それから、部屋に戻り、ライナはエミヤに魔眼や使った魔法について、知っていることを色々聞いてみた。
エミヤは前世の世界の魔眼は一通り知っているが、この世界の魔眼については、まだ、複写眼しか知らないので、とりあえず、前世の知識の先天的な魔眼は御伽噺や伝奇物に出てくるものや複写眼しか知らないと前置きをし、魔術回路を開発し修練で得られる人工的な魔眼についても話した。
まずは先天的な魔眼ついて、現在確認されているものは複写眼と十字架紋様の亜種で、これは、もう知られているが、魔法の構成を一瞬で解析し複写する。亜種は、魔法を精霊を吸収する。
御伽噺に出てくる方は、浄眼、魅了の魔眼、歪曲の魔眼、石化の魔眼(キュベレイ)、直死の魔眼。
浄眼は、邪なものを視認し、滅せるものとか言われているが、実際は感情を色で見分けるというのが本質とか言われている。
魅了の魔眼は、吸血鬼が保有する。相手を誘惑し操る能力をもつ。
歪曲の魔眼は、視認したところを意図的に捻り切るものといわれている。
直死の魔眼は、死を体験したものが、異能を持つ者が稀に開眼する眼だといわれている。死(終わりと始まり)を理解しているので、脳が根源の渦とつながり、視認できる対象の生の綻びや存在の綻びを死線や死点といった形に視覚化できる眼らしい。線や点に触れると相手が死ぬ。不死身の存在である神や悪魔、化け物でも殺せるといわれているらしい。だが、そんな力は人間に荷が勝ちすぎていて、脳に多大な負担が掛かるみたいだ。そう、人間には・・・。
石化の魔眼(キュベレイ)は、御伽噺に出てくる怪物が保有する神に呪われた証で土着神の力が封印されているといわれている。見た相手を石にする。
御伽噺の先天的な魔眼にはランクが虹・宝石・黄金と存在する。
頂点が『虹』で吸血鬼の始祖だけが、持っていたといわれるが、能力は不明。七色に偏色する魔眼とだけ伝えられている。
二番目は『宝石』。最高クラスの魔眼といわれている。神話に出てくるような強大な力を持った魔獣や怪物だけが持つ。神の呪いといわれているので、御伽噺で言えば、僕たちの魔眼はこの部類に入ると思うよ、と、エミヤは言う。ライナも不思議と納得した。
あの、暴走した時に降って来る声を聞いたからだ。あれは、自分のことを神・悪魔・邪神・勇者・化け物と呼んでいた。
『黄金』は、最上級の吸血鬼(真祖や純血)だけが保有するといわれるが、能力的に人工的な魔眼でも能力的に近い物は修得できるので、割と一般的。
因みに、人工的な魔眼は、魔術回路を開発し魔術を使えるものが、修練次第で得ることができる。暗示や魅惑で催眠術が使える。
それで、魔術について、その発動条件である魔術回路については、
魔術師が体内に持つ擬似神経。生命力を魔力に変換する路であり、基盤となる大魔術式に繋がる路。幽体と物質とを繋げる回路。魔術回路として機能している際は、人としての肉体がそれを嫌う為相応の苦痛を伴う。
先天的に保有する数は決まっており、魔術師は自分達に手を加える事によって少しでも多くの回路を持つものと交わり、維持・増加・最小限の減少にしている。
魔術回路という物は作るのは最初だけで、その後、通常時は神経として張り巡らされているが、精神面でのスイッチによって反転して魔力を巡らせる為の回路として機能するようになる。
スイッチは精神的な物であり内容は人それぞれで、エミヤは前世の銃の撃鉄のイメージ。他の魔術師は心臓をナイフで刺すイメージや性的に興奮するものなどをイメージしたりするみたいだ。
ちなみになぜか、魔眼保持者は魔眼を持つせいなのか、擬似神経のはずのが魔術回路が肉体と融合していて、とても頑丈で良質、本数も規格外で数え切れないほど豊富で、色々と無茶が利く、前世では完全に異端者からも異端扱いで封印指定確定だろう。
あと、複写眼と殲滅眼の保持者には同じ規格外でも違いがある。本数や良質さは複写眼が上で殲滅眼は肉体の性質からして、魔力が暴走しても身体を良くするので、不死性を持つ魔術回路になっている。そのため、無茶が色々効く。
