あとアンケートをやってますのでよろしくお願いします
第12話:ポンコツババア長
明久side
「失礼します、ババア」
僕はそう言って学園長室の扉を開ける。
「おいコラ吉井、ババアって言うんじゃないよ」
開口一番に文句を言ってくる老婆は(一応)この学校の学園長のババアである。
「そうだぞ吉井、ちゃんとババア長呼ばわりしなきゃいかんだろ」
そう言って訂正を要求してくるのは教頭である竹原先生。この学園の経営を主にやってるらしい。
「そっちの方が失礼だよ!」
「すいません、ババア長。ちゃんとババア長のことをババア長と呼ばなくて」
「そうだぞ吉井、このババア長のことをちゃんとババア長と呼べよ?なにせこのババア長はババアの頂天に立つババア長だからな」
「あんたらさっきからババア長ばっかり言っててうるさいんだよ!なんだい?私を罵倒してそんなに楽しいのかい?」
「「ええ、これ以上ないくらいに」」
「……頭が痛くなってきた」
そう言って頭を抱えはじめるババア長、それよりも……
「さっさと呼びだした理由を言ってくれませんか、ババ……学園長」
「そうですよ、私はあなたみたいに暇じゃないんですよ、ババア長」
そう、今回僕と竹原先生は学園長に呼び出されたのだ。
「全く揃いも揃ってあんたたちは……まあいいさね、今回呼び出した理由は学園祭の召喚大会の景品の特別な腕輪の実験だよ」
「またですか……まあ僕はもう慣れましたけど」
今回はどうやら試召戦争のときに使えるアイテムの実験のようだ。
学園長が呼び出すのはたいてい召喚獣の設定を変なものにしたからそれのデータ採取に付き合えとかだからまだましな方だろう
「じゃあ早速始めましょうか。学園長、腕輪はどこに?」
「焦るんじゃないよ……腕輪はこれさ」
そう言って学園長は白、黒、赤の3つの腕輪と赤い指輪を取り出した。
「じゃあまずこの『白金の腕輪』からいこうかね。この腕輪は召喚獣を2体に分けることができるさね」
「へえ……」
「発動キーワードは『
ふむ、それでは早くやってみようかな
そう思って僕は白金の腕輪をつける
「
そしていつも通り召喚獣が呼び出されるが、その姿は一向に変化しない。
「学園長何も起こらないんですけど、ってか腕輪がバチバチ言ってるんですけど!?」
「まずい!今すぐ腕輪を外せ吉井!」
そう言われて僕は腕輪を取り外す。
「えっと学園長……、これは一体どういうことで?」
僕は若干怒気を含ませながらそう聞く。
「えっとそれはだね……」
「どうせいつもの失敗だろ、それよりも次に行きましょう学園長」
「そうですね、いつもの失敗ならしょうがないですね」
「いつものとか言うんじゃないよお前ら!」
「「あなたの実験の成功率を思い出してから言ってください」」
「……次さね」
学園長はそう言って目をそらしながら黒い腕輪を手にとる。
「次は『黒金の腕輪』だよ。この腕輪は教師の代わりに召喚フィールドを張ることができる。ただし教科はランダムだしこの腕輪を使ってる間は召喚できないよ」
おお、使いどころは難しいけどなかなか便利な腕輪だな……
「発動キーワードは『
「はいはい」
そう言いつつ僕は腕輪を受け取り、装着する。
「じゃあ……
しかし何も起こらず、腕輪はバチバチといっている
「はいはい、いつものですね」
「いつものだな」
そう言いながら僕は腕輪を取り外す
うん、予想はしてた
「いやだからいつものとか「「成功率」」……最後さね」
最後のというと赤い腕輪か……
「学園長、今度は失敗とか無いですよね?」
「ちゃんと先に調べといて下さいよ。あとついでに2つの腕輪の不具合の原因も」
「分かってるさね……」
そう言いながら学園長は3つの腕輪を調べ始める。
そして5分くらい経つとどうやら調べあげられたようだ
「ふむ……まず先に白金の腕輪と黒金の腕輪の不具合の原因についてだが一定以上の点数を越えると不具合が起きるみたいだね」
「へえ……ちなみにそれってどれくらいなんですか?」
「総合科目で白金は1000点ちょっと、黒金は1500点ちょっとといったところかね」
「……ほとんど使えないじゃないですか」
特に白金の方なんてFクラス並みの成績で使えるというわけか……
「で、肝心のもう一つの腕輪に不具合は?」
「特に無かったさね」
どうやら流石に三つとも使えないということはなかったようだ
「じゃあ早速この『赤金の腕輪』の実験に入るさね。この腕輪は……って、あ……」
しかし学園長はここで何かに気づいたようで固まる。
「……学園長、まさか……」
「実はこの腕輪はこの『赤金の指輪』をつけた人物の召喚獣を吸収するようにして融合させるものなんだけど……」
なんか嫌な予感が……
「あくまでも試召戦争用のアイテムだから教師には使えないようになっていてね……」
「つまり、使えないと?」
この場にいるのは僕、竹原先生、学園長の3人。そしてそのうちの2人が教師でこの腕輪を使えない……
つまり……
「今回は何も実験にはできない……ってことですか?」
「……………………そうなるさね」
学園長のその言葉に学園長室の空気が固まる。
そして……
「「こんのポンコツクソババアーーーーッッ!!」」
僕と竹原先生は同時に怒鳴り声をあげる。
それはもう学園中に響くくらいに
「そんなことなら最初から誰か一人連れて来いとか言っといてくださいよ!こっちは無理言って学園祭の準備抜け出してきたんですよ!」
「私も仕事ほっぽりだして来てるんだよ!」
「そして腕輪3つとも使えない!?なんで呼び出したんですか!」
「今回も全面的にあんたに非があるんだからな!?」
その後、学園長に対する罵倒は十分近く続いた……
「はぁ……やっとすっきりした。じゃあ僕は帰ってもいいですか?」
「……ああ、好きにしな。竹原ももう行っていいよ」
学園長は少しやつれたようにそう答える。まるでセミの抜け殻のようだ。
「いえ、学園長。ちょっと聞きたいんですがその腕輪はいつ頃までに直るんですか?」
「……どういうことだい?」
竹原先生のその質問に抜け殻長はそう答える。
「召喚大会は個人戦とタッグ戦の2つがあり、その腕輪はそれぞれの景品にするんですよね?」
「ああ、そうだね」
「で、私はその腕輪の調整が学園祭までに終わらなかったら召喚大会をどちらか片方だけにするとか色々しなければならないんですよ」
ああ、そういうことか。
たしか以前竹原先生は学園長は自分に経営を任せきりにしているとか愚痴ってたっけ?
「……どんなに急いでも夏休みまではかかるね」
「どちらも……ですか?」
「ああ、片方だけを集中してやっても6月の終わりまでかかるね」
「はぁ、そうですか……」
そのときの竹原先生の目は若干虚ろになっており、力ない声で『また仕事が……残業が……』とかブツブツ呟いていた……
御愁傷様です、竹原先生
そして結局召喚大会は個人戦のみになり、景品は赤金の腕輪と如月グランドパークのプレオープンのプレミアムペアチケット2枚となった。
ちなみにAクラスの出し物は『メイド&執事喫茶』なり、僕はホール班の班長となっていた……
ちくしょう、また執事になるのか……
メイドよりはましだけどさ……
いかがでしたか?
竹原教頭が 原作や他SSでは見られないほどの苦労人でしたね(笑)
ちなみに明久が執事をやっていたというのは次回話します