リリカルなのは ~駆ける怪刃~   作:ロンギヌス

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六話目です。意外と早めに出来ました。

それえはどうぞ。


第六話 烈火vs怪刃

アヴェルとシグナムが勝負を開始してから…

 

「うわぁ、凄い勝負になってる」

 

「け、剣が速過ぎて見えへんやんけ…」

 

「にゃははははは…」

 

二人の模擬戦を見学しているはやて達は、あまりに凄まじ過ぎる戦いを見て唖然としていた。

 

「うわぁぁぁぁ、かっこいいなぁ…!!」

 

「スバル、目を輝かせ過ぎ」

 

目をキラキラさせているスバルにティアナが突っ込む。しかし…

 

「「おぉぉぉぉ…!!」」

 

「…こっちもかい」

 

赤髪の少年“エリオ・モンディアル”と、ピンク髪の少女“キャロ・ル・ルシエ”の二人もスバルと同じように目を輝かせており、ティアナはそれを見て呆れ果てる。

 

「まぁ見た感じじゃ確かに強そうやし、シグナムと何処までやれるか見物やで」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「…!!」

 

シグナムの繰り出す攻撃を確実に捌いていき、アヴェルは後方へ下がる。

 

「獄炎」

 

「む…ハァッ!!」

 

アヴェルが左手をかざして黒い火炎弾を繰り出すも、シグナムは怯む事も無くレヴァンテインで火炎弾を掻き消す。

 

「おぉ、防がれた!?」

 

「ハアァッ!!」

 

「おっと」

 

驚くアヴェルにシグナムが素早く斬り掛かり、アヴェルも剣で素早く防御する。

 

「あらよ……とぉっ!!」

 

「!?」

 

アヴェルが力ずくでシグナムを押し返し、剣から巨大な斬撃を放つ。

 

「く……なっ!?」

 

シグナムは体を反らして回避するが、彼女の後方にあったビルがアヴェルの放った斬撃で真っ二つに両断されたのを見て驚愕する。

 

「余所見禁物」

 

「ッ!!」

 

アヴェルの一言でシグナムはすぐに振り返り、アヴェルの剣を受け止める。その背後で、斬られたビルがあっという間に崩壊する。

 

(ビルを斬り落とすとは……この男、計り知れん…!!)

 

アヴェルとシグナムは互いに一歩下がる。

 

「やるな貴様……ここまで楽しい勝負は久しぶりだ」

 

「そりゃこっちも同じ事さ。だがこの勝負、どっちが勝とうと文句は」

 

アヴェルはシグナムに返事を返しながらも、足元に落ちている瓦礫に右足を持っていき…

 

「―――言いっこ無しだ!!!」

 

「ッ…!!」

 

それをシグナムに向かって蹴り飛ばす。シグナムがレヴァンテインで瓦礫を弾くと同時に、アヴェルが素早く彼女に接近する。

 

「レヴァンテイン!!」

 

≪ja bo≫

 

シグナムの呼びかけにレヴァンテインが反応し、レヴァンテインは第二形態シュランゲフォルムに切り替わる。

 

「連結刃だと…!?」

 

アヴェルは驚きながらも、連結刃となったレヴァンテインを剣で上手く受け流し、一度後ろに下がろうとする。

 

「まだだ!!」

 

「何…!?」

 

シグナムがレヴァンテインを振るい、連結刃がアヴェルの周りを素早く取り囲む。これで、アヴェルは逃げ道を封じられた。

 

「全く、厄介な武器を持ってやがる…!!」

 

アヴェルは剣を手放し、右手拳を固く握り締める。

 

(剣を手放した? 何を…)

 

シグナムは不審に思うが、彼女の疑問はすぐに解決する。

 

「―――破ァッ!!!!」

 

-ズドォォォォォンッ!!!-

 

「なぁぁぁぁぁっ!!?」

 

アヴェルは地面を殴って巨大な衝撃波を繰り出し、レヴァンテインを弾き返した。

 

(地面を殴るだけで衝撃波を起こした…!?)

 

大き過ぎる衝撃にシグナムも危うく体勢を崩しかけるも、何とか持ち直す。

 

「セィヤァッ!!」

 

「くっ!?」

 

しかしそこへアヴェルが右手から黒い火炎弾を飛ばし、シグナムも辛うじてかわす。

 

「さて…」

 

アヴェルは先程手放した剣を回収し、シグナムから一定の距離まで離れる。

 

「はぁ、はぁ…!!」

 

シグナムは若干息が切れかかっている。それに対してアヴェルは全く息を切らしておらず、平然と構えてみせている。

 

(これだけ戦ったのに、まだ余裕だというのか…!!)

