僕と同居人と召喚獣   作:迷単底

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さあ、今回はいよいよ三つ巴の決勝戦

はたして常夏コンビの作戦は通用するのか?(しません)



第19話:決勝戦 VS 常夏コンビ

明久side

 

「いってらっしゃいませ、お嬢様」

 

決勝戦が始まる前、僕は相変わらず接客をしている。

 

「慣れないことだし疲れるな……っと、そろそろ時間か」

 

時計を見ると時間は決勝戦開始の15分前、そろそろ行かなくちゃまずいだろう。

 

「じゃあ僕はそろそろ行くからね。あとは任せたよ」

 

僕はたまたま近くにいた咲夜にそう告げる。

 

「わかりました。みなさんには私から言っておきますね」

 

「ん、ありがと」

 

「あと試合、見てますのでがんばってくださいね」

 

「え?咲夜も抜けるとキツくない?」

 

咲夜はさすが本職ということもあって、キッチンにホールに八面六臂の大活躍だ。

そんな彼女が抜けるとなると大打撃だと思うんだけど……

 

「聞いてないんですか?試合の様子はあの巨大ディスプレイで生中継されるらしいですよ?」

 

「聞いてないよ……」

 

何それ、めっちゃくちゃ恥ずかしいんだけど……

 

「それはますます負けられないな……」

 

「ふふ、がんばってくださいね?みんなでAクラスから応援してますから」

 

「はいはい」

 

そう僕は言うと、手を振りながら教室の外へと出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあーーっ!皆様大変長らくお待たせいたしました!いよいよ文月学園召喚大会の決勝戦でございます!』

 

スピーカーから聞こえてくるのは聞いたことのない声、多分外部の人間(プロ)を雇ったのだろう。

 

『なお今回は例外として三つ巴の決勝戦となっているというかなり珍しい展開です!』

 

ほんとだよ……

 

『では選手の紹介です!まずは2年Aクラス所属、吉井明久選手です!吉井選手は圧倒的な実力で予選、本戦と勝ち上がってきました!』

 

そう言って僕は会場に入り、観客の拍手や歓声に応える。

 

『それでは続いては3年Aクラス所属、夏川俊平選手と常村勇作選手です!少ない3年生からの出場ですが、順当に勝ち上がってきました!』

 

そしてあちらからは常夏コンビが入場してくる。

 

『それではご存知ない皆様に説明しますが試験召喚獣とは……』

 

「よう、観察処分者。負けたときの言い訳はできてるか?」

 

司会の説明が入ってる間にモヒカンの先輩が話しかけてくる。

 

「そちらこそ昨日は安い挑発をありがとうございました。悪いお手本としては最適でしたね、先輩」

 

「はっ!言うじゃねえか、格下のくせによお……」

 

「そうですか、それはどうも。あと話は変わりますが今回三つ巴の決勝戦にした理由は二対一で僕を倒すためですかね?」

 

「へえ……、分かってたとは意外だな。てっきり『僕分かりましぇえん』とか思ってるのかと思ってたんだけどな」

 

「まさか。分かってたうえでのったんですよ」

 

だから、と僕は一旦言葉を区切る。

 

「せいぜいあなた達がうまく食らいつけることを祈ってますよ」

 

「はあ?何言ってんだてめえ」

 

「頭悪すぎてどっちが優位なのか分かんねえのか?」

 

「いえ、一対一だったら僕の圧勝は決まってるので。だから二対一ならせめていい勝負ができると思うんでがんばってくださいね」

 

そう言って口を歪めて常夏コンビを嘲笑うように見つめる。

 

「上等だよ……」

 

「吠え面かかせてやらあ……」

 

『……というわけです。それでは早速科目の指定に入ります!』

 

そしてそこでちょうど解説が終わったようで科目の指定に入る。

さて、何が来ても負ける気はしないんだけどな……

 

『さて、決勝戦で使用される科目は……日本史です!』

 

科目はよりにもよって日本史か……

 

「……運がなかったですね先輩方」

 

「ああん?なんだと?」

 

「だから運がないと言ったんですよ。残念ながらあなたたちが勝つ可能性どころか、食らいつける可能性は限りなくゼロに近いですよ」

 

「さっきから黙って聞いてりゃてめえ……」

 

「後輩が先輩に、いや、格下が格上に逆らってんじゃねえぞ!」

 

そう言って常夏コンビは激昂してくる。

 

『それでは各選手、召喚をお願いします』

 

「はんっ、やってやるよ!試獣召喚(サモン)ッ!」

 

そう叫んで召喚獣を呼び出すボウズの先輩

 

「舐めんじゃねえぞ!試獣召喚(サモン)ッ!」

 

そう言いながら召喚するモヒカンの先輩

 

「いい勝負になるといいですね?試獣召喚(サモン)

 

そう言って僕も召喚し、それぞれの点数が表示される。

 

日本史

 

『3ーA 常村勇作 169点』

 

&

 

『3ーA 夏川俊平 176点』

 

表示された二人の点数はさすがAクラスと言うべきか、なかなかのものだった。

 

「おい、どうした?怖くて固まっちまったか?」

 

「そんなに怖いんなら早速退場させてやるよ」

 

なんの反応も無い僕を見て二人の先輩はそう言ってくる。

 

「はあ……あなたたちは何も分かってませんね」

 

