魔法少女リリカルなのは 未来への系譜   作:ロシアよ永遠に

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Mission8『中毒者―ジャンキー―』

「はぁ~、美味しかったぁっ」

 

ぽふっと自分のベッドに背中から身を預けるなのは。あの後6人で、お互いの話をしながら料理に舌鼓を打ち、その後出て来た桃子特製のケーキを平らげた。切り分けられたフワフワのホイップクリームとスポンジ。その間の層には、色とりどりのフルーツ。そして極めつけは黒の板チョコにホワイトチョコで記された文字。桃子が必死に学んで描いたそれは、ミッド文字で『Welcome Halu』と。その桃子の歓迎の姿勢にハルは少し頬を赤く染めてしまった。それをなのはが、可愛いと抱き付くものだから、更に今度は顔が沸騰したようになっていた。

 

「…栄養補給の観点から言えば、ある程度の栄養素の偏りは否めないな。」

 

床に敷かれた布団にあぐらをかいて座りながら、先程の料理の分析をしているハル。その眉間にはシワが寄り、険しささえ伺える。

 

「えっと…美味しく…なかった?」

 

ハの字に眉を傾けて、なのはは尋ねる。大好きな母が作る料理がこれまた大好きな彼女は、やはりそれを食べて機嫌を悪くされるのは悲しいもの。恐る恐る、と言った様子。

 

「ま、マズいとは言っていない!…むしろその………美味だった。とくに…あの甘い奴が……。」

 

いくら生粋の軍人気質の局員とは言え、やはりその本質は女の子。母のケーキが美味しいと言われて、先程のハの字はどこへやら。鰻登りに表情がぱぁっと明るくなる。

 

「でしょでしょ?お母さんのお菓子の腕は一流なんだよ!喫茶店を開いてるんだから。」

 

「…た、確かに店を開いていてもおかしくない味だ…。あのケーキ、とやら以外にもメニューがあるのか?」

 

「うんっ。シュークリームって言うお菓子が特におすすめだよ。」

 

「…ほう……!」

 

先程の眉間にしわを寄せていたのはどこへやら。なのはと同じように機嫌は右肩上がり。余程桃子のケーキが気に入ったのか目をきらきらと輝かせて、なのはの言う『シュークリーム』の話に食い入って聞いている。そうなるとなのはもそれに助長されて、母が作るスイーツの数々を話すのが止まらない。プリン…パフェ…ワッフル…、最近はブームに沿って、パンケーキの新作研究をしているようで、時々試作品が帰宅したときのおやつに置いてあることもたまにある。

 

「地球、という世界は中々興味深いな。風習…文化…甘味。侮れん。」

 

「お父さんから聞いたよ。今回の療養の目的。もしかしたら上司の人、見聞を広める意味でも地球を選んだんじゃない?なんだかハルちゃん、任務一筋で遊んだりしなさそうだし。」

 

「それは当然だろう?休む暇があれば体を鍛え、有事に備えるのが前線で戦う者の義務であると私は思っている。……いかん、筋トレをしなければ…」

 

「だめー!!」

 

「は、離せ!筋トレが私を呼んでいる!」

 

今にも腕立て伏せではなく、指立て伏せを始めようとするハルを羽交い締めにするなのは。発言からすれば、筋トレ中毒者じみている。

 

「なのは~、ハルちゃんとお風呂に入っちゃいなよ…って何やってんの?」

 

「お、お姉ちゃ~ん!ハルちゃんを止めて~!」

 

入浴を勧める美由希に助けを求めつつ、ハルを鎮めるのに10分ほど時間を要した。

 

 

 

 

「はふぅ…。」

 

白い湯気。肩口まで張られた人肌よりも温かい湯。そしてそれに入れたのはお気に入りの桃色入浴剤。

幸せだ。

眼を細め、ほぅっと意識を預けたくなる衝動に駆られる。肩までしっかりと浸かり、身体全体を温める。

 

「………。」

 

