元・魔術師殺しの魔眼保持者転生記   作:コレキス

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第十一話

 

 

それはエミヤが看守とともにトイレに向かって歩いているとき。ライナ・リュートは緩んだ眼を檻の外に向けた。寝癖のついた黒髪は牢獄に来たときよりも長く、肩ぐらいにまで伸びている。それだけで此処に来てからだいぶ時が過ぎたということを実感させる。ここには窓がなく、日の光もなければ月の光もないため、どれだけ過ぎたかはわからないが、少なくても半年は過ぎたのではないかと思う。

 

ちなみに今、彼はある古文書を解読したばかりだった。大帝・黒叡の伝説。一昨日の夜、ようやく解読が進み始めた古文書。何故か読もうと古文書に視線を戻した時、眼に激痛が走ったのだが、それ以降はなんともないまま解読し終えた。

 

そして先ほど昼寝をし始めようとしたところで。

 

『すみません。お手洗いに行きたくなりまして、連れて行ってください』

 

という声が聞こえた。

 

(ああ、お隣さんね)

 

自分は看守と仲が良いので言えば普通に大丈夫だが、他の者たちはそうはいかないだろう。というか、お隣さんと自分以外はどういう方法をとっているのかがそもそもの疑問である。

 

そんなことを考えていたとき

 

見張りをしているはずの兵の声が牢獄内に鳴り響いた

 

 

「侵入者だッ!?」

 

 

 

それは悲鳴だった。ここの看守や兵は強い。光燐(くうり)を使えるほどの実力者揃いなのだ。光燐は習得難度が高い。ほとんどの一般兵や魔導兵は光燐の術式を読むのを諦めるほどに。

 

 

それなのに今の悲痛な叫び声は一体何だ?

 

これはなんかヤバいんじゃないの……?

 

魔法騎士には及ばないとはいえ精鋭と呼べる兵隊がたくさいるのに、悲鳴を上げるって・・・

 

もしかして魔法騎士クラス以上の奴が複数侵入したんじゃないのかとライナはいくらか不安に思う。

 

なぜならば、そういう連中に心当たりがあるのだ・・・

 

自分が以前所属していた組織、『隠成師』。

 

そいつらは、魔法騎士に匹敵もしくは以上の実力を持つ者ばかりがいる。

 

魔法騎士の暗殺者版といったほうがわかりやすい。

 

服装の特徴は魔法騎士のような衣服や鎧を黒装束にして、闇に紛れ込み易くしたものだ。

 

服には、対魔法コーティングも贅沢に掛けられている。魔法騎士以上に。

 

そういう連中に命を狙われる心当たりはたくさんある。ないとは絶対いえない。ていうかありえない。悲しいけど・・・。

 

 この国の王や軍の上層部(大物貴族)が魔法騎士団50人を皆殺しにした複写眼(アルファ・スティグマ)の力が恐ろしくなり、エスタブール王国を吸収できたのだから、卑しく危ない力に頼らなくとも、自国の戦力のみでネルファ皇国を滅ぼせるだけの力はあるしもう必要ないのではないのかとでも言い、暴走する前に魔法騎士以上の暗殺者に依頼し自分を殺すように命令した可能性が高いのだ・・・。

 

そうでなくとも、筆頭を含めたほとんどが頭の逝かれ(壊れた)ているのだ。

 

あらゆる異能者や異常者の集まり、自分と同類や先天性魔導異常や全結界、脳や身体能力を魔法で強化された、ノーマルだが生まれながらにして異常な才能を持つ者、異常施設の生き残りなどが殆どだ。

 

 関係のない奴を気分で殺したり、趣味で女・子どもを殺したり、弱いものを猫みたいにいたぶり殺すのは珍しくない。稀に正義感溢れる正義の味方気取りの奴もいるが、そんなのは1%いるかいないかだ。いても拷問を掛けて矯正されたり、矯正出来なければ無茶な任務で厄介払いも兼ねて死ぬように仕向けたり、他の隠成師に任務に乗じて殺させたりしている。

