ヒカリ・如月
日本人とアメリカ人のハーフ。ブロンドの髪にサファイアのような瞳が大きな特徴。背中辺りまでの髪を、大抵ポニーテールにしている。少し中性的な顔立ち。
性格は前向きで明るい。ただ、一度芯が折れると、中々立ち直れないところもある。やや天然な所もあるが、それを踏まえて好印象持つ人が多い。
父親から軽く教わった程度と、後は独学の日本語だったので、英語混じりの怪しい喋りとなっている。基本的に戦闘時とかは翻訳魔法で補っている。この度、小学四年に進級するにあたり、日本での生活を始める運びとなる。物語は、アメリカを発って、日本に到着したところから始まる。
戦闘面
魔力量はCランク。
割と平均的で、他の分野においても特に目立って秀でてる部分はない。特筆するとすれば、加速度耐性が普通の人と比べてかなり高い所。
Mission1『ニッポン WASSHOI!!!!』
大きなボストンバッグを肩に掛け、新しく住む自宅の扉を開けた。日本という国に憧れ、生まれたときから彼女はアメリカで暮らしていた。日本人の父とアメリカ人の母を持ち、肌は父譲りだが、ブロンドの髪と、サファイアのような瞳は母から受け継いでいる。
我が儘を言うつもりだった。
「一度日本で暮らしてみたい」
そういったヒカリの言葉を両親は受け入れてくれた。幸いにして二人の収入には余裕があったので、海鳴市のマンションを購入し、今日引っ越してきた。ただし、両親は独り暮らしについての条件があると言っていたのが気になったが、それは向こうを出るときに教えてはくれなかった。なんでも、
『向こうに着いてのお楽しみ』
だそうだが。
出稼ぎに近くて、一週間に一度帰ってくる以外は職場で寝泊まりしている両親だから、家事その他はアメリカに居たときから何ら問題ない。一足先に荷物は運び込まれ、ある程度のセッティングは完了している。
広々とした2LDKは、一人暮らしをするのに些か勿体なく感じるものの、アメリカとの時差と、長旅の疲れからか、荷物も片づけないままにベッドでまどろみに包まれた。
東の空がぼんやりと白みかかってきた時間。時間にして六時過ぎか。ヒカリはゆっくりと目を覚ました。見慣れない天井を見上げ、引っ越してきた実感を噛みしめるまで軽く十秒ほど。大きなあくびを一つ。仕分けされた段ボールから、歯磨きセットを取り出して洗面台へ。ツンとくるミントの香りが、寝ぼけた頭を目覚めさせてくれる。
シャワーを浴びた後はドライヤーで髪を整え、動きやすいジャージに着替えた。髪型も、お気に入りのポニーテールに縛り、朝の日差しが差し込むベランダに出た。丁度日が昇る時間だったようで、太陽の光に照らされて海がキラキラ輝いている。昨日はみる余裕がなかったが、ここからみる町並みは、アメリカのそれとはまた違った良さを感じる。4月上旬。桜もちらほらと咲き始める暦上は春ではある物の、肌寒い空気が織り成す霧がかった風景もまた美しくかんじられた。
食材云々はないので、多少の空腹感を感じながら、荷物の片づけを始める。
ある程度の荷物を片づけ終えた頃には、時計の針は九時半を指していた。さすがに空腹の限界を迎え始めたヒカリはジャージを脱いで、白いワンピースに着替え、財布を持って町へ繰り出す。
日曜日だけあって、人通りも少なくない。 迷わないように道順や、目印をある程度メモしつつ、朝食を済ませようとコンビニか何かを探していた。…すると、
「…コーヒーの匂いがする」
ひくひくと、まるで犬の様に鼻をヒクつかせる。丁度、緑色で
『翠屋』
と、かかれた看板の店の前に立っていた。
「ここは、カフェテリアか何か、でいいのかな?」
…難しい漢字が読めない彼女は、コーヒーの香りに導かれるように店に吸い込まれていった。
中に入ると、落ち着きのある雰囲気に、先ほどから鼻腔を刺激していたコーヒーの香りが一層強く感じられた。
「いらっしゃいませ~、お好きな席へどうぞ」
カウンターの奥から、栗毛色の女性が迎える。休日のモーニングタイムだけあって、人もそこそこに座席を埋めていたが、その大半は家族連れなので比較的空いていたカウンター席に腰を下ろした。
ヒカリの容姿に白いワンピース加わって、モーニングの時間帯の店内で客の目には目立って見える。
目の前にあるメニューを広げると、そこはやはり日本語の羅列。ある程度父から読み聞かせを受けてはいたが、日常的に慣れ親しんだ言葉や文字ではないので軽く目眩を覚えた。
軽く五分くらいだろうか?メニューと睨めっこしているのがさすがに気になったのか、先ほどの店員『高町 桃子』は声をかけた。
「ねぇ貴女、もしかして…外国からきたの?」
メニューから目を離し、カウンター越しに話し掛ける桃子の方を見た。話しかけられた内容を、脳内の辞書で検索をかける。
「あ……イ、YES…です」
「そう。メニューの文字がわからないのね?それなら、飲みたい物はあるかしら?好きな物を言って?」
ほんのりと、優しく包容力が感じられる桃子の笑顔が、若干緊張気味だったヒカリに安心を与えた。
「エット……ココア…は、OKですか?」
「えぇ、いいわよ。少し待っててね。」
そういうと、桃子は厨房の方へと消えていった。少し首を伸ばしてみれば、黒い髪の男性にオーダーしている。…夫だろうか?
