銀牙伝説NIGER『リメイク版』   作:ニゲル

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心情とかって難しい。
何か自信ないけど、進むしかない。
またまた駄文ですが、良ければ読んでください。




 

 

 ブルーという少年は、愛を知らずに育ってきた。

 たった独りで必死に生き足掻き、なんとか今日まで生きてこれた。

 

 ―――親の顔すら覚えていない頃に、俺は捨てられた。

 

 ブルーは家族すら知らないのだ。

 だが周りが言う、生きてくには愛が大切だ、と。

 その度に、ブルーはそいつらを鼻で笑い飛ばしてきた。

 愛がなくとも生きてける!と。

 根拠は自分自身。

 己が体現しているのだ。

 同じような境遇の仲間も集まり、よりいっそう考えを強めていった。

 

 だけど、いつも何処か物足りなさを感じていた。

 まるで、心に大きな穴が空いたかのように、空虚感が支配していく。

 それは、年々大きくなっていくばかり。

 

 ――――一体これはなんだってんだ!

 

 謎の感情に、ブルーは首を傾げる。

 もしかして、愛というのを欲しているのか?と、考えてみるが、愛を知らないブルーにはわからない。

 いくら考えても、いっこうに解決しそうになかった。

 ただモヤモヤするだけの日々。

 そんな時だったのだ。

 ブルーが奥羽の噂を聞いたのは。

 聞けば、そこは犬の楽園。平和で愛が溢れ、皆が笑い幸せに暮らしていると。

 悪に魂を売った者でなければ、拒むことはないと。

 

 ―――――また愛か………もしかしたら、その愛とやらで、この空虚感は消えるのだろうか。

 

 ブルーにはなにもわからない。

 だから、知りたかった。

 奥羽に行けば、分かるかもしれない。

 故に、仲間と共に奥羽に行くことにしたのだ。

 

 そして、双子峠の麓までたどり着いたのは、一週間後の夜であった。

 ブルーは何か嫌な予感を感じながらも、足を踏み入れる。

 しかし、歩けど歩けど誰にも遭遇しなかった。

 やはり皆、寝ているのだろうか。

 結構夜も深い時間だ、それもあり得る。

 どうするか話し合った結果。

 明日の朝、楽園の象徴や聖地と云われている、峠に存在する牙城へ赴くことにした。

 そこならば、確実に幹部以上の者がいる筈。

 そうと決まれば、明日にそなえ寝るだけ。

 

 寝床もちょうど良さそうなのが見付かった。

 川辺に在った、岩の合間に出来た洞穴である。

 疲れか、寝心地が良かったのか、恐らく両方だ、数分もしないうちに皆寝てしまった。

 ブルーもまた、胸騒ぎを抱えたまま、眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブルーは、夢を見させられていた。

 知らない自分が、知らない両親と、笑いあう日常、それを俯瞰する自分。

 知らないのに、それ(両親)が笑うとホットしている自分がいる。

 生暖かい何かが、心の隙間に流されていく。

 

 ――――嫌だ!気持ち悪い………

 

 それが笑うと、嬉しいと思ってしまう。

 

 ――――違う!嬉しくなんてない!

 

 それが笑うと、ずっと此処に居たくなってしまう。

 

 ――――嫌だ、嫌だ、嫌だ!!

 

 自分の中に、知らない感情か浸入(はい)ってくる。

 

 ――――これが俺の願望だってのか?胸糞悪い!

 

 見たくなかった。

 本当に見なくないのだ。

 だが、目をつぶろうにも、頭の中に直接流れるそれを、どう止めればいいのだろうか。

 もう、こんな夢を見るのなら寝なくてもいい。

 

 ―――やめてくれ!早くだしてくれ!!

 

 今にも夢から覚めたかった。

 この夢をみだしたのは、奥羽に入った昨日からだ。

 

 ―――愛に溢れている楽園てのは、この夢の事か?現実を捨てて、夢想してへらへら笑えってか!

 

 

「巫山戯るなァッ!!」

 

 

 ブルーの怒りが爆発した。

 同時に初めて、此の場で声を発することが出来た。

 その怒声にようやく、それがブルーを認識する。

 

 

『今まで独りにさせてしまって、ごめんね』

 

『これからは一緒だ……もう、離さないからな』

 

 

 それは、泣いていた。

 溢れんばかりの涙が、頬をつたい地面を濡らす。

 その濡れた瞳には、ブルーしか写っていない。

 いつの間にか、もう一人の自分が消えていた。

 

 ―――今さらなんだ!俺はお前らを知らない!謝るな!

