「それでは戦後対談を開始してください」
「……雄二、私たちの勝ち」
「……もういっそのこと殺せ」
雄二が半ばヤケクソ気味に呟く。
「霧島さん、とりあえず3ヶ月の宣戦布告の禁止と設備のランクダウンは確定でいい?」
「……うん」
さて、ではそろそろお楽しみの罰ゲームの時間だね〜
「じゃあ5勝2敗だから3つまで命令権があるからね?」
「そういやそれがあったな……」
「霧島さん、どうする?僕としては個人的に一つあればいいんだけど……」
「……私も一つあれば構わない。他に欲しい人は?」
そう言って霧島さんは辺りを見回すけど誰も手を挙げる人はいない。
「……じゃあ残り一つは保留ということで。あと先に吉井から言って」
「じゃあ僕から。Fクラスのメンバー全員は誰にも怖い思いをさせず、これまで怖い思いをさせてきた人たちに誠心誠意謝ること」
Fクラスはいろいろとそういう噂があるし、それが原因で学園の人たちに迷惑をかけるわけにわいかない。
まあ僕も被害にあってるっていうのも理由の一つなんだけどね……
「……じゃあ次は私」
「……!(カチャカチャカチャカチャ)」
そのセリフを聞いた瞬間、ムッツリーニが凄まじい勢いで撮影の準備を始め、Fクラスの面子はその準備をしている。
「分かっている。何でも言え」
「……それじゃあーー」
霧島さんは小さく息を吸って、
「……雄二。私と付き合って」
そう言った。
周囲の空気が完全に固まる。
うん、流石にこれは僕も予想外だったよ……
「やっぱりな。お前、まだ諦めてなかったのか」
「……私は諦めない。ずっと、雄二が好き」
「その話は何度も断ったろ?他の男と付き合う気は無いのか?」
「……私には雄二しかいない。他の人なんて、興味ない」
「拒否権は?」
「……ない。約束だから。今からデートに行く」
「ぐぁ!放せ!やっぱこの約束は無かったことにーー」
「ダメに決まってるでしょ?いい加減諦めなよ雄二」
「明久、テメエ……」
「……雄二、さっさと行く」
「ぐあ!放せ翔子!」
そしてそのまま今度こそ霧島さんと雄二は教室を出て行った。
「さて、お遊びの時間は終わりだ。Fクラスの皆」
その声に全員が振り返るとそこには西村先生がいた。
「あれ?西村先生。何か用ですか?」
「ああ。今から我がFクラスに補習についての説明をしようかと思ってな」
我がFクラスと言う言葉に僕は首を傾げる。
確かFクラスの担任は福原先生だったはずだけど……
「ああ、今度から福原先生に変わって俺に担任が変わるそうだ。これから1年、死に物狂いで勉強できるぞ」
「「「なにぃっ!?」」」
Fクラスの男子全員が一斉に悲鳴を上げる。
それもそうだろう。なにせ彼の教育は趣味が勉強、尊敬するのは二宮金次郎になるというもはや洗脳レベルなのだから。
そういや僕も何回かそんなことになったっけ……
うん、なるべく早く忘れよう
「いいか。確かにお前等はよくやった。Fクラスがここまでくるとは正直思わなかった。でもな、いくら『学力が全てではない』と言っても、人生を渡っていく上では強力の武器の1つなんだ。だからないがしろにしてもいいものじゃない」
『先生、そこをなんとか……』
『そうです!俺たちにはまだやるべきことがあるんです!』
『たとえば異端者の処刑とかリア充の処刑とか彼女持ちの男子の処刑とか……』
「お前たちはそんなに補習の時間を増やされたいのか?」
うん、ダメだこれ。
まったく更生する気なんてないみたいだな……
「はぁ……今日はもう帰ってゆっくりと休むがいい。補習は明日からだから覚悟しておけ」
そう言うと西村先生は出て行った。
「さて、じゃあ今から吉井へのオシオキね」
「そうですね……それが必要ですよね」
そう言って姫路さんと島田さんが近寄ってくる。
「ちょ、僕には必要ないんだけど!?」
「安心しなさい。死にはしないから」
「そうですよ。悔い改めるチャンスを吉井君にあげるだけですよ」
そう言って2人は常備している釘バットを取り出す。
近頃のヤンキーでも釘バットを常備している人なんていないだろう。
「ああ、言い忘れたが姫路と島田は今日から補習だ」
しかしそこで鉄人が教室に入ってきてそう宣言する。
「ちょ!ウチらには補習なんて必要ありませんよ!」
「そうですよ!それに今から吉井君にオシオキをするんです!」
「そういうところがあるから補習と言っておるんだ……。取り敢えず他のやつら以上に厳しくやるから覚悟しておけよ」
そう言うと2人を補習室に連行していく。
「取り敢えずは一件落着……なのかな?」
連行される2人の背中を見ながら僕はそう呟く。
「まあいいか……。それよりも早く帰ろうかな」
そして僕は帰り支度を済ませ、3人と帰宅する。
その帰り道で……
「なあ明久、最終戦ってあそこまでやる必要あったのか?」
不意に妹紅がそう聞いてくる。
最終戦ってのは間違いなく雄二の策を潰したことだろう。
「確かにやりすぎじゃないんですか?」
「あんなことしなくても勝ちは確定してたわよね?」
それに咲夜、アリスと続いていく
「あー…あれはね、正直ムカついたからかな?」
「ムカつくってお前な……」
妹紅が呆れたようにそう言ってくる
「だってそうじゃん、他のみんなはきちんと勝負してたのに代表である雄二がそれから逃げるなんて」
木下さんもあの事件(?)さえなければまともに戦っていたのだろう。
だけど雄二はあれが勝つ方法だったのだろうけど、真っ向から戦うのから逃げたのだ。これにムカつかないわけはない。
「ふーん……よくわからないわね、そういうことは」
「そりゃあ僕個人の考え方だからね」
「それでクラス全部巻き込まないで下さいよ……」
「こっちはヒヤヒヤしたんだからな?」
「ハハハ……ごめん」
僕はそう頬をかきながらそう答える。
「あ、そういや言い忘れてたことがあった」
「え、まだあるの!?」
「私もね」
「奇遇ですね、私もです」
えっと……何?何に対して文句言われるの?
だけどみんなは……
「「「明久、お疲れ様」」」
優しい笑顔と声でそう言ってくれた
「うん……ありがとね」
そしてその日はいつも以上に会話に花を咲かせながら帰った。
次回からは過去編に入りまーす
正直ビミョーなでき……