 

ライナ・リュートもその一人だ。

 

ライナはジェルメ・クレイスロール訓練所で戦闘と魔法の訓練を一年程受け、

 

7歳にローランド307特殊施設に入り、そこで暴走して教官や友達、知り合いを皆殺しにする。ミルクという少女を除いて・・・

 

その後、魔眼の研究(いじめ)をされ、隠成師に所属する。10歳にはローランド最高の暗殺者を圧倒するほど強くなっているので、魔法騎士よりは強いレベルになり、13歳には、ローランド最高の魔術師クオント・クオを倒し、その後、ローランド最高の魔術師と呼ばれる。

 

任務放棄や重要情報の漏洩や軍上層部への反抗、貴族への暴行は最初から終わり(学院へ送られる)まで続いたが・・・。

 

その後、口封じに殺されるか、軍の管理下(ローランド帝国王立特殊軍事学院に送られるか忌み破り部隊に配属されるか)に置かれるかお選択させられる。

 

ライナは次の戦争まで待機させられることとなった。いや本人ができるだけ平穏に送りたいので、学校を選んだ。

 

つい半年前に10年ぶりに暴走してしまい、魔法騎士団50人を全滅させる・・・。

 

ビオ・メンテのときに暴走していたら、止めるものがいなかったので、例え100人が魔法騎士でも結果を知る限り無理だろうな。国全ての魔法騎士や隠成師、上級魔導兵が束になっても多分勝てないだろう・・・ただの複写眼保持者なら魔法騎士数人でどうにかなるが・・・

 

そういう経歴があるので、質た数を考えるとライナが狙われている可能性が非常に高いのだ・・・

 

 

 

そんなことを考えているときに

 

ライナが入っている檻の向こう側に入っている、先程トイレにいった男が戻ってきたのだ。

 

なぜか、縄が解けている・・・脱獄しようとしているのかと思ったのだが、ならなぜ、こちらへ戻ってくるのか、侵入者がやはり予想したとおりにやばいやつらだったのか、

 

この自分と同じ濃紺の長い黒髪をひとつにまとめた黒い瞳の中肉中背の男。

 

年齢も自分と同じくらいだ。

 

この男から発せられている微かにだが感じられる殺気と男自身を見て、魔法騎士や隠成師とは比べ物にならないほどの化け物だとライナは思った。

 

男はライナに気づき、

 

「やあ、君。確かライナ・リュートくんだったか?あいつら片付けるの手伝ってくれないかな。一人だと難しいから」

 

と言ってきて、看守のおっちゃんの机にある牢の鍵を取りライナに投げた。

 

「めんどくせぇーな、でも・・・やらないとやばいよな・・・」

 

急いで、鍵を開けて牢から出て臨戦態勢に入った。

 

 

それから、エミヤとライナの2人に黒装束の魔法騎士のような格好をした者達が30人近づいてきた

 

やはり、隠成師かと二人は思った・・・。

 

あの魔法騎士と同格かそれ以上の実力を持つ異常者たちだ。

 

ライナの実力は、身体強化を得る前でも殺す気とやる気ゼロの状態で魔法騎士二人を確実に倒せるほど。隠成師時代、ローランド最強と呼ばれていた敵に容赦しない殺す気や覚悟があるときは、手間を掛けず効率を取り、最小の攻撃で相手を屠るやり方を取るので、魔法騎士10人が相手でも互角以上にやれるだろう。身体強化も入れれば、ほぼ確実だといえる。

 

今のエミヤは魔眼どころか魔術回路を使わなくとも、この程度の相手と人数ならば、魔導兵みたいに魔法や体術を駆使するだけで問題なく倒せる。

 

