僕と同居人と召喚獣   作:迷単底

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第53話:一つ目のチェックポイント

明久side

 

偵察班として繰り出されたFクラスの男子ペアは仕掛けに対して特にリアクションを見せずに突き進む。

そして、彼等のカメラはついに開けた場所を映し出した。その場所の中心には3年生と思われる2人と、化学の布施先生がいた。

 

『お、チェックポイントか。結構余裕だったな』

 

ふむ……広いけど大体の仕掛けは分かったな。

 

「アリスー、もう大丈夫だからね。ほら、召喚獣バトルだから……」

 

「…………オバケ同士が戦うんでしょ?見たくないわ」

 

困ったな……全然離れてくれないや。

さて、一体全体どうしようか……?

あ、それよりも勝負は……

 

『んだとおっ!?』

 

『一瞬で……だとっ!?』

 

…………瞬殺されたのか。

点数差あっただろうけどもう少し粘りなよ……

 

「ねえ、相手の点数ってどれくらいだったの?」

 

「ん?260点くらいのやつと320点くらいのやつらだったな」

 

「そうか……」

 

普段から400点近い点数を取ってるから麻痺しかけてるけど、200点を超えるだけでもかなり誇れる点数なのだ。

おそらく相手二人は三年でも化学トップ10に入ってるだろう。

 

「んじゃ、仕掛けも大体分かったことだしB、Cクラスのやつらを中心に……」

 

「いや、僕が行こうか?」

 

「お前がか?」

 

「うん。一応仕掛け分かったからそう簡単にアウトラインまでの声は出さないと思うし……」

 

「…………分かった。ただしDクラスを攻略したら、すぐさま戻ってこい。次はCクラスの偵察にいく」

 

「オッケー」

 

そう言って雄二に許可をとる。それにしてもすぐに戻ってこいか……。ルールに戻ってきてはいけないというルールが無いから別にいいか。

 

「咲夜、突入するよ。準備はいい?」

 

「はい、任せてください」

 

確か期末で一番化学の点が良かったのは咲夜だったはずだし、咲夜にペアを頼むことにする

 

「妹紅、霊夢はアリスを任せた。ってことでアリスは離れて」

 

「「りょうかーい」」

 

「な、なるべく早く戻ってきてね?」

 

アリス、そんなにビビらなくてもいいからね?

別に死地に行くわけでも無いし……

 

「じゃ、目指せ、Dクラス突破!行くよ、咲夜!」

 

「はい。かしこまりました」

 

別に学校ではそんなにかしこまらなくていいのに、そう思いながらDクラスへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、大体3メートル進んだらなんか来るよ」

 

バアアッ←オバケ登場

 

「お、次は2メートル先と4メートル先から同時に来るよ」

 

バアアアアアアッ←オバケ登場

 

「む?次は……天井からかな?」

 

ビロオオオンッ←オバケ登場

 

「…………なんでわかるんですか?」

 

「え、気配読んだ」

 

「さっきできないって言ってませんでしたか?」

 

「うーん……大体出て来る場所は同じだからね。そこら辺に意識を集中すればどうにかなるよ?」

 

「…………無茶苦茶ですね」

 

僕と咲夜は絶賛Dクラス進行中である。とはいうものの、僕が気配を読んで相手の仕掛けの位置とタイミングを図って伝えているので、あんまり怖くないし驚きもしない。

ちなみに咲夜は僕と腕を組んでいる。別に怖くないだろうに……なんでだ?

 

「うーん次は……っと、これは先生もいるしチェックポイントだね。準備はいい?」

 

「もちろんです」

 

なんだかんだ言ってる間にいつの間にかチェックポイントに来ていたらしい。相手は男女の先輩二人である。

 

『へっ、お前らが次の相手か』

 

『ふふ、よろしくお願いね。二年のエースさん?』

 

「あれ、そんな風に呼ばれてるんですか、僕?」

 

なんか無性に恥ずかしいんだけど……。なんだよ二年のエースってさあ……

 

『そうよ。学園祭での召喚大会での優勝、強化合宿ではあなた一人で二百人以上倒したらしいじゃないの』

 

「あれは仲間のサポートがあったからですよ。僕一人ではとてもじゃないですが、出来ませんよ」

 

実際、アリスがいなかったら50人ほどが限界だったろうし……

 

「ま、それはともかく始めましょうか」

 

『そうね、ちゃっちゃと始めちゃいましょうか』

 

「「『『試獣召喚《サモン》っ!!』』」」

 

化学

 

『2ーA 吉井明久 384点』

 

『2ーA 十六夜咲夜 391点』

 

VS

 

『3ーA 近藤良文 326点』

 

『3ーA 大竹貴美子 263点』

 

うーん……点数上は僕たちが勝ってるけど相手は三年生、僕たちよりも一年多く召喚獣の操作経験が多いんだ。油断はできないぞ……

 

「えっと……先輩たちの召喚獣は……ミノタウルスにラミアかな?」

 

あの召喚獣の本質とかはよくわからないけど……ま、気にしないでおこうか

それよりも咲夜のは……

 

「ねえ、咲夜…………」

 

「…………なんですか?」

 

僕が問いかけると少し恥ずかしそうに咲夜が答える。

うん、その召喚獣の見た目だと恥ずかしいだろうしね……

 

「なんで……犬耳メイド?」

 

「…………なんででしょうかね?」

 

咲夜の召喚獣はメイド服を着た等身大の咲夜に犬の耳と尻尾がついている。

多分咲夜の召喚獣は『獣人(ワービースト)』の一角なんだろうけどさ……どことなくマニアックだね。

おそらく本質は……『メイド』と『忠誠心』かな?

