魔法少女リリカルなのは 未来への系譜   作:ロシアよ永遠に

24 / 48
題名の後半?気にしなくても問題ないかと(マテ)

物語が中々進まないgdgd感が…


Mission18『そして僕に出来ること      …withおっぱい』

クロノを結果として吹っ飛ばした後、ヒカリは彼に防御魔法やバインド、射撃誘導など、基本となる運びを教わる最中。

その光景を、訓練室と外部を隔て、超硬度を誇るガラス越しに見つめるユーリがいた。ぺたりと掌をガラスに密着させ、その様子はさながら玩具屋のガラス越しにオモチャを物欲しげに視線で追う子供のようにも見える。

あながちその例えも外れでは無いのか、ヒカリがぐんぐんと力を付けていく一方で、自らの力ではどうすることも出来ずに、皆が集める欠片を取り込むことでしか本来の力を取り戻せない。そんな歯痒い想いが彼女を支配していた。自分の欠片だけに本来なら迷惑を掛けたくなかった。しかし、散り散りになった自らの力では、欠片を集めることもままならず、結果として偶然、それの一部を拾ったヒカリに助力を求めざるを得なかった。

 

「結局私は…頼ってばかりです…。」

 

虫にでも聞かせるかのような、そんなか細い声で漏らしてしまった本音。消え入りそうな表情。ガラス越しに飛び回る2人の動きを目で追っているのか、はたまた遠くを見つめているだけなのか。

 

「あ、やってるな、クロノの奴。…へぇ、相手の子、見たこと無いタイプのデバイスだけど、良い動きだ。」

 

いつの間に居たのか、隣に立っている亜麻色の髪の少年が居た。ユーリより少し背が高く、頭頂部には2本の短いアホ毛?が揺らめいている。

 

「あの…。」

 

「ん?あぁ、君はあっちの白い子の友達かな?」

 

コクリ、と無言ながらうなずくユーリ。

 

「僕はまぁ…クロノに頼まれた資料のデータを持ってきたんだ。名前はユーノ。ユーノ・スクライア。」

 

「ユーリ…エーベルヴァインです。」

 

「うん、よろしくねユーリ。」

 

今思えば、初対面の人間に対してここまでスムーズに挨拶と自己紹介が出来るようになるとは、ユーリ自身も驚いている。最初こそまともに顔を見れず、オドオドしたり、人や物の陰に隠れたりと、人見知りが激しかった。しかし、いつからだろう…確かヒカリの友達であるなのは達に紹介されてからだろうか。そこからとんとん拍子に顔見知りが増えていき、その過程で自己紹介を繰り返していた為か、それにより幾何か改善されてきたのだろう。

気の弱い自分。切っ掛けは些細な一つの出会いから、ここまで変化した周囲の状況。そして自身の欠片の捜索。

 

「どうかした?」

 

隣ではユーノが不思議な物を見るかのように見ている。相談して良いものか。いや、これも一つの甘えだろう。首を振り、何でもない、と言う意をジェスチャーで示す。ただでさえ周囲に頼ってばかりなのに、こんなことまで頼るのは…。

 

「…それにしても。」

 

ユーノはユーリから視線を訓練室に戻すと、ポツリと言葉を漏らした。

 

「あの子、ずいぶん楽しそうに飛ぶんだね。」

 

「ヒカリが…ですか?」

 

ユーリも視線を戻すと、確かに。訓練中ながら、マニューバーを教わる最中でも表情に笑みをを浮かべながら飛んでいる。

 

「ヒカリって言うのか。…あの子が楽しそうに飛んでいるのを見ると、なのはを思い出すよ。」

 

「なのはを…ですか?」

 

「うん。…思えば初めて飛んだときは実戦の最中だったからかな…、あの時は本当に彼女が来てくれて助かったんだけど。」

 

もう一年になるのか、とポツリと漏らす。ユーリにとっては恐らくは知らない。一年前と言えば、闇の書自体は起動しておらず、外の出来事に関しては分からない。

高町なのはと魔法の邂逅。

その出来事に、少なからずユーリは興味を抱くに至った。

 

「えっと…それってどんな出会いだったんですか?」

 

「気になる?…よね、その目は。」

 

言わずもがな、ユーリの目は興味津々と言わんばかりに光り輝いていた。

これは…

この状況は…

 

「…一応…事件のことだから、あんまり詳細には言えないんだけどさ。」

 

ユーノは語りだす。

ジュエルシードを切っ掛けに出会ったなのは、彼女と共に過ごした日々を。

ジュエルシードを集める中でフェイトに出会い、管理局との協力体制。そして二人の決闘から事件の終息…。

 