 魔法騎士50人と互角に戦える力を12歳のときに有していたが・・・あれから5年が経過しているので、内4年は修練していたので、今はもう12歳のときとは比べ物にならないものにはなっている。仲間(弟子)たちの協力があればもっと伸びたと思うのだが、あと、魔法はカラード家の魔導書や魔導兵・魔法騎士・魔導学者に教えてもらい、独学で自作の魔法を以前よりちゃんとしたものを創れるようになった。

 

 魔眼はバレていない。解析魔術で構成を解析・理解して修得した。自分で放った魔法を喰らうことは出来るが、実戦では使えない。魔眼の能力を公開するようなものだ。肉体や精神の修練の疲労を回復させたり、喰らった魔法や魔術回路で眼や身体の魔力(マナ)(精霊(マナ))吸収力を増幅して溜め、それを肉体と精神力の強化や魔力(オド)の増加に当てている。

 

牢獄生活に入ってからは、空間の魔力(マナ)だけしか喰らっていない。魔法使うとまずいし魔眼がバレるので、バレないように壁の方を向いて座禅を組んで瞑想しながら魔法ほど効率よくではないが常に吸収している。紋様が見えるほど見開きが危ないときは、見えない程度に普通の見開き、いちいち開眼しなくても魔術回路か魔眼殺しでないと完全に封印できないので、それをしないで、やっているおかげでばれにくい。吸収率が落ちた程度だ。

 

空腹を満たしたり、余った分はそれで、瞑想形式や呼吸法や体操で身体の内功(内部)と外功(外部)や精神力、魔力を鍛えて強化している。

 

派手な鍛錬は出来ないが、それでも、日々心身ともに強くなっている。実戦はブランクになるので、イメージトレーニングをしているが、不安に思う。身体は強くなっていっても戦いの勘は鈍っているだろうからな・・・

 

いくら強い身体があっても、それを効率良く使えなくては、意味がない・・・健康オタクに成り下がる。

 

今現在の強さは、回路や眼に頼らずに魔導兵みたいに戦うと大体倒すつもりで魔法騎士を200人から300人、殺すつもりならば500人から700人くらいかな・・・

 

回路での魔眼制御を解いて、常に空間から精霊を喰らい体力の補給をすれば、それだけで怪我とかしなければ持久力や瞬発力が飛躍的に上がるので、1000人以上はいけるだろうな。雑魚なら万単位はふつうにいけるだろう。

 

魔法騎士はたった50人で雑魚万単位の戦局を覆すほどの戦闘力を誇るので、体力が続けば、普通にいける。

 

魔法使うときは必要に応じて眼を回路で制御すればいいので、魔法が飛んできたときはそれを喰らい強力な万能薬や強化薬代わりになるので体内に蓄積させておく、吸収した魔力の消費量は回路で制御するのですぐには消えないだろう。

 

本当に食い溜めみたいだな・・・

 

魔眼を曝し、魔法だけではなく魔術を駆使すれば、魔法騎士が万単位いても倒せる自信がある。いや、相手が魔法を使い続けるならば、精霊を喰らい回復し続ければ万を超えた億単位でも時間をかければもしかしたら出来るかもしれないが・・・。現実的にそんな強力な人材が億単位もいないだろうけど・・・。いたら前世に例えてだが・・・世界には武力で化けものとつくぐらい強い奴が一割以上を占めることになる・・・。

 

 

 

 まあ、相手が魔法ではなく宝具を使用する英霊や伝承保菌者(ゴッズ・ホルダー)ならば、相手が一人いても油断できない相手なのでさすがに話は変わってくるのだが、魔眼と魔法の相性は最高だが、魔術礼装で魔法を強化したりするものは別だが、宝石剣ゼルレッチとかは平行世界の自分とリンクして魔力を無限に増幅するので、魔法強化に入るので吸収できるが、勝利を約束された剣(エクスカリバー)は魔力を魔法とは関係なくされた神秘に強大な力を持つ光に換えるもの。

 

