リリカルなのは ~駆ける怪刃~   作:ロンギヌス

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第二話です。

それではどうぞ。


第二話 邂逅

時空管理局、機動六課にて。

 

「「―――妙な怪物?」」

 

「そや」

 

ここの部隊長室に、三人の女性がいた。

 

機動六課の部隊長である八神はやて。

 

戦技教導官で『エースオブエース』でもある高町なのは。

 

執務官を務めているフェイト・T・ハラオウン。

 

彼女達は今、ある事件の事について話していた。

 

「ここ最近、ガジェット以外にも何やら変なのが出てくるようになってな。民間人からの目撃情報がいくつも出てるんや」

 

部屋のモニターには、ガジェットと呼ばれる機械だけでなく、あのスタルチュラの姿も写っていた。その他にも、右手だけのモンスターや四速歩行のカニみたいなモンスター、頭がオレンジ色をしたカラスのようなモンスターの姿も写っている。

 

「今の所、発見すると同時にすぐ退治されてるから、まだこれと言った被害は出とらん。せやけど、いつ厄介な怪物が出てくるか分からへん。二人も十分注意してな」

 

「うん、分か……ッ!!」

 

なのはとフェイトが頷こうとしたその時、突然アラームが鳴り響く。

 

アラームが鳴り響くという事は、ガジェットあるいはモンスターが出たという事だ。

 

「またガジェット!? それとも…」

 

「とにかく、早く行こうなのは!!」

 

「二人共、気をつけてな!!」

 

なのはとフェイトは部隊長室を出た後、すぐさま現場へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首都クラナガン。

 

『ピピピ…』

 

カプセル型の形をした機械、ガジェットが動いていた。

 

-グシャアッ!!-

 

そのガジェットを、謎の巨大な足が踏み潰す。

 

「ギシャァァァッ!!」

 

硬い甲羅、その上部に生えた二本の鋏、オレンジ色の一つ目。

 

“甲殻寄生獣ゴーマ”が、踏み潰したガジェットを踏み台に高く吼える。

 

『……』

 

そのゴーマを、隠れて監視する一人の影。しかし数秒後、影はすぐに路地裏へと姿を消す。

 

-ドシュウッ!!-

 

「ギシャ?」

 

吼えていたゴーマに魔力弾が直撃する。しかしゴーマは全くダメージを受けていない。

 

「ねぇティア、何だろうこの怪物!?」

 

「私が知る訳無いでしょ、馬鹿スバル!!」

 

ゴーマの前に、青髪のボーイッシュな少女とオレンジ髪でツインテールの少女の二人が駆けつける。

 

青髪の方はスバル・ナカジマ、オレンジ髪の方はティアナ・ランスター。どちらも、機動六課に所属している魔導師である。

 

「ギシャァァァァァッ!!!」

 

攻撃されたのが気に入らなかったのか、ゴーマは二人に向かって突進する。

 

「うわぁぁぁこっち来たぁぁぁぁぁっ!?」

 

「スバル、かわして!!」

 

二人はゴーマの突進を横に回避し、ティアナは拳銃型デバイスのクロスミラージュから魔力弾をゴーマに向かって発射する。やはりダメージは無いのか、ゴーマは建物の壁によじ登る。しかしゴーマは途中で登るのをやめ、動かなくなる。

 

「ギシャァァァ…!!」

 

そして壁に登ったまま、ゴーマは地面にいくつかの卵を産み落とし始めた。

 

「あれって、卵…?」

 

「スバル、油断しないで!!」

 

ティアナが注意した時、産み落とされた卵が一斉に割れ、中から幼生ゴーマが出現する。

 

「ギシャアッ!!」

 

「おぉっすごい、もう産まれてきた!?」

 

「そこ、関心しない!!」

 

スバルの天然な発言にティアナが突っ込み、跳びかかって来る幼生ゴーマを撃ち落としていく。

 

「えぇっと…ごめんね、せっかく産まれてきたのに!」

 

そう言いつつ、スバルも襲って来た幼生ゴーマを一体ずつ殴り飛ばしていく。

 

「クロスファイア……シュートッ!!」

 

ティアナが放つ魔力弾で、最後の一体も撃破。幼生ゴーマを全滅させる。

 

「もう、一体何なのよこいつ等…」

 

「ティア、危ない!!」

 

「え…がっ!?」

 

「ギシャァァァァァッ!!」

 

ティアナがスバルの声を聞いて振り返った瞬間、いつの間にか後ろにいたゴーマが鋏を振るい、ティアナを殴り飛ばす。ティアナはそのまま建物の壁に叩きつけられ、気絶してしまう。

 

「ティア…きゃあっ!?」

 

駆け寄ろうとしたスバルだが、ゴーマに足で押さえつけられてしまう。

 

「ギシャァァ…!!」

 

ゴーマは目の色がオレンジ色から赤色になり、ギロリとスバルを睨みつける。

 

(こ、殺される!!)

 

「やだ、やだ…!!」

 

恐怖を感じたスバルは涙目になり、何とかして抜け出そうとする。しかしゴーマの押さえる力の方が強過ぎて、なかなか抜け出せない。

 

ティアナは今も気絶したまま。正に絶体絶命だ。

 

「ギシャァァァァッ!!!」

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

そしてゴーマが鋏を振り上げ、スバルに向かって振り下ろす。

 

スバルが悲鳴を上げる。

 

その時だった。スバルの耳に…

 

 

 

 

 

 

 

「弾けろ、黒夜叉」

 

 

 

 

 

 

 

そんな言葉が聞こえてきたのは。

 

「ギシャァァァァッ!?」

 

突如飛んできた黒い炎の矢がゴーマに命中、ゴーマは大きく吹き飛ばされる。

 

「え?」

 

突然の出来事に、スバルは呆然となる。

 

「全く…こんな訳の分からん街にまで、魔物が出てくるとはな」

 

そんなスバルの下に、クロスボウを構えた黒髪の青年が歩み寄る。

 

「お前、怪我は?」

 

「え、あ……大丈夫です」

 

「…そうか」

 

それだけ言ってから、青年は落ちていた手の平サイズの瓦礫を拾い、ゴーマの方に振り返る。

 

「ギシャァァァ…!!」

 

完全に機嫌を悪くしたのか、ゴーマは赤い目で青年を睨みつける。

 

「ゴーマ、ねぇ。こんな奴には」

 

「ギシャァァァァァァッ!!」

 

ゴーマが青年に鋏を振るい…

 

「…矢は勿体無かったな」

 

青年はその攻撃を回避。そしてゴーマの目に向かって瓦礫を投げつける。

 

「ギィッ、ギシャァァァァッ!!?」

 

予想外の攻撃に、ゴーマはのた打ち回る。

 

「目潰し。卑怯ではあるが、殺し合いでは立派な戦法だ」

 

青年はクロスボウをホルスターに納め、左腰の鞘から大剣を抜く。

 

「さて、これで…」

 

青年はゴーマの目に狙いを定め…

 

 

 

 

-ザシュッ-

 

 

 

 

「終わりだ」

 

「ギ、シャァ…」

 

一閃する。

 

目を縦に斬られたゴーマはその場に崩れ落ちる。

 

「弾けろ」

 

そして青年が大剣を鞘に納めた直後に、ゴーマは青白い炎と共に消滅するのだった。

 

 

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