明久side
合宿所についた後、僕は雄二たちの部屋に向かってる。
なんでもクラス点呼の連絡がないから呼んできてほしいそうだ。
ちなみにFクラスは普通の部屋であるが、Aクラスはベット、テレビ、小型冷蔵庫にクーラーにパソコンがついてるという豪華な部屋だ。
「雄二、入るよ」
そう言ってドアを開けると雄二たちはトランプをやっていた。
「ん?どうしたんだ明久?」
「先生がクラス点呼の結果を報告しろって」
「おお、そうだったか、スマンスマン」
そう言って雄二は立ち上がる。
バタン!
「全員手を頭の上に組んで膝をつきなさい!」
「木下はこっちに来なさい!」
しかしそこでCクラス代表の小山さんを始めとする十数名の女子生徒が部屋になだれ込んでくる。
「えっと……なにごと?」
「とぼけたって無駄よ」
そう言って小山さんはポケットからあるものを取り出す。
えっとあれは……
「……小型カメラ」
ムッツリーニがそう説明してくれる
「これが女子風呂の脱衣場に仕掛けられてたのよ!」
なるほど、盗撮か……
「だからどうしたの?僕たちに代わりにそれを先生に報告して来いって?」
「とぼけんじゃないわよ!あんたらが犯人だってのはバレてんのよ!」
「はあ?その証拠は?」
「証拠なんて必要ないわよ!」
「土屋君がいるから否定できませんよね?それに明久君も関わってるなんて……これは都合がいいです」
そう言って釘バットを構える姫路さんと島田さん
「いやいや、せめて証拠くらいないと受け付けないよ?小山さんはどう思う?」
小山さんは一応Cクラス代表だし、少し話し合えば分かり合えるはず……
「みんな、やりなさい」
「ちょっと小山さん!?」
「黙りなさい!この前の試召戦争の怨みよ!」
「ひどい逆恨みだ!」
そう言ってる間にも女子が僕たちを取り囲んでくる。
さすがに力づくで突破するのはちょっとね……
「今度こそ殺すわよ、吉井」
「死に際のの言葉はしっかりと覚えておきますからね……」
「とりあえずその釘バットを降ろそうか?」
こんな狭い部屋で振り回したら危ないからね
「問答無用です!」
「死になさ「そこまでだ!」いって西村先生!?」
しかし突然そこで登場した西村先生の一喝によって女子たちの動きが止まる。
「まったく、Aクラスの吉井の部屋に尋常ならぬ表情をした女子たちがなだれ込んできて、ここでも同じような騒ぎがあったと藤原から聞いてきてみれば……いったい何をやっとるんだ貴様らは!」
「で、でもそれはこいつらが盗撮しようとしたからで……」
「吉井、説明しろ」
「はい。女子風呂の脱衣場で小型カメラが見つかり、ここにいる女子たちは証拠もなしにここに乗り込んで来ました」
「ほほう?俺はそんな報告聞いてないのだが?」
「どうやら教師には何も言わずに行動したそうです」
「なるほどな……、それでは女子たち。何か弁解はあるか?」
「そ、それはきっと吉井が……」
「ではその明確な証拠を出してみろ」
その言葉に女子たちは黙り込む。
「くっ……こうなったら!先生、Fクラス島田が吉井に数学で勝負を挑みます!」
「許可できん」
「どうしてですか!?」
「どうもこうもあるか!!」
それはそうだろう……
「おい明久、何がどうなって……るん…だ?」
「あ、妹紅」
そしてそこに僕を心配してきてくれたのか、騒ぎを聞きつけたのか妹紅がやってきた。
「……西村先生、説明を要求します」
「こいつらが証拠もなしに吉井たちを盗撮犯と決めつけて襲ってきたといったところだ」
その言葉に妹紅の怒気が目に見えるほど露わになる。
「ふざけんなよてめえら……」
「な、何よ……」
「そ、そうですよ」
「それはこっちのセリフだ!」
そう言って妹紅は壁を思いきり殴り、その音に女子たちは震え上がる。
「証拠も無しに人を盗撮犯扱いだあ?そんなチンケなカメラ、通販でも使えば誰でも手に入れられるだろうが!」
「な、でも……」
「でもじゃねえ!それに明久や私たちは渋滞でここに来るのが2時間も遅れたんだぞ!仕掛けられるわけねえじゃねえか!」
「ああ!もううるさいわね!」
そう言って島田さんは妹紅に向かって釘バットを振おうとしてくる。
「させないよ」
さすがにこれは黙って見ていられないので島田さんの腕をつかんで止める。
「くっ!?離しなさいよ吉井!」
「じゃあまず君がその物騒なものを離す事だね」
「吉井のくせにウチに命令するんじゃないわよ!」
本当にこいつは……
「先生、Aクラス吉井が島田さんに数学で勝負を挑みます」
「だが吉井……」
「戦死させるので補習室に連れてってください」
「…………分かった、承認する」
そう言うと西村先生は渋々といった感じだが、承認してくれる。
「ふん、ウチに数学で挑んだ事を後悔させてやるわ!
「君ごときじゃ勝負にならないよ。
「明久、私も手伝うぞ。
「なら私だって参戦します!
そう言って僕、妹紅、島田さん、姫路さんの四人で召喚獣を呼び出す。
「何ならそこの女子たちも参戦したかったら参戦していいよ?ただし確実に補習室送りにするけどね?」
「上等よ!やってやるわ!