「事件当初、僕は怪我を負った上に、魔力をほぼ使い果たしちゃったんだ。だから調子を取り戻すまでは、なのはに封印を任せっきりだった。…その時僕は、自分の無力感に打ち拉がれたよ。」

 

同じだ。

力を失っているばかりに、大切な人を危険に曝してしまうという無力感。そして歯痒い想い。

 

「やっぱり…。」

 

「ん?」

 

「その…つらいですか?…自分が巻き込んだ人に委ねて…委ねるしかないということに。」

 

吐露してしまった。

共感を求めていたわけでは無い。しかし彼女の心の中で、誰かに聞いて欲しいという願望がそうさせたのかも知れない。

 

「そりゃまぁ…つらいよ。自分は戦うことが出来ない。…その時は下手したら足手まといになっていたかも知れないし。…でもね。」

 

そう言葉を区切ったユーノの顔は、どこか晴れやかだった。

 

「だからこそ力が戻ったら、戦えなかったぶん沢山助けようとも思ったよ。…ただの自己満足だったかも知れない。もしかしたら迷惑だったかも知れない。それでも、自分に出来ることをしようって決めたからさ。だから今もこうして、戦うことはしなくても、資料を集めたりして、僕の出来る範囲で頑張ってるわけだよ。後悔しないように、ね。」

 

(自分に出来ることを…後悔しないように…。)

 

「そうか、それなら資料はバッチリだな?…ご苦労フェレットもどき。」

 

「まぁ、こうやって悪態付いてくる、性の悪い執務官も居るから苦労もあるんだけどね。」

 

挨拶もほぼ無く、いつの間にかヒカリを引き連れ、訓練室から出てきたクロノは、ユーノの持っていたデータを掻っ攫うと、中身をチェックしていく。お互いに皮肉を言い合うのが挨拶なのかと疑わしくもある。

余程激しい訓練だったのか、互いにバリアジャケットとボディースーツ共にボロボロで、頬もそこはかとなく上気しているようにも見えた。

 

「それはそうと、なんだって闇の書の改変記録の既存資料を探せって?」

 

「それに関しては…まぁ追々として。ヒカリ、ご苦労だった。最初に比べたら、飛び方も大分落ち着いて来ている。」

 

「そ、そうなのかな?…最後の方はヘトヘトだったんだけど…。」

 

「逆に余分な力が抜けて良かったんだろう。力を入れすぎるのも考え様だ。そのデバイス。ヴァルキリーの機動性を活かすには、ナチュラルな思考が必要不可欠なんだろう。」

 

クロノ自身も、彼女の飛行能力の向上には驚いていた。角々しさの目立った飛び方も、訓練を重ねるにつれてなめらかに。コツを掴んで一段落と言ったところだ。

 

「汗をかいただろう。シャワーを浴びてくるといい。汚れ塗れだし、髪も乱れているぞ?」

 

「へ?……うわぁっ!?ホントだ!」

 

手鏡を取り出し、自分の顔を見たヒカリは、物の怪でも見たのかと言わんばかりに悲痛な叫びを上げる。

 

「ヒカリ…私もシャワー浴びたいです…、一緒に行きませんか…?」

 

「OK!それじゃクロノ…と、…誰?」

 

「今気付いたのか…、僕はユーノ。君のことは、なのはから聞いてるよ。」

 

「おぉっ、と言うことは、なのはのオシショーさん!」

 

「オシショーって…そんな柄じゃないんだけどなぁ。…まぁとりあえずシャワーを浴びて来なよ。話はそれからってことで。」

 

「あ、そうだね!それじゃまた後で!」

 

ユーリを伴って訓練室を後にするヒカリを見送る二人。ややあって、示し合わせたともなく、ユーノが口を開いた。

 

「それで?その資料の検索理由は?」

 

「やっぱり気になるか?」

 

「そりゃね。物が物だし、ナハトヴァールみたいなとんでもないのの資料を探してこいって言うような物だ。気にならないって方がおかしいでしょ。」

 

やはり検索していて、その資料内容に目が行くのは仕方のないのかも知れない。数冊同時に本を検索、脳にその内容を流し込み、そして必要な物を振り分けていく。

 

「…検索中に、エグザミア、と言う単語は見当たらなかったか?」

 

「エグザミア…?…ん~、ない…かな~…。」

 

「そうか…もしかしたら、と思ったが。」

 

「もしかして、今回の事件に関わる案件だったりするの?」

 

