ファーストならぬ、セカンドアラート編。
それではどうぞ。
(本当に便利だな、このデカブツ…)
隊長陣とリイン、フォワードメンバー、そして一同のサポートに回るようはやてから言われたアヴェル。
現在一同はヴァイスが操縦するヘリに乗り、ガジェットが出現という現場まで出撃していた。なのはとフェイトがフォワードの四人に指示を与え、アヴェルは退屈そうに外の景色を覗く。
「それじゃ皆! キツい所もあるだろうけど、新しいデバイスもあるんだし、普段のようにいけば大丈夫だから!」
「「「はい!」」」
「はい…」
スバル、ティアナ、エリオは大きい声で返事を返すが、キャロは不安そうに返事をし、手もほんの少し震えている。
(…大丈夫かよ本当に)
もちろん、アヴェルはそれを見逃してはいない。
一同が挑もうとしている任務は、半端な覚悟で挑めば死に至る危険性だってある。おまけにフォワードメンバーの内、エリオとキャロに至ってはまだ十歳の子供。本来なら戦場に出て良いような年齢ではない。
(まぁ“あいつ”も、十歳に満たないのに剣持ってはいたけどさ…)
「大丈夫だよ」
(…んお?)
アヴェルがポリポリ頭を掻く中、、なのはが不安そうにしているキャロを落ち着かせていた。
「離れていても、通信は繋がってる。一人で挑んでるんじゃないし、ピンチの時は助け合える」
なのははキャロの頭を優しく撫でる。
「キャロは、皆を助けてあげられる力を持ってる。優しくて強い力だから。ね?」
「…はい!!」
なのはの励ましに、キャロは力強く返事を返した。
(…俺が心配するまでも無いか?)
アヴェルがその様子を見ていたその時…
「…!」
僅かに感じ取れる、怪しい気配。
「…急いだ方が良さそうだな」
アヴェルも急いでハッチに向かう。
「ヴァイス君、私とフェイトちゃんで空を抑えるから!」
「ウッス、頼みますよ隊長殿!!」
ヘリのハッチが開き、最初になのはとフェイトがハッチから飛び降りようとするが、そんな彼女達の横をアヴェルが素早く通り過ぎる。
「悪い、先に行かせて貰う」
「え、ちょ…アヴェルさん!?」
驚く二人に目もくれず、アヴェルはそのままハッチを飛び降りる。
「あれ? 今のって傭兵の旦那っすか?」
「うん、すぐに追いかけないと……レイジングハート!!」
「行くよ、バルディッシュ!!」
≪≪Set up≫≫
なのはとフェイトも即座にバリアジャケットを纏い、空中へと飛び立った。
「ノース!!」
「キッ!」
マントに擬態していたノースが大きく翼を開き、アヴェルは大きく滑空する。
「さっき感じた気配は……ん?」
アヴェルの飛んでいる先から、たくさんの何かが飛来する。
「「「「「グゲゲゲゲゲ…!!」」」」」
カラスもどきのモンスター“グエー”が、大群でアヴェルに向かって襲い掛かる。
「まずはグエー、か…」
アヴェルはグエーがこちらへ向かって来ているのを眺めながら、ホルスターからクロスボウを抜く。
「弾けろ……黒夜叉!!」
アヴェルは早速、黒い炎の一撃を放つのだった。
「ふ〜む……いきなり、凄まじい状況に置かれていますねぇ…」
アヴェルがグエーの群れと対峙する中、現場から少し離れた場所から一人の男が望遠鏡で様子を見ていた。
「怪刃さんが戦っている鳥達と言い、昨日見かけたあの亡霊達と言い、一体誰が魔物達を送り込んでいるのでしょうか…」
男は首を不思議そうに首を傾げる。
「しかし、怪刃さんがいるなら大丈夫でしょう……大丈夫、彼ならきっとやってくれます…」
「そう、信じなさい…」
「信じなさい…」
男は小さく、そして繰り返し呟くのだった。
なのはとフェイトがガジェットを、アヴェルがグエーの群れを抑えるその一方で、ヘリではフォワードの四人がハッチから飛び立とうとしていた。
「さ~て新人共、隊長達と傭兵の旦那がガジェットや怪物共を抑えてるおかげで、無事に降下ポイントまで到着だ。用意は良いか!!」
「「「「はい!!」」」」