注文が来るまでの暇つぶしに、と改めて店内を見回すと、エプロンをした店員の中に桃子と同じ髪の色をした、ヒカリと同い年くらいの少女がいた。歩く度に少しハネたツインテールがひょこひょこと揺れる。オーダーを取る際に屈託のない笑顔で客を和ませていた。
「あの子はね、私の娘で、『なのは』って言うの。」
自身の前にカップに入った温かいココアと、モーニングのトーストとサラダを置きながら桃子は教える。
「丁度、貴女と同い年くらいかな?よかったら仲良くしてあげてね?」
「い、YES。頑張る、です。」
…と、意気込んだはいいが、いざ話しかけるきっかけを見つける、というのも難しいもので。あれやこれやと悩むうちにココアも空になっていた。
会計を終え、翠屋から出てくるヒカリ。ぐっ…と背伸びしつつ、結局なのはという少女に話しかけることができなかった残念さと、これからどうするかとの悩みが頭に染み着いていた。
「フム……食べ物がないから…マーケットを探さないと…」
しかし、街の地図もなければ土地勘もない。端から見ても困惑顔だった。
「あのっ…」
不意に後ろから声をかけられる。振り返るとそこには、翠屋で話しかけることのできなかった少女がいた。
「お、お母さんが道案内してあげなさいって。良かったら一緒に行ってもいいかな?」
渡りにボートと言う諺が日本にあると聞いたことはあるが、まさにこの事か、とヒカリは内心歓喜した。願ったり叶ったりだが…、
「デ、デモ…お手伝い…ダイジョブ…なの?」
「ん、丁度モーニングタイムは終わったから、行ってきなさいって。大丈夫だよ。」
この母娘は女神と天使だろうかと、ヒカリの脳内は自動変換仕掛けていた。二人の好意を不意に出来ない。ヒカリは有り難く、道案内を受けることにした。
「ところで、貴女のこと、なんて呼べばいいかな?まだ、名前を聞いてなかったけど…」
大通りを隣に並んで歩くなのはは、不意に訪ねた。
「ボクは…ヒカリ…如月。USAカラ来たんだ。ヨロシク。」
「私は、高町なのは。みんなは、なのはって呼ぶよ。よろしく、ヒカリちゃん!」
近場のマーケットに寄った二人は、順調に親交を深めていた。いざ話してみると、気さくに話しかけてくるなのはに、口下手ながらも何とかその話に答えようとするヒカリ。買い物を楽しみながら掛け替えのないひとときを過ごす。
納豆やワサビを面白半分で買ったことをヒカリが後々後悔したのは、また別のお話。
「結構買い込んだね~。」
ヒカリのマンションに向かいながら、なのはは手にぶら下げた買い物袋を眺めてつぶやいた。そこそこに膨らみを持ったビニール袋を二人で一つずつ運ぶ。
「ゴメン…なのは、荷物を運ぶの、helpしてもらって…」
「ん~ん、全然苦じゃないよ。これぐらいならお店の買い出しでよく運んでるから。」
そんな雑談をしていると、不意に背後から声がかかる。
「あれ?…なのは?」
振り向くと、手には買い物袋を下げた、なのはと同い年くらいの少女が語りかけていた。見ればヒカリと同じく、煌びやかなブロンドヘアをツーサイドアップにしている。瞳の色こそ違えど、端から見ても同い年にしては大人びた雰囲気を醸し出していた。
「あ、フェイトちゃん。買い物帰り?」
「うん、そうだけど…隣の人は?」
「あ、うん。えっと、うちのお客さんで、外国から引っ越してきたらしくて道案内をしていたの。」
「ヒ、ヒカリ・如月です。よろしく。」
「私はフェイト、フェイト・テスタロッサ。よろしく、ヒカリ。」
ペコリとお辞儀しながら、互いに自己紹介する。横で見ていたなのはには、二人の長い髪が眩しすぎた。
「…ところで二人とも、その荷物はどうしたの?」
「ヒカリちゃんのマンションに運ぶんだ。引っ越してきたばかりだから、地理とか慣れてないと思うし。」
「よ、よかったらだけど、フェイトも来ない?この町のこと、フェイトからも聞きたいな。」
フェイトとしては特にこの後の予定もない。買い物を済ませて、ちょっと自主トレーニングを積む予定だったし、二つ返事でついて行くことにした。