向かいには仏頂面をしながらも、温かな湯を満喫しているのか、頬を少し赤らめるハル。口元は湯につけており、時折ブクブクと泡を発している。

 

「えっと、ハルちゃん、お風呂は初めてなの?」

 

「…うむ。基本的にミッドチルダの文化で、湯に浸かる、と言う風習はあるのはある。浸透はそれほど高くはないがな。…基本的に私は…。」

 

「任務の効率や、時間の節制でシャワーばかり手過ごしていた?」

 

「…む。何故わかった?」

 

「だいたいは、ね。」

 

自分の行動が型にハマっている、そしてそれを安易に予測されるのは若干癪ではある。いや、このなのはと言う少女の勘が鋭いだけ、なのだろうか?

 

「でもね、お風呂に入って、しっかりと体を温めることで疲労回復にもなるんだよ?特に冬場は気持ちよくって癒やされちゃうから。」

 

「…そういうもの、なのか?」

 

「うん、だって疲れた体だと、訓練しても身に付かないし、注意力散漫の原因にもなるよ。だから、適度な回復も必要だと思う。」

 

…そう言えば、以前教導を賜ったバルガス、という教官もいっていた。

先走りすぎで危なっかしい、と。

その時は首を傾げるしかしなかったが、なるほど、ナカジマ三佐が口を酸っぱくして言うのはこういうことなのか。

 

「息抜き…か。」

 

手を組んで、ぐっと前に伸ばし、体をほぐす。

いいだろう。…ならばとことんまでに息抜きして、任務に臨めば良い。それでどう転ぶかで息抜きの意味合いを捉えれば、この休暇の意味はある、と言うものだ。

 

「…高町。」

 

「ん?なぁに?」

 

「明日は学業の日か?」

 

「学業…?あぁ、学校のことか。明日は平日だから、昼間は学校だよ?」

 

「そうか…。」

 

そうやりとりをしたあと、ふと何かを考えるように目を閉じるハル。首を傾げるなのは。

ややあって、目を開いた。

 

「今度の休みの日に、高町の休暇の過ごし方、と言う物を見せて貰いたい。…どうにもそう言った物に疎くてな…。その…滞在中に学ぶべき物を学んでおきたい。」

 

目をそらし、頬を染め、照れ臭そうに思いを口にするハルはいじらしいもので、なのはは快諾した。

 

(しかし、そうなると明日の日中は手持ち無沙汰か。何かすることはないか、桃子さんに聞いてみるか。)

 

 

「それには及ばないわよ。」

 

パジャマを着て、リビングに出て、ハルの髪をドライヤーで乾かしていたところに、桃子が妙にドヤ顔で口にした。

 

「えと、お母さん。それってどういう…?」

 

「………?」

 

青と赤のひとみが桃子の方へ向く。ソファに座ってテレビを見ている士郎も、何か事情を知っているのか、ちょっと含み笑いをしている。

 

「ハル、昼間も僕が言ったのを覚えているかい?退屈しないようにリンディさんと計画を立てているって。」

 

「…あぁ。確かにそんな話もあったな…。」

 

「だから、明日の昼間の予定はしっかりと立っているの。楽しみにしててね~。」

 

にこやかにホットココアを2人に。コーヒーを士郎に入れてくれる桃子。なのはとハルは顔を見合わせ、目をぱちくりと瞬くしか出来ない。

 

「ほら。そろそろ寝ないと。なのは、明日も朝の日課、やるんでしょ?」

 

「あ、そうだった。お休みなさい。」

 

飲み終えたココアのマグカップを流し台に置くと、両親に挨拶を交わす。

 

「朝の日課?何かしているのか?」

 

やはりこの家の世話になる、となっては地球に対して多少なりとも興味はあるもので、ひいてはなのはへの興味も湧いてきていた。

 

「ん?うん、まぁちょっとした練習、かな?魔法の。」

 

「ほう…。」

 

しまった、となのはは少し後悔した。ハルは現在訓練等を禁止されている身だ。それが魔法だろうと何だろうと。その手前で、魔法の練習、と言う単語が出て来れば、それが煽りとなって触発されかねない。

