僕と同居人と召喚獣   作:迷単底

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オカルト編
第49話:ポンコツババア長 R


明久side

 

夏休みのある日、夏期講習ということで僕は学園長室に呼び出された。

どうせまた下らない実験なんだろうな……

 

「ババア長、入りますよー」

 

「全くあんたは……ノックぐらいしな!」

 

学園長室には学園長ことババア長と竹原先生というお馴染みのメンツがいた。てことはやっぱり実験か……

 

「で、今日は何の実験なんですか?」

 

「今日は新しい腕輪の実験だよ」

 

「……大丈夫なんですよね?今回は」

 

前回ババア長に呼び出されたときは、三つの腕輪が三つとも使えないという酷い有様だったからな……

 

「大丈夫だよ。ちゃんと事前に調べて点数上はどれも問題がないからね」

 

「それならいいですけど……。じゃあ、早速実験にしましょうか」

 

「あー……それなんだが吉井、これから聞くこと、見ることは他言無用で頼みたい」

 

そう苦虫を噛み潰したような表情で言ってくる竹原先生。

きっとまたなんか変なことになったんだろうな……

 

「どうしたんですか?と言っても嫌な予感しかしませんが」

 

「察しが良くてなによりだ。まあ言うとな、またこのクソババアが召喚獣の設定をミスってな……」

 

「まあいつものことですね……。で、どういうミスになったんですか?」

 

「いつものとか言うな!」

 

「うっせえ。しゃべる暇あるんならさっさと直せ!」

 

おお、珍しく……もなんともないけど竹原先生がキレてる……

 

「話を戻すが実は召喚獣のオカルトの面が強くなってな……召喚獣が召喚者の本質を映すような姿になったんだ」

 

「意味はあんまりわからないんですけど……。とりあえずロクでもないものって解釈でオーケーですか?」

 

「いや、ロクでもないどころか酷いの一言しか出ないな」

 

やっぱりこのババアがしでかすミスはロクでもないものばっかだな……

 

「まあそれは置いといて早速実験に入るよ。前回の黒金と白金の腕輪に加えて新しく腕輪を二つ作ったからね」

 

よくそんなに作れたな……

 

「まず新しいのはこの『青金(あおがね)の腕輪』と『黄金(こがね)の腕輪』だね」

 

そう言って取り出してきたのは青色と金色に輝く腕輪だ。

 

「んで、これが改造して直した白金の腕輪と……あれ?」

 

しかしそこで学園長が素っ頓狂な声を上げる。

 

「く、黒金の腕輪がないっ!?」

 

「「なんだとっ!?」」

 

相変わらずなにやってんだこのクソババアは!!

 

「おかしいねえ……車から降りたときに一旦確認したのに……」

 

「てことは学園内にあるってことか!」

 

「行くぞ吉井!生徒に見つかる前に回収しなければ……」

 

マズイ、あれは召喚フィールドを教師の立会いなしで展開できる。もし誰かが発動して召喚でもしたら……

くっ、一刻も早く回収しないと!

 

「おいババア、入るぞ」

 

僕と竹原先生が急いでドアから出る前に、突然無遠慮にドアが開けられて雄二が入ってくる。

 

「ゆ、雄二?どうしたの」

 

「ん、明久か。お前こそどうしたんだ?」

 

「いや、たいしたことじゃないよ。それより雄二こそどうしたのさ」

 

「ああ、実はこれ拾ってな。届けに来た」

 

「な、そ、それは!!」

 

そう言って雄二が手に持って見せたのは見まごうことなき黒金の腕輪であった。

雄二が拾ってたのか……

 

「知ってたのか、これのこと?」

 

「ま、まあそれを探すために呼び出されたわけだし……」

 

「そうか。ところでババア、これって召喚フィールド張れんだな」

 

「そ、そうさ」

 

なんか嫌な予感が……

 

「そんでこれで召喚獣呼び出したら、変なものになってたんだが……どういうことなんだ?」

 

やっぱりいいいいいいっ!!

なんでこうなるんだよ!!