 おそらく神獣消し(シプ・アムス)とグロウヴィルの中間のようなものでこの世界で放てば、世界の修正力がないので、他の同格の神秘に左右されずにEXランクに昇格すると思われる。乖離剣の場合はそれをグロウヴィルの上をいくかもしれないが。

 

 この世界魔眼で対処できないもの換えてしまうから相性が最悪なのだ。まあ、別の魔導体系の解析魔法ならば、解析に特化した起源や属性と特性を持つものならば相性最悪説が変わってくるが、それをライナやエミヤが知るのは冒険の途中の話。

 

 

今回は、戦いの余波で牢獄を破壊されたくないので、ライナ・リュートと話す切っ掛けが欲しかったので、魔眼をエミヤ・セルフは使うことを決めた。

 

 

「へへへへへ、ローランドの牢獄でも極悪人ばかり集めたここの看守は全員、光燐が使える実力者だと聞いていたが、それほど強くはねぇよなぁ」

 

「ああ、全くだ、この程度なら、気づかれずに侵入とか出来たが、任務ばかりじゃ疲れるし、弱い者いじめは大好きだが、たまには、強いと評判のやつらを殺すのもいいよなあ。」

 

「さっきのみたか?俺たち見て、叫んだけど、あっという間に終わったよな。」

 

「実に間抜けな顔だったなぁ(笑)。」

 

「でも仕方ねえんじゃねいの?俺達は魔法騎士以上につ強いンだし」

 

「それも、そうか。つーことは今回も弱い者いじめになるな。道理でいつもと変わらず楽しいわけだ」

 

「おいおい、ここは、俺達みたいなやつがヘマやらかした連中の溜まり場だから、一応気をつけたほうがいいぞ。任務だし」

 

「檻に入っているし大丈夫だろう。それに、檻に入っているマヌケを殺すのが今回の仕事なんだしよ」

 

「たしか、なんて奴を殺せばいいんだっけ?」

 

「確か、以前俺達の組織に所属していた・・・何年か前、クオント・クオを倒したってんで有名な奴だったな。名前は、ライナ・リュートで複写眼(アルファ・スティグマ)保持者だったな・・・」

 

「あの、かつてローランド最高の魔術師のクオント・クオを13歳で倒したやつか。なるほどな~、やけに隠成師の数が多いと思ったぜ。弱い者いじめはそいつ殺してからにするかな」

 

「おいおい、仮にも複写眼保持者だぜ。そんな悠長でいいのかよ?」

 

「大丈夫だって、魔法騎士以上の実力者を20人一人でどうやって相手取るんだよ。いくら、ローランド最強でもどんなに頑張っても良くて5人が良いんじゃねえか?それに暴走しても聞いた話じゃ魔法騎士なら数人で問題なく仕留めれるていうし、そうでなくても一般兵や並みの魔導兵一部隊で問題なく仕留めれるって聞くぞ」

 

「実はこれ噂なんだが、半年前のエスタブール王国との戦争の勝利の決め手の魔法騎士団50人皆殺しにしたのは、あの下賎な犬の子で有名な皇子じゃなくて、そのライナとかいう奴って聞くぞ」

 

「はははははー、ありえねぇよ。現実問題そんなことライナって奴も皇子もできるわけがねえ。大方、偽情報を囮にして、そいつらを誘い込んでローランドの魔法騎士団を数百人呼んで潰したんだろ。そんで、どっかのお偉いさんが何かしらの神輿に丁度良いからそういうことにしたんだろうよ」

 

「まあ、普通はそう考えるわな。所詮噂だし、それが正解だろうな」

 

「そんじゃこんなくだらない話は終わりにして、とっとと任務終わらせて、お楽しみしようぜー」

 

「ああ、そうだな。」

 

「あ、そういえば、もう一人ターゲットがいたな。」

 

「誰だ?」

 

 

と隠成師の1人が別の隠成師に聞く

 

 

「エミヤ・セルフというやつだ」

 

