リリカルなのは ~駆ける怪刃~   作:ロンギヌス

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はい、十二話目です。

それではどうぞ。


第十二話 派遣任務

セカンドアラートから何日か経ち、時間帯は午前。

 

現在、アヴェルは何してるかと言うと…

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃぁぁぁぁぁっ!!」

 

「隙だらけだ」

 

-ガンッ-

 

「あぅ!?」

 

「はぁぁぁぁっ!!」

 

「脇が甘い」

 

-ビシッ-

 

「うわっ!?」

 

シグナムやヴィータに頼まれていた通り、訓練場にてフォワードの訓練に付き合っていた。時間内に一発でもアヴェルに攻撃を当てる事が出来ればOKというルールだが、開始からまだ一度も攻撃は当たっておらず、回避されては後頭部に拳骨やチョップを炸裂させられている。ちなみに、フォワードを相手にする場合は流石に危ないので、武器は使わずにどの攻撃も全て素手で対応している。

 

「ほらほらどうした、まだ攻撃が一度も当たってねぇぞ」

 

「うぅ~…全然当たらないよぉ…」

 

「もう、全然隙が無いじゃない!!」

 

「つ、疲れてきた…」

 

「フリ~ドォ、大丈夫ぅ~~…?」

 

「キュ、クルゥ~…」

 

フォワードメンバーは疲れの所為で動きが鈍くなってしまっており、もはやアヴェルに接近して攻撃する事さえも難しい状況になっていた。

 

「時間はあと一分。時間内に一発でも攻撃を当てられなかった場合、ボムチュウ鬼ごっこの刑にしてやるからな~」

 

「「「「鬼ィィィィィィィィィッ!!?」」」」

 

四人は涙目で絶叫する。

 

「凄いねアヴェルさん。今までの攻撃を全部避けちゃってるよ」

 

「そして分かってるのが、あいつも思ってた以上にスパルタだったって事だな…」

 

離れた場所で、なのはとヴィータは苦笑いしながら訓練の様子を見ていた。

 

「まぁでも、アヴェルさんの訓練内容も中々だよね。ただ攻めるだけでは絶対にクリア出来ないようにしてる。チームワークが重要だって事がよく分かるよ」

 

「あとはチビ共がそれに気付くかどうかだな。ティアナは割と早く気付きそうだが」

 

なのはとヴィータは引き続き、訓練の様子を見届ける事にした。

 

「はい時間切れ~、ボムチュウ鬼ごっこの刑な」

 

「「「「すいません勘弁して下さい!?」」」」

 

「文句を言っても無駄だ。という訳で一発目のボムチュウ、発射~」

 

「「「「ヒィィィィィィィィィィィィィィッ!!?」」」」

 

どうやら時間切れになってしまったようで、またしても四人の悲鳴が響き渡る事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ~し、ひとまず休憩にしてやる」

 

「「「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ…」」」

 

「や、やっと終わった…」

 

ようやく休憩となり、ボロボロ状態のスバル達は全員地面に大の字で倒れていた。

 

「ほれ、水だ」

 

「「「「あ、ありがとうございます…」」」」

 

アヴェルは予めなのは達に用意して貰っていたペットボトルの水を四人に投げ渡し、四人は水をゴクゴクと凄い勢いで飲んでいく。

 

「午前中のはこれで終わりだ。ただし午後は更に厳しくするつもりでいるから、やるならやるで覚悟決めとけよ」

 

「「「「えぇぇぇ…」」」」

 

アヴェルの言い放つ残酷な一言に、四人は絶望したかのような表情になる。

 

「あぁ~…その事なんですけど」

 

なのはがアヴェル達の下までやって来る。

 

「今日の午後の訓練、中止にさせて貰っても良いですか? 今、はやてちゃんから次の任務について説明する為の召集があって」

 

「ん、そうなのか? なら仕方ない」

 

((((た、助かった…))))

 

それを聞いたスバル達は内心ホッとする。

 

「まぁ、次の訓練の時に厳しくしてやりゃ良いだけの話か。ボムチュウ鬼ごっこの刑に、地獄の火炎弾フルコースの刑も加えて」

 

((((駄目だったぁぁぁぁぁ…!!!))))

