魔法科高校の劣等生に二回転生しちゃいました   作:葉楼

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また期間が空いてしまいました。
もっと執筆スピード早くなりたい…
原作一冊と同じぐらいのペースな気がする。遅い…


USNA編9

最近レイの様子がおかしい。どこか変だ。

 

まずみんなと一緒にいる時間が短くなってよく一人でいることが多くなった。

誰も連れることなくどこかへふらっと散歩に行ったり、自分の部屋や家の書斎、近くの図書館に籠もって本を読んだり、はたまた家のどこかで一人ボーっとしていることが多くなった。

 

それに食事の時とかも席を立つのが早くなった。

今までは皆と話しながら全員が食べ終わるまで席を立ったりしなかったのに、みんなと話はするのだけれど、食べ終わるとすぐに席を立って自分の部屋に行ってしまうようになった。

 

最近のレイの様子の変化について家の人たちに聞いても皆気づいていないようで「思春期なんだろう。」とかよくわからない答えばかりが返ってくる。

だけどそれは絶対に間違った答えなのだと思う。

なぜならレイは、多分私が攫われたあの日から魔法を使っていない。

それどころか魔法に一切かかわっていないはずだ。

朝起きてレイの部屋に行くと、以前なら烈のおじ様に教えてもらった修行の影響で、霊子が活発化していて空気が澄みきっているような感じがするのに、最近はそういったものがないどころかまだ寝ているときすらある。

そのうえ、レイの部屋にあるCADを調整する機械やCADの設計をするためのパソコン、挙句にはCADにすらも使われた跡がない。

 

せっかくレイに振り向いてもらうためにアタックしていこうと決めたのにそのレイの様子が変なんじゃそれをほっといておけるはずがない。

…それに相手にしてもらえる様子もないし。

事件直後とかは積極的にやってみたのだけれど、全く反応しなかったのよ。

手を繋ごうとしたらどうやってかことごとく躱されるし。おしゃべりしようとしたらどこに行ったのか分からず結局見つからないし、前と違う様子にこっちの調子が狂っちゃうのよ。

 

……いえ、文句を言いたいわけじゃなくて私が言いたいのは、レイにはいつも通りにいてくれないと変な感じがするし調子がおかしくなるってこと。

でも実際のところ、レイはパッと見たところ全然いつもと違うようなところは見つからないし、家の人たちも違和感とかを感じていないのだから、私の思い違いかもしれない。

けどこれが思い違いじゃないってなんとなくだけど確信してる。

だから今レイの悩みを解決してあげれるのは私だけだ。

 

だけど、どうすればいいかわからない。

レイの変化の原因は時期的に見てもあの事件なのだろうけれど私はあの日レイに何があったのか知らない。

あの日私には外の様子が分からなかったしレイは話さない。

 

となると残されているのはレイに直接聞くという方法だけ。

でもそれはちょっと気まずい……いいえ、聞かなければ始まらないわ!いい加減覚悟を決めないと。

というか普段通りにすればいいのよ。何も緊張するようなことではないわね。

 

よし、レイの所へ行きましょう。

 

◇◆◇◆◇◆◇

レイの部屋の前まで来たリーナは緊張から数分ほど立ち往生していた。

やっと覚悟を決めてドアをノックすると中からすぐに返事が返ってくる。

 

「あれ、リーナ。どうしたの?」

 

ドアを開いて姿を現した零は笑顔でリーナを迎える。そこに普段と違った様子は見当たらない。

 

「ちょっといい?」

 

「大丈夫だよ。あ、入る?」

 

そう促されてリーナは零につられて部屋へ入っていく。

リーナが見たものは壁際に置かれているCADなど魔法関連の機械たち。

やはりそれらはリーナが数日前に入った時と全く位置が変わっておらず少し埃を被ってしまっている。

 

リーナをベッドに座らせ、零は自分で持ってきた椅子に腰掛ける。

 

「それでどうしたの?また何か勉強のこと?」

 

やはり普段と変わらない様子は見当たらない。

確かに勉強のことで聞こうと思っていたことはあるが今は違う目的で来ているためまた別の機会だ。

深呼吸を一つ入れて切り出す。

 

