リリカルなのは ~駆ける怪刃~   作:ロンギヌス

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二十四話、更新です。

ではど~ぞ。


第二十四話 教導の意味

「グワワァッ!?」

 

赤バブルが一刀両断される。

 

「獄炎“飛鳥”!!」

 

「「「ガガガァ…!?」」」

 

更に複数の黒炎の鳥を飛来させ、赤バブル達に命中。次々と撃墜していく。

 

「どうした、この程度か?」

 

「「「…グワワワァッ!!!」」」

 

アヴェルが指で挑発し、数体の赤バブルが怒って突撃する。

 

「…馬鹿が」

 

そう言って、アヴェルの右手から放り出されたのは…

 

 

 

爆発寸前のボムチュウだった。

 

「グワッ!?」

 

一体の赤バブルがそれに気付くが、もう遅い。

 

-ドゴォォォォォォンッ!!!-

 

「「「グワワワワァァァァァァッ!!?」」」

 

赤バブルが炎を纏っていたのもあって、大爆発が引き起こされる。

 

「こういう使い方もあるって事だ」

 

『フハハハハハッ!!!』

 

バラバラに崩れ落ちていくバブルの残骸を見て、フレアダンサーも更に回転のスピードを上げ、炎の竜巻を強大化させる。

 

「回るだけとは……能の無い奴が」

 

アヴェルの剣が、黒色に染まる。

 

「獄炎……“烈風”!!!」

 

-ゴォォォォォォォォォォォォォッ!!-

 

『ヌワァァァァァッ!!?』

 

「「「ガガガァァァァァッ!?」」」

 

アヴェルが剣を振るう事で巨大な突風が発生し、フレアダンサーや赤バブル達の炎が全て吹き飛ばされる。

 

「「「カカカカカカッ」」」

 

『ヌ…ヌワァッ!?』

 

炎が消えた事でバブル達は何も出来ずに飛び回り、フレアダンサーは黒い体の本体が出現、下へと落下していく。

 

「弾けろ」

 

アヴェルの右手にクロスボウが構えられ、矢先に魔力が集中する。

 

「黒夜叉ッ!!」

 

-ドドドォンッ!!-

 

「「「グワァァァッ!!?」」」

 

三連続で黒炎の矢が発射され、赤バブル達が撃ち抜かれ全滅する。

 

『ヌワァ…!!』

 

フレアダンサーの本体は海面を走り、その場から逃げ出そうとする。

 

「逃がすか」

 

『ヌワッ!?』

 

しかしアヴェルに先回りされ、それも叶わなくなる。

 

「黒夜叉」

 

クロスボウが向けられる。

 

フレアダンサーの本体がそれを見てUターンしようとするのと…

 

「―――極楽鳥ッ!!!」

 

-ズドォォォォォォンッ!!!-

 

『ヌワァァァァァァァァァァッ!!?』

 

黒い炎の鳥がゼロ距離で発射されるのは、ほぼ同時だった。

 

「…一丁上がり」

 

アヴェルのホルスターに、クロスボウが納められた。

 

 

 

 

 

「嘘だろ…」

 

「す、凄い…」

 

「本当に一人で倒しちゃった…」

 

なのは達三人は、アヴェルが一人でモンスターを全滅させた事に驚愕する。

 

「ま、マジかよ…!?」

 

「ん、どうしたヴァイス?」

 

「い、いや、実は………本当に三分でケリつくかどうか、タイマーで計ってみたんすけど…」

 

ヴァイスは手に持っているタイマーを三人に見せる。

 

「…本当に三分で終わっちゃいやした」

 

「「「……」」」

 

これにはもう、三人は言葉を放つ事すら出来なかった。

 

「普通、宣言通りにいくもんすか? 何秒かは確実にズレている筈すけど…」

 

「…それ、あたし等に聞かれても困るんだが」

 

「にゃははは…」

 

「うん、もう驚く事しか出来ないや」

 

というより、これで驚かなかったらそれもそれで不思議である。

 

「お~い、どうした? さっさと戻ろうぜ」

 

そんな事は露知らず、アヴェルは呑気になのは達に帰るよう呼びかける。

 

「「「あ、はい、そうしましょう…」」」

 

「…?」

 

何故か敬語で返ってきた事に、アヴェルは首を傾げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これって…」

 

「そう……どれもかつて、なのはさんが関わってきた事件」

 

六課のロビーでは、フォワードメンバーがシャーリーによっていくつかの映像を見せられていた。

 

幼き頃のなのはとフェイトが、あるロストロギアを巡って対立したPS事件。はやてが危険なロストロギアの主となった、闇の書事件。それ等の事件で無茶を続けた事を原因に引き起こされた、なのはの撃墜事故。全身に包帯を巻かれた状態で、ベッドに横たわるなのは。

 

それ等の映像を見て、フォワードメンバーは思わず息を呑む。

 

そして理解する。

 

自分達がどれだけ、安全な環境にいたのか。

 

自分達がどれだけ、なのは達から心配されていたのか。

 

「確かに、必死で挑まなければならない時や、死ぬ気で挑まなければならない時だってある。だがティアナ、お前がホテルでやった誤射や、模擬戦でやった時の攻撃は、本当にその時にしなければならない攻撃だったか?」

 

「…!!」

 

