ライナ・リュート、投獄されてから一月はごろごろと寝たり、看守と話したり、飯を食ったり、寝たりと
まあ、喰っちゃ寝生活を満喫していたが、突然、仲良くなった看守に頼み事をした。
内容は、ローランドの図書館という図書館にある御伽噺を書き記した原典や写本、訳本、辞書、魔導書を中心に日々何十冊頼んだ。看守も全部読めるのかと嫌そうな顔したが、どうやら、本気そうなので渋々了承した。
普通の人は山積みの本を読めといっただけで嫌な顔するが、この男は、嫌な顔しないでむしろ喜んだ。
変わった男だと、知ってはいたが、改めて思った。
変わった男ライナ・リュートは看守に借りてきてもらった本を日々読んで知識を吸収し、あらゆる伝承や御伽噺の原典の解読し、レポートにしてまとめていた・・・。
ぼくはそれを黙って見守っていた・・・。
投獄されてからすぐにでもコンタクトをとっても良かったのだが、この男のついては、しばらく黙視しようと思ったからだ・・・
それに、こいつが調べているものは、ぼくも探しているものだからだ。
こいつが書いてるレポートは聖遺物(宝具)の在り処を探る行為だ。中には第二魔法や第五魔法に通ずることを書き記した幻想物語があるかもしれない。
魔法が神秘が溢れる世界で、幻想種や神々(ギリシャやケルトなど)が隠れ住んでいてもおかしくはないし、宝具級の魔術礼装(宝石剣やカレイドステッキなど)が眠っているはずだ。
この世界で僕の視点で魔術師と呼べるのは魔導学者くらいかな・・・・
それの古代の連中が創ったものは、歴史を調べたとき禁呪で制御不能・暴走し大国が一夜で滅んだりとか書き記されている。イエット共和国は元々国自体が犯罪者牢獄にして呪い的処刑台だったみたいだ・・・。
実際にどんなものかは見たことないけど、弟子達がその国に行っているかもしれないな
そんな作業を見続けて半年が経過した辺りに話すきっかけとなるものがやってくる・・・
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エミヤは、トイレに行きたくなり、看守に声をかけた
「すみません。お手洗いに行きたくなりまして、連れて行ってください」
看守は立ち上がって彼の部屋へ近づいて来る
そして、
「はいはいトイレな。縄をくくりつけるから柵から腕出せ」
一人一部屋という少し贅沢なこの牢屋だが、流石に一部屋ずつにはトイレは無いのだ。エミヤは腕をがっちりと縄で縛られ、そのまま看守とともに歩きだす。
そして用を済ましたので自分の部屋に戻ろうとした時、
「侵入者だッ!?」
牢獄の見張りの兵らしき者の声が、薄暗い牢獄に鳴り響いた。看守は一瞬うろたえて、すぐに平静を取り戻してから彼に告げた。
「お前は牢屋に戻ってろ。緊急事態だ」
そう急いで言い、看守は走って行った。普通ならば、そんな対応はしないだろう。しかし、今回はいつもと違った。
それほど切羽詰まっているということだ。
この国の王や貴族はもう既に国民を見放しているが、流石に牢獄には軍の者がいる。看守だって一応は軍人だ。
しかも、ただの軍人ではないこの狂国ローランド帝国でも極悪と称される犯罪者ばかりが集められたこの国最上級牢獄だ。看守一人一人が並みの魔導兵とは比べ物にならない実力を持つ。あの温厚な娘自慢をする看守も部隊長になれるほどの実力者だが、戦争が嫌でその話を蹴りここの看守になったそうだ。
看守は全員、修得難易度が高い『光燐(くうり)』が使える。
『光燐(くうり)』の修得は並みの魔導兵では理論書を読んでも理解できずに諦める事が珍しくないほど難易度が高い魔法だ。追尾性能を持つ光線を放つ。発動スピードは遅いが、命中精度・威力がともに高いため、暗殺者などが主に用いる。殺傷能力は稲光を上回り、個人発動型の攻撃魔法ではトップクラス。
つまり、全員が魔法騎士には及ばないが、精鋭級の戦闘力はあることは間違いがないということだ。
だが、そんな精鋭たちがいるのに……そいつらの悲痛な声が上がったのだ・・・。
侵入してきた敵は強いということだ。
近づいてみると、呻き声が上がった。
「どうやら、敵は複数いるようだな・・・」
顔を少し歪めてそう呟いた。
しかも、おそらく、一人で精鋭級の魔導兵を複数相手できるような、魔法騎士クラスの強さを持っているかもしれないものたちがいる・・・
そうエミヤは判断して縄抜けをし、臨戦態勢に入った。