魔法科高校の劣等生に二回転生しちゃいました   作:葉楼

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帰国編
帰国編1


飛行機から降りた客が続々とやってくる空港のロビー。家族や友人、親戚を待つ人で混雑している。

知り合いを見つけて手を振る人やそこに寄っていく人、そそくさと一人で帰っていく人。

色んな人が賑わう人混みの一つに零もいた。

 

「お帰りなさい」

「ただいま玲香さん、優さん」

「長旅お疲れ様。もう遅いし今日は家に帰ってゆっくりしようか」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

翌日

荷解きを大方終えると時計の針は既に昼を回っていた。

その後今は静岡にある九ノ瀬家本家にやって来ている。

色々と説明することがあるらしい。

 

九ノ瀬家は九ノ瀬大社という由緒正しい神社を受け継いできた。その本家は神社の広大な境内のすぐそばに建っている。

神社だけでなく家もかなり広く神社の境内とまではいかないが匹敵するほどだ。

そこに連れてこられた俺は優さんに当主の部屋に案内される。

 

そしてその当主から聞かされたのは俺がUSNAに行った理由と日本に帰ってきた理由。

俺がUSNAに行ったのは俺の血筋が関係しているらしい。

俺が小さい時、物心がつく前に亡くなった母親ではなく俺が生まれる前にはもう死んでいた父親の血筋だ。

父親は安倍家という家系の一人らしい。

 

 

五芒は平安時代以前からある組織だ。

表としての役割は普通の神社とあまり変わらない。信仰する神を祀り、祈りを捧げることで対価としてご利益を授かる。

ただ、その恩恵は桁違いとされ普通の神社仏閣とはかけ離れているものではあるが。

 

そして裏の顔として、対外勢力の侵攻に対する日本という土地を防衛するという面がある。国内の権力をかけた争いなどには姿を見せず国外からの侵攻があった時にのみ現れ強大な力でもって退ける。

その姿はまさに神の使徒、時には鬼とまで言われるほどのものらしい。

五芒の外部に知られていることはせいぜいここまで。

五芒には最重要秘匿事項、外部の人間には全く知られていない、知られてはならないもう一つの役割がある。

それは日本国内に潜む国を脅かす敵の排除。

その敵の名こそが俺がUSNAに行く原因となった安倍家。

五芒成立以前からある古い家系で、そして五芒を追放された家系だ。

 

本来、五芒というのは組織の名前ではなく、魔法——当時は妖術、神通力と呼ばれていた——を使う家系の中でも力を持った五つの家を指すものだ。

 

芦屋、安倍、九ノ瀬、椎名、柊

 

天皇貴族が摩訶不思議な力を使うと全国でも名を馳せていた家々を招集しその力を披露させたのが始まり。それから天皇の前で成果を披露するようになったり、年に何回か招集以外の場で会ったりするなど各家の交流が始まったそうだ。

 

各家の伝統を伝えたり技術の教えあいなど様々な形で仲を深めていった。その中には子供同士の婚約などもあったりなどその繋がりを少しずつ強めていた。

 

 

そして時は平安時代。

かの有名な陰陽師、安倍晴明が誕生する。

 

まさに鬼才。千年に一度の天才と言われ幼少期からその才能を発揮し力をつけていった彼は18歳という若さで安倍家を継ぐ。

各家との交流も盛んに行い、この時代における技術の躍進を担った。

才能を持つがそれに驕ることなく謙虚に行動し、人当たりも良く様々な人と分け隔てなく接しまさに絵に描いたような理想の人物だった。

誰からも信頼され、好かれていた彼だったがやはりその才能を妬み嫌う者も存在する。

その一人が五芒の一角、芦屋家の当主道満だった。

道満も才能ある人物だったが生まれた時代が悪かった。小さい頃から親や周りの人たちに晴明と比べられ、努力するも追いつくことのできない才能に次第に嫉妬するようになっていった。

