僕と同居人と召喚獣   作:迷単底

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夏休み編
第60話:災厄襲来


明久side

 

あの肝試しから数日経ったある日の午後、突然母さんから電話がかかってきた。

 

「もしもし母さん、どうしたの?」

 

『いやー、実は旅行の日程と行き先が決まったから知らせとこうと思ってね』

 

「ああ、そう。で、今回はどこに行くの?」

 

『うーん……候補が二つあるんだけど決めきれなくてね。北か南、どっちがいい?』

 

北か南、避暑地に行くか常夏の島に行くかか……

 

「じゃあ……南で」

 

『オッケー、じゃあ南極ね』

 

「南すぎるわっ!」

 

『じゃあ北にする?ちなみに北極よ』

 

「予想どうりだよ!なんでこうも極端なんだよ!」

 

『ええー。ペンギンとかシロクマとかアザラシとか見れるわよ?』

 

「水族館でも見られるよ!」

 

『ま、冗談は置いといて』

 

やっぱり冗談か……

母さんはいつになってもこうやって僕をからかってくるんだよね。一回無視したこともあるんだけど……うん、思い出すのは止めよう。精神的に良くない。

 

『明久、どうしたの?』

 

「いや、なんでも。そんでどこにするの?」

 

『ラスベガス。さあ、稼ぐわよ……』

 

「おい!僕たち未成年なんだけど!?」

 

普通、カジノとかには未成年は入れない。そういうところは年齢制限に厳しいのだ。いや、でも母さんならそれを捻じ曲げそうだな……

 

『これも冗談。本当は沖縄よ』

 

「おお……これまた普通な……」

 

普通すぎて驚いた……

 

「てか今回は国内なんだね」

 

『まあね〜』

 

以前はイギリスをはじめ、オーストリア、ドイツ、ブラジルとか海外に行ってたからね。

 

『本当はバミューダトライアングルとかエロマンガ島とか考えてたんだけどね……』

 

「冗談でもやめてね?」

 

バミューダトライアングルとか行ったら生きて帰れるかどうかだし、エロマンガ島なんか行ったら休み明けにクラスメイトに「ね、夏休みどっか行った?」ていう話題が気まずいじゃん。

 

「んで、いつ行くの?」

 

『ま、詳しい詳細は……』

 

そして突然そこでピッと電話が切られる。

あれ?いったいどうしたんだ……

 

「あんたに直接話すわ」

 

「うおおっ!?いつの間にっ!?」

 

「最初からよ」

 

なんでさっきから電話で話してた母さんが後ろにいるんだよ!

しかも最初から!?

 

「まあ気配を消してたものね」

 

「だからってなんでここに!?帰ってるなら言ってよ!」

 

あとさり気なく心読まないで!

ツッコミが回らないから!

 

「あ、あと明久。ただいま」

 

「あ、うん。おかえり……じゃなくて!」

 

「あ、もうすぐ父さんや玲も来るから」

 

「え、一緒じゃないの?」

 

「まあ私だけ走ってきたからね……。ちなみに父さんたちは車よ」

 

走って車より早いって……おかしいでしょ

 

「おかしいのは車の方よ?人間の脚力に負けるなんて……」

 

「勝てるのは母さんくらいだからね?」

 

母さんの久しぶりの帰宅は、やはり騒がしさしか産まなかったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃあ改めまして。初めまして、霊夢ちゃん。私は明久の母の吉井明美よ。あなたのことは霊菜から聞いてるわ」

 

「えっと……僕は明久の父の和久だよ」

 

「ど、どうも……」

 

あの後父さんと姉さんも到着し、霊夢とは初対面ということで、自己紹介をしている。

 

「もう、霊夢ちゃんったら。そんなに堅っ苦しくしなくてもいいのよ?」

 

「え、ええと……」

 

霊夢がそんなに戸惑ってるのって母さんと父さんが若すぎるからだと思うよ?まあ見た目だけだけど。

 

「明久、あとで母さんと剣術の特訓でもしよっか♪」

 

しまった。心を読まれてしまった……

 

「まあ明久の処刑はおいといて……真面目な話、そんなにこわばらなくてもいいのよ?」

 

「え、でも……」

 

「あ、あと私のことは『お義母さん』でいいわよ?」

 

「ハードルが高いので遠慮します……」

 

全く……母さんはなんでいつもいつもこんな冗談をぶっこんでくるんた?

アリスにも咲夜にもしてたよね?それに確か妹紅にもしてたっけ?あんまり覚えてない……

 

「ほうほうほう…………なるほどなるほど……」

 

どうしたんだ?いきなり僕たちの顔を見つめ始めだと思ったらニヤニヤと笑って…………

 

「明久」

 

「な、なに?」

 

なんかとてつもなく嫌な予感が……!

