陽光が降り注ぐ四月九日。世間では全国のほとんどの小中高の学校が翌日に入学式を控えた日でもある。大抵の学生は明日から始まる新学期のためにシャープペンシルや消しゴムを買ったするなど、新しい生活への準備を整えている事だろう。
しかし、そんな平和と呼べる日にはあまり似合わない光景が、ある場所にあった。
そこはとある海岸の砂浜だった。まだ夏でもないので、海を泳ぐ人の姿は全く見られない。他の海岸ではもしかしたら一足早く波を楽しむ季節外れのサーファーがいるかもしれないが、少なくともこの海岸にはそんな事をするサーファーもいなかった。
そのかわり、奇妙なものが砂浜を走っていた。
それはバイクだった。青色を基調にしたバイクで、市販されているバイクとはどこか違う印象を見る者に与えてくる。だが、問題はバイクではなく乗っている人間だった。
乗っている人間の姿は、やや奇妙な姿をしていた。全身が青色のスーツと銀色の機械の鎧のようなものに包まれており、顔は仮面のようなものですっぽりと覆われている。胸部にはトランプのスペードのような紋章、腰にはベルトのようなものが巻かれている。目の位置には昆虫のような丸く赤い複眼があり、さらにカブトムシを連想させる角まである。
その鎧をまとった人間がバイクを走らせていると、突然通信が入ってきた。
『
「分かってます!」
入ってきた女性の通信にそう返したのは、意外にもまだ高校生ぐらいの少年の声だった。五河と呼ばれた機械の鎧をまとった少年――――通称『ブレイド』はさらに速度を上げて目的地を目指す。
それから数分後、ブレイドが辿り着いたのは洞窟の前だった。ブレイドは洞窟を覗き込んで奥を見ようとするが、奥は真っ暗闇で何も見る事ができない。高感度暗視スコープを備えた真紅の複眼『オーガンスコープ』を使っても、生物らしきものの姿はなかった。
「何もいませんよ、
ブレイドが通信の女性、広瀬に言うとこんな言葉が返ってきた。
『反応は間違いなくそこからよ。隠れてる可能性もあるわ。気を付けて進んで』
「分かりました」
ブレイドはそう言うと、乗っているバイク『ブルースペイダー』のエンジンをかけて洞窟の中へと入って行く。
洞窟には光など存在せず、唯一の光源はブルースペイダーのライトのみになっている。しばらく進んだ所でブレイドはバイクから降りると、辺りを警戒しながら進もうとする。
その瞬間、異変が起こった。
「うわっ!?」
どこからかコウモリの群れが飛んできて、ブレイドの視界を塞ぐ。それに思わずブレイドがコウモリ達を払おうと両手を振るった直後、ブレイドの胸部に衝撃が走った。
「がぁっ!!」
『五河君!』
地面を転がったブレイドの耳に、広瀬の声が響く。ブレイドが立ち上がって真正面を見ると、そこには一体の異形が立っていた。
まるでコウモリのような外見だが、普通の人間と同じように二本の足で地面に立っている。さらに両腕には、合わせると全長八メートルにも及ぶ巨大な翼。腰の辺りには、『UD』という文字と二本の輪になった蛇のような刻印があるバックルが付いている。その姿はどこからどう見ても人間には見えない。
「見つけたぜ、アンデッド!」
ブレイドは左太腿に装着されている『ラウザーホルスター』に収納されている剣『
そしてブレイラウザーをバットアンデッド目掛けて振るうが、バットアンデッドは次々と放たれるブレイラウザーの攻撃を簡単にかわしていく。さらにそのお返しと言わんばかりに、バットアンデッドはその巨大な羽をブレイドの胸部目掛けて振るった。
「ぐっ……!」
胸部から火花が散り、ブレイドの口からうめき声が発せられる。倒れたブレイド目掛けてバットアンデッドが飛びかかりとどめを刺そうとするが、その前にブレイドがブレイラウザーをバッドアンデッドに投げる。ブレイドの手から放たれてブレイラウザーは見事バットアンデッドの胸部に直撃し、地面に叩き落す。
ブレイドはすぐさまブレイラウザーを拾い上げると、ブレイラウザーに備え付けられているオープントレイを扇のように展開する。オープントレイには十二枚のカードがセットされており、ブレイドはそこからイノシシのような生物が描かれた一枚のカードを抜き取ると、ブレイラウザーのスラッシュリーダーでカードを読み取る。
『TACKLE』
音声とピピピピピ……という電子音が鳴ると同時、ブレイラウザーに表示されていた数字が減り、青色の半透明のカードの絵柄が浮かび上がってブレイドの胸部に吸収される。ブレイドが剣を構えながら起き上がろうとしているバットアンデッドに体を向けると、ブレイドの体に凄まじいパワーが宿る。
