The great kinoko kingdom   作:皆笠

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随分と更新が滞ってしまいました。
大変申し訳ないです。
とはいえ、待っていた方なんていたかな?ってな作品ですが、よければ一話からサクッと読んでいただけるとありがたいです。


第十話『晴れ、騒音、食堂にて』

「お、椎奈じゃねぇか。サクラ将軍も一緒かい?」

食堂に着くと、椎奈は大柄の男に声を掛けられた。

「タモギ将軍か、ああ、先ほどまで木山と鍛錬をしていたからな」

タモギ将軍、サクラと同格の立場であり、豪快な性格で有名な大男である。その性格にも似た、力任せに大剣を奮う戦闘スタイルを取っている。身長は2mを超えるまでもあり、全身には無駄な脂肪など無く、それは肩から見える筋肉の塊の様な太い腕からも見て取れる。

「おお、そうかそうか、朝から元気だなぁ。んで、どっちが勝ったんだ?」

椎奈はサクラを指で指しながら、渋々と告げた。

「俺の負けだったよ。サクラには驚かされた」

「マジかっ、つまり・・・四天王最弱は椎奈ってことになるな」

タモギは笑いながら言う。

「いや・・・確かに私が結果的には勝ったわけだが・・・恐らくタモギ将軍では木山には勝てまい」

サクラの言葉に、タモギは首を傾げ、椎奈もサクラの言動には驚かされた。

「俺はサクラ将軍よりは強い筈だが・・・ふむ、そいつはどういうことだ?」

タモギは決して愚弄をしているわけではない、力量差の関係をハッキリと述べただけだ。それは実際の戦闘において既に証明されている。サクラはタモギに一度ならず幾度も負けていたのだった。

それを踏まえたうえで、サクラは冷静に返した。

「此度の打ち合いで確かに私は木山の戦闘スタイルや力量を知った。それは恐らく木山もだとは思う。今回私が木山に勝てたのは、木山の意表を突けたからだ。恐らく二度目は無いだろう。それに、木山は止めの一撃以外を受け切っていた。タモギ将軍はその筋肉に任せたノーガードだろう?確かに、一撃一撃がそこまで重くない私ならばそれでも良いだろうが、それでは木山には勝てないだろう、と私は思ったんだ」

サクラは流暢に語る。

だが、椎奈はそれを快く受け止めてはいなかった、むしろ悩ましいとさえ感じた。

「謙遜だな・・・サクラの一撃一撃は確かに俺の一撃より劣るとは思うが、それでも重い。それに、確かに意表を突かれて負けた形ではあったけど、それでもサクラの実力は確かなものだよ。次は俺が勝てる、なんて分からない」

(サクラの剣筋は今だからこそ読めるものだ、これが一か月も経てば急激に上達し、俺では読み切れないまでになるだろう。サクラは成長の可能性の塊みたいな存在だ・・・俺なんかはすぐに追い越されるだろうな)

椎奈はそこまで考え、タモギに言った。

「まあ、実践形式での鍛錬ってのも必要だからさ、タモギ将軍も余裕があったら相手を頼む」

椎奈の言葉にタモギは豪快に笑いながら親指を立てながら返した。

「任せとけ、サクラの言ったことも気になるしなっ」

タモギは続けて椎奈に言う。

「あと、俺のこともタモギで良いぜ、俺とお前はほとんど対等だしな。つか、俺も椎奈って呼んでるし」

「りょーかい。よろしくな、タモギ」

椎奈の言葉にタモギはおう、と豪快な返事をした。

 

タモギと別れた後、椎奈はカウンターから朝食を受け取り、空いている適当な席に座った。

座ったところで正面に元気よく席に着く影が見えた。

「おはよう、しいなっ」

そして元気よく挨拶、椎奈もそれにしっかりと答えた。

「おはよう、ラフレ」

慣れた会話だった、もう幾度も交わした会話の流れ、今回はそれが少し長引くことになった。

「あれ?しいなのとなりにさくらがいる~」

椎奈の隣にサクラが居たためである。

「ああ、さっきまで一緒に鍛錬してたからな」

椎奈の答えにらふれはおお~と気の抜けるような声で驚いた様子もあからさまに見せた。

「らふれもしいなとしたいっ、そのたくあんとかってやつっ」

「いや、たくあんじゃなくて、鍛錬だと思うぞ?ラフレ嬢」

サクラの訂正に、ラフレはそれそれ~といつもの調子で返した。

「いや、それは出来ないな」

椎奈はハッキリとラフレに告げた。

ラフレが幼いから、ではない。性別、そんなものはサクラがいるから違う。強いて言うならば実力で、より正しい答えは、ラフレが戦士に向いていないからだ。

「しいな、どうして?」

「それは、ラフレはどちらかと言えば、魔術師に向いているからだ」

そう、ラフレは戦士には向いていない、年齢や性別的な問題を超越して、とことん戦士にはなれないのだ。しかし、それを補うように魔術師への適正は高かった。幼いながらも秘めている魔力量は常人の遥か上を記録し、この国の中でも断トツの豊富さだった。だが、現時点でラフレは何も得ていない、下級魔術と言われるファイアボールさえ、出せないだろう。しかし、潜在能力を活用させられれば、ラフレは重要な戦力にもなる。

椎奈はその事実を知っていたからこその言葉だった。

「ラフレは剣術を学ぶより、今は魔術を学んで欲しい。ラフレは剣術ならどれだけやっても俺には勝てないだろうが、魔術を用いてなら絶対に勝っちゃうだろうからな」

ラフレは少し悩んだ末、うん、と返事をした。

それから椎奈達は朝食を騒々しくも食べ進めていった。

 




投稿は滞っていたのですが、本編は約二十話まで書き溜めがあったりします。
しかし、二十一話を書いている途中でスランプに陥り、そのままの流れで投稿も忘れてしまったと言う大馬鹿者です。
次回はそう遅くないようにします。
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