 

「…それなら少し同行しても構わんか?……なんだその目は?」

 

「え?あ、んと。自分も練習する、とか言わない?」

 

無意識の内に懐疑的な目をしていたのだろうか。ハルに突っ込まれてしまう。まぁそれも仕方ないものもある。何せ先の筋トレ中毒症状があるほどなのだから。

 

「…体が鈍らんようにウォーキング位はさせて貰いたいがな。…まぁ同行を申し出たのは、高町の練習を見せて貰いたいだけだ。士郎さん、それくらいは構わんのだろう?」

 

「まぁ、訓練さえしなければ良いよ。散歩は精神的な意味で休まるからね。」

 

士郎の許可も下りたところで、明日の早朝の予定は定まっていく。なのはとしても訓練しないという彼女の言葉を信じ、同行に反対することはなかった。いざとなればシャマルさんにリンカーコア引き抜きと言う保険を掛けて貰おう、と頭の隅に留めておくことを忘れない。

 

 

 

 

 

「それじゃ、軽くリフティングを100回ね。」

 

『了解ですマスター。』

 

胸から下げられたペンダント状の紅い宝石。なのはのインテリジェントデバイス『レイジングハート』が、マスターたるなのはの命を受ける。

なのはが左手の人差し指を前に突き出す。

目を閉じて、胸の奥にあるリンカーコアから魔力を流し込む。左肩、左腕を通し、指先に温かな感覚。

足下にはミッドチルダ式を表す魔方陣。

慣れた感覚。約1年前からほぼ毎日続けてきたから、流れるようにやっていける。

指先の中空に桃色の、直径10センチほどの球体が生成。作り出してしまえば、後は維持と操作に集中すればいい。

右手に掴んでいるのは、そこらの自販機に売られているジュース缶の空容器。赤いパッケージが目印の炭酸飲料。それを振りかぶって、真上に放り投げた。

舞い上がる空き缶。それが投げられた力で、最高の高さへと達した瞬間だった。

 

「スタート!」

 

左の指先に浮かんでいた球体…魔力弾が離れ、爆発的な速さで空き缶へと飛翔する。

瞬間、乾いた金属音。空き缶に魔力弾が命中したのがわかった。それに伴い、衝撃で空き缶が更なる高さで舞い上がる。

 

『1…』

 

1発空き缶を舞い上げる毎にレイジングハートからのカウント。高速で動く魔力弾を操作・維持するのに集中し、瞬きすら惜しみながら目で追い続ける。

10…20…

30を過ぎた辺りでなのはは再び指を立てる。するともう1発の魔力弾を生成。1発でリフティングを続ける空き缶へと飛ばす。2発に増えた魔力弾の恩恵でカウント速度は格段に上昇するのは分かるが、それに伴い、なのはの集中力も高く必要とされるもの。額に僅かな汗を滲ませつつ空き缶が落ちてこないように、魔力弾が霧散しないように神経をとがらせる。

 

『98…99…。』

 

「100!!」

 

仕上げ、と言わんばかりに盛大に空き缶を打ち上げる。それを皮切りにして2発の魔力弾は霧散。魔力の粒子となって空気に溶け込んでいった。

一方の空き缶は、というと、打ち上げられ、錐揉み状に回転しながら落下してくる。それは放物線を描きながら、広場の隅に置かれたゴミ入れへと吸い込まれていった。

 

 

早朝の6時過ぎ。なのはとハルは街の一角にある展望台へと来ていた。

展望台、とは言っても、ほとんど人の手は加えられておらず、自然に出来た小高い丘に、昇りやすいように丸太による木造の階段や、転落防止用の柵が備えられているくらい。あとはベンチに、先ほどのゴミ入れがあるだけだ。

なのはとしては、見晴らしも良いし、広さも十分。更にこの時間帯は人の出入りも稀なので、日課の練習のお気に入りの場所となっている。

 

「これが私の日課だよ、ハルちゃん。」

 

