The great kinoko kingdom   作:皆笠

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第二話『来ちゃった♡』

「仕方ねぇ、何をすりゃ良いんだ?」

(非常に嫌だが、さっさと手伝ってやった方が精神衛生的にも良さそうだ)

「すくってくれるんだね?」

「非常に嫌だがな」

「なら、まずはきのこのおうこく“The great kinoko kingdom”にきてよ」

肩に乗る物体は嬉しそうな声を出すと、突如体から光を発した。

(眩しっ!!)

世界が一瞬でホワイトアウトし、意識を失った。

 

 

穏やかな光が体を温めていく。

その心地よさをもう少し感じていたかったが・・・仕方ない、起きなければ。

どうにかぐったりと意識を起こすが、未だ目は開けられない。

光が眩しく、目は開かれるのを拒絶している。

視覚はまだ働かないが、他の感覚は着実に起き始めていた。

聴覚は軽やかで楽しげなワルツを捉えており、触覚は先ほど感じたような温かさの他に、柔らかくキャベツの千切りのようなものに触れているし、嗅覚は草原を彷彿とさせる草の匂いで満たされている。

味覚は口に何もしていないわけで何も感じてはいな・・・草の匂い?

急激に意識が現実(?)に引き戻された。

まさしくバッと起き上った。

 

目の前に現れたのは地平線の彼方まで広がる草原。

「やっとおきたんだね~」

伸びやかな声に視線を向けると、そこには・・・っ!!!

「まちくたびれてたよ~」

「誰だお前」

ついついそんな言葉を口にしてしまっていた。

「やあ、ぼくはきのこ」

「はぁ!?」

あの精神を破壊していくような物体は、美幼女に変わっていたのだった。

「にんげんのせかいにいくにはたくさんのえねるぎーがひつようなんだよ~」

(なるほど、それであんな、まんまのキノコの姿をしていたのか)

手はおろか、口すらないから、どこから声が出てんのとか、色々考えさせられて、心が疲れてたところだ。

(つかさ・・・)

傍らに立つ美幼女(元キノコ?)を睨み付ける様に見た。

「どうしたの~」

「・・・お前、女だったんだな」

「む~、ひどいよ~。たしかにきのこにせいべつなんてないけど、ぼくはりっぱなれでぃーなんだよ?」

(レディーっつうか、思いっきり幼女だけどな)

赤い帽子は笠のつもりなのか、ベージュの服は柄のつもりなのか、顔が可愛いのがなんかむかつく。

「声も中性的だったし、お前、キノコの姿だったしな」

美幼女はむ~、と悩むポーズをした。

(・・・間違いないな、コイツとあの物体はおんなじだ)

「つか、しめじだったよな?」

(どう見ても、よくあるファンタジーキノコ姿じゃないか)

だが、キノコは声に怒気を含ませて、言い放った。

「ちがうよ、ぶなしめじだよ、ほこりたかき“ぶな”しめじだよ」

コイツは意味不明なところに拘っているらしい。

「はいはい」

 

「そんで、ここが・・・その、キノコの国なのか?」

「うん、そうだよ~」

落ち着け、と頭を撫でてやると、コイツはいつもの調子を取り戻した。

「んで、俺はここで何をすりゃ良いんだよ」

「何から話せば良いのかな~」

キノコは座り込み、その隣に俺も座り込むことにした。

 

「とりあえず、名前を聞いていいか?じゃないと呼びづらい。いつまでもお前、とかで呼んでるわけにもいかないしな」

キノコはにへら~、と穏やかな笑顔を浮かべ、もはや聞きなれた伸びやかな声で言った。

「そうだね~うん、“らふれ”なんてどうかな?」

(ラフレ・・・ん?もしかしてラフレシアが元ネタなのか!?)

(何故ぶなしめじと自称した奴がそんな名前なのかは疑問が残るが・・・まあ、そんなことはどうでもいいか)

「よろしくな、ラフレ。俺は木山 椎奈(きやま しいな)だ」

「よろしくね、しいなっ」

(可愛い幼女の姿をしたキノコ、ラフレと異世界にやってきてしまった)

 




今回から、キノコ界入りです。
たぶん続きます。。。
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