ヴァイスの声にフォワードメンバーは大きく返事を返す。
「スターズ3、スバル・ナカジマ」
「スターズ4、ティアナ・ランスター」
「「行きます!!」」
二人は息を合わせてハッチから飛び降り、バリアジェケットを纏う。
「次はライトニングだ、気ぃ付けろよチビ共」
「「はい!!」」
エリオとキャロも飛び立とうとする。しかし、やはり緊張するのか、キャロはその場で固まってしまう。それに気付いたエリオは、キャロに手を差し伸べる。
「一緒に降りよう」
「…うん!」
キャロは頷き、エリオの手を握る。
「ライトニング3、エリオ・モンディアル」
「ライトニング04、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ」
「キュクル~!!」
「「…行きます!!」」
二人は意を決してヘリから飛び降り、フリードもそれに続いた。
「獄炎“一文字”!!」
「ギャアアァァ…!?」
アヴェルの放つ黒い斬撃で、巨大サイズのグエーが撃墜される。
「さて……ん?」
アヴェルは何かに気付き、フォワードメンバーが降り立っているであろうリニアの方を向く。
「…ちょいとまずいかもな」
「「「グゲゲゲゲゲッ!!」」」
「チィ…!!」
≪Accele Shooter≫
「「「ギャァァァ…!?」」」
「お?」
アヴェルがクロスボウを向けようとした時、突如飛来した複数の魔力弾がグエー達を撃ち落とす。
「大丈夫ですか、アヴェルさん!」
アヴェルの横になのはが飛んで来た。
「さてナノハ、ここは任せても良いか? 俺は今からスバル達の方へ向かう」
「え、アヴェルさん!?」
アヴェルはグエーの相手をなのはに任せ、素早くリニアへと向かう。
「もう……置いてかないで下さいよ…」
「「「グゲゲゲゲゲ…!!」」」
「んん~……もうっ!!!」
なのはは憤慨しつつ、迫り来るグエーを次々と撃ち落としていく。
「さて、レリックの入ったケースを回収すれば任務完了です!」
リインとスバル、ティアナの三人は、レリックを回収すべくリニアまで到達していた。
「でも油断はいけませんよ、いつ何処から敵が現れるか分かりませんから!」
「はい!」
「はい……あれ?」
スバルはある事に気付く。
「あのぅ~…」
「何?」
「…あれ」
スバルの指差す方向に…
-フワリ…フワリ…-
何故かレリックの入ったケースが、空中に浮きながら何処かへ行ってしまおうとしていた。
「…レリックのケース、飛んじゃってるんだけど」
「わぁ~本当ですぅ~…」
「へぇ~凄いわねぇ~…」
「―――って、違ぁぁぁぁぁぁぁぁう!! 何でケースが浮いてんのよぉぉぉぉぉっ!!?」
「「あぁ、確かに!?」」
ティアナの大声での突っ込みに、スバルとリインもハッと我に返る。
((((ケケケケェ~…♪))))
実はこのケース、赤、青、緑、紫の幽霊達によって運ばれていたのだ。四体は透明の状態で運んでいた為に、三人から見ればケースが勝手に何処かへ飛んで行ってるようにしか見えないのである。
「と、とにかく、追いかけるですぅ~!!」
「スバル!!」
「了解!!」
三人は慌てて、幽霊達に運ばれているケースを追いかけ始める。
そこへ…
「―――オンドリャァァァァァァァッ!!!」
-ドカァァァァンッ!!-
((((ケケェッ!!?))))
高速で飛んできたアヴェルが、その勢いでケースを蹴り飛ばしてしまった。そのままケースはリニアまで逆戻りするのと…
「「「何してんですかアヴェルさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!?」」」
リイン達の突っ込みが炸裂するのはほぼ同時だった。
アヴェルさん、なのはさんを置いてった上に、レリックの入ったケース蹴り飛ばしちゃ駄目でしょうがww
さて、レリックを巡るこの戦い。アヴェルが滞在中の六課側か、ダークリンクの従えるモンスター側か、果たして勝つのはどっち?
感想お待ちしてま~す。