寿命かと思ったら別世界に飛ばされた件   作:スティレット

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 お気に入りが1000件になったと言う事で、出来るだけ搾り出しました。ちょっと短いですが、この辺の話が終わったらまた元に戻ると思うのでもしよかったらお読みください。


第13話

 正義の魔法使いが沈静化してから3週間。学園長の意識改革が上手く行っているようだ。高畑先生もエヴァの友達だったし、封印解除後も問題を起こさずにいたのも大きいかな。それでもこちらを苦く思っている連中は居るようで、距離を取られている感覚はある。

 

 まあ、そんなことはどうでもいいんだ。重要なことじゃない。俺は学園長と西の長、確か詠春だったか? と、連絡を取って表向きは捕虜を一人取っても文句を言われないように工作中だった。

 

 なんでそんなまどろっこしいことをするのか? そろそろミカンが人化の術を覚えたいって言っているんだよ。それで捕虜とミカンを別荘に放り込んでさっさと覚えさせようと言う魂胆な訳だ。

 

「これでやっとミカンは人間になれる! るーるるー♪」

 

 ミカンが姉貴分がよく歌っていた歌を口ずさむ。嬉しいときはつい歌っているみたいだ。

 

「はしゃぐのもいいが、捕まえてきてからにしろ」

 

「はーい」

 

 そこにドタドタと言う音が。

 

「君達は包囲されている! おとなしくおにゃの子をこちらに渡すんだ!」

 

「・・・・・・ミカン、しばらく黙ってろよ」

 

「きゅー・・・・・・」

 

 また馬鹿内藤がミカンの声を拾って騒ぎ出した。どうしたものか・・・・・・。

 

 

 

 結局内藤は腕力で沈黙させ、てきとーに預けてきた。で、今はエヴァ邸に居る。

 

「ここは避難所じゃないんだぞ」

 

「どうせ最近暇だろ? エヴァ、スプリングフィールドの息子が動くのもお前が大学生になってからだし。やること無いじゃないか」

 

「むむむ」

 

「何がむむむだ」

 

 俺達は横山三国志みたいな掛け合いをしながら暇を潰していると、テーブルの上で菓子を貪っていたミカンが顔を上げる。

 

「マスター、こう、甘いものばかり食べたのでしょっぱいものが食べたいです」

 

「お前は食っちゃ寝してて最近太くなってきていないか?」

 

「ああ、幻術だと分かりにくいからな。元に戻ると悲惨なことになっているかも知れんな」

 

「がーん!」

 

 ミカンには基本味の薄いものをあげているのだが、たまにこうやって菓子などをやっているため味の濃いものが苦手と言う訳ではない。

 

「マスター! ダイエットに付き合ってください!」

 

 幻術で人間に化けてジョギングすればいいだけの話なんだが、そこまで考えていないだろうな。

 

「どんなダイエットをするんだ?」

 

「動きます! 模擬戦に付き合ってください!」

 

「死ぬよ」

 

「えっ」

 

「生半可にやろうとすると死ぬ」

 

「なにそれこわい」

 

「まあいいだろう。俺が魔術を撃つからお前は避けろ。お互い本気になると別荘が崩壊する」

 

「釈然としないけど分かりました」

 

 そう言ってミカンは子竜モードから本来の大きさになる。

 

「じゃあユキビタス・デル・ウィンデ」

 

「いきなり偏在ですか!?」

 

「何、俺だけ魔法を撃つから弾幕の倍率ドンだぞ」

 

「鬼畜ー!」

 

「どうでもいいが直したばかりなんだ。壊すなよ」

 

 エヴァは観戦するらしい。

 

「ほれ、行くぞ。ワレ カミノタテ ナリ 氷の精霊 17頭 集い来りて 敵を切り裂け 魔法の射手 連弾・氷の17矢」

 

「イル・ウィンデ」

 

「ラナ・デル・ウィンデ」

 

「フレイム・ボール」

 

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース」

 

「ぎゃー! 本気で殺りに来てるじゃないですかー!」

 

 失敬な。本気で殺すつもりなら錬金でゴーレムと弓矢を出して当てるように誘導するわ。

 

 ミカンは悲鳴を上げながらもサーカスのように弾幕を躱す。

 

「意外と余裕そうだな。よし、次だ」

 

『ライトニング・クラウド』

 

「運ゲーじゃないですかやだー!」

 

 大丈夫だ。加減はしている。

 

 その後も精神力をガリガリ削る弾幕や、やぶれかぶれでこちらに突っ込んできたときにウォーター・ウィップを束ねて叩き落としたりと、制さ・・・・・・じゃなくてお仕置・・・・・・でもなくて、ミカンの運動に付き合ってやった。まあ、あれだ。最近食っちゃ寝ばかりで駄竜と化してたし。これくらいが丁度いいだろう。

 

 

 

「きゅいい・・・・・・」

 

 そこにはズタズタにされた幼竜の雑魚が居た。

 

「ほれ、治すから口開けろ」

 

「きゅう」

 

 ポーションを一瓶飲ませてやり、塗り薬用のポーションを振り掛ける。

 

「イル・ウォータル・デル」

 

 締めにヒーリングをかけてやれば完了だ。

 

「うう・・・・・・酷い目に遭いました」

 

「普段から食っちゃ寝しているお前が悪い」

 

 こいつはまだ半世紀くらいしか生きていないから自重と言うものが分からない。俺のプリン返せ。

 

「でも、これで大分運動になりましたよね?」

 

「お前これで終わりだと思っているのか? ダイエットって言うのは月単位で行うものだぞ」

 

「えっ、と言う事はまさか・・・・・・」

 

「お前がジョギングをしないというのなら的当てを続けるだけだぁ」

 

「走るます!」

 

「うむ、ジャージくらいは買ってやるから早起きして走るんだぞ」

 

「どうでもいいがお前らの茶番はここじゃなくても良かったんじゃないか?」

 

 エヴァがそう嘆息する。

 

「いや、ぶっちゃけ暇つぶしに来ただけだから」

 

「ふざけるなぁ!」

 

 この後俺とミカンは正座させられエヴァに説教された。




 どこぞで糖尿病は氷河期を生き残るためにあるものだと聞いたのですが、竜や恐竜は氷河期を経験していないもしくはそのときに死滅しているはずなので放っておいたら際限なく太ると思うんですよ。
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