僕と同居人と召喚獣   作:迷単底

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第61話:結局は

「ぐっ……生傷にしみる……」

 

あの特訓から生還した僕は、お風呂にて体を洗っている。

ちなみに母さんと何回か模擬戦したのだけれども当然というか全敗だった。

 

「空中ジャンプってなんなのさ……。もう人間じゃないじゃん、あれ」

 

そんなことを思い出しながら体をゆっくりと洗っていると突然ガラッとドアを開けられる。

 

「お邪魔しまーす」

 

「お、お邪魔します……」

 

「ぶっ!?」

 

そう言いながら浴室へと入ってきたのは妹紅と霊夢だ。

お風呂に入りに来たのだから当然と言えば当然だが、二人とも裸だ。タオルで大事なところは隠しているものの、肌の大部分は見えてしまっている。

かくいう僕もとっさにタオルで隠したものの、いろいろとやばい。

 

「え、ちょ!? 何入ってきてるの!?」

 

「いやぁ……だれが一緒に寝るか決められなくてさ」

 

「二人がお風呂、他の二人が一緒に寝ることに決まったのよ」

 

よりにもよって最悪の結果になったあっ!!?

くそっ、これはマズイ! 一緒な部屋で寝るならともかく一緒にお風呂なんて思春期真っ盛りの男子高校生には無理だ!!

 

「くっ、こんなお風呂に入られるか! 僕は部屋に戻らせてもらう!」

 

「死亡フラグね」

 

「死亡フラグだな」

 

僕も言った後に気付いたけど仕方ない。

だってこのままの方がずっとマズイに決まってる!

僕はどうやってでもここからの脱出を……

 

『明久〜。出たら殺……殴るわよ?』

 

……詰んだ。開始早々に詰んだ。

外にはリアル死亡フラグ(母さん)がいるんだ。どうしようもない。

 

「せめて水着とかは用意してよ!!」

 

『んじゃあお風呂が上がる頃に用意しといてあげるわ』

 

違うよ母さん、それじゃあ遅いんだよ……

 

「明久、こうなったら諦めて一緒に風呂に入ろう」

 

「せっかくだし背中流してあげましょうか?」

 

そう言われて手を引かれて椅子に座らせられ、二人掛かりで背中を洗われる。

 

「やっぱり鍛えてるからか、結構筋肉質なのね……。無駄な肉がないっていうか」

 

「子供の頃とは段違いだな。年々成長してるって感じだし」

 

二人が何か言ってるけどまるで耳に入ってこない。

だって前には鏡があるんだよ? しかも背中を洗うために両手を使ってるからタオルを持てていない。つまりは二人の裸がチラチラと鏡に……

 

「見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ……」

 

「あ、明久?」

 

「どうしたのよ一体?」

 

くっ、ダメだ! 必死に呟くけどまるで効果がない!

むしろ余計気になる!

こうなったら、秘技・セルフ目潰しで……

 

「ついでだから腕も洗ってあげるわ」

 

「そうだな……って何で手をチョキにしてるんだ?」

 

「い、いやぁ? な、何でもないよ?ははは……」

 

くっ、セルフ目潰しを封じられただけでなく、腕を洗うために横にずれたから余計に見えるように……

し、しかも本人たちは気付いてないけどたまに胸が当たってるんですけど!?

肩や腕や背中に!

ちょんちょんと小刻みに!!

ものすっごく柔らかいのが!!!

当たるたびに心臓ばくばく言っちゃうんだけどおっ!?

 

「明久、終わったら今度は私たちの髪でも洗ってね」

 

「私たちもこれでも恥ずかしかったんだから、そんぐらいはやってよね」

 

いや、この状況で髪とはいえ女の子に触るとか無理です。

そもそも恥ずかしいならやらなきゃいいのに……

 

「ちなみにしないなら明久の体隅々まで洗うからな」

 

「全身くまなくね」

 

「懇切丁寧全身全霊をもって洗わせていただきます」

 

うん、背中と腕を洗ってもらったんだからそれくらいするのは当然だよね。

 

 

 

 

そして背中と腕の泡を洗い流すと二人の髪を順に洗ったんだけど、これもまた死ぬほどきつかった。

だってたって洗うと胸とか太ももが目に入るし、膝立ちで洗うと肩や腰が目に入ってくるんだよ!? 髪洗ってる間中プルプルと指が震えたんだけど!?

しかも二人とも「もっと念入りに洗って」とか「ちゃんと見て洗って」とか言ってくるし、指が肩や耳や背中に触れるとなんか色っぽい声出してくるし……

 

「明久、もうちょっとそっちに行っていいか?」

 

「こっちもいい? こっち側狭いのよ」

 

「……もう好きにしなよ」

 

しかも終いには一緒にお風呂に浸かろうとか言ってくるし!

我が家の浴槽は二人分ならまだしも三人分となるときついんだよ!?

知ってるでしょ!? 見てるでしょ!? 分かるでしょ!?

強制的にくっつかなきゃならないのは分かるでしょ!?

今までで一番素肌が密着してるんですけど!? しかも僕が真ん中だから両側から挟まれてるんですけど!?

 

「てか何してるんだ? 上向いてさ」

 

「……天井に人型のシミがないか探してる」

 

「ふーん? 変な明久ね」

 

気付いて! 気まずいんだって!

もう横も前も下も向けないから上しか向けないんだって!

ただ時間が過ぎろとかしか思えないんだけど!

 

「ふ、二人はまだ上がらないの?」

 

「んー……まだいいかな?」

 

「私もしっかりと汗流したいし」

 

ダメだ! 二人が先に上がらない限り僕も上がれない!

しかもこの二人って結構長風呂だし!

 

「♪〜♪〜」

 

霊夢に至っては鼻歌なんか歌ってるし!

 

 

結局妹紅が20分後、霊夢は30分後に上がり、僕が上がれたのはその5分ほど後であった。

 

なお、なぜか妹紅が上がったあとも霊夢はあまり離れようとしなかったので、かなり心臓に悪かったのは言うまでもない。

 

 

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