかったから、いつも通り過ごして、明日は特訓だからいつもより早めに寝ることにした。
しっかり寝て、明日に備えないとね!