「なんでも、大物貴族に逆らってここに送られた馬鹿って話だ。」

 

「どのくらい強いんだ?」

 

「そいつはライナってやつと同じくらいじゃないのか?」

 

「書類には、こいつに隠成師を何人か返り討ちにされた話があるみたいだぞ。信じられないことにあのクオント・クオもその中に入っているみたいだしよ。あの、戦場の悪魔といわれた紅指のクラウも試合という形でだが倒したそうだ。」

 

「マジかよ。それじゃあ、その二人相手にこの人数は納得がいくな。隠成師30人しかも一人一人は魔法騎士以上って俺達言われているし、雑魚相手だったら、万単位は当たり前に殺せるんじゃねえのか?下手したら戦争が出来るレベルだぞ。これ暗殺任務って言うより、虐殺とか殲滅任務じゃねえのか?」

 

「まあ、いろいろそんな尾鰭がついてるから、確実に仕留めたくて大枚叩いたってことじゃねえの?」

 

「まあ、いくら化け物でも、魔法騎士以上に化け物って恐れられているおれらがこんなに集まっているんだし問題ねぇだろう」

 

「それもそうだな、とっとと殺っちまうぜぇ」

 

と危ないこという

 

そんなこと言う連中を見てエミヤは

 

「下衆どもが・・・」

 

と小さく呟いた。

 

それを聞いたライナは苦笑した。どうやら、隣人のエミヤとか言う奴は良い奴みたいかもと思う。

 

そして、

 

隠成師連中をザッと見渡して、

 

「あいつらの中に俺の知り合いはいないなぁ、やめてから大分経つし」

 

という

 

「もしかして、君、隠成師?」

 

とエミヤは聞く

 

「ん?ああ、”元”がつくけどね」

 

それを聞いて、エミヤは別に不思議には思わなかった。

 

魔眼保持者で魔法騎士団50人を暴走し屠る力を秘めている。

 

連中の会話内容を分析すれば、ライナがあの連中の元筆頭級の強さを持っていてもおかしくはない。

 

殺す気ゼロでも、不意を突いたとはいえブーストした魔法騎士を3人あっという間に倒したのだから。

 

 もしも、相手がブースト掛けていなければ、ライナはもしかしたら、魔法騎士10人くらい相手しても普通に勝てるのではないかと思う。隠成師時代の殺す気でローランド最強と恐れられたときの本気で相手すれば、連携が取れない単体で強い相手ばかりならば魔法騎士クラス20人はもしかしたら倒せるかもしれない。

 

 隠成師は個体でとんでもなく強い分類に入る。個体では強いが性格に問題があり連携は苦手な部類とも認識されているので、本気をだせば一人で20人近くは倒せるかもしれない。逆を言えば、連携を得意とする魔法騎士クラス連中が相手だとナチュラルで5人ブースト状態で10人以上いくかいかないかだろう。それでも、そういう連中を除けば一騎当千越えの実力に入っているので、稀に英雄と呼ばれるような超越者クラスに入ると思われるのだが、本人は人殺しを嫌っているみたいだ。

 

 過去、ライナはゾーラという隠成師の同い年の少年と組んで、かつてローランド最強の魔術師といわれたクオント・クオ率いる隠成師たちを十数人倒している。この二人で組めでうまく連携を取り頑張れば、もしかしたら30人は倒せたかもしれない。

 

 エスタブールときは、周りが訓練を積んだ学生とシオンは精鋭に入るくらいは強い魔導兵レベルだが、実際は足手纏いになっている。そんな気になる連中がまわりにいなければ、魔法騎士団50人が相手でもライナ一人では勝てないが逃げ切れることはだろう。戦っても真の意味で本気ならば、複写眼に対する恐怖でうまく連携を判断を狂わせて何とか10人くらいは倒せていたかもしれない。

 