「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
腰を低く落として力を溜めていたブレイドは、叫ぶと同時にバットアンデッドに向かって強烈な突進を放つ。そのまま当たれば間違いなく大ダメージを与えられる威力だろうが、バッドアンデッドは自分の両翼をまるで盾のように自分の前に構える。ブレイドの強力な突進がそのバッドアンデッドの両翼に直撃するが、バッドアンデッドにダメージの色はまったくない。それどころか、次の瞬間両翼を勢いよく広げてブレイドを弾き飛ばした。
「が……は……!」」
ブレイドの肺から酸素が吐き出され、ブレイドは立ち上がる事ができなくなる。今度こそとどめを刺そうとバッドアンデッドが大量のコウモリ達と共にブレイドに襲いかかろうとした瞬間、ブレイドは再びオープントレイからカードを一枚抜き取りスラッシュリーダーで読み取る。
『SLASH』
今度はブレイドの胸部ではなく、ブレイドが手にしていたブレイラウザーにカードの絵柄が吸収され、地球上のあらゆる固形物を斬り裂く刃『オリハルコン・エッジ』の切れ味をさらに高める。ブレイドはブレイラウザーを力強く握りしめると、すれ違いざまにバッドアンデッドの胴体を勢いよく斬り裂いた。
『ギャアアアアアアアアッ!!』
バッドアンデッドは悲鳴のようなものを上げ、斬り裂かれた胸から緑色の血液を勢いよく噴き出しながら地面に激突する。ブレイドがよろよろと立ち上がると同時、バットアンデッドの腰にあるバックルがカシャン、という小気味良い音と共に二つに割れた。その下には良く見てみると、トランプのダイヤのような紋章と数字の八が刻まれている。
「ダイヤのカテゴリー
そう呟きながらブレイドは鎖のような絵柄が描かれたカードを一枚オープントレイから取り出すと、それをバッドアンデッド目掛けて投げる。カードがくるくると回りながらバッドアンデッドの胸に突き刺さると、カードから緑色の光が発せられバッドアンデッドの体がカードに吸収されるように消えていく。
やがて緑色の光とバットアンデッドの姿が完全に消えると、カードがブレイドの手元に戻って来た。元々は鎖が描かれていたはずのカードには今はコウモリのような絵柄と『SCOPE』という単語が描かれている。ブレイドがカードをしまってため息をつくと、それを待っていたかのように通信が入ってきた。
『お疲れ様。じゃあ、また後でね』
「はい」
通信が切れると、ブレイドは自分の腰のベルトのサイドレバー『ターンアップハンドル』を引く。するとバックルの中央部『ラウズリーダー』が回転し、カブトムシのような生き物の描かれたカードの絵柄が見えるようになった。さらにラウズリーダーに装填されていたカードを引き抜くと、バックルから青白い光の壁『オリハルコンエレメント』が飛び出し、ブレイドの全身を通過する。オリハルコンエレメントを通過したその体は、高校生ぐらいの年齢に中性的な容姿の少年の姿へと変わっていた。
少年――――特殊装備『ブレイドアーマー』の装着者、五河士道はんー、とうめき声を上げながら両腕を真上に伸ばしてから腰につけていたブレイバックルを懐にしまい、ブルースペイダーに乗り込んでヘルメットをかぶり、エンジンをかけて洞窟から去って行った。
数十分後、士道はブルースペイダーに乗ったまま研究所のような場所の敷地内の前にいた。自動で開閉する門から中に入ってから専用の駐車場にブルースペイダーを駐車し、指紋認証・虹彩認証・さらにはもっている携帯電話の認証まで行ってからようやく研究所の中に入る。
(相変わらずセキュリティすげえな、ここ)
あまりの設備に、士道は思わず舌を巻く。ここには何度も来ているとはいえ、やはり慣れるものではない。
しかし、それも当然なのかもしれない。何せ、ここで自分の仲間達が研究しているのは|そこまでしなくてはならないほど危険な物なのだから。
士道が入った研究所の中では白衣を着た男達が忙しなく動き、手には研究用の紙やボールペンなどが握られている。士道はいくつかの角を曲がってからようやく目的の部屋の前まで辿り着くと、コンコンと軽く扉をノックした。
「入ってくれ」
中から聞こえてきたのは中年の男性の声だった。士道がドアノブを捻って中に入ると、中には一人の男性と一人の女性が立っていた。
