リリカルなのは ~駆ける怪刃~   作:ロンギヌス

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番外編① 転生

かつて、ハイラル全土を支配していた魔王。

 

その魔王を討ち取った時の勇者。

 

その勇者には、パートナーである妖精の他に、ある“友”がいた。勇者がまだ少年だった頃に出会った、小さな“友”。最初は喧嘩する事もあったが、次第に彼等は固い絆で結ばれるようになった。勇者と“友”は、いつかまた何処かで再会する事を約束。

 

そして七年後、勇者は再び“友”に会える事を望んでいた。

 

そして彼等は再会した。

 

 

 

 

 

 

 

 

敵同士という、望まぬ形で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止せ、もうやめるんだ!!」

 

巨大火山、デスマウンテン。

 

足場の周りが炎に包まれる中、勇者は目の前の“友”に呼びかける。

 

しかしこの時、既に“友”はかつての“友”ではなくなっていた。

 

緑色に輝く鋭い目が、目の前の勇者を捉える。

 

「俺だ、リンクだ!!」

 

“友”は勇者を睨み付けたまま、攻撃態勢に入る。

 

「思い出せ!!!」

 

しかし、“友”は止まらない。目の前の勇者を排除すべく、口から灼熱の炎を吹く。

 

「ッ…!!」

 

もう、声は届かない。このままでは火山が噴火し、ハイラル全体に被害が及ぶ。

 

“友”を止める方法はただ一つ。

 

 

 

 

殺す事。

 

 

 

 

もう、それ以外に手段は無かった。

 

「ッ…!!」

 

苦渋の決断を下した勇者は弓を構え、“友”の右目に向かって矢を放つ。

 

“友”が苦しむところへ、勇者は聖剣マスターソードを構えて大きく跳び上がり…

 

「―――あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

-ザシュウッ!!-

 

 

 

“友”の首を、斬り落とすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

首を斬り落とされた“友”の目が、勇者を見つめる。

 

その目からは、敵意は完全に消え失せていた。

 

“友”は一筋の涙を流す。

 

「リン、ク―――」

 

勇者の名前を呟き、“友”の亡骸は青白い炎に燃えながら消滅していく。

 

「ごめん」

 

謝罪の言葉。

 

今の勇者は、ただそれを呟く事しか出来なかった。

 

「ごめんな…!!」

 

勇者の目からも、涙の粒が零れ落ちるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、悲しき最期を遂げてしまった“友”。

 

そんな“友”を、運命はある世界へと導いていく事となる。

 

当然、それを知る者はいない―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球、海鳴市。

 

午前七時。

 

「んん~…良い天気」

 

とある屋敷の中庭にて、紫髪の女性が背伸びをしていた。一見大人しそうな雰囲気を持ち、着ているパジャマも猫の絵柄が描かれているなど中々可愛らしい。

 

「ふぅ……あれ?」

 

そんな彼女だが、視線の先にあるものを見つける。

 

朝日で輝く緑色の芝生。その芝生の上に、何やら赤い体の小さな生物が倒れていた。

 

「何だろう…?」

 

女性はその小さな生物に近付いてみる。

 

「…蜥蜴?」

 

よく見ると、黒い角の生えた赤い蜥蜴らしき生物である事が分かる。しかしこの蜥蜴、全身傷だらけで死にかけている状態だった。

 

「大変、早く治療してあげないと…!」

 

女性は蜥蜴を両手で抱え、屋敷へと運ぶ。

 

その時だった。

 

「―――リン、ク…」

 

蜥蜴が、女性に聞こえないくらいの声で呟いたのは。

 

 




これは『時のオカリナ』の漫画版を呼んだ事がある人なら分かると思います。

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