シグナムに問いかけられ、ティアナもようやく自身の過ちに気付く。

 

「どうだ、ティアナ」

 

「わ、私は…」

 

ティアナの目から一筋の涙が流れる。

 

「クワァ~…」

 

それを心配そうに見たヴァルは、彼女の頬を伝う涙をペロリと舐める。

 

「…分かったようなら、それで問題は無い」

 

ティアナがようやく理解した事を察したからか、シグナムもそれ以上問う事は無かった。

 

 

 

「ま~たしんみりした空気になってんな、お前等」

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

帰還したアヴェル達が、ロビーへと戻って来た。

 

「えぇ!? 四人共、さっき出動したばかりじゃ!?」

 

「あぁ、俺が速攻で終わらせた」

 

さっき出動したばかりの四人がすぐ戻って来た事に、シャーリーは驚きを隠せない。

 

「うん、今回出てきたモンスターなんだけど…」

 

「…アヴェルさんが一人で全部倒しちゃったんだ」

 

「それも、たった三分でな」

 

「「「「「嘘ぉっ!!?」」」」」

 

「何、だと…!?」

 

それにはシャーリーやフォワードメンバーだけでなく、シグナムですら驚きの表情を見せる。

 

「それは別にどうでも良い事だ……で、お前等はここで何してんだ?」

 

「あ、えぇっと、その…」

 

 

 

シャーリーはアヴェル達が出動している間に、フォワードメンバーになのはの過去について明かしていた事を説明する。

 

「もう、駄目だよシャーリー。勝手に話しちゃ」

 

「す、すいません! でも、どうしても見てられなかったものだから…」

 

「…こりゃまた凄惨な」

 

なのはがシャーリーに注意し、アヴェルは映像を見た感想を言ってのける。

 

「なのはさん…」

 

「! ティアナ…」

 

なのはの前にティアナが歩み寄る。

 

「…少し、外で話そうか?」

 

そう言って、なのははティアナを連れて外へ歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~…」

 

それからアヴェルは、隊舎の外を散歩しながらキセルで一服する。ノースは珍しく自分の足でアヴェルについて歩き、ヴァルも同じようにアヴェルについて歩く。

 

「少しはあいつ等も、話す時間は延びたかねぇ……なぁ、お前等」

 

「キッ」

 

「クワッ」

 

ノースとヴァルは鳴き声で返事を返す。

 

「時にヴァル……お前、少しはあいつ等を慰める役は務まったのか?」

 

「クワッ!? …ガゥ」

 

「…キキィ」

 

あまり役に立てなかった事を理解してるのか、ヴァルはシュンと落ち込み、ノースが翼で落ち込むヴァルの頭を撫でる。

 

「まぁ気にするな。時にはそういう事もあるし、前向きにやっていけ」

 

「…クワッ!」

 

言葉を何となく理解してるのか、ヴァルも立ち直ってから鳴き声を上げる。

 

「よしよし……ふぅ~」

 

アヴェルは岩の上に胡坐を掻いて座り、キセルの煙を吸う。

 

「アヴェルさん」

 

「!」

 

後ろから呼びかけてくる声にアヴェルが振り向くと、なのはとティアナが立っていた。ティアナの目が若干赤くなってる辺り、ついさっきまで泣いていた事が分かる。

 

「お二人さん、仲直りはちゃんと出来たのか?」

 

「あ、はい。お蔭様で」

 

「ありがとうございました」

 

「…礼を言われるような事したっけ、俺」

 

アヴェルは頭にクエスチョンマークを浮かべる。

 

「アヴェルさんが早くモンスターを退治したおかげで、ティアナと話す時間がたっぷり出来ましたし」

 

「私が気絶した時、アヴェルさんが医務室まで運んでくれたと聞いたので」

 

「…あぁ~、その二つね。俺は別に、大層な事はしちゃいない」

 

アヴェルは吸っていた煙を吹き、キセルの灰を地面に捨てる。

 

「…ところでだ」

 

アヴェルは小石を拾って立ち上がり、後ろを振り返る。

 

「さっさと出て来い、そこの馬鹿共」

 

-ガァンッ!!-

 

「痛ぁっ!?」

 

「え、ちょ…うわっ!?」

 

「きゃあっ!?」

 

「三人共…うわわわわわっ!?」

 

「キュクルゥ~ッ!?」

 

アヴェルの投げた小石が、茂みに隠れていたスバルの額にクリーンヒット。その拍子に、スバル、エリオ、キャロ、フリード、そしてフェイトが倒れる形で出て来た。

 

「み、皆っ!? ついて来てたの!?」

 

「え、えぇっと…」

 

「「「あははははは…」」」

 

「全く、盗み聞きなんぞせずに直接来れば良いものを…」

 

盗み聞きしていた一同は苦笑、これにはアヴェルも呆れ顔になる。

 

その後も、何だかんだで他愛の無い会話が続くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…」

 

それからアヴェルは、なのは達と別れて男子寮へと戻ろうとしていた。

 

その時…

 

「!」

 

アヴェルは僅かな魔力を感じ取り、街の方を睨みつける。

 

「今の魔力……まさかとは思うが…」

 

ノースの翼が展開され、アヴェルは街へと飛来するのだった。

 

 




なのはとティアナは無事に仲直りしました。

しかしこの後、アヴェルは街中で…?
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