「そうだな。闇の書の後始末、と言ったところか。」

 

「???」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お。」

 

「「あ。」」

 

シャワールーム入り口で、見知った顔と鉢合わせた。タオルで濡れた髪を拭きながら出てきた銀髪の少女、ハルである。シャワーを終えたばかりなのか、髪もさることながら、頬は少々上気し、着込む簡素な肌着も多少の湿気を吸って、肌に張り付いている。

 

「エルトリアさんもシャワー?」

 

「うむ。今終わったところだ。仮眠を取ったら少々寝汗をかいてしまってな。流していたところだ。…ところでエーベルヴァイン。別に取って喰いやしない。いい加減隠れるのは止めないか?」

 

「………。」

 

さすがに第一印象が悪いのか、数回顔を合わせた物の未だに面と向かうことが出来ないハルとユーリ。ハル自身も反省はしているのだが、ユーリ自身も警戒よりも恐怖心の方が勝っているのが現状で、ヒカリが警戒を解いても、それでも気を張ってしまっている。そんな二人に、ヒカリは苦笑いを禁じ得なかった。

 

「これは…時間が掛かりそうだね。」

 

「…まぁ仕方のないことなのだが、な。…ところで。」

 

少々困惑気味の表情から一変。怪訝な表情、そして鋭いその視線をヒカリに向けながら彼女は言う。

 

「ここは女性用シャワールームだ。男性用ではない。」

 

 

……

 

………

 

「何言ってんですか、その目は節穴ですか、盲目ですか、老眼ですか、要瓶底眼鏡ですか。このヒカリを見てどの口がそう言うんですか。ヒカリはれっきとしたおんモゴゴ…!」

 

「そ、そうだねぇ!ボク、ユーリをシャワールームに送って来るだけだったから失念してたよ~。どうせだったらリンディさんに許可を貰って、家に帰ってから浴びるよ、うん。それじゃあね、エルトリアさん!」

 

何か言いたげなユーリの口を塞ぎつつ、ずるずるとそのまま引きずっていく。半ば窒息しかけているように見えたのは見間違えではない。

 

「やれやれ、変態的な趣味など持つべきではないと言うに…。」

 

「変態的な趣味言うんは具体的に?」

 

「男でありながら、女性用区画に浸入しようという、その巫山戯た性癖だ。いくら中性的な外見とはいえど、こう言うのは幼い頃に矯正しておかねば、あとあと極めて特殊な性癖を持って法的機関にお世話になりかねない。」

 

「因みにその男って言うんは?」

 

「もちろん、如月のこと…む?」

 

振り返れば先程から誘導の尋問の如く、さも自然と情報を聞き出している人物がいた。松葉杖を両脇で抱えている八神はやてである。仮眠中に合流したのか、ヴォルケンリッターも揃い踏みと来た。

 

「ふむ。ヴォルケンリッター…。ベルカの伝えられている騎士と面と向かって立つというのも中々感慨深いな。」

 

「あ~、そう言うもんなん?」

 

「今まで敵対していた、というからな。それだけに武器を取り合わずに、こうして接するのも想像していなかった。」

 

「それは我等が好意的に受けて貰っている、と捉えても構わないのか?」

 

将シグナムが、ハルの物言いに少々困惑と怪訝な思いも交えつつも、騎士達の総意とも取れる言葉を紡ぐ。

ヴォルケンリッターと、主であるはやての宣った贖罪の務め。その件に関しては管理局全体に波及、ある者は書の引き起こす悲劇の終演に歓喜し、ある者は家族を殺されたことに対する刑を処すことを訴えかけた。しかし、ハラオウン親子が前者の側に付いたことにより、後者の面々も多少は鳴りを潜めた物の、それでも心中では怨み辛みが募っているのが現状である。勿論無関係な局員においても両派に別れはしているが、こうしてハルのように初対面受け入れる局員と言うのは中々に珍しかったりする。

 

「そう捉えて貰っても問題ない。これからは同じ目的のために腕を振るい、時には背を預けるんだ。私としては強い騎士が居るというのは心強いと思う。勿論、事件時の魔力蒐集の際は私も憤りは覚えたが、主の為に命までは奪わないと言う忠信は、信じるに値するとも感じている。」

 

はやての将来。闇の…否、夜天の書の主と言うだけで罪に問われることはあれど、騎士達が魔導師の命まで奪っていたとなれば、その罪は更に重いものとなっていた。はやての命の為に蒐集の必要性は不可欠で、仕方がなかったものであること。それは情状酌量の余地もあり、幾年の無償奉仕というもので留まっているのは、そう言った部分が大きく関わっていた。

