何か自信ないけど、進むしかない。
またまた駄文ですが、良ければ読んでください。
◇
ブルーという少年は、愛を知らずに育ってきた。
たった独りで必死に生き足掻き、なんとか今日まで生きてこれた。
―――親の顔すら覚えていない頃に、俺は捨てられた。
ブルーは家族すら知らないのだ。
だが周りが言う、生きてくには愛が大切だ、と。
その度に、ブルーはそいつらを鼻で笑い飛ばしてきた。
愛がなくとも生きてける!と。
根拠は自分自身。
己が体現しているのだ。
同じような境遇の仲間も集まり、よりいっそう考えを強めていった。
だけど、いつも何処か物足りなさを感じていた。
まるで、心に大きな穴が空いたかのように、空虚感が支配していく。
それは、年々大きくなっていくばかり。
――――一体これはなんだってんだ!
謎の感情に、ブルーは首を傾げる。
もしかして、愛というのを欲しているのか?と、考えてみるが、愛を知らないブルーにはわからない。
いくら考えても、いっこうに解決しそうになかった。
ただモヤモヤするだけの日々。
そんな時だったのだ。
ブルーが奥羽の噂を聞いたのは。
聞けば、そこは犬の楽園。平和で愛が溢れ、皆が笑い幸せに暮らしていると。
悪に魂を売った者でなければ、拒むことはないと。
―――――また愛か………もしかしたら、その愛とやらで、この空虚感は消えるのだろうか。
ブルーにはなにもわからない。
だから、知りたかった。
奥羽に行けば、分かるかもしれない。
故に、仲間と共に奥羽に行くことにしたのだ。
そして、双子峠の麓までたどり着いたのは、一週間後の夜であった。
ブルーは何か嫌な予感を感じながらも、足を踏み入れる。
しかし、歩けど歩けど誰にも遭遇しなかった。
やはり皆、寝ているのだろうか。
結構夜も深い時間だ、それもあり得る。
どうするか話し合った結果。
明日の朝、楽園の象徴や聖地と云われている、峠に存在する牙城へ赴くことにした。
そこならば、確実に幹部以上の者がいる筈。
そうと決まれば、明日にそなえ寝るだけ。
寝床もちょうど良さそうなのが見付かった。
川辺に在った、岩の合間に出来た洞穴である。
疲れか、寝心地が良かったのか、恐らく両方だ、数分もしないうちに皆寝てしまった。
ブルーもまた、胸騒ぎを抱えたまま、眠りにつく。
◆
ブルーは、夢を見させられていた。
知らない自分が、知らない両親と、笑いあう日常、それを俯瞰する自分。
知らないのに、
生暖かい何かが、心の隙間に流されていく。
――――嫌だ!気持ち悪い………
それが笑うと、嬉しいと思ってしまう。
――――違う!嬉しくなんてない!
それが笑うと、ずっと此処に居たくなってしまう。
――――嫌だ、嫌だ、嫌だ!!
自分の中に、知らない感情か
――――これが俺の願望だってのか?胸糞悪い!
見たくなかった。
本当に見なくないのだ。
だが、目をつぶろうにも、頭の中に直接流れるそれを、どう止めればいいのだろうか。
もう、こんな夢を見るのなら寝なくてもいい。
―――やめてくれ!早くだしてくれ!!
今にも夢から覚めたかった。
この夢をみだしたのは、奥羽に入った昨日からだ。
―――愛に溢れている楽園てのは、この夢の事か?現実を捨てて、夢想してへらへら笑えってか!
「巫山戯るなァッ!!」
ブルーの怒りが爆発した。
同時に初めて、此の場で声を発することが出来た。
その怒声にようやく、それがブルーを認識する。
『今まで独りにさせてしまって、ごめんね』
『これからは一緒だ……もう、離さないからな』
それは、泣いていた。
溢れんばかりの涙が、頬をつたい地面を濡らす。
その濡れた瞳には、ブルーしか写っていない。
いつの間にか、もう一人の自分が消えていた。
―――今さらなんだ!俺はお前らを知らない!謝るな!
