リリカルなのは ~駆ける怪刃~   作:ロンギヌス

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二十三話目、投降しました。

なんか最初に予定してたのより、アヴェルの介入が少ねぇ…。

まぁ良いや、取り敢えずどうぞ。


第二十三話 すれ違い

例の模擬戦から時間が経ち…

 

「―――ん、ん」

 

医務室にて、気絶したティアナが目を覚ます。

 

「ここは…」

 

「あ、起きた?」

 

シャマルが覗き込む。

 

「シャマル先生…」

 

「私もびっくりしたわよ。いきなりここまで運ばれて来たんだもの………模擬戦で撃墜された事、覚えてるかしら?」

 

「…はい」

 

ティアナの暗い表情は晴れない。

 

「なのはちゃんの訓練用魔力弾だから、ダメージは残ってないわ。でもだからって、また無茶をしないようにね」

 

「…分かりました」

 

ティアナは制服に着替え終え、ベッドから立ち上がる。

 

「あ、それから」

 

「え?」

 

医務室を出ようとしたティアナをシャマルが呼び止める。

 

「模擬戦の後、アヴェルさんがあなたをここまで運んで来たの。アヴェルさんにもちゃんと、お礼を言いに行きなさいね」

 

「…はい」

 

ティアナはシャマルに一礼した後、医務室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

一方、男子寮…

 

「あ~、美味い…」

 

現在、アヴェルはベッドに座ってコーヒーを飲んでいるところだった。ノースは天井にぶら下がりながら、ヴァルはアヴェルの隣で丸まって眠っている。

 

 

『私達……一体、どうしたら良かったんですか?』

 

 

「…あんな顔を俺にされてもねぇ」

 

ティアナを運ぶ際に見たスバルの泣き顔が、アヴェルの脳裏に思い浮かぶ。

 

(正直、俺にはどうしようも無いんだよな)

 

アヴェルがコーヒーを一気に飲み干したその時…

 

 

-ビィィィィ! ビィィィィ!-

 

 

「!?」

 

突如、警報が鳴り響く。

 

「…やれやれ。ノース、ヴァル、起きろ!」

 

「キキッ?」

 

「クワァ~…?」

 

ノースは蝙蝠である為なのかすぐに起きるも、ヴァルは眠たそうに起き上がる。

 

アヴェルはノースが擬態したマントを纏い、ヴァルを頭に乗せて部屋を出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダ海上にてモンスターの出現を察知した一同は、ヘリポートへと集まる。

 

「今回は私とフェイト隊長、ヴィータ副隊長、そしてアヴェルさんの四人で出るから」

 

「フォワードの皆は、シグナム副隊長と一緒にロビーで待機ね」

 

「「「はい!!」」」

 

「…はい」

 

スバル、エリオ、キャロの三人は返事を返すが、ティアナだけは低い声で返す。

 

「それから……ティアナは、出動待機から外れとこうか」

 

「…ッ!!」

 

なのはがそう言い渡すも、ティアナは納得がいかない様子を見せる。

 

「まだ、体力も魔力もベストじゃないだろうし…」

 

「言う事を聞かない奴は使えないって事ですか」

 

なのはの言葉をティアナが遮る。

 

ティアナの反抗するかのような言い方に、なのはも溜め息をつく。

 

「自分で言ってて分からない? 当たり前の事だよ、それ」

 

「現場での指示や命令はちゃんと聞いてます。訓練だってサボらずにやってます。なのに……それ以外での努力だって、言われた通りじゃないと駄目なんですか…?」

 

それを聞いたヴィータが前に出ようとするが、なのはが手で制する。

 

「私はなのはさん達みたいにエリートじゃないし、アヴェルさんみたいに強くもない!! スバルやエリオみたいな才能も無いし、キャロみたいなレアスキルだって無い!! 少しくらい無茶しなくちゃ、死ぬ気でやらなくちゃ、強くなんてなれないじゃないですか!!!」

 

ティアナがそう言った直後…

 

-バキィッ!!-

 

「ッ!?」

 

シグナムがティアナの胸倉を掴み、彼女の頬を思いきり殴った。殴られたティアナはその場に倒れる。

 

「ティアッ!!」

 

「安心しろ。加減はしてるっぽいから」

 

アヴェルにはシグナムが加減してる事が分かったらしい。

 

倒れたティアナをスバルが抱え起こす。

 

「駄々を捏ねるだけの馬鹿は、付き合ってやるからなまじ付け上がる……ヴァイス、出られるな?」

 

「乗り込んでくれりゃ、いつでも!」

 