因みに衰退して魔術回路が失われた家系にも遺伝的にかつて回路が存在していた痕跡は残っており、これを無理矢理開いて機能させる事も出来なくはないらしい。だが、もっともそうする事によってどれほどのダメージを負う事になるのかはわからない。身体が弱い者には再起不能かショック死もありうる。
それを聞いてライナは、
「結構危なっかしいものなんだなあ。魔法いや魔術だったか。俺達が使う魔法は空間から構築して、自然エネルギーの精霊をそのまま使うから失敗しても、何も起きないか中途半端なものになるだけなのに。まあ、危ないものは禁呪庫行きだけど・・・」
という
「まあね、魔術を行使するときは命がけで気軽に使うな、と、よく父や師匠にいわれたね。弟子達にもそのことを伝えているけど、複写眼で見ればそれだけで魔術師よりも理解するし、実体験談以外は釈迦に説法するみたいな感じだったしね」
という
「釈迦?」
「ああ、神様くらい偉い博識な賢者様のことだよ」
「へぇー」
ライナはそう返し
「あと、複写眼とこの魔眼の開眼のタイミングにも違いがあるんだよ」
「複写眼は5歳か6歳のときに開眼する。だけど、この魔眼は違う。胎児のとき、ある声が頭に降って来て開眼するんだ。そして、その声は命令する。《最初の餌をやろう。その下等な人間を喰らえ》とね」
それを聞いて
「う、嘘だ!?い、いや!?まさか、お、おまえ、まさか、喰ったのか!?母親を!?」
質問して、エミヤは
「いや、食べてないよ」
そう、あっさり返し
「へ」
とマヌケ顔になった
先程のシリアスな雰囲気は何処へ?
「まあ、何も知らない、普通の赤子なら素直に聞いただろうけど。どういうわけか僕は、その命令を無視できた。父と母は今でも多分元気に・・・いや、この狂った国の領内だから、無事に生きてるかどうか心配になるなぁ・・・。父と母は鬱陶しくなるくらい仲が良かったから、僕がいなくなったあと、軍に拉致られたか、殺されたかと考えて、あきらめたと思うけど・・・。もしかしたら、現在は、ぼくの顔は知らない弟か妹がいるかもしれないけど・・・」
「父親は魔術師だったよな?」
「ん?ああ、そっちは実の父で元・軍人だけど、魔術は第二の父といえるくらいの人に教えてもらって、その後、別の人に教えてもらったんだよ」
といった。
これは、あながち嘘ではない。
父と師匠は、前世の自分が切嗣だったときの自分の父親の衛宮矩貴と師のナタリア・カミンスキーのことだ。
魔術については、この二人には、命がけの異端技術と耳ダコにいわれているので、この世界で自分の真実を知らないもののとっては嘘混じりだが、自身にとっては真実。まあ、この秘密は、誰にも教えずに墓に持っていくつもりだが、それいったら、狂人扱い確定だからね・・・。
「そうなのか」
と勝手に納得する。
なぜならば、自分にも師であり母と呼べるのが一人いる。
一番怖い女だが・・・・
かつて(現在でも)、酒乱の女豹と恐れられる存在だ。その名は、『ジェルメ・クレイスロール』
他にも、氷の暗殺者や美貌の魔導師と呼ばれているが、ライナは多分知らない。知っていても半分くらいでっち上げだと思うだろう。酒乱の女豹のほうがしっくりくる。
それを本人が聞けば、只ではすまないだろう。
因みに名づけた男は、病院送りにされている・・・。両手両足骨折でしばらく再起不能に・・・。
南無成仏・・・
その後、ライナ(7)がジェルメの弟子になって一年が経過し弟子の殺し合う日が近づいたときに、ラッヘル・ミラー(21)に再会し、昔のことを思い出し(ミラーに交際を申し出たが「迷惑だからだ。」・「好意は嬉しいが、すまない。今はそんな暇はない」とあっさり振られ失恋した)。
それで、苛立っていた自棄酒を飲んで彼女が酔っていたとき、酒乱の女豹化済みということもあり、酒場で会った一番新しい白馬の皇子様(になるはずだった人物)は彼女が『死ねミラー!』とわけのわからないことを叫び、ボコボコに殴り病院送りにされた。
運が悪いな・・・おい、と、つい同情する。つーか、よく、結婚できたな・・・奇跡は、言いすぎだから・・・珍しい現象?
