寿命かと思ったら別世界に飛ばされた件   作:スティレット

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 初めての人は初めまして。前作から来られた方はこんにちは。この度気分転換にネギま!の二次創作を執筆してみることにしました。拙い作品ですが読んでくれれば幸いです。


第1話

 眠るような感覚・・・・・・はて、俺は誰だったか。

 

 最後に妻達に別れの挨拶をして、それから感覚がなくなったのか。

 

 そうなると、俺は死んだのか。

 

 まあ、納得の行く死に方だった。妻に、子供に、孫に、ひ孫に囲まれ往生したのだから。

 

 もはや俺は一国の王ではなく、各国を血でまとめた偉大なる連合の王ではなく、ただの一存在だ。

 

 不思議と不安は無い。行くべきところに行くだけなのだろう。そう思い流れに任せていた。

 

 

 

 -精神干渉、レジスト失敗-

 

 -精神干渉、レジスト失敗-

 

 -精神干渉、レジスト失敗-

 

 ー認識阻害に類するレジストに成功しましたー

 

 

「は?」

 

 俺が立っていたのは森の中。身体は軽く、いつも着ていた王族の装束ではなく、昔着ていたコートを着ている。

 

 ただし、全ての武器があるわけではなく幾度と無く亜人狩りや内紛などを共にしたデルフリンガーと地下水が無い。まがい物は作れるが、今はまだそんな気分じゃない。

 

 とにかくここはどこか誰かに尋ねよう。さしあたって森から出るのが優先事項だ。

 

「そこの者!何をしている!」

 

 森の闇に目が慣れている俺にははっきりと声の主の姿を捉えた。色黒でスーツを着ている。どこかで見たことがあるような・・・・・・。

 

「申し訳ないです。ここはどこですか?」

 

「何をしていると聞いている!」

 

「ああ、いえね。死んだかと思ったら見知らぬ森に立っていたんですよ。混乱して立ち尽くしていたらあなたが来てくれたと言う事です。いや、本当に助かった」

 

「迷い込んだ一般人か?しかし、そうするとその内に秘めている魔力は・・・・・・?」

 

「魔力?魔力って言い方だとここは地球ですか?」

 

「あ、ああ。そうだ。地球のS県にある麻帆良と言う都市だ」

 

「まほら・・・・・・麻帆良。そうか、神め。俺に何をさせたいんだ」

 

「何をぶつぶつ言っている?」

 

「あ、ああ、すみません。武装を解除するので両手を頭の上で組んで後ろを向けばいいですか?」

 

「ずいぶんと協力的だな。まあいい。そのほうが助かる」

 

 あの色黒のスーツの人から(シスターシャークティですか?侵入者と思わしき人物を捕獲しました)とか流れてきてるけど、これは言わないほうがいいな。

 

 それにしても死ぬ寸前までガンダールヴのルーンで無理やり動いてたから、無くなって身体が軽くなり違和感が凄い。というかガンダールヴのルーンがなじみすぎて無くても問題が無くなっている。ゲームに例えるとマスタリーを取ってしまったので熟練度が100%だからこれ以上使っても経験値が入らないような状態だ。流石にまったく新しい武器に慣れろと言われたら時間がかかるだろうけど、今まで使ってきた武器なら問題は無い。

 

 そんな考えにふけっているうちにあちらも相談が終わったようだ。

 

「武装は解除しなくもいい。ただし、私の前を歩け。両手は頭の上に、方向はこちらが指示する」

 

「分かりました」

 

 こうしておそらく「魔法先生ネギま!」の世界と思われる地球に迷い込んだのであった。

 

 

 

 俺はシスターシャークティと思われるスカートの短い修道服を着ている魔法先生?と合流した際に武装を全て没収された。その際にグローブも脱いだが、ルーンは見当たらず、俺はルイズ達とは離れ離れになってしまったんだなと今更ながらに思った。

 

 みんな70以上まで生きていたが、俺が逝くのが一番早かったか。まあ、戦場を鎮めるために多少の無茶も何度かしてたから、体にガタが来ていたんだろう。それを身体強化とルーンの力でいつも通り振舞っていただけだ。

 

 コートの暗器などが多かったので今の俺はYシャツ、ベストにスラックス姿だ。コートや暗器はガンドルフィーニと言う先生?に預けている。

 

「君が報告にあった侵入者じゃな?」

 

 目の前に居るのはぬらりひょん・・・・・・ではなく麻帆良学園の学園長、近衛近右衛門だ。

 

「侵入者と言うより迷子ですかね?」

 

「そこのところ詳しく説明してもらってもええかの?」

 

「はい。実のところ、俺は一回死んでいます」

 

 これには周囲もざわつく。

 

「して、霊視しても幽霊ではないお主は何故生きておる?」

 

「それが不明でして、本来ならこんな青二才な年齢ではなく、近衛老、あなたはいくつか知りませんが、私は70をいくつか過ぎた辺りで寿命で逝きました。それが気がつけばここの森に立っている有様でして、特に抵抗する理由も無かったので事情の説明も兼ねて着いてきました」

 

「見た目青年で中身が一致しないことなんぞこの業界じゃいくらでもあるからの。そこは誤差の範囲内じゃ。しかしそうなるとお主に行くあてはあるのかの?」

 