「ふむ…なるほど。誘導弾の制御訓練か。悪くない。ベルカ式の私としては、余り縁がないものだが、高町の制御精度と速度は目を見張る物があるな。」

 

素直にハルは賞賛した。彼女の周りには、近代ベルカのクイントが印象深く、彼女もデバイスによる殴打、自身のスタイルたるシューティングアーツ、そして彼女の稀少資質『ウイングロード』を駆使した近接戦を重視した戦闘スタイル。防御と機動力を武器に近接して叩き伏せる。

ハル自身も近代ベルカの例に漏れず、近接戦に重きを置いた戦闘スタイル、そしてデバイスにリソースを回している。

誘導弾の術式自体は、使用したことはあるが、なのはのように縦横無尽且つ高速に撃ち出すことは出来なかった。やるくらいなら、直射弾を前方に多数、もしくは断続的に撃ち出し、近接するまでの弾幕にする方がよっぽど実用性がある、と実感したほどに。

 

「ハルちゃんはベルカ式?」

 

「あぁ。誘導弾の制御とか言う物に適正がないのかな。その辺は戦闘からほとんど外しているよ。」

 

やはり術式の適正、と言う物は大きいのか、自身の戦闘スタイルには遠距離は合わないと思ったし、ここまでの誘導の制御をデバイスの補助無しでやってのけるなのはを賞賛に値する、とも思った。

 

「聞くところによれば、高町は突撃戦法も編み出しているそうだな?たしか…ACS…だったか。」

 

「うん。AccelerationChargeStrike、レイジングハートのストライクフレームを使った突撃、かな。」

 

実際の所このACS、ストライクフレームを相手の防御に突き刺し、防御内からの零距離砲撃を行うのに使用している。最初に使用したのがエクセリオンバスター。炸裂砲撃の此を零距離で撃ち放つ。無論、なのは自身も巻き込まれ、ダメージを負うという諸刃の刃である。

 

「ミッド式では珍しいな。まぁ魔力刃自体は元々存在はするが、それなりに高度な技術だ。…まぁベルカ式の集束砲撃を撃つ並に難しい。」

 

「あ、そっか。ミッドは射撃と補助。ベルカは格闘と強化が主体だもんね。」

 

「うむ、だから高町は中々に器用だな。」

 

「え、えへへ…そうかなぁ…。」

 

一緒に寝て、大分打ち解けてきたのか、昨日に比べて互いの口数も増えている。最初に受けた印象は、堅物で、取っつきにくいかと思っていたが、それは真面目で真剣なだけだった。まだ共同生活が始まったばかりだが、少なくとも今のところは訓練自体は自重している様子。

 

「…高町。そろそろ桃子さんが朝食を用意してくれる時間だ。学校とやらの支度もせねばならんのだろう?」

 

「そうだね。じゃあそろそろ帰ろっか、ハルちゃん。」

 

こくりと頷くハルと連れだって、展望台の階段を下りていく。これからしばらく一緒に暮らす隣の少女との生活に思いを馳せつつ、『高町』ではなく、『なのは』と呼んで欲しいと思うなのはだった。

 

 

 

「で?なのは。昨日の用事って何だったの?」

 

スクールバスの中で朝の挨拶を済ませてアリサに開口一番これである。あの士郎からの謎の暗号メールが気になり、帰ってからはなのはも用事と言う理由で勉強会(主にヒカリの)を休んでいた。夜もハルとの会話に夢中になって報告メールをしていなかったから、こうしてアリサに詰め寄られていた。

 

「ちょっとウチにホームステイする子が来てね。それで自己紹介とか歓迎とかでメールを忘れてたんだ。」

 

「へぇ…ホームステイ?」

 

なのはを挟んでアリサの反対に座るすずかも、『ホームステイ』という魅力的な響きに興味を持つ。

 

「うん。今度皆が揃う日に紹介するね。」

 

「じゃあ今度の土日にでも翠屋に集まりましょっか。」

 

「そうだね。はやてちゃんやフェイトちゃん、ヒカリちゃ…君も都合が合えばいいな。」

 