 

アヴェルの非情な一言を聞いて、今の自分等に逃げ道は無い事を悟るスバル達であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「派遣任務?」」」

 

「そや」

 

部隊長室に集まったなのはとフェイト、そしてアヴェルの三人(また喧嘩になる可能性がある為、ノースは欠席)。はやてから次の任務について説明を受けていた。

 

「上から指令か来てな。私等で別世界まで向かう事になったんや」

 

「別世界、ねぇ…」

 

「何や、やる気無さそうな顔しとるな」

 

「別世界とは言っても、どうせ俺のいた世界じゃないんだろ? それなのにやる気なんていちいち出ねぇよ」

 

「命令は命令や、諦めて言う事聞きぃ」

 

「はいはい。それで、どういう世界なんだ?」

 

「そう、その世界の事なんやけど。なのはちゃんとフェイトちゃんは知っとる筈やで」

 

「何処なの?」

 

「ふっふ~ん、聞いたら驚くでぇ」

 

はやてはわざと間を空けて言う。

 

「今回、私等が向かう世界はなんと…………第97管理外世界、地球の海鳴市や!!」

 

「「えぇっ!?」」

 

「いや何処だよ」

 

素直に驚くなのはとフェイト。当然聞いても分かる訳が無いアヴェル。やはり取る反応は違っている。

 

「…まぁ、アヴェルさんはやっぱ分からへんやろな」

 

「分かる訳無ぇだろ。ただでさえこの世界についても分からない事だらけなのに」

 

「そういや、ヘリコプターですら知らんのやったな。全く、どれだけファンタジーな世界に住んどるんやアヴェルさんは…」

 

「?」

 

はやては台詞の最後辺りが小声になり、アヴェルは頭にクエスチョンマークを浮かべる。

 

「とにかく、私等はその地球へロストロギアの回収に向かわなあかんのやけど、その事で一つ問題があるんや」

 

「問題?」

 

「そう……それはアヴェルさん、あんたの服装や!」

 

はやてはビシッとアヴェルを指差す。

 

「何だよ、俺の服装に文句でもあんのか?」

 

「文句大有りや。今から向かう世界は、戦いとは無縁の世界。そんな傭兵らしさプンプンの格好で向かったら、間違い無く不審者扱いされるで」

 

そう、アヴェルの服装に問題があるのだ。肩の防具や胸当て、両手のグローブ、そして腰にぶら下げている大剣とクロスボウ。傭兵らしい特徴バリバリである。そんな状態で街中を歩けば怪しまれるのは当たり前な上に、銃刀法違反で確実に捕まってしまう。

 

「なら、どうすりゃ良いんだよ」

 

「そこでや、今からアヴェルさんには違う服に着替えて貰うで。あと、今回は持っている武器も全て没収や。アヴェルさんの事や、どうせ素手でも戦えるんやろ?」

 

「はぁ……分かったよ。着替えりゃ良いんだろ着替えりゃ」

 

溜め息をつき、アヴェルは渋々了承する。

 

「あ、ちなみに服のコーディネートについては…」

 

「この私に任せてね♪」

 

いつの間にか、アヴェルの背後にはシャマルが立っていた。彼女の手にはたくさんの服が入った箱があり、彼女も物凄くウキウキした表情である。

 

「…拒否権は」

 

「あると思っとるん?」

 

はやても両手をワキワキさせている。

 

「……」

 

「「すいません、アヴェルさん…」」

 

目が合ったなのはとフェイトは何故か謝罪。

 

今のアヴェルに、味方は誰一人としていないのである。

 

「…はぁ、めんどくさい」

 

諦めたアヴェルは、再度溜め息をつくのであった。

 

 




ちなみに、↓はボムチュウ鬼ごっこの刑の内容です。

1:地面を走る大量のボムチュウから、ただひたすら逃げ回る

2:中には追尾性能を持ったボムチュウもある

3:飛んで逃げるのは禁止

4:火薬量自体は控えめ(ただし連鎖で爆発すると色々大変)

頑張れ四人共、こんなのはまだまだ序の口だ!(ぇ

そして肝心のアヴェルは、はやてとシャマルのタッグによってお着替えタイムに付き合わされる羽目に。

全く、お着替えタイムならヴィータやリインを使って楽しめば良いのに←
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