 あのときはシオンが魔法騎士にやられ集中が途切れて隙が出来ほかの魔法騎士たちにやられてしまったので、わからなかっただろうけど。本来、ライナはそれくらい強いのだ。

 

 完全に暴走した自分以外の保持者でも本気を出せば一瞬で倒せるだろう。まともな判断が出来ないし、戦闘訓練も碌に積んでいない。まだ、正気を保って戦闘訓練を積んでる保持者の方がが手こずると思える程だ。

 

 ライナは開眼した幼少期に魔法を修得しただけで、すぐにそれで不意を突いたとはいえ、魔法騎士や魔導兵たちを仕留めている。訓練も積んでいないのに。これが、複写眼保持者全員に通ずる魔法と戦闘の才能であり、ライナは元々持つ天才以上の魔法の才能が加味されているから他同じ保持者より優秀なほうだろう。

 

 

「おい、この二人か?」

 

「俺達が来たのに、すぐに気がついて、もう臨戦態勢で特徴は。黒髪と黒い瞳に片方が寝癖だらけの髪と眠そうな顔、もう片方が、同じく黒い髪と瞳に上に広がった形でたった髪型と普通そうだがどこか無機質な顔」

 

「合っているな」

 

「そうみたいだな」

 

「そんじゃ、とっとやるか」

 

「間違っていても後で確認取ればいいし、姿見られたし、どの道生かしてはおけないだろう」

 

といい、ライナたちを暗殺しに来た隠成師のほとんどが魔法を展開し出した。

 

 

「「「「「「「「「「「「「求めるは雷鳴>>>・稲光(いづち)」」」」」」」」」」」」

 

「「「「「求めるは殲虹(せんこう)>>>・光燐(くうり)」」」」」

 

「「「「「「「「「「「「求めるは焼原>>>・紅蓮」」」」」」」」」」」」

 

 

これだけの魔法をしかもローランドで最も殺傷能力が高い光燐(くうり)までいくつも放たれているのだ。いくらライナでも狭い牢獄では逃げ場はなくこれは終わったなとあきらめたとき・・・

 

 

 

「力を喰らう」

 

 

 

とエミヤがつぶやき

 

一斉に放たれた30近い攻撃魔法が一瞬で消えたのだ。いや吸い込まれたように消えたが正確なのか。とライナは思った。

 

「な、何だ!?」

 

「魔法が消えただと!?」

 

「あ、ありえねぇ。相殺するための魔法は何も展開されていなかったぞ!」

 

そう、混乱していた。

 

その隙をついてエミヤは

 

 

 

「それを放つ」

 

 

とつぶやき消えた。

 

 

「「「ぐっ」」」

 

「「「ぎっ」」」

 

「「「うえっ」」」

 

「「「ごがっ」」」

 

「「「はぴょっ」」」

 

「「「くぺぇ~」」」

 

「「「あにょっ」」」

 

「「「ぶべらっ」」」

 

「「「あごごっ」」」

 

「ぎゃあああああああああああ!」

 

身体の骨が砕ける音や、間の抜けた悲鳴、最後のリーダーらしきものはまともな悲鳴が聞こえた。

 

気絶させるだけの予定が久しぶりの魔眼での身体強化と牢獄内の本人にとってののんびりとした鍛錬によって強化された自身基礎体力が以前と比べ物にならないことをつい忘れていてうまくて加減ができなかった。そのため、粉砕骨折や複雑骨折などの怪我人を出した。幸いショック死したものはいなかったが、さすがは訓練されたエリートたちとエミヤは安堵した。その安堵は常人からみたらそうでない者から見ても異常だが・・・

 

「ふぅ~、どうやら死人は今ので出ていないな。」

 

「さて、こいつらを牢獄から追い出さないと」

 

そういい、ライナにそれを手伝ってもらおうと声を掛けたとき

 

 

 

「お、お前、その眼は・・・・」

 

 

 

ライナは驚いていた。自分と同じ紅い紋様の眼を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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