そう救済ですよ
「海だーーー!!」
移動するバスの中、女生徒の一人が叫んだ瞬間、一組の生徒はテンションが鰻登りに上がった
現在カズマ達一年生は臨海学校で海に来ているのである
今回の臨海学校にはカズマ達の所属するアメリカ軍、デルタ・フォースが全面協力の下で行われるのである
しかしデルタ・フォースが全部隊来る訳ではない、デルタ・フォースの所属の整備班、戦術予報士、指揮官等が来日して教導するという目的である
しかしカズマ達は教える側ではなく教えられる側であることを忘れないで貰いたい
カズマ「…」
雰囲気が最高潮のバス内で静かに海を見るカズマ…その表情は微かに笑みを浮かべていた
ウィノ「ねぇねぇカズマ!!海だよ!海!!」
ウィノがカズマに抱き着いてテンションが上がった様子でカズマに言った
カズマ「ああ…そうだな……」
ブライス「待ちに待った時が来たのだ……多くの兵士達が無駄死にで無かった事の証のために…再びこの手に青春の熱き魂を呼び覚ますため……海よ!!私は帰ってきたァアアアアアアアア!!」
カズマ、一夏「ソロモンの悪夢に謝れェエエエ!!」
カズマと一夏のデュアルダイナミックエントリーツッコミがブライスにクリティカルヒットして黙らせた
一夏「どこからそんなボケが思い付くんだよ…」
カズマ「おい作者…良いのか?こんなボケ書いてて」
いいんです!!(川○慈○風)
閑話休題
自分の席に戻った一夏はずっと海に釘付けのエミリアを見ていた
エミリア「あ、一夏様!海ですよ!!海!!」
一夏「わかってるって…久々だなぁ…海は…」
エミリアも海を見てテンションが上がっている様だ
エミリア「私も楽しくなってきました!!もうこの気持ち抑えきれないですぅ!!」
一夏「はいはい…」
一夏はエミリアの頭を撫でてエミリアの暴走を制御した
エミリア「ふにゅぅう…一夏様ぁ……」
撫でられてうっとりした表情のエミリア…一夏の肩に自分の頭を置いた
千冬「もうすぐ着くぞ、全員席に着け」
千冬の注意によって席を離れて見ていた女生徒達は自分の席に着いて、到着を待った
そしてとある旅館にバスが止まって生徒達が降りていった
「わああっ!!海が真ん前!!」
「風が気持ち良いーーー!!」
等とテンションが抑えきれない女子達である
拓巳「ふああ…やっと着いたか…」
龍真「そうみたいだな…」
淕「ですね…」
龍真と陸淕と春香は手元のPS VITAでゲームをプレイしていた
因みに内容はガンダムブレイカーと言われるものである…
拓巳「お前ら…このくそ暑いのに」
春香「あーっ!!やられた!!んもう!!拓巳のせいだからね!!」
拓巳「理不尽過ぎだろ!!」
そして生徒達は旅館の玄関先までやって来た
エミリア「大きい…ですぅ…」
一夏「凄いな…どの旅館よりも大きいじゃないか?」
ウィノ「こんな所で泊まれるって良いね……………あれ?カズマ?」
ウィノがカズマを探すが……いない
一夏「どうした?」
ウィノ「カズマが……いない…」
エミリア「え!?さっきまで一緒にいたはずです!!」
三人は千冬の下へと向かった
ウィノ「大変です!!カズマが何処にもいません!!」
千冬「ん?ああ…アーディガンか…あいつなら……」
そして旅館の扉が開いた
カズマ「いらっしゃいませ!」
ウィノ「へ?」
一夏「あり?」
エミリア「はい?」
なんとカズマが出て来た
一夏「お前……ボケが大胆過ぎてツッコミが追い付かん…」
カズマ「はぁ……この旅館は俺の日本の故郷だ…」
「「「「ええええええええええええっ!?」」」」
そうこの旅館はカズマの母親の故郷…つまり第二の故郷なのだ
ユカ&ユイ「いらっしゃいませー!」
後ろからアメリカにいた筈のカズマの妹、ユカとユイが出てきた
ウィノ「ユカちゃんにユイちゃん!?いつ日本に!?」
カズマ「つい昨日、俺が在学中の間、日本の学校に通うことになった」
二人はカズマが稼いだお金で日本に帰国、そして日本の中学校に編入したのだ
「こら、ユカにユイ、勝手に行っちゃ駄目でしょ?」
奥から旅館の女将が出てきた
「いらっしゃいませ、IS学園の皆様…カズマがお世話になってます」
女将が千冬とブライスに礼をした
