遺伝の実験などに良く使われるショウジョウバエ。
その中に、Satoriと名付けられた遺伝系統があります。つまり、Satoriという遺伝子を持つ系統です。
ショウジョウバエの♂は、♀が通りかかるとその後をついて回り、求愛、交尾しようとします。しかしこの系統の♂は、♀が通りかかっても反応せず、後を追いかけたり、求愛行動を取らなかったことからSatoriと名付けられました。悟りという意味です。
系統命名後、面白いことがわかりました。このSatori系統、♀が通りかかっても反応しないのに、前を♂が通りかかったらなんとその♂の後を付いていったのです。Satori系統はホ○でした。ゲイ遺伝子の発見です。
この遺伝子、何か意味があるのでしょうか。
完全に同性にしか興味がなければ、通常の有性生殖によって子を残すことはできませんから、その系統は絶えることになります。♀の場合は♂から見たら♀には違いないので残すことが可能かも知れませんが、自然界では♀が拒否したら交尾できないので微妙なところです。
一応、先に書いておきますが、私は行為自体には特に思うところはありませんが、ゲイの人達にあまり良い感情を持っていません。それはPという男(?)のせいです。
Pは行為の結果HIVウィルスに感染し、性感染症防止のための講演活動を各地で行っているようです。
ある講演で、流れは忘れましたがPは聴衆に向かい「この中で性交の経験がある人は?」と呼びかけました。若い人が多く、当然のように誰も手を挙げません。Pは「誰もいないのー?」と続けます。
それでも誰も手を挙げませんでしたが、Pは子どもを抱いた女の人に向かって「その子、あなたの子じゃないの?」とまで言い出しました。
ここで、ある男性(指輪してたから既婚者)がたまりかねたように手を挙げたのですが、それを見たPは「こんなに人がいるのに1人だけぇ、それもあのひとー?」と言ったわけです。
彼はゲイで、しかもHIV感染者ですから、おそらくそれを理由にした差別や発言をいろいろ受けているはずです。
差別の痛みを知るはずの人が人の見かけということに対して笑いのネタに使うのはどうかと思います。
もちろん、彼がゲイの代表とは思っていませんが、どうにも釈然としない気持ちが残った経験でした。
それはともかく、完全に同性にしか興味がないのではなければ、ホ○遺伝子は一気に繁殖戦略上意味を持ちます。通称オカマ戦略、偽雌戦略というものです。
潜洞性のクワガタムシでは、1つの穴の中に大型の1♂と多数の♀が入っていることがあり、ハーレムを形成しています。ここに別の大型の♂が近づくと、激しい戦いが起こります。
ところが、クワガタムシの小型♂というのは、小型になるほど姿が♀に似てくる傾向があり、この洞穴の中に小型♂が紛れ込んでいても大型♂は気づかないようで、攻撃を加えません。それどころか、小型♂を♀のように扱います。おそらく、小型♂はこっそり♀と交尾しているはずです。クワガタムシ成虫の大きさはほぼ幼虫時代の栄養だけで決まるので成立する戦略かも知れません。
これに対し、陸上で体外受精を行う両生類では、もっと劇的な偽雌戦略を行うものがいます。
タイガーサラマンダー(トラサンショウウオと訳すのかな)の♂は、別の♂に♀のふりをして近づき……「無駄打ち」させます。
いくら卵より小さなコストで作成できる精子といえども、無駄打ち後すぐに補充はできません。オカマ♂はその隙に(ターゲット♂の邪魔を心配することなく)余裕を持って♀と交接するわけです。
しかし、すべての♂がこの偽雌戦略をとると、無駄打ちの嵐で受精率が下がってしまいます。結果、偽雌戦略をとる♂の比率はある程度の割合に落ち着くようです。
このように、一見意味のない行動や構造も、環境が変化すれば意味を持ちますし、時間とともに戦略の効果も変化してくるものです。相手が学習していることに気づかずに同じ戦略をとっていては、勝利は遠のくというものです。