ハーレムと聞くと「羨ましい」とか、「男の夢」などと言う者が多いようです。
それは、瞬間的に見れば交尾相手に困らないわけですから、理想なのかも知れません。
しかし、実際に調査した結果を見ると、ハーレム♂は非常に短命であることが殆どで、ハーレムを維持するのが極めて大変であることが伺えます。
まず、体力。
ハーレム♂は、多数の♀の相手をしなければなりません。♀にとっても子供を産むのは自分のDNAを残す上で必要ですから、交尾をしないという選択肢は存在しません。交尾してくれない♂など、他の♂との交尾機会を減らす邪魔者です。ヒトのように一緒に食事をして、また今度ね、と言って別れるようなことはできなくて当たり前です。
歴史上、過去に「大奥」「後宮」といった、跡継ぎを確保するため(血統を絶やさないため)のシステムを作った♂は存在しましたが、最大数千人の女性すべてをまじめに相手したわけではありません。
頑張って1日5人の相手をしても(男として言わせて貰えば、無理な数値ですが)3000人いれば600日、ざっと2年かかります。全員相手しようとすれば、気に入った相手との逢瀬を楽しむ余裕はありません。もはや作業です。
人の場合、権力なんかで縛り付けることも可能ですが、動物の場合は交尾してくれない相手など役に立ちません。相手をしなければ、さっさと見切りを付けられておしまいです。その上ヒトと違って繁殖シーズン、発情期が決まっていますから、相手をしなければならない頻度はすごいものです。
体力(精力という言葉もありますが)のない♂にはハーレムは維持できません。
次に、戦闘力。
ハーレムを作れない♂にしてみれば、交尾できないと自分のDNAを残せませんから、何とかして♀と交尾しようと試みます。多数の♀をかかえるハーレムで目が行き届かないと、こっそり寄ってきた♂に♀をかっさらわれてしまうので、寄ってきた♂は排除しなければいけません。
相手(寄ってきた♂)が弱ければあっさり方が付きますが、力が拮抗していれば激しい戦いになります。戦う相手は1頭とは限りません、♂♀比はほぼ同数ですから、ハーレムが大きいほど戦いの頻度は上がります。
そりゃあ短命にもなりますわな。
これに対し弱い、体力がそれほどない♂はどうせ戦っても勝ち目はありませんから、サテライト戦略やスニーカー戦略といった、比較的体力を使わない戦略に走ります。
サテライト戦略というのは、単純に言えば「モテる♂のそばで待機して、やってきた♀を奪う」戦略です。モテる♂というのは立派な体を見せるなり良い声で鳴くなりしてそれなりのコストを払ったりリスクを背負ったりしているわけで、サテライト♂はリスクなしに♀を獲得しようとします。
KさんとつるんでいてYさんに手を出す感じの戦略ですね。
スニーカー戦略も同様ですが、魚なんかで多数の産卵をする際に、小型の♂が卵の一部を受精させるような場合を言うようです。
どちらも、間男(まおとこ)戦略と訳されますが、基本1仔のヒトでは完全に間男の勝ちになるので、優位な♂の繁殖機会が存在する場合にはふさわしくない訳語だと思います。
本来ハーレム♂はそういうセコい♂対策もしなければならないのですが、ハーレム維持に忙しいのにそれは酷というものでしょう。
動物でセコい♂が交尾機会を獲得し続けると、セコい♂の遺伝子が広がり、まじめにコストを払いリスクを背負って♀を呼ぶ♂が減るのでセコい戦略が成り立たなくなります。そのためどちらかの♂が集団を席巻してしまうことはないわけですが、ヒトではその効果が現れるのに時間が掛かるため、その前に社会情勢が変化する効果の方が大きいようです。
これは、「やったもん勝ち」を意味するので、そう言う点でも法律による縛りが必要なのかも知れませんね。
♀の戦略ですか?
魔王にきせきのつるぎだけでなくエリクサーも差し出せと?