 

『いくぞっ!!』

 

「おっと来るよ!咲夜、援護して」

 

「っ!了解です」

 

話しと考察に没頭していたため、相手が来たのに気づかなかったな。

とりあえず相手のミノタウルスの斧の一撃は受け止めようかな?

 

「ふんっ!」

 

「くっ!やるな……」

 

「なめないでくださいね……っ!」

 

そう言って斧を上に弾いてから蹴り飛ばす。よし、これでもたついたか?

 

「甘いわよっ!」

 

「させません!」

 

そして横からはラミアが這い寄ってくるが、それを咲夜がナイフを投げて足止めする。

 

「明久、足止めお願いできますか?」

 

「……了解、任せなよ」

 

咲夜の言葉の意味を考え、何をする気なのかを推察する。

なんとなくだけど何をするかは分かるから……

 

「悪いけど通しませんよっ!」

 

装覇流剣術 五の型〈散華(さんか)

 

牽制用に特化されている連続刺突により一旦相手を退かせる。

後は……

 

『なっ!?ぶ、分裂した!?』

 

『嘘っ!?400点は超えてないでしょ!?』

 

横に大量の残像を出して相手を翻弄する。だけどこれは真の目的じゃない。

 

「今ですっ!」

 

「ふっ!」

 

咲夜の声と同時に僕は大きくジャンプさせて空中に逃げ、相手の視線がそちらに向く。

それと同時に咲夜の召喚獣は大量のナイフをバラまいて逃げ場のないように攻撃する。

 

『やばっ!』

 

『避けられない!?』

 

僕の本当の目的は派手なことをして注意を僕に向けさせるのと、咲夜の行動を読まれないための壁役だ。

そのため、咲夜の投げたナイフは次々と相手に刺さっていく。

 

「でりゃああっ!」

 

さらに僕は落下エネルギーを利用してラミアの真上から剣を振り下ろしてトドメを刺す。

よし、まずは一人……

 

『くっ!?なら一人だけでも……』

 

「させませんよっ!」

 

『なあっ!?』

 

そしてミノタウルスを操ってる先輩は咲夜だけでも倒そうとして、突っ込んでいくが僕は剣を足に投げつけてその動きを阻害する。

そしてミノタウルスは片足だけを怪我したものだから、動きが少し鈍くなり転びそうになる。

 

「はっ!」

 

「ふっ!」

 

そしてそこに咲夜は綺麗なアッパーカットをお見舞いして上空へと打ち上げ、僕は追撃に回し蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。

 

『く、くそっ!まだ……』

 

そして吹っ飛んだ先で立ち上がろうとするが……

 

「いえ、残念ながらチェックメイトです」

 

相手の喉に正確にナイフが突き刺さり、その点数を刈り取りきる。

 

『3ーA 近藤良文 DEAD』

 

『3ーA 大竹貴美子 DEAD』

 

「えー……Dクラスのチェックポイントはクリアです!」

 

「「よしっ!!」」

 

その言葉にパンっとハイタッチをして僕たちは喜びを分かち合う。いやあ……思ったよりも時間がかからなかったな。

そう思いつつ、来た道を引き返すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「お、おつかれ明久……」

 

「帰ってきて早速で悪いんだけど……アリスお願い」

 

待機場所に戻ってきた僕たちにかけられた第一声はアリスに抱き締められている妹紅と霊夢の声である。

抱き締める力が強いのか、若干辛そうな顔をしている。

 

「えー……二人がやってたら?アリス係」

 

「嫌だよ。こいつ結構抱き締める力強いし」

 

「そういうわけでアリス。明久が帰ってきたから明久に抱きついてなさい」

 

「明久ぁ……」

 

そう言うとアリスは正面から抱きついてきて、妹紅と咲夜は僕の腕、霊夢は僕の服の裾を掴んでくる。

うん、いつもの光景だな……

 

「帰ってきてから1分もしないうちにそんな風になれるとは、驚きを通り越して呆れしかこねえぞ……」

 

「あ、雄二」

 

そうは言ってくるけどしょうがないじゃないか。みんなが引っ付いて来るんだもん。力づくで無理やり離すってのは嫌だし……

 

「そういやCクラスの仕掛けってどんな感じなの?もう何班か突入したんでしょ?」

 

「今わかってる感じだと、脅かし方を視覚から触覚に切り替えてきたみたいだな。こんにゃくとかのアレだ」

 

「それは厄介だね……」

 

こんにゃくとかは恐らく後ろから突然やってくるだろうから、カメラに写すことはできない。つまり来るタイミングが測りづらいのだ。

 

「で、どうするの?」

 

「うーん……今回もまた、Fクラスで行くか。Fクラス、突入準備!」

 

雄二はそう声を張り上げると、Fクラスのメンバーに特攻を命じるのであった。

 

 

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