「謝るってことは、俺の犬生を否定するってことだ!俺は、俺の犬生を満足してるし、愛無く生きてきた俺を誇りに思ってんだ!なにを今さら出てきて、愛してるだどーの勝手なこと抜かしやがって!そもそも俺はお前らを知らない!知らないってことは他人だ!他人が親面して、俺をひていすんじゃねぇ!」
――――そうだよ、今まで愛なんて必要なかったんだ。だから、これからも必要なんてない。
『駄目だブルー!』
親父擬きが何か言ってるが、ブルーは気にしない。
―――必要なのは、
「力だ。力こそ全て!」
『違うわブルー!お願いきいて―――』
母親擬きが、必死な形相で懇願しているが、ブルーは気にしない。
―――力がなければ、何も手に入らない。力がなければ、喰うことも出来ない。力がなければ、負ける。力がなければ、生きれない。
「ハッハッハッハッハッハ―――!」
この時、夢の中ではあるが、
「こんな夢などいらない!」
――――消え失せろっ!!
そう強く念じると、夢の世界が硝子の様に碎け散った。
夢が終われば現実に戻る。
ブルーは目覚めていく、碎け散る瞬間、両親擬きが何かを喋っていた事に気付かぬまま。
◆
「――ろっ!いい加減起きろ、ブルー!」
微睡みから意識が浮上していく。
意識が浮上するように、体が浮遊する感覚も同時にくる。
―――どうやら、現実に戻れたようだ。
「………っん」
目を開ければ、ザックの顔がブルーを迎えた。
なんだか焦っているような表情をしている。
「ん、じゃない!急げっ!逃げるぞ!」
「はっ?!ちょっ、待て!一体な―――っ?!」
一体何が?と、言おうとしたブルーの耳に、激しい破裂音が届いた。
嫌が応にも、わからされてしまう。
――――銃声!
「くそっ!もう近くまできてやがる!」
「ばれるのも時間の問題だな……」
「やっと起きたかブルー!ここの何処が楽園だ!地獄じゃねぇか!」
トーマスとショーンとケンタの順である。
どうやら、自分を起こすのに時間がかかったらしい。
――――確かに此処は地獄だな。
ケンタの言葉に、ブルー密かに同意する。
「―――すまん。で、これからどうする?」
「とりあえず、今は隠れてやり過ごす!」
「…………喋るな、静かに、近くを通ってる」
トーマスが、小声で皆を黙らせる。
人間の話し声が、段々と近づく。
言葉はわからないが、何やら愉しそうな雰囲気はわかる。
「ッゴク!」
火薬の嫌な匂いが、ブルー達の鼻につく。
――――鼻が曲がりそうだぜ!
硝煙の匂いのせいで、鼻が潰されてしまった。
これでは人間の匂いがわからない。
此処で見付かったら、匂いの発生源の銃の餌食になることは理解している。
皆が息をのみ、そのまま気付かず行ってくれと願う。
そして、暫くして人間の足音が遠ざかる。
「………行ったか?」
小声で呟き、トーマスは確認しようとして顔を出し―――
瞬間―――銃声が二発轟き、トーマスの頭が爆ぜた。
「ッ!」
驚愕、恐怖にブルー達は、固まる。
そのブルー達の前に、人間が一人現れた。
ブルー達に何かを喋っている様だが、生憎当然だが通じる筈もない。
ただ、その雰囲気から遊ばれているのはわかった。
その瞳に脅えるブルー達を映し、喜色に輝いてるのだから。
「死にたくねぇ!」
「逃げろっ!」
「ぁあああ゛~~~」
一目散に、ブルー達は逃げる。
この時ブルーは冷静さを失っていた。
だから、その時何もきづかなかったのだ、人間が銃を持っていなかったことも、着いてきていない仲間がいることも。
少しは成長できてるのか?
できてない気がする……
まだまだ勉強ですね。
感想評価おまちしてます。