ゲーマー兄妹の非日常的な日常   作:凛とした猫

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はじまして!りんねこです。
初投稿でうまく仕上がっているとはおもえませんが、よろしければ読んでやって下さい。
ご意見ご感想もお待ちしております!


お尋ね者 ①

人類種最後の国──エルキア王国。王城の執務室。

一人の少女が、山のように積まれた書類を前に頭を抱えて唸っていた。

 

「うぅ〜……納得いきませんわ!」

 

赤い髪に青い瞳をした、由緒正しき家柄の少女、ステファニー・ドーラ。通称ステフは、我慢の限界を迎え机を叩きながら振り返る。

異世界から来たゲーマー兄妹、『 』が国王となってから、国務は全てステフが回している。そして彼らは、ほぼ毎日自室や図書館にこもってゲームか読書をつづけていた。

そのことはいい──いや、よくはないのだが。百歩譲ってそれはいいとしよう。

だが、この状況はなんだ。大量の書類と向かい合い、作業をしているすぐ後ろで空、白、ジブリールの三人でDSPを夢中でやっているこの状況は。

 

「な・ん・で!ここでゲームしてるんですのよ!気が散るからご自分の部屋に行きなさいなぁ!」

 

「いやな、ステフ。俺らの家、消えたから」

空がDSPから目を離すことなく答える。

へ?──と、とんでもなく間抜けた声がステフの口から漏れた。

 

「消えた…んですの?」

 

「ああ、消えた」

 

「…ステフ、聞こえなかっ…た?」

 

さも当たり前のように答える兄と、半眼のまま首を傾げる妹。あまりに二人が自然すぎて自分がおかしいのかと思い、何度か頭の中でリピートしてみる。城内の最低立地に建てた木造の家が消えた。家が消えた。

 

「なんだ、そんなことですの────ってありえるわけ無いでしょお!」

 

「…ありえ、た」

 

「だからそんなわけな…」

 

「ドラちゃん、マスター達が嘘をつくとでも?」

 

「付きますわよ!むしろ嘘とハッタリで生きてるような男ですわよ!」

 

ぜぇぜぇと肩で息をしながら、普段なら絶対に言い返さないジブリールにも多少食い気味で返すステフ。

 

「まぁ、嘘ついてんのは否定しないが。じゃあ見て見た方が早いだろ。一緒にいこうぜ」

 

「……………………でも私には仕事が…」

 

「…休憩、大…事」

 

「うっ………………わ、わかりましたわよ」

 

答えるまでの長過ぎる間、一緒に行くというセリフにステフがときめいたのがわかったのは、白だけだった。

これは休憩であり、別に空と一緒にいたいとかでは絶対にない、とステフは何度も自分に言い聞かせながら立ち上がった。

ずっと椅子に座っていたためか、んっと声を出して伸びをする。体を大きく反ったことで通常の三倍程強調された胸をスマホとタブPCでパシャパシャ撮影する空と白。それらが気にならなくなり始めた自分に危機感を感じ、ステフは深いため息をついた。

 

そして四人は王城の中庭に向かうため、執務室を後にする。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

空と白が最低立地、もとい、最高立地に建てた木造の家───があった場所に着いた4人。

その場にあったはずの建造物は、確かに消えていた。

というか、家があった場所に小規模なクレーターができていた。

 

「はて、これはどういうことでしょう…?」

 

元は家があった場所に着いて、ジブリールが存外落ち着いた感想を漏らす。

 

「いやな、それが全然わからん。魔法の類で消されたなら俺らにはわかんないしな」

 

「ジブリール…わか、る?」

 

息をするように既知を未知に変える兄と、天才すぎる妹でもわからないのに、ステフにわかる訳もなく。ステフはただ呆然とクレーターを眺めることしかできなかった。

 

「い、いえ…魔法の反応はありませんので、魔法の類ではないと思われます。…ですが…」

 

「ん?どうしたジブリール。お前にしては随分歯切れの悪い言い方だが」

 

ジブリールは顎に手を添えて考える。そんな筈がない、と。

確信が持てない以上、マスターに言うべきではないのか。いや、そうではない。彼らならばこの状況を正確に判断できるかもしれない。と瞬時に思考を回転させ、口を開く。

 

「ええと…私以外に天翼種の反応が…あるのでございます」

 

「なっ…!?」

 

ステフが驚きで今にも倒れそうになるのを無視して、ジブリールは続ける。

 

「ですが、反応が微弱で…近くにいる筈なのですが。はて、どういうことでしょう?」

 

人差し指を顎に添えて首を傾げるジブリール。─ジブリールさんマジ天使。

腕を組んで少し考えると、空はなんとも言えない嫌な顔になった。

 

「あー、俺わかったわ」

 

「こくこく…」

 

意味がわからず首を傾げたままのジブリールと、一応意識はあるのか上を向いてぽけーっとしているステフ。

ただこの状況を、兄妹だけが理解していた。

 

「ど、どういうことでしょう」

 

「あ?ジブリール、まだわかんねぇの?」

 

こくっ…と頷くジブリール。ステフも気になるのか、いつの間にか真顔に戻って話を聞いている。

 

「じゃあ、順番に説明するぞ?まず、反応が微弱っていったよな?考えられる理由としては、天翼種に似たなにか、または精霊が使えない、精霊の欠如した天翼種ってところだ。そんで、ジブリールが天翼種を間違えることはないだろうから、恐らく後者だな。」

 

「精霊…使えない、天翼種…一人いる、はず…」

 

そこでジブリールがハッとする。

そう、一人だけ精霊が使えない天翼種がいるではないか。

精霊の使用を禁じられ、人類種並の能力になっている『縛りプレイ』で生きている天翼種が。

 

「おーい、アズリール、いるんだろ?」

 

「出て、くる…の」

 

空がどこに言うでもなくそう言うと。王城の立派な柱の裏から人影が現れた───

 

 

──続く




ノゲが好きすぎて書き始めたものの、以外とキャラがつかめていないなぁって感じでした。
4周くらいしたんですがね…

一応、原作6巻までのネタやキャラを使っていきたいと思っています。

ということで、なんとなくでふわっとした感じになりましたが、このまま続けます。続けちゃいます。
初投稿でまだまだな点も多いですが、読んでいただいた方、ありがとうございました!次回も読んでいただけると幸いです。
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