 

「それで、どうしてこんな召喚獣になってるんだ?」

 

「そ、それは……そうだよ!あれだ!お前らにこれを使って肝試しでもしてもらおうかと……」

 

「ほう、そうか……。それなら残りの夏期講習全部潰して準備していいか?」

 

「まあチェックポイントを作ってそこで召喚獣バトルするってんならいいよ」

 

「そうか。じゃ、俺は早速準備に行くわ」

 

そう言うと腕輪を机に置いて学園長室を立ち去る雄二。

さて、僕たちがまずやることは……

 

「竹原先生……召喚許可ください。このババアを召喚獣でボコボコにするので」

 

「おい吉井!?」

 

「よし来た!承認する!!」

 

「竹原、あんたまでかい!?」

 

そう言ってノリノリで召喚許可を出してくる竹原先生。

よっぽど鬱憤溜まってたんですね……

 

試獣召喚(サモン)っ!!」

 

そう言って呼び出された召喚獣はいつものデフォルメされた召喚獣ではなく等身大であった。しかもなんかやたらとごつい剣と和風の鎧着てるし……

ま、そこは気にせずとりあえず……

 

「死ね、ババアアアアアアアッ!!」

 

「ぐぎゃあああああああああっっ!!」

 

そしてしばらくの間、学園長室にはしわがれた老婆の叫び声が聞こえたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そういやこの召喚獣ってなんなんですか?」

 

学園長は倒れ伏して死ん……休んでいるので、僕は竹原先生に召喚獣について聞いてみる。

 

「ああ、召喚者の本質を写したような妖怪とかの類の召喚獣になるらしいからな。多分お前は……スサノオ……じゃないのかこれ?」

 

「いや、さすがにそれはないでしょ」

 

スサノオっていったら日本神話を代表する武神だ。僕はそんな大層なもんじゃないだろうし……

 

「だがやたらと神々しい剣持ってるし鎧もそれにふさわしいくらいごついし……」

 

「うーん……だとしたら僕の本質ってなんなんですか?」

 

「おそらく『剣の達人』とか『武術に精通している』とかだろ」

 

「そうなんですかね……?」

 

正直他人に言われてもあんま実感わかないんだけど……。それに僕としてはスサノオの性質でもどっちかっていうと『トリックスター』や『破天荒』とかの方が似合ってると思うし……

 

「ま、それは置いといて実験にするよ」

 

「うわ!いつの間に……」

 

本当いつの間に復活したんだ、このババアは……

 

「ま、先に腕輪の能力について説明しとこうかね。『青金の腕輪』の能力は10点支払えば一つだけ武器を作れるんだよ。発動キーワードは『武具創造(アルケミスト)』だね」

 

おお、てことは武器がどっかいったり壊れたりしても戦えるのか……

 

「んで、こっちの『黄金の腕輪』の能力は50点支払ってフィールド内にいる一人の召喚獣を強制的に呼び出すのさ。こっちの発動キーワードは『強制召喚(コンプルーション)』だよ」

 

うわ……こっちは地味に強力だな……

相手の代表とかの召喚獣を呼び出すことも可能だろうし……

 

「んじゃ、実験だよ」

 

「あ、そういえばババア。肝試しとかにかかる費用とかはどうすんだ?結構金かかるだろ?」

 

実験が始まる前、竹原先生が疑問に思ったことを口にする。そういやそれもあるか……

 

「あー……一般公開とかもするか。肝試しの日にはスポンサーとかも呼べばいいしね。宣伝兼予算確保になるしね」

 

「……じゃあそれについての書類作りは?」

 

「………………頑張りな」

 

ブチッ

 

あ、なんか竹原先生の何かがキレたみたいな音と感じが……

 

「吉井いいいっ!!このクソババアもう一回しばけ!!俺はセメントとドラム缶を注文して船の手配をする!!」

 

「ちょ、私は召喚獣の設定直すのに忙しいんだよ。察しな」

 

「じゃあそもそも間違えんな!!」

 

「あー……とりあえず二人とも落ち着いて」

 

結局、僕が二人を落ち着かせて実験が始まったのは10分後となったのであった

 

 

 

ちなみに実験はちゃんと成功しました

 

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