「でも、私も海鳴市に来てから半年もないから、余り詳しくないよ?それでも構わないなら…」
「OK、それでも数ヶ月は先輩だよ。」
何やかんやで、二人はヒカリ宅のリビングのソファに座っている。当のヒカリはキッチンでお茶の準備をしていた。
「す、スゴいね…広々としてる…」
二階分はある高々とした天井のリビングにはくるくるとレストランであるようなプロペラ?が回っており、窓からベランダに出れば、海鳴の広々とした景色が見えた。ヒカリの自室の他にも、お風呂やトイレのスペースの二階部分には、おそらくヒカリが勉強スペースにするつもりなのか、軽く書斎のようだった。
「一人暮らしなんで、ざっと見ても使い切れないスペースもあるんだ。勿体無い位。」
そういうと、買ってきたばかりのコーヒーを二人の前に置く。湯気と共に、独特の苦みを感じる香りが鼻腔を刺激した。
「そう言えばヒカリちゃんの苗字の如月って、日本の物…だよね。」
「YES、ボクの父はJAPANの生まれなんだ。USAに仕事で渡って、母に出逢ったって聞いてる。ボクは生まれてから今まで日本には来たこと無かったから、一度日本に住んでみたかったんだ。」
ヒカリの話を聞きながら、二人はコーヒーに添えられた砂糖とミルクを黒い液体に混ぜ合わせていく。ヒカリも話の区切りという意味も込めて、アメリカにいたころからの愛用マグカップにいれたコーヒーを啜る。
「でも、今思えば、ニホンゴ、もっと勉強しておけばよかった。結構HARDだね。」
「あ、わかるな、ソレ。私も同じ悩みが引っ越してきたばかりの頃あったよ。…学校とか、国語の授業中が当てられないかヒヤヒヤしてたなぁ…」
感慨深いのか、フェイトは過去に少しトリップしている。そんな彼女に苦笑しつつ、なのはは気になっていたことを尋ねる。
「学校の授業といえば、ヒカリちゃんはどこの学校に?」
今現在4月も上旬。なのは達も明日から新学年度が始まる。手続きなどを考えると、すでに決めてあるのだろう。
「elementary school?……えっと…確か……………………。」
「…もしかしたら、漢字が読めない?」
「…い、YES……漢字は…easyな物くらいしか……。」
「そっかぁ…、もし別の学校でも、友達でいてほしいな。」
「と、友達……friend?」
翻訳するヒカリに頷くなのは。正直、引っ越して二日目で友達と言ってくれる人がいるとは思っても見なかった。戸惑いと嬉しさとこそばゆさとが、ヒカリの中で入り混じる。
「もちろん私もヒカリと友達で居れたら…って思ってるよ」
すかさずフェイトも乗ってきた。嬉しさでヒカリの脳内は埋め尽くされていく。顔を赤らめる彼女は何ともいじらしいもので。
「えっと…ダメ、かな?」
「そ、そんなことないよ…そんなこと!」
すかさずヒカリは正座し、三つ指を立てて深々とお辞儀する。
「ふ、不束者ですが…!」
…フェイトはこれの意味を理解できていなかったが、なのははというと、ヒカリには日本語以外にも、文化とかその他諸々を教えないといけないなぁ、と改めて感じたのだった。
初めましておはよう御座いますこんにちはこんばんは。初投稿+小説初心者の『ロシアよ永遠に』です。初めての小説執筆と投稿と言うことで、遅筆かつ駄文かもしれません。というかそうなります。加えて豆腐、しかも絹ごし豆腐みたいなメンタルなので、合わないと思った方、回れ右でお願いします。
小説投稿する以上、読んでくださる方々に楽しんで貰えるよう、日々精進します。ですので、ご指導、ご鞭撻のほどお願いします。
ま、堅苦しい挨拶はこの辺で。
この度投稿させて頂きますのは、PSPソフト『魔法少女リリカルなのは GEARS OF DESTINY』を元にオリキャラを交えた二次創作となっています。元いたキャラとかは出て来ますが、なのは達主要人物は劇場版という設定なので、リーゼ姉妹の登場予定はありません。ご了承ください。
あ、あと、サブタイトルに深い意味はありませんww