「ありません。というか俺の世界に麻帆良なんて地域はありませんでしたし、戸籍なんて無いでしょう。どこぞの裏業界で駆け出しとして働くのが関の山かと」

 

「ありていに言うとここから出て行くとも聞こえるんじゃが?」

 

「ええ、皆さんに迷惑をかけたくありませんし」

 

「ふむ・・・・・・」

 

 関西に行けば働き口も見つかるだろう。なんなら海外でも良い。そう思っていると返答が来た。

 

「お主、生前・・・・・・と言う言い方は少しおかしいかもしれんが、何をやっていたのかの?」

 

「高校を卒業してからはもっぱらハルケギニアと言う別世界で領主をしてました。爵位は伯爵。政務、亜人の鎮圧、社交界への顔出しが主でしたね。それからは国の女王に見初められて王に」

 

「王とはずいぶんじゃな。まだ何かあるんじゃろ?」

 

「ええ、まあ。ここからはお恥ずかしい惚気話にもなるんでしょうが、恋人と言うか妻が5人居たんですよ。しかもそれぞれが国では重要なポストに居まして、同盟や連合を組むのに一役買わせてもらいました」

 

「凄まじいのう」

 

 俺の何かを近右衛門は読んでいるようだが、特に嘘を着いていないので無視する。

 

「ならば、別世界から来たと言う証を見せてくれんかの?そうすれば働き口を考えてやらんでもない」

 

「学園長、それは!」

 

「ガンドルフィーニ君、この者が言ったことに嘘偽りは無いようじゃ。となると麻帆良から出すよりは何かの役職に着いて貰ったほうがシフトも組みやすくなるじゃろう。場合によっては高畑君の穴埋めになるかもしれんしの」

 

「あんまりな言い様ですね。こちらも隠し事は無いほうが好ましいのですが。そうですね。では、等価交換に喧嘩を売る方向から行きましょうか。いらないものは何かありますか?」

 

 そういうと、ガンドルフィーニが拳銃から弾丸を一発排莢してこちらに渡してきた。

 

「錬金」

 

 その弾丸から魔術でハルケギニア魔法をエミュレートしたものによりマスケット銃を作成。火打石の代わりに雷管に撃鉄が落ちるようにしてある。クリエイトゴーレムに比べればまだまだ楽な類だ。

 

「と、こんな感じです。ええと、ガンドルフィーニ先生?撃ってみます?」

 

 銃把をガンドルフィーニに向け、手渡した。

 

「ええよ、ガンドルフィーニ君。障壁を張るから撃ってみたまえ」

 

「ですが・・・・・・いえ、分かりました。いきます」

 

 学園長の前になにやら力場的なものが張られたかと思うと、躊躇無くガンドルフィーニは学園長に向かってマスケット銃を撃った。パァン!と言う音と共に弾丸が放たれる。

 

「ふむ、本物のようじゃの。確かに幻覚を見せる類ではなく、等価交換に喧嘩を売っておる。発動体も使ってなかったようだしの。認めよう。お主は別世界からの魔法使いじゃ」

 

「それで、俺の処遇は?」

 

「お主の肉体年齢は何歳くらいじゃ?」

 

「17か18くらいだと思いますが」

 

「だったらもう一度学校での生活を送ってみるのもアリだと思うがどうかの?夜にちと危険なアルバイトを頼むと思うが、出来ればそのまま麻帆良の教員になってくれるとありがたいのう」

 

「いいんですか?こんな怪しい人物を」

 

「自分で言ってる奴は怪しくないわい」

 

「学園長!」

 

「ああ、ガンドルフィーニ君も周りも納得しきれんところがあるようじゃが、半世紀を貴族として、王として暮らしていた人物を敵に回すのは厄介での。味方に回ってくれれば言う事は無いわい。何しろ討伐で軍を率いてた経験もあると言う事だからの。そういうわけで、儂は君を歓迎するぞい」

 

「まあ、そう言う事なら遠慮なく頼らせてもらいます」

 

 特に恩とは思ってないけど。

 

「幸い4月まで半年はある。編入までに猛勉強すればなんとかなるじゃろ。見た目はともかく中身はええ歳してるから一人で出来るじゃろ?」

 

「そう言われたらやるしかないですね」

 

「なら、話は決まりじゃ。今のお主はまだここの常識を身に着けていない。よって、一人部屋を手配させよう。少しかかるが戸籍と預金通帳なども用意させるから、それまではこれでゆっくり昼間散策でもしておいてくれい」

 

 そう言って封筒が渡される。

 

「中身を確認しても?」

 

「もちろんじゃ」

 

 万札が10枚程入っていた。

 

「それまで時間はかからんと思うけど念のためじゃよ。少なくとも儂の方が年上だから、目上の意見は聞いておいたほうがいいぞい?」

 

「わかりました。ありがとうございます」

 

 なんか釈然としないが、こうしてネギま!世界での新生活が始まった。




 今回はイレギュラー転移。デルフも無い。地下水も無い。装備はいつも身につけていたものと若かりし頃の格好のみ。それでもあんまり心配する必要が感じないのは気のせいでしょうか。
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