リリカルなのは ~駆ける怪刃~   作:ロンギヌス

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今年最初の更新です。

ファーストならぬ、セカンドアラート編。

それではどうぞ。


第九話 セカンドアラート

(本当に便利だな、このデカブツ…)

 

隊長陣とリイン、フォワードメンバー、そして一同のサポートに回るようはやてから言われたアヴェル。

 

現在一同はヴァイスが操縦するヘリに乗り、ガジェットが出現という現場まで出撃していた。なのはとフェイトがフォワードの四人に指示を与え、アヴェルは退屈そうに外の景色を覗く。

 

「それじゃ皆! キツい所もあるだろうけど、新しいデバイスもあるんだし、普段のようにいけば大丈夫だから!」

 

「「「はい!」」」

 

「はい…」

 

スバル、ティアナ、エリオは大きい声で返事を返すが、キャロは不安そうに返事をし、手もほんの少し震えている。

 

(…大丈夫かよ本当に)

 

もちろん、アヴェルはそれを見逃してはいない。

 

一同が挑もうとしている任務は、半端な覚悟で挑めば死に至る危険性だってある。おまけにフォワードメンバーの内、エリオとキャロに至ってはまだ十歳の子供。本来なら戦場に出て良いような年齢ではない。

 

(まぁ“あいつ”も、十歳に満たないのに剣持ってはいたけどさ…)

 

「大丈夫だよ」

 

(…んお?)

 

アヴェルがポリポリ頭を掻く中、、なのはが不安そうにしているキャロを落ち着かせていた。

 

「離れていても、通信は繋がってる。一人で挑んでるんじゃないし、ピンチの時は助け合える」

 

なのははキャロの頭を優しく撫でる。

 

「キャロは、皆を助けてあげられる力を持ってる。優しくて強い力だから。ね?」

 

「…はい!!」

 

なのはの励ましに、キャロは力強く返事を返した。

 

(…俺が心配するまでも無いか?)

 

 

アヴェルがその様子を見ていたその時…

 

「…!」

 

僅かに感じ取れる、怪しい気配。

 

「…急いだ方が良さそうだな」

 

アヴェルも急いでハッチに向かう。

 

 

 

 

 

「ヴァイス君、私とフェイトちゃんで空を抑えるから!」

 

「ウッス、頼みますよ隊長殿!!」

 

ヘリのハッチが開き、最初になのはとフェイトがハッチから飛び降りようとするが、そんな彼女達の横をアヴェルが素早く通り過ぎる。

 

「悪い、先に行かせて貰う」

 

「え、ちょ…アヴェルさん!?」

 

驚く二人に目もくれず、アヴェルはそのままハッチを飛び降りる。

 

「あれ? 今のって傭兵の旦那っすか?」

 

「うん、すぐに追いかけないと……レイジングハート!!」

 

「行くよ、バルディッシュ!!」

 

≪≪Set up≫≫

 

なのはとフェイトも即座にバリアジャケットを纏い、空中へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノース!!」

 

「キッ!」

 

マントに擬態していたノースが大きく翼を開き、アヴェルは大きく滑空する。

 

「さっき感じた気配は……ん?」

 

アヴェルの飛んでいる先から、たくさんの何かが飛来する。

 

「「「「「グゲゲゲゲゲ…!!」」」」」

 

カラスもどきのモンスター“グエー”が、大群でアヴェルに向かって襲い掛かる。

 

「まずはグエー、か…」

 

アヴェルはグエーがこちらへ向かって来ているのを眺めながら、ホルスターからクロスボウを抜く。

 

「弾けろ……黒夜叉!!」

 

アヴェルは早速、黒い炎の一撃を放つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ〜む……いきなり、凄まじい状況に置かれていますねぇ…」

 

アヴェルがグエーの群れと対峙する中、現場から少し離れた場所から一人の男が望遠鏡で様子を見ていた。

 

「怪刃さんが戦っている鳥達と言い、昨日見かけたあの亡霊達と言い、一体誰が魔物達を送り込んでいるのでしょうか…」

 

男は首を不思議そうに首を傾げる。

 

「しかし、怪刃さんがいるなら大丈夫でしょう……大丈夫、彼ならきっとやってくれます…」

 

 

 

「そう、信じなさい…」

 

 

 

 

「信じなさい…」

 

 

 

 

 

男は小さく、そして繰り返し呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

なのはとフェイトがガジェットを、アヴェルがグエーの群れを抑えるその一方で、ヘリではフォワードの四人がハッチから飛び立とうとしていた。

 

「さ~て新人共、隊長達と傭兵の旦那がガジェットや怪物共を抑えてるおかげで、無事に降下ポイントまで到着だ。用意は良いか!!」

 