 

「そうか。…聞けばお前は主はやての同級に当たるそうだな。…主をよろしく頼む。」

 

「…まぁ私自身、クラスメイトとやらへの接し方も分からんが…努力はしよう。…有給が終わるまでで良ければ、だが。」

 

「え~?そのあとも仲良うしてくれるんやないの?私としてはハルちゃんと友達でいたいと思うとるんやけど~。」

 

「あぁ。クラスメイトとしては接することはないだろう。しかし、将来お前が管理局に入るのなら、同僚として…その、まぁなんだ。仲良くしてやらんでも…ない…」

 

語尾に近付くにつれ、照れ隠しからか視線を逸らし、頬を掻いてボソボソと紡ぐ。

何このツンデレ。

友人という物もどのような物か分からないと言うのもあるが、それでもここにこうしている以上、平穏を守るのも局員としての役目。どうにもドギマギしているそんな彼女を見て、はやての後ろではシャマルが口許を押さえ、クスクスと頬笑んでいる。

 

「それじゃはやてちゃん。ハルちゃんの有給が終わるまではなのはちゃん達と協力して、友達のなんたるかをしっかりみっちり教えちゃいましょ?」

 

「そやなぁ。せやったら、お近付きの印に御馳走せなあかんね。腕、振るうよぉ?」

 

「そうと決まったら、私もよりを掛けて…」

 

「や、シャマルは台所立ち入り禁止な。…アレな料理が歓迎の御馳走と思われちゃ、はやての面目が丸潰れだし。」

 

「この前の…肉じゃが(?)…醤油とソースを間違えたなど言語道断だ。流石にあれは…。」

 

「ヴィータちゃんどころかザフィーラまでっ!?」

 

ヴィータはともかく、普段多くは喋らず、皆から一歩引いて存在している彼にここまで言わしめるシャマルCOOK…。その威力は御近所でも中々有名で、当たり外れの激しいものとなっている。と言うのも、普通に当たりなら、これまた普通に美味しい物が仕上がるのではあるが、外れの場合、調味料の量を間違えた等という生易しいものではなく、調味料そのものを間違えたという、漫画とかで良くありがちである砂糖と塩を間違えて入れるような料理が仕上がってしまうのだ。まるで半か丁か、2回に1回の確率で引き起こる食材の悲劇が、八神家でのちょっとした事件簿となりつつある。

 

「…なにやら、とんとん拍子に話が進んでいるな…。」

 

自分を余所に、イベントに自分を巻き込むことを前提で盛り上がる彼女達。歓迎してくれる、と言うのは正直喜びたいところだが…。

 

「賑やかだろう?」

 

「…そうだな。喧しい、という感じも無くはないのだが。」

 

「でも悪くは無いんじゃないのか?」

 

「…勿論、嫌というわけではない。が、正直やはりこう言う経験がないから、どう答えれば良いか…む?」

 

いつの間にやら隣に並び立ち、八神家の面々のやりとりを見守る一人の女性。腰まで伸びた銀髪に、真紅の瞳。正直、少女であるハルにすら、息を呑んで美しいと思えるようなその容姿。そして…たわわな二つの…、いや、言うまい。

 

「八神といい、今日は誘導の多い日だな。これでは特査官として、自分でもどうかと思ってしまうぞ…。」

 

「そ、それは済まなかった。…自信をなくさせるつもりはなかったのだが…。」

 

「あ、リインフォースや!こっちに来てたんやね!」

 

ぱたぱたと松葉杖を駆使して、はやてはリインフォースと呼ばれた女性の豊満なソレに飛び込んだ。軽いはやての身体を難なく受け止め、見上げる彼女を微笑みながらも少々困惑気味に見つめる。

 

「おっと…我が主、そのように勢いよく飛び込んでは危のう御座います。」

 

「リインフォースが受け止めてくれるって信じてたから大丈夫やよ?」

 

「し、しかし…。」

 

「ん~!それにしても相変わらずのわがままボディや~。」

 

「わ、我が主!?何処を触って……ひゃあっ!?」

 

目の前で繰り広げられる形容しがたい色の空間に、ハルは少々後退ってしまった。

…これはアレか。

同性愛者という奴か。

しかしこれは…、

この光景は…。

次元航空艦でこの様な…。

ぐるぐると渦潮のように思考の海へと沈む。

アースラの廊下に女性の卑猥な悲鳴が暫く響き渡っていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。