魔法科高校の劣等生に二回転生しちゃいました   作:葉楼

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約二か月ぶり…
難産でした。
分かってはいたけどオリ展開って難しいですね。
その結果がこの更新の遅さ。

その間に初投稿から一年が過ぎてしまってるという悲しさ。
何もしてないよ。
零君ごめんなさい。

長らくお待たせしました。どうか楽しんでいってください。



USNA編8

今まで気づかないふりをしていた本当の気持ち

 

それに気づいてしまえば関係が壊れてしまう気がして

 

そうなるのが怖くて仕方なくて

 

知らないふりをしてその気持ちに蓋をして

 

自分すらも偽り隠してきたつもりだった

 

だけどそれは抑えきれなくて

 

日を追うごとに増していく

 

そしてきっかけ一つでその堰は外れ

 

途端にその気持ちを自覚する

 

私は、レイのことが―――

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「レイ、入るよー」

 

扉を開け返事の返ってこない部屋に入る。

いろんな種類の道具や本、機械があるにも関わらず綺麗に整頓された部屋の奥にはベッドで眠るレイの姿があった。

レイは死んだように眠っており、目を覚ます気配はない。

 

私が誘拐された日から丸三日が経った。

あの後眠っていた私を抱えたレイは家に帰ってくるなり倒れてしまったそうだ。

原因は想子の枯渇。しかもどうやってか自分の想子量の限界を超えて魔法を使っていたようで、普通ならば一晩眠れば回復するのもダメージが大きいせいでいつ目覚めるかは分からないらしい。

幸い命に別状はなく、そのうち目を覚ますそうだ。

 

ベットの側の椅子に座ってレイの様子を見る。

帰ってきた翌日に目が覚めた私はこの二日、特に用事がなければこうしてずっとレイの側にいる。

シミ一つ無い白い肌にツヤのある綺麗な黒髪。

少し長めの髪は中性的な顔立ちと相まってどこかのお姫様のような雰囲気が出ている。

それはいつものレイだが、私を助けてくれた時とは別人のようだ。

特に意識の途切れる直前に見た、本気で怒ったレイの姿は忘れられない。

今までは怒らせてしまったとしてもどこか優しい雰囲気があったのだが、その時はものすごく怒っていて鋭い雰囲気を纏っており、近くの私はその雰囲気だけで殺されそうだと思ったほどだった。

 

しかしその雰囲気もレイが何かの魔法を使った後すぐ収まり、普段のレイに戻った。

いま思い出しても身体が凍るような恐怖を覚える私は本気でレイを怒らせないほうがいいと学んだのだった。

 

レイの顔を一頻り眺めると欠伸が出てくる。

もう夜も遅い。すでに今日やるべきことは全て終わらせているため眠気に逆らうことはせずそのままレイの側で私は寝た。

 

 

 

翌日、学校から帰ってきた私は荷物を置き、着替えてレイの部屋へお見舞いに向かう。

今日の寝るまでの予定を考えながら部屋の前に着く。

「ただいまーレイ。入るよー」

寝ているため返事は返ってこないだろうとドアを開ける。

 

だけど目に入ってきたのはベッドで寝ているレイの姿ではなく窓辺に佇むレイの姿だった。

どこか儚げで悲しそうな悩んでいるような表情をしている。

 

「あ、リーナ。おかえり」

 

突然こっちを向いたかと思えば普段の表情に戻って喋ってきた。

予想していなかった状況に一瞬固まってしまう。

だがすぐに動き出しレイに飛び込んでいく。

レイに抱きついた私は心の中で安堵し強く抱きしめる。

 

「ちょっ、リーナ少しきついんだけど…」

 

きつくしすぎたようでレイから声が聞こえるがそれに少しイラっとしてしまう。

レイを離して深呼吸すると大きな声を出す。

 

「なにのんきなこと言ってんのよ!心配したんだからね!目が覚めたらレイは寝ちゃってるし三日も目覚めないし。助けてくれたのにそんなんだったらお礼も言えないしこっちが困るのよ!どうするのよ私レイがいなかったから髪を下ろして学校行ったんだからね」

 

一息で言い終えた私にレイは呆気に取られて固まっている。

 

「まあ、助けにきてくれてありがとうね」

 

レイが動き出す前に言い忘れていたお礼の言葉を言う。

また固まってしまったレイは笑顔の私を見てつられて笑う。

 

