寿命かと思ったら別世界に飛ばされた件   作:スティレット

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 お待たせしました。引っ張り出してきたものの、なくしてしまった刊もあったりして古本屋に行かねばなりません。

 ガンパレは現在ウォードレスカトラス縛りでプレイ中。リゴルテルロケット万歳。


第11話

 あの一件以来お灸が効いたのか、正義の魔法使いもおとなしくなった。いや、過激派が慎重になったと言うべきか。

 

 一方ポーションや呪符だが、関西の顧客が大口で買って行ったのにはビビッたわ。他にも首都圏の魔法部門や、裏のSPの人たちも買いに来てくれる。インターネット様々だ。

 

 もはや麻帆良に依存する必要が無い。でも約束なので一応大学出て教師にはなっておいてやろうと思う。エヴァの件もあるし。

 

 学園長は今回のことを機に意識改革に乗り出したようだ。だが、中途半端にするとメンタルの弱い魔法生徒達が小競り合いで怪我をするので難航しているみたいだ。まあ、そこら辺は知らないな。俺の管轄じゃない。

 

 俺はあの日以来シフトはエヴァと固定で組まされている。監視を一箇所にまとめると言う意味でもあるのだろう。それにしばらく信用の出来ない相手に背中を任せることも出来ないと言う事か。

 

 まあ、慎重になっているのはいいことだ。先走るよりは。

 

 それと千雨ちゃんだが、ゴーレムとガーゴイルの一個中隊を護衛につけてある。ロボットの茶々丸を平気でスルーする麻帆良。多少凝りさえすれば問題ないものが作れる。もちろん遠目からの護衛だ。疲れ知らずなので俺としても楽である。

 

 そんな千雨ちゃんも、俺と行動していれば遅かれ早かれエヴァと遭遇するのは目に見えているので引き合わせることにした。

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

 沈黙するロリ2人。

 

「紹介しよう。こっちがこの間勝負したって言うエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。そっちが一応師弟って事になるのかな? 長谷川千雨ちゃんだ」

 

「おい、才人、聞いていないぞ」

 

「だから今紹介したじゃん」

 

「あんたか。才人お兄さんを誑かす奴は」

 

「誑かすも何も私は才人のものだ。お嬢ちゃんにはまだ早いよ」

 

「むうう」

 

「こらこら、今日は喧嘩させるために会わせたわけじゃないよ。最近どうも魔法使い共の動きがきな臭くなってきてね。「正義の魔法使い」のくせに人質とか取りそうだから半端な位置に置いておくよりはってことで紹介したんだ」

 

 俺と頻繁に修行している千雨ちゃんになんらかの行動を取らないとも限らない。よって、先手を打つことにした。

 

「そうか。ところで、師弟と言う事は魔法を教えているのか?」

 

「いや、千雨ちゃんはあくまで護身だからな。防御と捌き方を中心に教えている。ついでに魔法の効果とかかな。魔法自体は教えていないよ。俺のはここの奴等のとは毛色が違うし」

 

「ならば、どの程度使える(・・・)?」

 

「あまり期待しても困る。ボクシングを始めてまだ半年くらいしか経たない。気の練り方も身についていないよ」

 

「そうか」

 

「あの、何の話ですか?」

 

「ああ、千雨ちゃんも戦力として数えられるかどうかエヴァは考えていたようだけど、結界のせいで辛い思いしていた千雨ちゃんに裏のことを教えたのは俺の責任だから気にしないでね」

 

「そうですか・・・・・・」

 

「そうか、こいつも・・・・・・」

 

 エヴァも被害者ではあったな。

 

「小娘。軽々しく魔法を教えることは出来んが、一定レベルに達したら稽古をつけてやっても良い」

 

「私と背丈あまり変わらないのになんでそんなに偉そうなんだよ!」

 

「私は数百年を生きた吸血鬼だ。何もかもが見た目通りだと思っていると痛い目を見るぞ?」

 

「こらこら、あまり脅かしてやるな」

 

 しかし小学生に吸血鬼なんて言っても分かるかね?

 

「どちらにせよ、敵対しない限り無害だから大丈夫だよ」

 

不死の魔法使い(マガ・ノスフェラトゥ)を捕まえて無害とはずいぶんだな」

 

「でも女子供は襲わないだろう?」

 

「・・・・・・まあな」

 

 ばつが悪そうにそっぽを向くエヴァ。言質も取ったしこれでネギ坊主が来た時に学生を襲ったりしないだろう。いや、もう封印は有名無実なんだし襲う必要あるのか?

 

「こうやって繋がりが増えれば守るものも出てくるだろう。守る。それも光に生きると言う事だ。一つの義だからな。エヴァ、人は儚い。だけど繋がりは大事にしておけ。やがて人は子を成し死ぬが、繋がりがある限りそれは代々と受け継がれるんだよ」

 

「なんだ、今日はやけに説教臭いな」

 

「俺も一度地球から離されて使い魔にされたからな。それが気がつけば国の王様だ。おまけに60年近くやってたからな。説教臭くもなるさ」

 

「そういうものか」

 

「あの、どう言う事ですか?」

 

「俺は本当は70超えたおじいちゃんだって話だよ」

 

「またまたー」

 

 千雨ちゃんはご冗談をと言った感じで笑っている。正直認めたくない事柄でもあるのだろう。まあ、冗談と思わせておこう。いつか受け止めるだろうから。

 

「ま、そんなことは別にいいんだ。重要じゃない。それより今日はアミュレットを作ってきた。エヴァにもだ。エヴァの奴は障壁を増やすだけだが一層増えるだけでも時間がかせげるだろう。例えば無効化される瞬間とかにな」

 

 風と土の複合属性だから無効化されても塵や砂が残る。その分減衰するし、わずかに攻撃も遅くなるだろうと思ってのことだ。

 

「お前の魔剣で強固な一層だけだと間に合わん場合があることも学んだからな。ま、まあ主からの贈り物だ。受け取っておいてやる」

 

「わあ、ありがとうございます才人お兄さん! 大事にしますね」

 

「千雨ちゃんのは衝撃の瞬間に自身の質量をごまかして衝撃を逃がす作りになっているよ。何かに挟まれたら意味が無いから気をつけてね」

 

 レビテーションの応用だ。

 

「はい!」

 

 ツンデレなのも素直なのも可愛いな。嫁を思い出すわ。

 

「ッ、おい才人、今は私を見ろ」

 

 気取られてしまったか。

 

「はは、すまんすまん。だが思い出を作るのは悪くない。今現在もな」

 

 どうもしんみりしてしまったな。

 

「さあ、気を取り直していこうか。千雨ちゃんは俺とエヴァが模擬戦するところを見ておいてくれ。これも稽古だよ」

 

「はい、分かりました!」

 

「それじゃエヴァ、俺は対魔用銃弾を使うから割と本気で来てくれ。一応封印弾で封印しちゃっても解くけど、嫌だったら切り札を使ってくれよ」

 

「「これからこの武器を使います」と言われて対処しないわけが無いだろうが。切らせてみろ」

 

「それもそうだな」

 

 結局俺はエヴァに闇の魔法を使わせることが出来ず、エヴァもえいえんのひょうがを発動したが、迫ってきた寒波をデルフリンガー(レプリカ)で切り払い、千日手となった。ちなみに千雨ちゃんはあらかじめ張っておいた結界で事なきを得たが、気温は下がっていたので寒そうだったと言っておこう。




 何度読み直しても「?」と思ったりするところもあるので独自解釈のタグ入れておきます。

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