「ここが“The great kinoko kingdom” のおしろだよ~」
軽く町を観光した後、ラフレは椎奈を城に連れてきた。
「名古屋城、とか、姫路城、みたいな城に名前はないのか?」
椎奈の問いにラフレは軽く首を傾げる。
「ん~とね~・・・わすれちゃった」
しばらく溜めてからの発言に、椎奈は少し調子を崩され、体も少し崩れた。
「ま、そこに看板みたいなのがあるから、すぐにでも分かるんだろうが」
椎奈は言いながら金属製の看板に近づく。
『マッシュキャッシュル』
(マッシュと掛けたかったのか、なんとも微妙な名前だ・・・滑ってる・・・)
城を外観と名前でダブル残念なことを知った椎奈は、呆れた顔で、
「さ、行くか・・・」
と、肩を落としながら城に入っていった。
「おいてかないで~」
ラフレも追いつくように椎奈の後を追った。
意外にも、と言うと失礼かもしれないが、城の内観はしっかりしており、ところどころに警備員らしき人も立っており、城としての機能を十分に果たしているように見れた。
(へぇ、ふざけてると思っていたが・・・)
椎奈も決して口には出さないが、そんなことを思った。
「すごいでしょ~」
そう言う笑顔のラフレに椎奈は頭を撫でることで返す。
「ああ、そうだな。見直したよ」
そして、優しげな笑みをラフレに見せた。
その顔を見て、ラフレは一層強く笑った。
「仲が良いようだな」
そこへ声が掛けられる、椎奈の知らない大人の男の声。
その声に威圧感はなく、むしろ自分の父かと錯覚するほどの優しい声だった。
椎奈がどなたですか?と問う前に、ラフレが動き出していた。
「こくおうさま~」
タタタッと駆け出し、そのまま飛びついた。
「おぉ、ラフレよ」
国王もそれに応じ、ラフレを抱きしめる。
(幸福な画だな・・・じゃなくてっ!!)
「国王だとっ!?」
椎奈の大声での問いは、何気ない言葉で返された。
「ようこそ、椎奈君。私がこの国の王“アミガサ”だ。ご足労、申し訳ない」
(アミガサ・・・知らない名前だな)
「アミガサ・・・?」
「君が知らないのも無理はないだろう。キノコの種類の一つだよ」
国王の言葉に、椎奈はそうなのか、とだけ認識することにした。
よく分からないが、忘れるのと、記憶に軽く留めるだけではかなり違う。
国王はラフレを優しく下ろしてから、椎奈に手招きをした。
「椎奈君、どうせ詳しいことは聞いてないだろう。詳しいことは部屋で話そうじゃないか」
国王の言葉に椎奈は頷き、国王の後を追った。
国王に連れられたのは、他よりも大きく見える扉。
(もしかして、大広間ってやつか?でも、そんなに広くある必要は・・・)
椎奈が考え込んでいる間に、国王はその扉を開いた。
扉が開かれると同時に、割れんばかりの拍手とクラッカーの弾ける音が耳に届いた。
(・・・!?)
椎奈は唖然としている、ラフレも唖然としていた。
国王と中に居た人たちは満面の笑みである。
わけがわからない、と言う反応の二人に国王が説明をする。
「なに、単なる宴だ。椎奈君が来てくれた記念だよ。まずは楽しむといい」
宴、言い換えるとパーティー。
椎奈の来界を祝う内容らしい。
椎奈はたっぷり五秒程ゆっくり時間を掛けてから、そこまでを理解した。
それから、上手く働かない頭を動かし、口を開いた。
「あの・・・何でパーティーなんかするんすか?」
「椎奈君が来てくれた記念、と言っただろう」
「いや、それは分かったんすけど、祝うほどのことですか?」
「滅多に来ることはないからな。距離ではなく、次元自体が異なっている。君のような人がこの世界に来ることは基本無いのだ。現在の見た目は大して変わりはないだろうが、私たちと君は確実に違う。珍しいことが起きたならば、祝っても良いだろう」
国王は平然と言った。
「まあ、そう気負うことはない。楽しめるときは目いっぱい楽しめば良い」
国王は椎奈に笑みを送り、内へ入る。
椎奈より早く、ラフレは頷き、食べ物や人々のいる内へ駆けていった。
笑顔のラフレを見て、椎奈もため息を吐いた後、内へ入った。
了
どうも、こんにちは、皆笠です。
今回は城下町から城へ移動した話です。
これからしばらくはシリアスで哲学的な難しい、意味不明な話に入っていきます。
とても読みづらくもなると思います。
なので、あらかじめ謝っておきます、ごめんなさい。
ギャグというか、カオス希望で読み進めていただいた方がもしいたとしたら、大変申し訳ないです。
それとは話が別なのですが、今回は予約投稿なるものを使用してみました。
ちゃんとできているでしょうか?
便利な機能でありますので、是非とも活用してみたくてのある意味テスト投稿でした。
ちゃんと送れていた場合でも、送れていなかった場合でも、良ければまた読んでいただけたら幸いでございます。
ではでは。