「どういたしまして」

 

その後パパ達にレイが起きたことを報告して、いつもの日常に私たちは戻っていく。

どこか影を落としているレイの表情に私は気づかないまま

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

自分の心にあるこの気持ちには気づいていた

 

けどその気持ちをどう呼べばいいのか分からなかった

 

今までずっと一緒にいた奴の言葉がきっかけでやっと気付けた

 

俺は、リーナのことが好きだ

 

 

だけど俺にリーナの傍にいる資格はない

 

俺は人を殺しすぎた

 

 

この血で汚れた手が何時誰を傷つけるかもわからない

 

次はリーナの番かもしれない

 

それならば―――

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

目を開けるとそこはいつも寝起きしている天井。

外は明るく、寝坊してしまったのだろうか。

時間を確かめようと起き上がり近くの端末に手を伸ばすと腕にわずかな痛みが走る。

見ると腕には包帯が巻かれており他にも体のところどころに包帯が巻かれている。

そこで俺は思い出した。

リーナが誘拐されたこと。一人で助けに行ったこと。そこで死にかけたこと。家に帰るなり倒れてしまったこと。

そしてリーナのことが好きだと分かったこと。

 

とりあえずどれくらいの時間寝てしまったのかを確認するために端末を見る。

さすがにもうお昼ごろにはなってしまっているだろう。

お腹も空いているしご飯を食べに行こうかなと思っていると驚きの余り二度見してしまう。

 

「四……四日!?」

 

思わず声が出てしまったが、そう、最後に見た日付よりも四日進んでしまっているのだ。

ということは単純に俺は丸三日の間寝ていたことになる。

せいぜい丸一日ほどで回復すると思っていたのにその三倍もの期間眠ってしまっていたのだ。

ちょっとしたタイムスリップをした気分だ。

 

それほどかかった負荷が大きいものだと理解できるほどまで落ち着いた俺は日付に注目しすぎて見るのを忘れていた時間を確認する。

すると下手をすれば丸四日も寝てしまっていたことになりそうな時間で、窓際まで行きカーテンを開ける。

外には赤くなっている陽が少しずつ暮れていっている。

そろそろリーナも学校から帰ってくる時間のはずだ。

少し緊張する。複雑な気分だ。

無事なリーナの姿を確認したいがリーナのことが好きと自覚してしまってせいでどう接していいのかわからない。

今まで通りでいいんだろうがその今まで通りが分からない。

思わず溜息が出てしまう。

俺はどうすればいいんだ。

助けを求めるように窓の外の燃えているような真っ赤な夕日を見ると突然頭に裂けるような痛みが走る。

あまりの痛みに思わず頭を抱えて蹲る。

 

痛みと共に聞こえてくる断末魔、瞼に移る死んでいく人々。

ある人は感電死し、ある人は初めからそこにいなかったかのように消えていく。

いろいろな死に方をしていく人たち。彼らは殺されていく。

俺の手によって。

 

そうだ。俺はリーナを助けに行って、そこで人を殺していったんだった。

他に敵を無力化する手段を持ちながらも怒りに身を任せて。

挙句の果てに俺の持ちうる最大の魔法『スーパーセル』までも使って。

その魔法は文字通りスーパーセルを発生させる魔法。しかし威力は自然災害のそれよりも大きい。

雷雨や雹、土などを巻き込んで風塵と化した暴風、それらが対象を巻き込んで破壊し、辺り一帯を更地へと変えてしまうほどの規模の魔法。

おそらく公式に発表すれば戦略級とも認定されるほど強力で、誰一人として生き残っている者はいないだろう。

そんな強力で悍ましい魔法を俺は生み出してしまった。

 

 

俺はこの魔法を今後一切使わないようにすべきだ。

いや、またいつ今回のようになるかわからない。そのとき俺は自分を律することができるだろうか。

それならばいっそ魔法自体を使わないようにすべきかもしれない。

魔法を人殺しの道具にするなら俺はもう魔法に関わる資格すらもないだろう。

 

窓の外の夕焼けは赤く、尚も俺を苛ませるのだった。

 




人の心情を書くのは難しいです。
なかなか言葉にならなかったりします。

悩みに悩んだレイの答えは次話になります。
また心情描写が多そう……
時間もかかりそうです…
な、なるべく早く書き上げます!
それまでお待ちください。

感想・批評などお待ちしています。
お読みいただきありがとうございました。
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