「はあ?何を……」

 

「まあ言葉で言っても分からないでしょうから、実際に見せて差し上げますよ!」

 

そして続いて僕の点数も表示される。

 

 

 

 

 

 

 

『2ーA 吉井明久 534点』

 

 

 

 

 

 

「「なんだとおっ!?」」

 

僕の点数に常夏コンビからは驚きの声が、会場からは歓声が上がる。

 

『こ、これはすごい!まさかまさかの吉井選手は500点を超えています!これは学年で見ても最高クラスの点数です!』

 

「て、てめえ……!」

 

「う、うそだろ……?」

 

驚きや怒りなどの感情を露わにしている先輩たちに向かって僕は高らかに宣言する。

 

「さあ行きますよ先輩(格下)!ここからは後輩(格上)からの有意義な授業(レクチャー)の時間ですよ!」

どちらが上でどちらが下かと

 

『それでは試合開始ぃっ!』

 

そしてついに、試合開始の合図がなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最初の威勢はどうしましたか、先輩!」

 

「くそ!いくぞ夏川!」

 

「だけどどうすんだよ!?予定とは全然あいつの点数が違うじゃねえか!」

 

「知るかよ!とにかく突っ込むぞ!」

 

そして試合開始とほぼ同時に常夏コンビの召喚獣が突っ込んでくる。

今更ながら二人の召喚獣の装備はオーソドックスな剣と鎧である。

 

「それじゃあ行きますよ!」

 

そう言って僕は刀を片手で構えさせる。

 

「ほいさっ!」

 

装覇流剣術 四の型〈煌月(こうげつ)

 

まずは小手調べと言わんばかりに手加減して横薙ぎの一撃を放つが、ギリギリでかわされてしまう。

 

「へえ?なかなかやるじゃないですか。じゃあ次、行きますよ!」

 

そう言うと構えを一時的にといてモヒカンの先輩の方にダッシュで距離をつめる。

 

「舐めんじゃねえぞ!」

 

そう言って相手は剣を振り下ろしてくるが簡単に避けてカウンターをぶちかます……ことができるが、それではつまらないので少し技を見せてあげることにしよう。

 

装覇流剣術 十の型〈牙狼(がろう)

 

まず手刀で相手の攻撃を横に弾き、さらにそこを刀で斬りつける。

 

「なんだとおっ!?」

 

「一応、手加減しましたからね?どうしたんですか?怖くて固まりましたか?そんなに怖いんなら早速退場させてあげましょうか?」

 

さっき先輩たちが言ったことを真似て、挑発する。

 

「てんめえ!」

 

そう言って、ボウズの先輩の召喚獣が後ろから切りかかってくる。

 

「今回も手加減してあげますね」

 

装覇流剣術 七の型〈火鉢(ひばち)

 

まず刀で相手からの攻撃を上に力まかせにはじき飛ばし、さらに追撃の一撃を振り下ろす。

 

「なんでまだやられてねえんだ!?」

 

しかしまだ点数は残ってる。

 

「当たり前でしょう?力加減もしてるし、峰打ちですから」

 

そう。今まで僕は刃の部分ではなく、峰で攻撃していたのだ。

これではダメージが少ないのも頷ける。

 

「どうしたんですか?せめて一矢報いないと恥ですよ?何なら二人掛かりでもいいですよ?」

 

そう言って僕はさらに常夏コンビを挑発する。

 

「上等だよ!食らいやがれ!」

 

「舐めてると痛い目見るからな!」

 

そう言って二人同時に攻撃を仕掛けてくる。

ほんと単純だね、こうも簡単に狙いにかかるとは……

 

「先輩、安易に挑発に乗らないよう言っときますよ」

 

装覇流剣術 四の型〈煌月(こうげつ)

 

狙い澄まして放たれた横薙ぎの一撃は、完全に二人の召喚獣を斬り裂くことに成功する。

今回は刃の方で攻撃をしたので簡単に倒すことができた。

 

『3ーA 常村勇作 DEAD』

 

『3ーA 夏川俊平 DEAD』

 

『け、決着です!決勝戦は相手を全く寄せ付けずに吉井選手が勝利を収めました!』

 

そして司会の決着宣言とほぼ同時に会場には召喚大会最高潮の歓声が湧き上がる。

そんな中で僕は先輩たち(負け犬)に話しかける

 

「悪いですね先輩。あなたたちの沸点はどうも低いようなのでわざと挑発して攻撃を仕掛けてくるように仕向けてみました」

 

「……あれが狙いどおりだったと?」

 

「そうですよ。しかもあんたらは僕の点数がそこまで無いと思っていたのに予想外に高くて取り乱すだろうとも思ってましたし、そもそもあんな分かりやすい作戦なんて簡単に狙いがよめますよ?だから対策がうてた」

 

「ぐっ……」

 

「言ってみればあなたたちは僕を舐めていた時点でもう負けてたようなもんですよ」

 

『それでは選手の方は退場してください。そして決勝戦を戦った選手のみなさんにいま一度盛大な拍手を!』

 

「おっと、タイミングが悪いですね……。じゃあ僕はこれで」

 

僕はそう告げると静かに退場ゲートの方へと歩き出した。




同居人増やすのに意外なほど反響がきてびっくり

さて、あと1話挟んだらみなさんお待ちかね?の如月ハイランド編です
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