と言いたくなる。
「まあ、その2人はもういないけどね」
と顔を暗くしていった。
それをみて、ライナは言いにくいこと聞いてしまったので、
「あ、ワリィー」
と謝った。
「ああ、別に良いよ。もう過ぎたことだし、世界では当たり前にほぼ毎日起きてることだよ。大事なのは今を生きることだよ・・・」
そういいったあとライナはエミヤに頼み込む
「なあ、エミヤ頼みがあるんだけど・・・」
全部、言い切る前に
「魔術を教えて欲しいのかい?」
そう返したら、
「うっ」
とビクつく
やっぱりか・・・まあ、当たり前かな・・・
「複写眼保持者の弟子も何人かいるし、殆ど見せるだけだから、別に良いけど、既存の魔法とは違って仕損じれば痛い目みたりは珍しくないよ。最初の発動条件の擬似神経開発は誰でも最初は痛いよ。まあ、そのあとは、失敗しないかぎりそれはないと思うけど・・・」
そういったら、
「それでも頼む。俺は、もういい加減前に進みたいんだ。痛い目にはいやだけど慣れてる。もう逃げたくないんだ。今まで使っていた魔法だと難しそうだけど、エミヤの魔法を修得すれば今までより前に進めると信じているから・・・。だから、頼む、教えてくれ」
そう懇願する、ライナの眼を見て、今まで視てきた最初の魔眼保持者たちの弱弱しい眼ではなく、決意に満ちた、どこか、見え難いけど火が点いたような眼のような気がした。
そして、
「わかった。教えよう。ただし、魔術は等価交換だから、条件がある。」
それを聞き、ライナは不安になる。どこか血生臭いものを(ローランドの魔法開発過程もあまりいえないが)教えてもらうのだ。対価も当然大きいだろう。なにを取られるのだろうか・・・。
そう差し出せというものは何なのかを考えていると
「君が今書いているレポートだけど、あれ、いつも、自分の牢から眺めているけど、この世界のあらゆる古い伝説やら伝承、物語を解読と要約して、伝説の道具といった宝物を割り出す研究でしょう?話が一つ一つ纏まったら、ぼくに内容を教えてくれない。もちろん手伝いもするから」
それを聞いてライナは、
「お前・・・いつも俺を見ていたのかよ・・・」
何か、やばい人を見る眼でエミヤを見た
「誤解しない様に言わせてもらうけど、見ていたのは君の行動の意味とレポートとその参考書だよ」
エミヤはそうライナに注意した。
「本当は?」
「やっぱり・・・、魔術教えるの止めようかな・・・」
静かな殺意をみせて、静かにそう告げた・・・
それを見たライナは、ヤバイ鎌掛けと冗談で言ったつもりが相手を怒らせてしまい。機会を潰しかけていると思い。急いで謝った。
「あ、わ、悪い!今のなし!謝るから!!!許して、お願い!」
謝罪を受けたエミヤは、それを視て
「どうしようかなー。そうだなー。明日のご飯を半分くれたら考えてあげるよ」
と意地悪くいった。
それを聞いたライナはというと
「て、おいおい、ふざけんな!?囚人の飯はまずい上に量も少ないんだぞ!?それを半分よこせって、ただでさえ物足りないのに!!!」
と文句を言う。
「あーそー。じゃあ勝手にすればー」
といい
「そんな~あ~、あう、あう、あう・・・」
男が『ひ●らしのなく頃に解』に出てくる羽●ちゃんみたくうろたえても、ぜんぜんかわいくない。むしろ気色悪いだけだ。『ひ●らしのなく頃に解』の同●ソフトやPSやDSのゲームやアニメのキャラクターデザインを担当した人たちに謝って欲しいと思う・・・
「う~、なんか、納得いかないけど、わ、分かったよ!それで良いよ!チクショウ!」
「なんか、嫌そうていうか偉そうだね。本気でやめようかなー」
「あ、ご、ごめんなさい。すみませんでした!どうか教えてください!」
と土下座した。
「よろしい。でも、騒がしいのが治まってからね。」
といい、魔術を教えて(見せて)もらえるほど、騒がしいのが治まるのに、一月は掛かった。