今回はけっこう短めです。
最初にあってから三日。
その間零と真由美は毎日一・二時間ほど会って遊んでいた。
川で水遊びをしたり、お互いに魔法を見せ合ったり、魔法について話合ったりしていた。
川の水を凍らせたり、魔法で水を浮かせて物の形を作ったり、滝の流れを変えてウォータースライダーを作りそれに乗って滑り降りたりしていた。
そして今日も真由美と遊ぼうと零は川のそばで待っていた。
だが今日はなぜか真由美が来るのが遅い。
この三日遅れることがなかったのに今日はかれこれ30分ほど待っている。
いったいどうしたのかと考えていると真由美がいつものように向こう側からやってきた。
しかし真由美の息は荒く服はかなり汚れていて所々怪我もしている。
「どうしたの?服が汚れてるし肘から血が出てるよ!」
真由美の身を案じた零はそう尋ねるが真由美は何事もないかのようなあっけからんとした口調で返す。
「大丈夫よ、ただの掠り傷だし。」
「ダメだよ!ばい菌が入ったらだめだしこれを腕に巻いといてよ。」
そう言って零はポケットからハンカチを取り出し真由美の肘に巻く。
真由美の顔が少し赤くなるが零は気づかない。
「これでよし。
それで真由美ちゃん、何があったの?」
「ちょっとね…」
そう言って真由美は何があったのかを話しだす。
真由美が言うにはこの数日屋敷を抜け出して会いにいているが毎日監視の人数が増え、家を抜け出すのが難しくなってきており、今日は監視に見つかってしまったため少し戦い――目眩ましの魔法ぐらいしか使っていないが――何とか逃げたがそのせいで服が汚れたということだった。
話している間真由美はずっと不機嫌そうで話していることも最後のほうは愚痴になっていた。
「まったく、お陰で抜け出すのも一苦労なのよ。お父様ったらほんと過保護なんだから。」
「まあまあ、それだけ真由美ちゃんのことが本当に心配なんだよ。」
「それでもよ、少しぐらい自由にさせてくれてもいいじゃない。」
零が宥めると興奮気味の真由美も少し落ち着きを取り戻すのだがまだ少し愚痴っている。
このままだとずっと愚痴が続くと思った零は話を変える。
「それだったらさ、もうここで遊ぶのやめる?
このままだと真由美ちゃん本当に怪我しちゃいそうだし。」
「嫌よ!
それにわたし明後日にはおうちに帰らないといけないし会えるのは明日で最後なんだから明日も遊ぶわよ。」
「そっか、真由美ちゃん旅行でこの辺に来てるんだったね。」
零がそう言うと真由美は俯き悲しそうな顔をする。
しかしそれは一瞬のことで零は気付いていない。
「ええだから明日もあって一緒に遊ぼうね。
約束よ?」
「うん約束するよ。明日も一緒に遊ぶ。」
そう言って二人は指切りをする。
そしていつものように遊んだ。
しかし次の日二人が会うことはなかった。
真由美は父親に軟禁され家から出ることができなかったために。
そして零は……
USNAへと渡っていったために。
なんか二人ともあまり子供っぽくない口調だなぁ…
時間軸的には夏です。
零は5歳、真由美は7歳なのですが二人ともお互いの年を知りません。
ちなみに名字も。
あと零は魔法うまいです。
古式魔法は門外不出のものがあるため使っていませんが九ノ瀬家では現代魔法も教えているので…ね。
真由美はたぶんこの頃から上手いだろう、と。
ではこのへんで
お読みいただきありがとうございました。