 

「ちゃんと責任、とってあげるのよ?」

 

「ほえ?どうゆうこと?」

 

「…………まだ気づいてないのね。この鈍感は」

 

「え?だから何が?」

 

本当に何言ってんだこの人は?またいつもの妄言か冗談か?

 

「大変ね……妹紅ちゃんたちも」

 

「まあしょうがないですよ」

 

「それに後悔はありませんし……」

 

「どちらにせよ諦めるのは無理ですし……」

 

「ここまで来ては引けないので」

「はあ………本当にうちのバカ息子にはもったいないくらいね」

 

なんか知らないけどバカにされてる気がする……

 

「ま、どちらにせよこいつには責任取らせるつもりだから安心していいわよ。……………ありとあらゆる手を使うから」

 

「あんた何する気!?」

 

「う〜ん……詳しくは言えないけど…………例えば法改正とか?」

 

「………………前々から思ってたけど母さんの職業って何?」

 

霊夢の神社の再建費用がポケットマネーでポンと出せたり、仕送りとかこの前の霊夢の日用品用のお金もかなりあったし……。いったいなんの仕事に就いていくら稼いでるんだ、この人は………

 

「え?世界征服を企む悪の秘密結社と戦う正義の味方の味方のふりして、実は悪の秘密結社のボスを裏から操ってるのよ。いわば裏ボスってやつ?」

 

「ぴったりすぎる!!」

 

「明久……特訓10倍ね」

 

「そしてさらっと死刑宣告!?」

 

冗談だったの!?リアルすぎて騙されたじゃないか!

 

「ああ、あと言ってなかったんだけど、旅行終わったらあんたら引越しするから。荷物まとめておきなさいよ」

 

「「「「「…………え?」」」」」

 

え、何?今なんて……?

 

「この家もさ、五人で済むなら大丈夫だけど、私たちが来た時とか部屋数足りなくなるじゃない?現に私たちがいる間は明久は別の誰かの部屋で寝るわけだし……」

 

「僕が他の部屋に押し込まれるのは確定なの?」

 

「それだとやっぱかわいそうだしさ、もうちょっと広い家を用意しようかと………」

 

「母さん…………」

 

まったく、この人は本当に………

 

「で、本音は?」

 

「あんたらが今度住む家はいろいろと特典満載なのよ。私からのだけど」

 

どうしよう。母さんの特典って時点で嫌な予感しかしない……

 

「でも部屋数が足りてないと思ったからってのは本当よ?あんたらが住む予定の家の部屋数、かなり多めにしてあるし」

 

「え?そんなに?」

 

「うん、だから安心してあんたは遠慮なく子作りしてもいいわよ。子供部屋の分もばっちりだし」

 

「何言ってんの!?いや、マジで!」

 

僕の耳がおかしくなかったら子作りとか言ってなかった!?

 

「ちゃんとできたら母さんに報告するのよ?出産費とか養育費とかは建て替えてあげるわ。でも責任とかはあんたがとるのよ?」

 

「あんたもう黙れ!」

 

「ま、そういうわけで頑張りなさい。期待してるわよ?孫の顔」

 

「本当に……この人は……」

 

もうやだ。なんで毎回毎回こんな調子なんだよ……

 

「ま、そういう訳で今日同じ部屋で寝る相手決めときなさい。あと、景気付けにもう済ませておきなさい。襲ってもいいわ、許可してあげるわ」

 

「なにを済ませる気?でもそれなら僕はソファーで……」

 

「残念ながらソファーは父さんの寝場所よ」

 

父さん……あんたまだ立場が変えられないのか……

 

「いや、それよりも普通に女子同士で相部屋にしたら……」

 

「そうしたらその部屋に明久を放り込むわ」

 

だめだ。逃げ場がない……

 

「まあいっその事全員と同じ部屋で寝てみる?」

 

「一番無理だよ。それこそさ……」

 

くっ、こうなったらみんなに反論してもらえれば……

 

「ま、いいんじゃないか?」←妹紅

 

「そうね、いいんじゃない?」←アリス

 

「私は別に構いません」←咲夜

 

「それなら私も……」←霊夢

 

ああ……終わった。

なんで、なんでみんなそんなに乗り気なんだ……

 

「そりゃああんたに……いや、止めとくわ。私が言うのは筋違いだし」

 

「心を読むのはもう置いといて何言おうとしたの? 気になるんだけど」

 

「そりゃあ…………いろいろと頑張りなさい」

 

いや、ますます意味がわからないんですけど?

 

「さて、このバカはほっといてみんなはちゃんとだれが明久と寝るか決めといてね。私と明久は近くの公園で稽古(処刑)してくるから」

 

「え、ちょ、あんた今処刑って……ちょ、待って待って待って!? 僕はまだ死にたく」

 

そしてそのまま僕は公園(処刑場)へと 連行されたのだった……

 

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