 

 

「謝るってことは、俺の犬生を否定するってことだ!俺は、俺の犬生を満足してるし、愛無く生きてきた俺を誇りに思ってんだ!なにを今さら出てきて、愛してるだどーの勝手なこと抜かしやがって!そもそも俺はお前らを知らない!知らないってことは他人だ!他人が親面して、俺をひていすんじゃねぇ!」

 

 

 ――――そうだよ、今まで愛なんて必要なかったんだ。だから、これからも必要なんてない。

 

 

『駄目だブルー!』

 

 

 親父擬きが何か言ってるが、ブルーは気にしない。

 

 ―――必要なのは、

 

 

「力だ。力こそ全て!」

 

『違うわブルー!お願いきいて―――』

 

 

 母親擬きが、必死な形相で懇願しているが、ブルーは気にしない。

 

 ―――力がなければ、何も手に入らない。力がなければ、喰うことも出来ない。力がなければ、負ける。力がなければ、生きれない。

 

 

「ハッハッハッハッハッハ―――!」

 

 

 この時、夢の中ではあるが、()()()()()()()ブルーは嗤った。

 

 

「こんな夢などいらない!」

 

 

 ――――消え失せろっ!!

 

 

 そう強く念じると、夢の世界が硝子の様に碎け散った。

 夢が終われば現実に戻る。

 ブルーは目覚めていく、碎け散る瞬間、両親擬きが何かを喋っていた事に気付かぬまま。

 

 

 

 

 

「――ろっ!いい加減起きろ、ブルー!」

 

 

 微睡みから意識が浮上していく。

 意識が浮上するように、体が浮遊する感覚も同時にくる。

 

 ―――どうやら、現実に戻れたようだ。

 

 

「………っん」

 

 

 目を開ければ、ザックの顔がブルーを迎えた。

 なんだか焦っているような表情をしている。

 

 

「ん、じゃない!急げっ!逃げるぞ!」

 

「はっ?!ちょっ、待て!一体な―――っ?!」

 

 

 一体何が?と、言おうとしたブルーの耳に、激しい破裂音が届いた。

 嫌が応にも、わからされてしまう。

 

 ――――銃声!

 

 

「くそっ!もう近くまできてやがる!」

 

「ばれるのも時間の問題だな……」

 

「やっと起きたかブルー!ここの何処が楽園だ!地獄じゃねぇか!」

 

 

 トーマスとショーンとケンタの順である。

 どうやら、自分を起こすのに時間がかかったらしい。

 

 ――――確かに此処は地獄だな。

 

 ケンタの言葉に、ブルー密かに同意する。

 

 

「―――すまん。で、これからどうする?」

 

「とりあえず、今は隠れてやり過ごす!」

 

「…………喋るな、静かに、近くを通ってる」

 

 

 トーマスが、小声で皆を黙らせる。

 人間の話し声が、段々と近づく。

 言葉はわからないが、何やら愉しそうな雰囲気はわかる。

 

 

「ッゴク!」

 

 

 火薬の嫌な匂いが、ブルー達の鼻につく。

 

 ――――鼻が曲がりそうだぜ!

 

 硝煙の匂いのせいで、鼻が潰されてしまった。

 これでは人間の匂いがわからない。

 此処で見付かったら、匂いの発生源の銃の餌食になることは理解している。

 皆が息をのみ、そのまま気付かず行ってくれと願う。

 そして、暫くして人間の足音が遠ざかる。

 

 

「………行ったか?」

 

 

 小声で呟き、トーマスは確認しようとして顔を出し―――

 瞬間―――銃声が二発轟き、トーマスの頭が爆ぜた。 

 

 

「ッ!」

 

 

 驚愕、恐怖にブルー達は、固まる。

 そのブルー達の前に、人間が一人現れた。

 ブルー達に何かを喋っている様だが、生憎当然だが通じる筈もない。

 ただ、その雰囲気から遊ばれているのはわかった。

 その瞳に脅えるブルー達を映し、喜色に輝いてるのだから。

 

 

「死にたくねぇ!」

 

「逃げろっ!」

 

「ぁあああ゛~~~」

 

 

 一目散に、ブルー達は逃げる。

 この時ブルーは冷静さを失っていた。

 だから、その時何もきづかなかったのだ、人間が銃を持っていなかったことも、着いてきていない仲間がいることも。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 




少しは成長できてるのか?
できてない気がする……
まだまだ勉強ですね。

感想評価おまちしてます。
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