暗い。とても。
それが少年が目が覚めた時の第一声である。勉強中に寝落ちしたんだろうか。少年はそう思うが、窓からは隣の家の光が漏れていて、尚且つ、部屋の電気を付けたままにしたのでそれは有り得ない。
少し進んでみると、かつん、と言う音と共に、進むことが出来なくなった。頭には当たっていない事を確認した少年は頭をさすってみる。すると、人の皮膚というより、固い石のような感触が手を覆った。驚いて、少年は叫んでしまう。
「キュウ!?」
水のような物に包まれているせいか、少々くぐもってはいるが、自分の出せる声で無い事に気がついた。
仕方なく、手をぎゅうと握り締め。壁にぶつけた。
パキッという音と共に、壁が崩れる。
目の前に広がっていたのは、マグマ吹き出す火山だった。
少年が呆然としていると、
キュルルルル…
と、自分の腹から可愛いらしいお腹の鳴る音が響いた。
あ~腹減った…
くるくる回りを見回すと、近くに鉱石がある事に気が付く。
食べれんのか?これ。
少年は首を傾げて、一応の確認として、ぐるりと回ってみた。すると、視界の端に何か映った。
黒い、少々棘がある、尻尾。その尻尾が自分に生えている事で、自分何なのか、少年には否応なく認識する。
ブラキディオス。
粘菌を使った爆弾攻撃や、殴りつけ攻撃を得意とする獣竜種。通称、爆砕竜。
モンスターハンターでも屈指の難敵で、3Gのクエスト、「黒曜石は砕けない」のブラキは、何人ものハンターを葬り去っている。
少年は、落胆してしまう。自分はモンスターハンターのモンスターになってしまった事と、ハンターにも、モンスターにも狩られる立場におかれてしまった事に。
成体がそれなりに強いとは言えど、自分はまだ幼い。食われる危険性が高い内は、親の近くにいようと、少年は拾った鉱石を食べて、移動を始めた。
鉱石は緑色をしており、甘酸っぱいミカンのような味がした。緑色の鉱石と言えば、ドグライト鉱石。少年はそんな事を思いながら、歩く。周りに二種類の虫が各々の光を放ちふよふよと飛んでいる。
ん?これ、雷光虫と蝕龍蟲じゃないか?
少年が不思議そうに二種類の虫を眺めていると、雷光虫と蝕龍蟲は、少年の背中に収まった。
はぁ!?俺の背中はジンオウガ♪って何だそりゃぁあぁぁあぁっっ!
ノリツッコミは宜しいようで。少年ブラキの背中には、ジンオウガ原種とジンオウガ亜種の甲殻が、混ざり存在していた。
ん?もしかして…
電力を溜めるイメージで、電流と龍光を溜める。
バチッバチチッ…
右半分にはジンオウガ原種の模様が、左半分にはジンオウガ亜種の模様が、黒い体に現れる。
どうやら、ジンオウガの能力を会得したようだ。少年ブラキは、嬉しいという感情よりも、悲しみに暮れていた。体から、それとはまた別の器官の存在を感じたのである。
それはラギアクルスの蓄電殻。どうやら龍光も溜めれるようで、しようと思えば龍&雷属性ブレスも出せる。
こんな贅沢な能力貰ったんだし、親に会ったら訓練してみるかな…
少年ブラキは、巣があるエリア6を後にした。
これ、ブラキの看板粘菌攻撃が目立た無いの?そう思った方、そんな訳ありません!粘菌も色々頑張りますよ!