ヘリのコックピットに乗り込むヴァイス。それに続いてフェイトとヴィータも乗り込む。

 

「ティアナ! 思いつめちゃってるけど、あとでゆっくり話そうね!」

 

「だから付き合うなっての!!」

 

ティアナに声をかけるなのはを、ヴィータが無理やりヘリまで引っ張り込む。

 

「やれやれ……ヴァル」

 

「クワ?」

 

アヴェルは呆れ顔になりながらも、頭の上に乗ってるヴァルに呼びかける。

 

「ティアナ達についててやれ。お前がいる方が、あいつ等にとっても慰めになるかもしれんしな」

 

「…クワッ!」

 

ヴァルは「了解!」とでも言うかのように前足で敬礼のポーズを取り、アヴェルの頭から降りてフォワードメンバーの方へ走っていく。

 

「…さて、行くとするかね。ノース!」

 

「キキィッ!」

 

マントに擬態しているノースが翼を出現させ、アヴェルは上空へと飛び立つ。

 

 

 

 

「…さて。目障りだ、いつまでも甘ったれてないで、さっさと部屋へ戻れ」

 

アヴェル達が飛び立つのを見送った後、シグナムはティアナを睨みつける。

 

「シグナム副隊長、その辺にした方が…」

 

「スバルさん、取り敢えずロビーに…」

 

「シグナム副隊長」

 

エリオとキャロがフォローに回ろうとするが、スバルが立ち上がってシグナムと向き合う。

 

「確かに、命令違反は駄目だし、さっきのティアナの言い方や、それを止められなかった私も駄目だったと思います。だけど……自分なりに強くなろうとする事や、きつくても何とか頑張ろうとする事って、そんなにいけないんでしょうか!?」

 

シグナムの睨む目が更に強くなる。

 

「自分なりの努力って、そんなにやってはいけない事なんでしょうか!?」

 

「自主練は良い事だし、強くなろうとするのも良い事だと思うよ」

 

スバル達の前に、ロングアーチ通信士のシャリオ・フィニーノ(以下シャーリー)がやって来た。

 

「シャーリーさん…?」

 

「なんかもう、皆が不器用過ぎるのが見てられなくて……ちょっと、ロビーに集まって。私から、色々説明してあげるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、出動したアヴェル達は…

 

「おうおう、何か色々と揃いやがって…」

 

「「「「グワワワワワッ!!」」」」

 

『フハハハハハハハ…!!』

 

海上にて、赤い炎を纏った複数の“赤バブル”や、人の姿をした炎のモンスター“フレアダンサー”と対峙していた。

 

「何だ、あの数…!?」

 

ヘリから見ていたヴィータ達は、かなりの数に思わず息を呑む。

 

「一体一体、確実に落とそう!! 私が後方から火砲支援を…」

 

「いや、必要無い。俺が一人で全部潰す」

 

「「「…へ?」」」

 

アヴェルの一言に、三人は呆気に取られる。

 

「いやオイッ!? いくら何でも無茶だろ、一人でこの数じゃ!!」

 

「そ、そうですよ!! せめてサポートくらいは…」

 

「この中で、あいつ等の対処法を詳しく知ってるのは俺だけだ。安心しろ、ちゃっちゃと終わらせてやるから」

 

「だけど…!!」

 

「ナノハ」

 

アヴェルはなのはの方に振り向く。

 

「ティアナと話、しなくちゃいけないんだろ?」

 

「え…」

 

「だから待ってろ。俺が速効で、ケリつけて来てやる」

 

そう言って、アヴェルはモンスター達の下へと滑空する。

 

 

 

 

 

『フハハハハハ…!!』

 

「「「「グワワワワワワワッ!!」」」」

 

フレアダンサーは高速で回転して巨大な炎の竜巻を出現させ、赤バブルの集団はアヴェルに向かって突撃する。

 

「俺には、あいつ等の喧嘩に割って入るような偉い権限はありはしない……だが」

 

アヴェルは空中で止まり、左手で剣を構える。

 

「さっさとお前等を仕留める事で……あいつ等の話す時間を、長く作る事くらいは出来る」

 

アヴェルは右手の指で、三の数字を示す。

 

「三分だ。一気にカタをつける」

 

三分。

 

アヴェルにとって、モンスターを仕留めるのには充分な時間だった。

 

「さぁ…弾けろ!!!」

 

アヴェルの剣が、黒い炎に包まれた。

 

 




さて、多分次回くらいで仲直り出来るでしょう。

次回もお楽しみに。
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