「レイ、最近あなた様子が変だけどどうしたの?」

 

ほんの僅かではあるが零は眉を顰めたことに気付く。

しかし零はそれ以上の反応を一切見せることなく答える。

 

 

「いや、別にどうもしてないよ?」

 

「どうもしてないわけないじゃない。

最近様子が少し変だし、それに知ってるのよ。最近レイが魔法を使ていないこと。

それどころかあなた魔法に関わることすらしてないでしょ。

それでも何もないっていうの?」

 

 

頼りにされてないのか信頼されてないのか、ちゃんと話してくれないことに思わず声を荒げてしまう。

だが零はそれを意に介する様子もなくリーナを見つめ、そして観念したように言う。

 

 

「ばれてたんだ。

…でも大丈夫だよ。リーナが心配するようなことは何もないし気にしなくていいよ。」

 

 

やんわりと拒絶する零だが、知ってか知らずかその顔にはほんの少しの影が差す。

リーナはそれに気づき、ここで引いてしまってはダメだ、と自分に言い聞かせ話す。

 

 

「レイ、やっぱりあの日何かあったのね?

お願い、話して。力になるから。」

 

だが零の顔はどんどん暗くなっていき、ついに抑えることなくきっぱりとした拒絶の言葉を放つ。

 

「もうほっといてくれよ。リーナには関係ないだろ。

それに本当に何もないから、このことには関わろうとしないで。」

 

何もないことはない雰囲気を纏うも何もなかったと言い張る零。

ここで引き下がってしまっては今、ここに来ている意味がない。

それに零が以前のように戻ることもなくなるかもしれない。

そんなのは絶対に嫌だ。

 

 

「なによ。そんなに私は信じられないの?

何があったか知らないし何を思ってるか知らないけど、それを話すことはできない!?

それとも話したら私の態度が変わるとでも思ってるの?

私ってそんなに信頼されてない?

信頼してるのは私だけ?

私ってあなたの力にはなれない?

言っとくけどレイ、あなたがどんなに離れようとしても絶対隣にい続けるからね。

だからまず何があったか話してくれるまでずっとこの部屋にいるから!」

 

 

顔を上げて呆気にとられたようにリーナを見つめる零。

そして何か悩むように俯き、視線を左右に泳がせ恐る恐る口を開く。

 

 

「ど、どうしてリーナはそこまで?」

 

「家族だからよ!

家族が悩んだり落ち込んでたりしたら力になってあげることは当然だから、いいえ、それ以上に私はレイのことが好きだからよ。

最近はいつも言ってるじゃない。

でも私が好きになったのは今の暗いレイじゃなくてもとのかっこいいレイよ。

だからいつも通りに戻ってほしい。

わかった!?」

 

 

リーナの言葉を聞いて零はまた考え込むように俯く。

手を血で染めてしまった自分にはリーナと一緒にいる資格がない。

だからリーナには何も話さず、何も知らないままで生きてほしい。

しかしそれはリーナに嫌われることを怖れたのと同じことだった。

リーナのためなどと言っておきながら結局は自分が傷付かないようにしていたんだ。

それにリーナはここまで自分を信じてくれている。

 

話してもいいのだろうか。いや、リーナには聞く権利がある。そのリーナが聞きたいと言っている。

それならば、たとえ話したことであの日の後悔に苛むことになっても自分はリーナを信じて、話すべきなのだろう。

もしそれでリーナが自分を怖れてしまうことがあったとしても。

 

決心した零はポツリポツリと話していく。

 

 

「俺は、あの日………、人を殺したんだ。

それも数人とかじゃない。確かではないけど全員を殺したはずだ。」

 

重々しく発せられた言葉にリーナが息を呑み体を強張らせる。

 