どうにか晴明を出し抜けないかと考えていた道満はある日市民の間で流れる噂を聞く。

 

曰く都の外れにある小さな小屋に九尾の妖狐が潜んでいるのこと。

九尾の妖狐といえば妖怪の中でも最上位の一角に入ると言われるほどの力を持つ大物。

討伐に成功すれば皆さぞ驚き、晴明にも一泡吹かせられるだろう。そう思い彼はすぐに行動を開始する。

 

芦屋家の主力と天皇の部隊を引き連れた道満は圧倒的な物量差で九尾の討伐に成功する。

亡骸を献上しあとは天皇主催の五芒の会での披露を待つだけだ。それを見たときの周りの驚く顔を思い浮かべ早く会の時期にならないかと心待ちにしていた道満だったが結果としてそのお披露目会は開かれなかった。

 

ある夜晴明を呼び晩酌をしていた天皇がいいものが手に入ったと九尾の亡骸を見せびらかしたところ突如として晴明が暴走。その場にいた天皇を殺すにとどまらず、建物を全壊させるほどの魔法を使用した。

 

もちろんのこと異変を察知した五芒や近くにいた武士がすぐさま駆けつける。

そこで彼らが目にしたのは霊力を放出しながら九尾を抱いて泣き叫ぶ晴明の姿だった。

 

その翌日天皇殺しの罪で晴明は島流しに、安倍家は彼の息子が継いだ。

晴明は天皇を殺したが元からそのような思想があっわけではなく安倍家も同様だったため晴明の抜けた穴を埋めるように霊術の研究を進めた。

 

時が経ち五芒も政治も元のように機能し出した頃再び事件は起こる。

安倍家が秘匿していた妖怪を使役するという研究が芦屋家、そして五芒に漏れた。

当時から妖怪は穢れたものであり直ちに退治するのが普通だった。その妖怪をどうにかして妖怪退治に転用できないものかと進められていたがそれを他家に行ったところで快くは思われないと隠し続けていたのだ。

すぐさま始まった芦屋家による粛清に安倍家の人はその研究内容を五芒に訴え止めてもらうように頼み込む。

椎名、柊、九ノ瀬の三家はその要求に対し一度しっかりと調査をした上で判断しようとするが耳を貸さない道満と芦屋家によって粛清は続けられる。

 

その報せは島流しされていた晴明の耳にも届いた。慌てて都に戻った晴明だったが彼が目にしたのは信じがたい光景だった。

安倍家の屋敷は見るも無惨なまでに破壊されており瓦礫の中にはたくさんの見知った人の死体が。その光景に呆然としながら生存者を探すが、目にするのは一緒に生活してきた安倍家の人々の無残な姿。その中には一族を守って戦ったのか傷だらけの状態の者もいて晴明が島流しになった後当主を継いだ彼の息子もその一人だった。

 

いざという時のために安倍家が作っていた避難所には十数人の生存者が避難していた。彼らから首謀者が道満であることを伝えられた晴明は生き残っていた術者数人と共に芦屋家に攻撃を仕掛ける。

恨みに心を燃やし復讐心で身を焦がす彼らの攻撃は当に苛烈と言えるもので芦屋家の惨状は彼らが安倍家に与えたもの以上だった。

結果芦屋家は滅亡、一人残らず殺された。

しかし安倍家の怒りはそこで収まらず、この状況を引き起こした世界を恨み、運命を呪い、世の中を支配しようと全国に侵略が進められる。

残った三家は晴明の説得を試みるが実を結ばず安倍家の侵攻は苛烈を増していった。

 

 

 

もう誰にも止められないと諦めかけたその時安倍家の侵攻が柊、椎名、九ノ瀬の当主達によって食い止められる。

正確に言えば三家の当主に憑依した三柱の神によって。

伊奘諾によって遣わされた三柱、天照、月読、素戔嗚が各家の当主に取り憑き安倍家への粛清を始める。

天変地異のような圧倒的な力を以って次々に安倍家の人々を殺めていく。

そこには慈悲など存在せず、そして間も無くして安倍家は滅亡した。

 

