今回、ハンザさん登場します。復讐相手が何者なのか、それはまだ、明かされませんが…
ハンザは、清流流れる渓流のエリア6に佇んでいた。
それはまるで何かの気配を察知したかのようであり、息を極限まで殺し、気配を悟らぬようにしていたが、臨戦体勢で臨めるよう、堂々と立ち、挑戦者を待ち構えるように立っていた。
その挑戦者が、現れた。
黒曜石のような艶やかな黒い躯に、赤と蒼の閃光を湛えた竜。
通称“獄冥竜”オプストロヴァオ。
ゆらり、と殺気を目に湛え、ハンザは手に持つ双剣を構え、走り出した。
「危ねっ」
エリア6を訪れた瞬間急に襲いかかる刃を、涼人はすんでの所でよけた。
逸れた涼人の顔を、ぎらぎらとした瞳で見る人物。
(あれ、こいつって確か…)
ユクモでもてはやされた青年のことを思い出し、涼人は直ぐに気を引き締める。
涼人は実際には見ていないが、ハンザは二つ名を持ちうる程の俊敏さを誇る事を耳にはしていた。
転生者ならば非現実的現状に浮かれその隙を突ける事が出来る。
しかし、これが現実という者に気は引けない。
他のハンターに比べ小柄な体躯のハンザを、涼人はじっと見詰めた。そして、
「ゥオオオオオッッッ…!」
天を穿つような咆哮を、放つ。
ハンザは思わずそれに耳を塞ぐ。
(くっ…なんという咆哮か…!)
しまった、とハンザを即座に後悔する。
眼前に、竜の大きな腕が迫り、彼を軽々と吹き飛ばした。
ハンザは熟練のハンター。咄嗟に剣を交差させ、自らに来るダメージを減らしつつ、受け身を取って耐えきった。
「いくぞっ…!」
何と無しにそう叫び、ハンザは地を蹴った。
「グゥルッ(早い…)」
ジグサグと動くハンザに涼人は面食らった。と、同時に、軽やかな足音を響かせるハンザを見て、どうしようもない喜びが込み上げた。
「アアアアアアアッ…!」
そして次の瞬間、涼人の口元から赤い炎がほとばしる。それはビーム状に真っ直ぐ地面を焼き払う。ハンザはそれに突っ込もうとしていた。
「しまった!」
ハンザはくるりと転がり、急ブレーキを掛ける事で事無きを得た。
(…あれはグラビモスの熱線!何と言う化け物だっ…!)
(チャーンス!)
転がる先を見切った涼人は、体勢を立て直そうとするハンザに向かって、飛び上がって真上から、全体重を掛けて押しつぶさんとする。
「残念っ!」
意志を読みとったかのようにハンザはバク転してそれをかわす。
ズゥゥウウン…
何も無い空の空間に涼人は体を押し付けた。地面は唸り亀裂が入る。
この下に居たらと考えただけで、ハンザは背筋が凍りつく。
だからこそ、狩らなければならない。
焦燥とも取れる思いを浮かばせながら、ハンザは殺気を強くした。
次も勿論vsハンザ!復讐のはずのハンター業に熱が入ったようです!