…妹にアイポッド先行されてるからいいよね!?
先の一撃を交わしたハンザ。しかし、次の攻撃が襲いかかる。
さらっと体制を立て直したオプストロヴァオが、追撃と移動を兼ねて突進してきたのである。
頭殻をグッとかがめて、真っ直ぐ突き進んでいく。
「…甘い…」
ハンザは突進に自ら突っ込んで行き、頭殻に当たる手前の距離でひらりと身を躍らせ、瞬発力の高いその脚で飛び、頭殻に当たる瞬間に頭殻を蹴った。
現在は未だ龍歴院ハンターのみが会得する“スタイル”と呼ばれる四つのハント技術の内一つ、エリアルスタイルである。
回避時に前転をする事によって、タイミングを見計らってモンスターを蹴り、宙を舞って攻撃する事を可能とするスタイル。
ギルドに所属するものは、段差からや狩技の時ぐらいにのみしか仕掛けない空中攻撃を主流にまで押し上げる。
ハンザは龍歴院ハンターではないが、観測隊のツテを利用し、龍歴院の教官に施しを受けていた。
宙に躍り出ると同時に体を回転させ、オプストロヴァオの体に容赦なく双剣の刃を当てる。
頭殻に感じた感触に涼人は蹴られた事に気付くも、少し遅かった。
頭殻の後ろを捕まれた感触を感じ、涼人は振り払おうと体、特に頭を何度も振り、暴れ回る。
「くっ…」
ハンザはめげずに、ざすざすと剥ぎ取りナイフで刻んで行く。
これは過去、研究のみの成果であった事実であった。
一本の地繋ぎの生態系にいる竜達には、ある一ヶ所を続け様に攻撃すると一時脱力し、起き上がれなくなるという特性を有していた。
所が、それはハンターに到底届く事のない箇所に存在し、その成果は影を薄くしていった。
空中攻撃が日に当たると、過去の産物のその研究が再度掘り起こされ、例え新種であれど龍歴院の研究者によって必ず捕獲されて暴かれるのであった。
剥ぎ取りナイフであるのは、サイズの関係上、武器には成れないが斬れ味は最高級のこのナイフでないとその部分は堅く、攻撃してもはじかれるからである。
そのナイフを手に、振り落とされぬよう必死に捕まりながら切り刻んでいく。
すると、ガキンッという音がなり、
「ガァッ!!」
オプストロヴァオは一声上げて崩れた。
「…やった!やったぞ!」
投げ出されて、少し離れた箇所に着地したハンザが、嬉々として声を上げた。
急いでハンザはオプストロヴァオに近寄る。
その瞳には、ギラギラとした復讐心が入り混じった狂気が見えている。
「……俺を、俺を手こずらせたんだ」
双剣の片割れを手に対し垂直に持つ。
「その礼は、きっちり取らせろっっ!」
剣を真っ直ぐ振り下ろした。
次回もvsハンザ。いつか一話にまとめます。