 

これで平和が戻ってきた、

 

はずだった。

 

全員死んだと思われた安倍家だったが神の目を欺き逃げおおせた数人が安倍家の再興を進めていた。

これは三柱にも予想外のことだった。全てを見渡すと言われる三柱の眼を持ってしても気付けない、驚くべきは安倍家のその技術でありそして生き残った数人は少しずつ力を蓄えていった。

 

そして長い時を経て全盛期以上の戦力が整った安倍家は再び侵攻にでる。

攻撃は激しく不意打ちということもあり始め五芒は押し込まれる。

だが技術の開発を行っていたのは安倍家だけではない。五芒は態勢を立て直し徐々に押し返していった。しかし最後のひと押しというところで安倍家は撤退する。

 

その後何度も何度も数えられないほどの侵攻を退けるがいつも全滅間際というところで撤退するか、全滅させたと思っても別のところに潜ませていた数名が生き長らえることで安倍家は血を絶やすことなく続いてきた。

そんなことが千年以上も繰り返されてきた。

 

 

 

その安倍家が俺を狙ってきたそうだ。

理由は俺が生まれる前に死んでいた父親だ。彼は安倍家の人間だったがそこから逃れた人らしくその後母さんと出会い俺が生まれた。

それをどうにかして突き止めた安倍家が安倍家の血を持ち魔法に適性を持つ俺を手に入れようとしたらしい。

 

五芒はそれを阻止しこの数年俺を匿い守るための計画を進めていたそうだ。

USNAでずっと暮らさせるという案もあったそうだが安倍家の侵攻に対する戦力として、などの諸々の理由から呼び戻すことを決めたそうだ。

安倍家から守るといっても一日中束縛されることはなく、基本自由に動いてもいいらしいが監視は付くと言われた。

 

 

そうやって九ノ瀬本家での話が終わり俺は優さんの家に戻って一晩を過ごした。明日は四葉家に行かなければならないらしい。その数日後にはまた本家に行き五芒に挨拶回りをしないといけない。

割と自由がないなと思っているともう少ししたらもっと余裕ができるから、と優さんに言われた。

 

明日四葉に行かなければならないのは母さんの関係らしい。

母さんは四葉家の血族らしくそれを突き止めた四葉が俺を利用できるかどうか調べるそうだ。

 

なんなんだ俺の血縁は。

国に仇為す最悪の一族の血と、世界でも恐れられる一族の血を受け継いでるとか厄介すぎるだろ。

しかも九ノ瀬の血は入っていないのに九ノ瀬の系譜にもなるって。まあ母さんの双子の姉の玲奈さんのとこに預けられて九ノ瀬の魔法を習っているのだからそれは仕方がないことだが。

 

それよりも四葉家だ。何せUSNAでもアンタッチャブルと恐れていたあの四葉家なのだ。場所は厳重に秘匿されており、近くの駅にやってくる四葉の迎えの車で一人で行かなければならないらしい。

そんなの人体実験されるんじゃないのか。俺は嫌だからなとか愚痴っていると優さんにまあ悪いようにはされないから大丈夫らしいと言われた。

 

明日四葉で俺の体を調べてその結果によって四葉は俺をどうしたいか決めるらしい。四葉の指揮下に入れるかどうか。

 

流石に四葉の指揮下に入るのは御免だ。リーナと会うためには海外に行かないといけないが四葉家の下ではまず身動きが取れなくなる。

もしそうなってしまったら四葉に追いかけられるリスクを負ってでも身をくらませるべきかと考えているうちに夜も深くなっていった。




通学時間が長くなって時間が出来たから時々少しずつ書いて投稿
五芒の成り立ち書いてるときにその辺も描きたくなってきたけど遅筆だしあまり時間も取れないから今の所お蔵入り
自給自足ネタとして妄想かなぁ
…自給自足の使い方合ってたっけ?
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