「あのとき俺はリーナが連れ去られた怒りで、何も考えずに殺していった。

動けないようにするとか他にもやりようはあったはずなのに。

あの時冷静でいれば、いや違う。

落ち着いて、考えることはできたんだ。でも、それをしなかった。

ただリーナを助けるにはそっちの方が早いからっていう理由だけで殺していた。

そこに何も感じることはなかった。人を殺すことがただの作業になってしまっていたんだ。

だから俺は怖いんだ。

また同じようなことがあれば、俺は次も人を殺していくだろう。何も感じず、ただの作業として。

だから魔法に関わるのをやめようと思った。そうすれば人を殺す手段がなくなると思って。」

 

 

部屋に静寂が訪れる。

零は拳を握って俯いている。その手は震えていて、リーナの返事を怖がっているのが見てとれる。

リーナは強張った体を落ち着かせるように呼吸を一つ入れて、部屋に訪れた静寂を破る。

 

 

「わかったわ。つまりレイが言いたいのは魔法なんて使えなければよかった、魔法なんてなければよかったってことよね。」

 

「そうだよ。魔法なんてなければあんなふうに人を殺すことはなかったんだ。」

 

「だったらレイは私を助けなければよかったと思ってるのね。

それに魔法を使わないってことはまた同じようなことがあってもレイは助けてくれないってことよね。」

 

「それは違う!」

 

 

後悔を滲ませながら話す零に本当に慰めるつもりがあるのかと疑いたくなるような言葉をリーナは冷ややかな声で投げかけていく。

零はそれに否定するが、冷静にリーナは反論する。

 

 

「何が違うっていうの?

あの時レイが魔法を使っていなかったらレイは死んでいたかもしれなかったし、私は絶対に助かっていなかったわ。」

 

「それとは話が違うだろ!

俺は人を殺したんだ。

たとえそいつがどんな悪人だっとしても許されるようなことじゃない!」

 

「確かに人を殺すのはいけないことよ。けどそれは人を助けるのとどっちが大切?

レイはあの時私以外にも誘拐されてたたくさんの人を助けたじゃない。」

 

「そんなことは知らない!

俺はリーナ以外を助けた覚えはないし、あの場にそんな人たちがいたことも知らない。

だからそんなことは関係ないだろ!」

 

「人を殺してしまったことを忘れろとは言えないわ。ちゃんと考えるべき。

だけどレイは私以外にもたくさんの人を助けた。それはレイが忘れていたとしてもちゃんと存在する事実なの。

だからね、レイ。今あなたがするべきことは徒らに自分を責めることじゃなくて、起こったこと全てを知った上であの時自分にとって何が一番正しかったか考えることだと思うの。」

 

 

リーナは一度言葉を止め、零の元に歩み寄る。

そしてきつく握られている零の片手を取り、両手で柔らかく包み込む。

驚いた零は俯いていた顔を上げる。するとリーナの穏やかな目と視線が合う。咄嗟に逸らそうとするも釘付けられたように離すことができない。

リーナも零の目を見つめたままどこか温もりを持った声で諭すように再び話し出す。

 

 

「あなたは見ず知らずのたくさんの人どころか、私を助けたことすら考えずに自分を責めてた。でもね、レイには人を助けたことに目を向けて自分を許す権利だってあるはずよ。

だから、もう一度しっかり考えて。

それでも自分を許せないなら仕方がないって割り切るわ。

でも一つだけ覚えておいて。レイがどちらを選んでも私は今までと変わらずにレイに接するし助けてあげる。

そしてレイが自分を許せて魔法を使っているとき、もしも暴走しそうになってしまったら、そのときは私が止めてあげる。」

 

 

手を放し零の頭を二度、三度撫でるとリーナは何も言わずに部屋を出て行った。




何回も書き直していたらいつの間にかこんなに時間が経っていました。ポケモンGOやシャドウバースにハマったのも原因ですが。
ポケモンGOはもう全然してませんがシャドウバースはチマチマと続けています。が!全然ランクが上がらない。
おっと、それよりも執筆するほうが先か(笑)

そして気になったのですが自分の文は読みやすいですかね?
気をつけてはいるんですがあまり自覚できません。
もっとこうすればいいというのがありましたら教えていただけると嬉しいです。

感想・批評などお待ちしています。
お読みいただきありがとうございました。
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