『『『『
そう言うと小山さんを始めとする全員が参加してくる。
数学
『2ーA 吉井明久 421点』
『2ーA 藤原妹紅 332点』
VS
『2ーF 島田美波 214点』
『2ーF 姫路瑞希 412点』
『2ーC 小山優香 189点』
『その他モブ女×16 平均150点』
ああは言ったものの少しめんどくさいな……
よし、あれ使うか
「妹紅!」
そう言うと妹紅に赤い指輪……赤金の指輪を投げ渡す。
「ん?ああ……そういうことか。いいぞ明久、その案のってやる!」
そう言うと妹紅は指輪を付けてくれる。左手の薬指に……
「勝負の前に指輪渡すなんて死亡フラグよ?」
小山さんがそう言ってくるが、僕は気にせずに続ける。
「そう言ってられるのも今のうちだよ、いくよ妹紅!」
「おう!」
そして僕たちは息を合わせて赤金の腕輪発動のキーワードを叫ぶ。
「「
そのキーワードを叫ぶと同時に僕の召喚獣が妹紅の召喚獣を吸収するように重なり、僕の召喚獣の見た目が少し変わる。
「へえ、これが……」
その装備は僕の召喚獣と何ら変わりがないが、ローブではなく赤を基調とした着物に、髪の色は白、よく見ると瞳の色も赤になってるようだ。
『2ーA 吉井明久 753点』
「な、なによその点数!?」
「何って……この赤金の腕輪の能力で妹紅の召喚獣と僕の召喚獣を融合させたんだよ」
この腕輪の能力は『融合』
文字通り特定の誰かの召喚獣と自分の召喚獣を融合させるのである。
ただし点数は、まるまる受け取れるという訳でなく、信頼関係が高いほど受け取れる割合が高いらしい。
「さあ、行こうか!」
「妙なことはさせません!腕輪発動!」
そう言うと姫路さんの召喚獣から、熱線が放たれる。
くっ……囲まれていて上手く逃げられない。なら!
キュボッ
そんな音とともに僕の召喚獣は熱線に包まれ、その姿は消滅してしまう。
「ふん、何よ。結局見かけ倒しじゃない」
「何言ってるの?」
「へ?って、きゃあ!」
そう言って僕は復活した召喚獣て島田さんの召喚獣を切り裂く。
「ど、どうして生きてるんですか!?」
「それは私の腕輪の能力『リザレクション』で復活したんだよ」
妹紅の腕輪『リザレクション』はあらかじめ点数を150点支払っておけば一度戦死しても、支払った直後の点数で復活が可能なのである。
「そ、そんなの卑怯じゃないですか!」
「まあその代わり膨大な点数を消費するんだけどね……」
「それならまだ……」
そう言うと姫路さんは僕の召喚獣の点数を確認する。
『2ーA 吉井明久 814点』
「ふ、増えてるじゃないですか!!」
「それは僕の腕輪の能力でさっき島田さんの点数を『吸収』したからなんだよ」
僕の腕輪の能力は『吸収』
相手の召喚獣を倒したとき、その時点の相手の点数を吸収するのだ
150点消費して214点回復、トータルで64点の回復なのである
「そ、それでも!」
そう言うと姫路さんは再び腕を向けて腕輪を使用しようとする。
「残念だけど同じ手は通用しないよ?」
装覇流剣術 九の型〈
細かなステップを刻んで回転しながら移動し、その都度斬撃や打撃を織り交ぜながら移動する。
それにより周りの女子たちの召喚獣はほぼ戦死し、抜け出すことに成功する。
『2ーA 吉井明久 1842点』
「な、そんな点数なんて……」
「これで終わりだよ」
装覇流剣術 五の型〈
普段は牽制のために速さと手数重視のこの技も、この点数だと全ての突きが一撃必殺級の威力になる。
その結果……
『2ーF 島田美波 DEAD』
『2ーF 姫路瑞希 DEAD』
『2ーC 小山優香 DEAD』
『その他モブ女×16 DEAD』
「戦死者は補習ーーっ!」
「あんな点数なんて卑怯ですよ!」
「反則よ反則よ!反則負けよ!」
『そ、そうですよ!』
そんなことを言いながら女子たちは連れて行かれる。
「ふう……」
「すまん明久、助かった」
「……感謝する」
「いいよ別に。僕にも被害がかかりそうだったんだし」
珍しく雄二たちがお礼を言ってくる。
「それにしても盗撮か……。雄二たちはどう思う?」
「さあな。さっぱりだ」
「ムッツリーニも?」
「……ああ」
誰も知らないのか……
(なあ明久)
(どうしたの妹紅?)
妹紅がアイコンタクトで話しかけてくる
(坂本たちに脅迫のこと話さないのか?)
(多分何も知らないだろうし止めとくよ)
(そうか……、お前がそう言うならそうするか)
(ありがと)
「じゃあ僕たちはこれで行くよ」
「おおそうか。今回は助かった」
「だからいいって。じゃあね」
そう言うと僕と妹紅は廊下に出る。
それじゃあ僕たちが今からやることは……
「妹紅……」
「分かってる。アリスと咲夜を呼べばいいんだろ?場所は明久の部屋にするか?」
「いや、先生に事情を話してどこかに部屋を用意してもらう。それに先生も何人か呼ぼう。そこで……」
やるべきことは……
「今回の一件についての作戦会議だ」
「おう!」