「今更思うけど、ヒカリの呼び方、私やフェイトはともかく、アンタ達とはやては苦労するわね。」

 

「「あ、あはは…」」

 

苦笑する2人。そして窓の外を見れば、男子制服を着て金髪ポニーテールを揺らしながら、件の少女が通学路の坂を全力疾走して駆け上がっている。

その横には松葉杖を突いて、併走している茶髪の少女もいる。

端から見れば、シュールとも不気味とも言える光景。気が付けば3人とも窓に張り付いてその行方を見送っていた。

 

 

 

3人がバスを降りたくらいに、先程の2人も追いついてきた。ぜぇぜぇと肩で息をして、片や膝に手を当てて前かがみに、片や松葉杖に体重を預けて休んでいる。

 

「や、やるやんヒカリちゃ…君。松葉杖装備の私に対抗するやなんて。」

 

「い、いや、松葉杖でその速さのはやてが恐ろしいよボクは。」

 

「朝から精の出ることで。何やってんのよ?」

 

「あ、アリサちゃん、おはよう。すずかちゃんになのはちゃんも。」

 

「Good morning!」

 

先程の疲れた表情も落ち着き、軽く挨拶を交わす。なのはとすずかは苦笑しながらも、それに返す。

 

「朝の挨拶も良いけど、登校で疲れてどうすんのよ?眠くなっても知らないわよ?」

 

「その点はNoproblem!昨日はぐっすりsleeping!元気にWake upだよ!」

 

「わたしも問題あらへんで~。というか、これぐらい全力でやらな、歩けたときに皆と同じ速度で歩けへんからなぁ。」

 

あからさまに常人からすれば松葉杖使用の速度を逸脱しているのだが、誰もツッコミはしない。というか怖くて出来ないし、突っ込んだら負けのような気がしてならない。

 

「ところでフェイトちゃんは?」

 

「あれ?私てっきりバスに乗ってないから、はやてちゃん達と来てるのかなって…。」

 

心配そうに校門を見ると、これまた全力疾走して入ってくるフェイト。どうやら寝過ごしでもしてバスに乗り遅れたのだろうか?皆に追いつくと、はぁはぁと息を整える。

 

「ご、ごめんみんな。遅れちゃった。」

 

「ん~ん。私達も今着いたところだよ。それにしても珍しいね。フェイトちゃんがバスとかに遅れるなんて。」

 

「大方、魔法関連か何かで…」

 

「あ、アリサちゃん…!」

 

なのはに言われ、ハッと口を塞ぐアリサ。視線を感じた先にヒカリは不思議そうな表情でアリサとフェイトを見ていた。

 

「まほー?」

 

「あ、えーとヒカリ…君。魔法っていうんは…」

 

「スゴいよフェイト!マジックができるんだ!?」

 

「…へ?」

 

どうにも魔法→マジック→手品と思い込んだらしく、目を輝かせてフェイトを見つめる。さすがにその解釈と勘違いは想像できなかったが、コレはコレで上手くはぐらかせたのだろうか?

 

「そ、そうなの!フェイトちゃん、最近マジックに凝ってて、寝る間も惜しんで練習してるの!」

 

(えぇっ!?)

 

「だ、だから今度、新しい手品を披露して貰おうね!」

 

(えぇぇぇぇぇぇっ!?)

 

なのはとすずかの無茶ぶりにフェイトは困惑。だが期待して目を輝かせながら見つめるヒカリに対して、違うとも否定できる物でも無く…、

 

「わ、分かったよ。こ、今度見せてあげる。だ、だから、ま、待っててね。」

 

「うんっ!」

 

あぁ…。言葉の綾、と言う物はなんと恐ろしいものなのだろうか…。これで逃げ道は無くなった。目の前の屈託ない笑顔を浮かべる友達に作り笑いを浮かべつつ、これから不安になるフェイトだった。




身体が勝手に~
動き出~す~んだ~

ハルの症状からこの歌詞が思い浮かぶ。
解る人、
やるねェ…
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