銀牙伝説NIGER『リメイク版』   作:ニゲル

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「私が惹き付ける!!」

 

「なっ?!李喋さん、危険です!」

 

 

 私は木陰から、飛び出す。

 部下が止めようとしていたが、構わず人間達の前を横切る。

 銃を構えた人間が四人、その内二人が私に銃口をむけた。

 

 ………大丈夫、弾は真っ直ぐにしか飛ばない。

 

 感じろ、目を逸らすな。

 私なら出来る………来るっ!

 滑るように跳ぶ―――

 

 銃声。

 

 

「っぐ!」

 

「李喋さんっ!」

 

 

 部下の声がこだまする。

 その声を聞きながら、数メートル転がっていく。

 

 ………っち!

 

 私の直ぐ後ろの地面が爆ぜる。

 後ろ右脚に灼熱が走った。

 そのまま転がり、射線上から逃れる。

 

 

「大丈夫ですか、李喋さん?!」

 

「………平気だ、掠っただけだ。私のことはいい、お前たちは計画通りB地点にいけ!」

 

 

 部下達に檄を飛ばしつつ、自身の状況をみる。

 確認すれば、右脚に赤い線が引かれている。

 命拾いをしたな。

 だが、間違ってはいなかった。

 

 ・・・だがこのままではいずれ

 

 部下の士気は落ち始めている、恐怖や焦燥が容赦なく体力精神力を削り取っていく。

 まだ持ってはいるが、何の切っ掛けで崩れるか。

 

 ………どうする?!何か手は……

 

 

「小隊長っ新手が!?」

 

「なにっ!?」

 

 

 動こうとしていた部下の報せに、振り向く。

 私達の背後十数メートル先、木陰の隙間にその人間の姿を確認した。

 

 赤い瞳が、妖しく輝っている。

 此方を値踏みするような視線に、身の毛がよだつ。

 男が立つ場所、そこは私達が逃げる方向にある。

 

 

「くそっ……詰みか?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の名前は、当馬(とうま)

 最近、6匹の仲間と共に奥羽に加わった。

 そして俺達はこの度の乱の先鋒隊に選ばれたのだ。

 たくっ・・・何で俺が危険な目にあわねぇといけねぇんだ。

 此処が楽園だって聞いたから、きたってぇのによ。

 飯も女も満足に獲られやしない。

 

 …………抜けるか?

 

 今なら、簡単に抜けられるだろう。

 小隊長は、五衛郎って気味悪い奴だが、この状況だバレやしないだろ。

 他の小隊長もすでに各方面にバラけている。

 幹部も少ない今がチャンスだろうな。

 

 

「……………怖じ気憑いたか?」

 

 

 ふと、小隊長が俺に話し掛けてきた。

 俺が抜けようと考えていたのを、恐怖に怯えてると勘違いしたようだ。

 

 ………丁度いい。

 

 

「すんません、我慢しようと思ったんですが、脚の震えがとまんねぇんです!」

 

「そうか……貴様らはもう帰れ、このままいても無駄、に命を散ら、すだけだ」

 

 

 やっぱり、奥羽の連中は甘ちゃんばっかりだ。

 では、お言葉に甘えさせてもらいますぜ。

 

 

「申し訳ありません」

 

「気にするな……まて、そちらは危険だ。逃げるなら、此方を真っ直ぐ、行ってから大回りした、方がいい」

 

 

 安全な道まで教えてくれるとは、本当に間抜けどもだ。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 そう言い、俺達は先鋒隊からまんまと脱け出したのだった。

 

 

 

 

 

 

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