「「「「はい!!」」」」

 

ヴァイスの声にフォワードメンバーは大きく返事を返す。

 

「スターズ3、スバル・ナカジマ」

 

「スターズ4、ティアナ・ランスター」

 

「「行きます!!」」

 

二人は息を合わせてハッチから飛び降り、バリアジェケットを纏う。

 

「次はライトニングだ、気ぃ付けろよチビ共」

 

「「はい!!」」

 

エリオとキャロも飛び立とうとする。しかし、やはり緊張するのか、キャロはその場で固まってしまう。それに気付いたエリオは、キャロに手を差し伸べる。

 

「一緒に降りよう」

 

「…うん!」

 

キャロは頷き、エリオの手を握る。

 

「ライトニング3、エリオ・モンディアル」

 

「ライトニング04、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ」

 

「キュクル~!!」

 

「「…行きます!!」」

 

二人は意を決してヘリから飛び降り、フリードもそれに続いた。

 

 

 

 

 

 

 

「獄炎“一文字”!!」

 

「ギャアアァァ…!?」

 

アヴェルの放つ黒い斬撃で、巨大サイズのグエーが撃墜される。

 

「さて……ん?」

 

アヴェルは何かに気付き、フォワードメンバーが降り立っているであろうリニアの方を向く。

 

「…ちょいとまずいかもな」

 

「「「グゲゲゲゲゲッ!!」」」

 

「チィ…!!」

 

≪Accele Shooter≫

 

「「「ギャァァァ…!?」」」

 

「お?」

 

アヴェルがクロスボウを向けようとした時、突如飛来した複数の魔力弾がグエー達を撃ち落とす。

 

「大丈夫ですか、アヴェルさん!」

 

アヴェルの横になのはが飛んで来た。

 

「さてナノハ、ここは任せても良いか? 俺は今からスバル達の方へ向かう」

 

「え、アヴェルさん!?」

 

アヴェルはグエーの相手をなのはに任せ、素早くリニアへと向かう。

 

「もう……置いてかないで下さいよ…」

 

「「「グゲゲゲゲゲ…!!」」」

 

「んん~……もうっ!!!」

 

なのはは憤慨しつつ、迫り来るグエーを次々と撃ち落としていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、レリックの入ったケースを回収すれば任務完了です!」

 

リインとスバル、ティアナの三人は、レリックを回収すべくリニアまで到達していた。

 

「でも油断はいけませんよ、いつ何処から敵が現れるか分かりませんから!」

 

「はい!」

 

「はい……あれ?」

 

スバルはある事に気付く。

 

「あのぅ~…」

 

「何?」

 

「…あれ」

 

スバルの指差す方向に…

 

 

-フワリ…フワリ…-

 

 

何故かレリックの入ったケースが、空中に浮きながら何処かへ行ってしまおうとしていた。

 

「…レリックのケース、飛んじゃってるんだけど」

 

「わぁ~本当ですぅ~…」

 

「へぇ~凄いわねぇ~…」

 

 

 

 

 

 

 

「―――って、違ぁぁぁぁぁぁぁぁう!! 何でケースが浮いてんのよぉぉぉぉぉっ!!?」

 

「「あぁ、確かに!?」」

 

ティアナの大声での突っ込みに、スバルとリインもハッと我に返る。

 

((((ケケケケェ~…♪))))

 

実はこのケース、赤、青、緑、紫の幽霊達によって運ばれていたのだ。四体は透明の状態で運んでいた為に、三人から見ればケースが勝手に何処かへ飛んで行ってるようにしか見えないのである。

 

「と、とにかく、追いかけるですぅ~!!」

 

「スバル!!」

 

「了解!!」

 

三人は慌てて、幽霊達に運ばれているケースを追いかけ始める。

 

そこへ…

 

 

 

 

「―――オンドリャァァァァァァァッ!!!」

 

-ドカァァァァンッ!!-

 

((((ケケェッ!!?))))

 

高速で飛んできたアヴェルが、その勢いでケースを蹴り飛ばしてしまった。そのままケースはリニアまで逆戻りするのと…

 

「「「何してんですかアヴェルさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!?」」」

 

リイン達の突っ込みが炸裂するのはほぼ同時だった。

 

 




アヴェルさん、なのはさんを置いてった上に、レリックの入ったケース蹴り飛ばしちゃ駄目でしょうがww

さて、レリックを巡るこの戦い。アヴェルが滞在中の六課側か、ダークリンクの従えるモンスター側か、果たして勝つのはどっち?

感想お待ちしてま~す。
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