千冬「いえ…そんな…」
ブライス「こちらこそ、カズマの活躍に助けられております」
そして生徒達は旅館に入ってそれぞれ割り当てられた部屋に入った
カズマ「織斑先生…俺の部屋は…?」
カズマは自分の部屋が無い事で千冬に質問した
「あなたの部屋がまだ残ってるわ、そこを使いなさい」
カズマ「え?でも…」
千冬「ここはお前の故郷なのだろ?ゆっくりとくつろげ」
カズマ「はい…」
カズマは荷物を持って十年ぶりに自分の部屋に入った
十年前と変わらない景色、変わらない机、変わらないベッド…幼い日の思い出が甦った
カズマは暫くその思い出に浸っていた
ウィノ「ここがカズマの部屋なんだねー」
カズマ「ウィノ…どうしてここに?」
カズマの部屋にウィノが入ってきた
ウィノ「織斑先生、あたしの部屋も割り振られて無いみたい…んで聞いてみたら…」
千冬(彼女なら彼氏の部屋に住むべきだ…)
ウィノ「だって」
千冬なりの配慮なのだろうか…カズマの部屋にウィノを配置したのだ
因みに一夏達は二部屋あり、それはデルタ・フォース専用である
当然一夏とエミリアは相部屋である
ウィノ「ほら、海行くよ!折角の自由時間楽しまなきゃ!」
カズマ「そうだな…」
カズマは水着を持って更衣室に行った
そして海での自由時間が開始され、生徒達は一斉に海に走っていった
太陽からの熱線も、冷たい海水に浸かる事で和らぐ…そんな気がするだろう
拓巳「うっひょーっ!!気持ち良いぜ!!」
拓巳が海で泳いで叫ぶ
淕「拓巳君…相変わらず元気だなぁ…」
春香「淕君は行かないの?」
二人は浅瀬で遊んでいた
淕はトランクスの水着で色は灰色
春香は水色のビキニである
淕「僕はいいよ…こうやって春香ちゃんといれば良いし」
春香「ふーん…じゃこれならどうだ!!」
淕「わっ!?ちょ…ちょっと!!」
春香がいきなりジャンプして淕の肩に乗った
所謂肩車である
淕「春香ちゃん危ないよ!」
春香「だったらちゃんと支えてねー!」
その頃
龍真「よし…これで…」
簪「ありがと…龍真…」
二人は大きな空気ボートで海に浮かんでいた
ついさっき簪の髪飾りに龍真が貝殻を拾って着けていた
簪「かわいい…」
龍真「とても似合う……」
簪「じゃあ…お礼しなきゃ…」
簪は龍真にキスをした
龍真「!?」
突然のキスに何時もは冷静の龍真も驚く
キスを終えた簪も顔が赤かった
一夏「ちゃんと捕まってろよ!」
エミリア「はい!」
泳ぐ一夏におんぶしてもらう形でエミリアが乗っていた
エミリアは少し泳ぎが苦手でこの形で遊泳を楽しんでいた
一夏もカズマと同じトランクスタイプの白基調である
エミリアは淡い緑のワンピースタイプの水着である
エミリア「とても気持ちいいです!」
一夏「それは良かった…お?」
一夏の目線の先にカズマとウィノが大きなボートで遊んでいるのを見つけた
エミリア「ここはお邪魔しないようにしませんと」
一夏「そうだな…カズマ、ウィノ…ごゆっくりー」
ウィノ「うーん!気持ち良い!!やっぱり海サイコー!!」
カズマ「久々にここの海入ったが…最高だな…」
ウィノが用意した大きなボートに乗っている二人
ウィノ「それ!」
ウィノが水をカズマにぶっかけた
カズマ「ウィノ……こいつ!」
カズマもお返しでウィノに水をぶっかけた
ウィノ「きゃはっ!冷たい!!」
二人は暫くじゃれあっていたが、清香からビーチバレーをやらないかと誘われ、デルタ・フォースを二つに分けてやる事にした
一進一退の攻防だが、最終的に千冬とブライス参加し、二人の活躍によって次元の違うバレーが展開してたとか…
そして自由時間が終わって夕飯の時間
カズマは一足早くビーチから上がって夕飯の手伝いをしていた
女将からしなくても良いと言われたが…自分の故郷の旅館を手伝わないのは失礼だと言って手伝った
人数分の椅子を並べて、料理を置き、それぞれの湯呑みにお茶を入れて準備をした
そして時計を見て各部屋に夕飯が出来たと知らせをしてすぐに厨房に向かった
料理は一つ一つ送られるのでカズマはそれを運ぶ役割をしなければならない…
そして夕飯の時間が始まって時間を見て次の料理を運ぶカズマ