 

シグナムはアヴェルを見て内心驚きを隠せずにいた。

 

(だが……楽しいな)

 

それと同時に、彼女は喜びを感じていた。

 

彼女は今までに、強者と戦う機会がそれほど多くはなかった。それ故に、現在自分の目の前に立っているアヴェルという名の男。彼は彼女にとって、一番待ち望んでいた存在とも言えた。

 

(楽しい……物凄く、楽しい…!!)

 

シグナムはもう、溢れ出てくる興奮を抑えずにはいられなかった。

 

「…アヴェルと言ったな」

 

「ん?」

 

「貴様との勝負は本当に楽しかった。本当はもう少し戦いたいところだが、あまり暴れ過ぎて皆に迷惑をかける訳にもいかん。そこでだ」

 

シグナムはレヴァンテインを鞘に納め、ゆっくり姿勢を低くして構える。

 

「最後はお互いに、一撃で決めようではないか」

 

「……」

 

それを聞いたアヴェルは、無言で自身の髪をボリボリと掻く。

 

「…正直に言うとな。俺はあくまで傭兵だ。そこまでの礼儀なんざ兼ね備えちゃいないし、本来ならわざわざそれに付き合ってやる義理も無い……だが」

 

そして一息つき、剣を一度鞘に納める。

 

「楽しいと思えたのは、俺も一緒だ。それに免じて」

 

 

 

 

 

 

「応じてやるよ、全力で」

 

 

 

 

 

 

「…ッ!!?」

 

たった一言。その一言に、シグナムは一瞬恐怖を感じた。

 

それと同時に…

 

「―――確かに聞いたぞ、その言葉!!」

 

その表情に、喜びを隠さずにはいられなかった。

 

「加減は一切しねぇぞ」

 

「あぁ、全力で来い…!!」

 

シグナムの周りを赤い炎が、アヴェルの周りを黒い炎が覆い尽くす。

 

「紫電…」

 

「極楽…」

 

そして…

 

 

 

「「―――一閃!!!!」」

 

 

 

互いの一撃が同時に炸裂し、大爆発を引き起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、凄い…!!」

 

「ここまでやるなんて…」

 

「「おぉぉぉ…!!」」

 

アヴェルとシグナムの互いの一撃が炸裂したのを見て、一同は驚愕する。その中で、スバル、エリオ、キャロの三人は目が物凄く輝いているが。

 

「ちゅうか……煙で全然見えへん」

 

「結局、どっちが勝ったの…?」

 

爆発による煙の所為で、どっちが勝ったのかが全く分からない状態だった。

 

そして少しずつ煙が晴れていく。

 

「…あ、あそこ!」

 

なのはが指差し、全員がその方向を向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ふぅ」

 

アヴェルは大きく息を吐き、剣を地面に刺してからその場に座る。

 

「…お~い、生きてるか~?」

 

「あ、あぁ……何とか、な」

 

アヴェルの呼びかけに、ボロボロ状態のシグナムはどうにか返事を返す。

 

つまり今回の勝負、アヴェルの勝利だ。

 

「まぁ、生きてるなら良いさ」

 

アヴェルは立ち上がり、服をポンポンと払う。

 

「久しぶりに良い勝負が出来た。こっちは特に不満は無い」

 

そう言って、シグナムに右手を差し伸べる。

 

「ふっ…私もだ」

 

シグナムも笑みを浮かべ、アヴェルの手を掴んで立ち上がろうとする。

 

しかし…

 

「ッ…!?」

 

「おっと」

 

シグナムが危うく倒れかけ、アヴェルがそれを支える。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「か、体に力が…」

 

どうやら先程の一撃が響いたらしく、シグナムは普通に立つ事さえままならない状態だったのだ。

 

「ん~、さっきのが少しやり過ぎたっぽいな……しゃあない」

 

「? 何を……ひゃあぁ!?」

 

アヴェルはシグナムを担ぎ上げる。

 

 

 

 

 

 

…それも、お姫様抱っこの状態で。

 

「な、何をする!? こら、下ろせ!!」

 

「無理すんなって。その傷だ、どうせお前一人じゃ歩けんだろ」

 

「ま、まさかこのまま運ぶ気か!? ちょ、待て!! 下ろせと言ってるだろう!?」

 

「はいはい、お前はちょっと黙ってろって」

 

シグナムの反論に聞く耳を持たないアヴェルは、お姫様抱っこのままで彼女を運び始めたのだった。

 

 




アヴェルの勝利です。

ちなみに最後のお姫様抱っこは最初から狙って書こうとしてましたww
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