魔法科高校の劣等生に二回転生しちゃいました   作:葉楼

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遅くなりました

今回で九ノ瀬家編も終わりです。



九ノ瀬家編3

真由美と知り合った次の日、零は鼻歌を歌いながら九ノ瀬邸の廊下を歩いていた。

零が今にもスキップしそうなほど上機嫌なのはこれからある場所に行くのが楽しみだからである。

 

さっきまで零はいつもの様に修行をしていたのだがいつもと異なる点が一つあった。それはここ数週間失敗続きであった魔法が今日一度目の行使で成功したのだ。

昨日真由美と遊び、家に帰ってくると珍しく本日二度目の修行があり、その時は初めて確かな手応えを掴んだだけだったのだが今日は何にも詰まる事なくスムーズにできたのだ。

しかも今日初めて習った魔法も数度の挑戦で成功させ、零は自分の調子がいいと感じた。

そしてその理由を昨日真由美と遊んだからと考えた零は今日の真由美と遊ぶ約束が楽しみだったというわけだ。

 

「よし、行こう。」

 

零は時計を見てもうすぐ約束の時間になるのを確認すると九ノ瀬の屋敷を飛び出していった。

 

 

 

 

 

数時間後真由美と遊んで家に帰ってきた零は自室へ向かう廊下を歩いていた。

家を出る前と同じくすごく上機嫌で鼻歌を歌っていた。

しかしそのせいで注意を怠り、曲がり角で人とぶつかってしまった。

 

「ご、ごめんなさい!」

「いや、こちらこそごめん。大丈夫?立てる?」

 

倒れてしまった零が謝ると相手も謝り零に手を伸ばす。

 

「ありがとう……ってあれ?君だれ?」

 

礼を言ってだれにぶつかったのか顔を上げると見慣れない男の子が立っていたため思わず間抜けな声で聞いてしまう。

 

「僕は達也。君見慣れない顔だけどこの家に来るのは初めて?」

 

達也と名乗った少年の言葉を少し変と思いながらも零は答える。

 

「え、いや僕はここに住んでいるんだけど。」

 

「ここに住んでるって!?僕何回もこの家に来たことあるけど君のことは一度も見たことがないけど。」

 

意外な返答に驚いている達也に零は何か言おうとするが頭の中に響いてきた声に遮られる。

 

(ねえ零、もしかしてこの子が優さんの言っていたあの(・・)彼じゃないかな?)

 

(前に父さんが言っていたあの(・・)?)

 

(たぶんね。だからなるべく早く離れ「おーい!だいじょうぶ?」…)

 

零と蓮玉が話している『あの』というのは以前優から四葉という家から時々遊びに来ることになると言われていた子を指しており、彼とはなるべく会わないようにしないといけないとも言われていた。

そのため蓮玉は零を達也から離そうとするがそれを達也に遮られてしまう。

 

「あ、ごめん。ボーっとしてた。どうしたの?」

 

「いや、どうしたもそれ大丈夫?」

 

とっさに応えた零に対して達也が指さしたものは壊れてしまったブレスレットであった。

それを見た零は驚きと悲嘆に満ちた声を出してしまう。

 

「え、それ?…うわぁぁぁ!!」

 

水晶の付いたそれは今日真由美と遊んでいるときに見つけた水晶で作ったもので真由美とのペアルックである。

ブレスレットに向かい膝をつき四つん這いの格好になった零は声も出さず呆然としていた。

そんな零を見かねてか達也は零に声をかける。

 

「ねえちょっとそのブレスレット貸してくれないかな。」

 

無言で零が渡してきたブレスレットを受け取ると達也はそれに左手を向ける。

なにをするのかと零が見ると達也の左手から想子の光が見え、次の瞬間には壊れたブレスレットは元通りの形になっていた。

 

はい。と達也がブレスレットを渡すと呆気にとられていた零が我に返り驚きの声を上げる。

 

「あ、ありがとう。それにしても今のどうやったの?あれは魔法なの?」

 

そうして達也と零は仲良くなり翌日達也が帰るまで魔法について話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

真由美に遊べるのは明日で最後と言われた零は寂しそうな顔で家に帰ってきた。

家に入るといつもと違い騒々しい雰囲気で満ちていた。

何事かと思い近くにいた葵に声をかけるとすぐに手を掴まれ引っ張られていく。

居間に入りようやく解放された零は葵に文句を言おうとするが葵の言葉に遮られる。

 

「お父さん、零帰ってきたよ。」

 

書斎には慌ただしく動きながら電話している優がいており葵が声をかけるとこちらを向いて早口で話す。

 

「ああ、おかえり零。帰ってきてさっそくで悪いんだが車に乗っていてくれ。

荷物は用意してある。」

 

「え、え?荷物って何?どういうこと?」

 

「すまんが訳は後で話す。」

 

そう言って優は再び電話を始める。

その様子に今はこれ以上聞けないと判断した零は言われた通り車へと向かっていった。

 

 

零が車に乗って待つこと数分優がやってきて家を出発した。

そして車に揺られること十数分後零が口を開く。

 

「ねえ父さん、どこに行くの?」

 

「…アメリカだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

零が車で空港へ運ばれている頃真由美は軟禁されベッドで一人泣いていた。

 

事は昨日に遡る。

昨日も零と遊んだ真由美は帰宅してすぐ父である弘一に「明後日、家に帰るまでここから出さん!」という言葉とともに部屋に押し込まれてしまった。

その言葉通り真由美がいくら別荘を抜け出そうとしても絶対に誰かに見つかってしまいその度に部屋へ戻された。

翌日、抜け出すのは無理と判断した真由美は弘一に今日だけでいいからと必死に頼むがそれも聞いてもらえず、挙げ句の果てには来年からはこの別荘には来ないようにしようかという話も聞いてしまいそれからずっとベッドで零とおそろいのブレスレットを見て涙を流していた。

 

 

 

 

泣き始めて二時間近くが過ぎた頃真由美は自分の左肘に巻かれたハンカチを見つける。

これは零に借りたもので今日返さなければいけないものだ。

しかしそれも別荘から出られないために返す事ができない。

今日会うという約束を守れない事に真由美は零への申し訳なさでいっぱいになりまた涙を流すのだった。

 

 

 

翌日

東京にある家に帰った真由美はもう泣いていなかった。

昨日部屋でずっと泣いていた真由美を心配した彼女の双子の妹たちが慰めたのだ。

そしてその最中に出た言葉が真由美を立ち直らせ真由美にある決心を抱かせた。

それは零も自分と同じぐらいの歳でかなり魔法が使えるという事は彼も魔法関係の仕事を志すだろうと考え、もしそうならばいつかまた必ず彼と会おうというものだった。

 

 

そしてその決心は約九年後に現実のものとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やばいです。
夏休み部活が朝から夜ぐらいまで連日でありなかなか執筆できません。
たぶんずっとこうなんで夏休み中はあと一、二話ぐらいしか投稿できないかもしれません。
本当に申し訳ないです。

あと次回からは零のUSNA編になります。
あー、でもなー葵にも焦点当てたいしな…
葵の方は書きたくなったら書きます!

お読みいただきありがとうございました
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