カズマ「お待たせしましたー」
「「「「ってええええええええええええっ!?」」」」
いきなり料理を持って来たカズマに驚く生徒達
セシリア「か…カズマさん!?何をしてらっしゃいますの!?」
カズマ「旅館の手伝い…」
シャルロット「え!?ご飯は!?食べないの!?」
カズマ「賄い飯で食うから」
ラウラ「折角ここに来たのに手伝いをするのか?」
カズマ「ああ…今までアメリカにいたからな…ここの手伝いをしないと悪いだろ?」
そう言って全員に料理を置いて再び厨房に戻ろうとしたカズマだったが…途中で彼の叔母である女将に呼び止められた
カズマ「叔母さん……」
「カズマ…今日はいいわ…あの子達と一緒に寛ぎなさい」
カズマ「いや…でもこんな時にしか手伝い出来ないし…」
女将はカズマの肩に手を置いた
「カズマ…確かにお手伝いしてくれるのは嬉しいわ…でも……あんなにたくさんの友達と一緒に来たのに飲み食い遊ばないってあの子達に失礼だと思うわ……それにウィノちゃんもあなたと離れて寂しいと思ってるんじゃ無いかしら?」
カズマ「……」
「今日はお手伝いありがとう……これからは寛ぎなさい、ここはあなたのもう一つの故郷で実家なのよ……だったらわかるでしょ?みんなと楽しんで来なさい」
カズマ「わかったよ…叔母さん…」
それからカズマはエプロンを外して私服姿となり、皆の待つ宴会場へ行って夕飯を食べた
その後は入浴だったが…カズマは敢えて家族用の一般的な湯船に浸かった…他の皆は大浴場を使っている
そして風呂から上がって再び私服姿になって旅館内…まあ自宅を散策していたら
清香「あ!カズマだ!」
彼を見つけたのは清香、静寐、本音の仲良し三人組である
静寐「ねぇ…ここって卓球場みたいなのってある?」
どうやら彼女達は卓球をしたかった様だ
カズマ「娯楽ルームに卓球やTVゲームがある…」
本音「お~ありがとーカズくん!」
三人を見送ったカズマは一人の女生徒を見つけた
篠ノ之箒である…
彼女は記憶喪失で詳細な事はわからないと言うばかりで、更に彼女が乗っていた打鉄も大破、コアもズタボロの状態で解析が出来なかった
それゆえ証拠不十分でお咎め無しとなったのだ
箒「……お前は……アーディガン」
カズマ「こんな所で何をしている」
カズマの存在に気付いた箒は彼の名前を言った
箒「……私は…その……謝らなければならない……貴様と…そしてデルタ・フォースに…酷い事をした……ごめんなさい…」
箒は潔く謝罪した
彼女の記憶喪失が多少改善されて、本来の性格を取り戻しつつあった……そしてこれまでのしてきた事を千冬から言われて罪悪感を感じたのだろう
カズマ「謝ったって…お前のした事を許すのは俺じゃない……一夏だ…」
箒「わかっている…だが…私は…一夏に彼女がいる事を知っていながら…奪おうとした…それも……力で…暴力でだ……よくよく考えてみれば一夏とエミリアは命の奪い合いの戦場で生き抜いてあの関係になったのだろう?…私は…場違いだったみたいだな…」
どうやら冷静に考える事で、一夏とエミリアの関係を引き裂く事は出来ないと理解したようだ
カズマ「まずお前は…俺に謝るな……俺より先に一夏に謝れ……お前のせいで頭痛薬を服用する様になったからな」
箒「…その一夏は…何処に?」
カズマ「娯楽室でエミリアと一緒だ」
箒「そうか……エミリアにも…謝らなければ……ありがとうアーディガン…話を聞いてくれて…」
そう言って箒は娯楽室に向かった
カズマ「篠ノ之…」
箒「?」
カズマは箒を呼び止めた
カズマ「俺は自分勝手で周りを見ずに…自分のエゴを押し通す奴は嫌いだ…だが…その過ちに気付いて…これまでしてきた事を振り替えって反省するなら俺は許す…但しまだ理解していないのなら…その時は覚悟しておけ…」
箒「わかった…」
このあと箒は一夏とエミリアに謝ってもう二度と関係を引き裂く様な事はしない、二人の幸せを応援すると…完全に和解をした
臨海学校の一日目はカズマにとって実家に帰る喜び…仲間と遊ぶ喜び…自分にもう一つ故郷があるという喜び…
それを改めて実感したカズマであった…
箒はもうアンチではありません…
完全に救済しましたからご安心を