女性は活発そうなショートヘアの髪型をしており、その髪型のせいでもあってかどこか勝気そうな印象を抱かせる。男性の方は一見しただけではあまりこれといった特徴は見られないが、目には力強い光が宿っている。士道は男性の目の前まで歩み寄ると、着ている服のポケットから先ほど封印した『SCOPE』のカードを取り出して机に置く。
「これが今日封印したアンデッドです」
士道はそう言いながら、今はカードに封印されているアンデッドに視線を落とす。封印されているアンデッドに意識があるのかどうかは分からないが、カードに描かれているコウモリの絵柄が今にも動きそうで士道は少し身震いした。
「良くやってくれた。これからも期待しているよ、五河」
男性――――人類基盤史研究所、通称『
「でも、最近アンデッドの動きが活発化してませんか? そもそもアンデッドっていうのは一体……」
「そんな事は気にしなくて良い。君はただ、アンデッドの封印に全力を尽くしてくれ」
士道の言葉を遮るように、烏丸はぴしゃりと言う。烏丸のその険しい表情を見て、士道は自分が何か聞いてはならない事を聞こうとしたような感覚に陥り、思わず誤ってしまった。
「す、すいません……」
「いや、謝られるような事じゃない。そう言えば君は明日から新学期だったね?」
そこで話題を切り替えるように、烏丸が笑顔を作りながら士道に尋ねてくる。それに士道が頷くと、そばにいた女性――――BOARDの研究員、
「五河君が明日から高校二年生って事は、琴里ちゃんは中学二年生かしら?」
琴里というのは、士道の妹である五河琴里の事である。士道とは歳が二つ離れており、天真爛漫という言葉が似合う無邪気そのものの性格をしている。
だが、何故か琴里の名前を聞いた士道の動きがビシリ、と固まった。しかも何故か額から冷や汗がダラダラと流れ出ている。そんな士道の様子に、思わず広瀬が尋ねた。
「ど、どうしたの五河君? 妹さんと何かあったの?」
「い、いいえ。特に何も……」
そう言いながらも変わらずに冷や汗をダラダラと流し続ける士道を広瀬と烏丸が怪訝そうに見つめる。
彼らは知らない。
今日、士道が家を出る前にある理由で琴里の部屋に入った時に、中学生が読むには少し早い夜の街の楽しみ方を紹介する雑誌や、大人しか入ってはいけない愛のホテルのガイドブックを見つけてしまった事を。
さらにそれだけではなく、女の子を口説くための本やナンパのための本を見つけてしまった事を。
しかもそれだけでは飽き足らず、あらゆる縛り方を厳選した本や拷問術の方法を書いた本も士道が見てしまった事を。
そして、終いにはSMクラブの女王様が愛用してそうな漆黒の鞭を発見してしまった事も……!
「うわあああああああああっ!!」
その時の事を思い出して、士道は頭を抱えてシャウトした。今までずっと一緒に暮らしてきた妹が、あんな趣味を持っているとは思ってもいなかったのだ。どこかで妹との接し方を間違ってしまったのが原因なのかとも思ったが、士道にはそんな心当たりは全く無い。
いや、と士道は心の中でその考えを否定した。まだそうだとは決まったわけではない。もしかしたら何かの間違いだという事も考えられる。家族である自分が琴里を信じてやれなくてどうするというのだ。とりあえず今日の夕飯は琴里の大好物で揃えてみよう、と士道は思った。
それから立ち上がると、広瀬と烏丸が驚いた顔で自分を見ている事に気付いた。それに自分が大声を上げた事を思い出し、慌てて広瀬達に謝る。
「す、すいません! 別に本当に何でもないんで、気にしないでください。あはははは……」
「そ、そう……」
士道が誤魔化すように笑うと、広瀬と烏丸は未だ怪訝な顔をしながらもそれ以上追及する事を避けてくれたので、士道はほっと息をついてから二人に言う。
「じゃあ、夕飯の準備とかありますから、俺はこれで帰ります」
「ええ、気を付けてね。アンデッドの件もあるけど、最近は空間震がやけに多くなってるから」
「はい」
ぺこりと二人に向かって頷くと、士道は部屋の外へ出た。それから来た時と同じように網膜認証などの手続きを終えてから、ようやく研究所を出て駐輪場へと向かう。
辿り着いた駐輪場で士道はポケットからバイクの鍵を取り出しながら、先ほどの空間地が多くなっているという広瀬の言葉を思い出す。
「……そう言えば、確かに最近多いよな。何でだ?」
士道は眉をひそめながら、そんな独り言を呟いた。
空間震。
一般的に空間の地震と呼ばれる、広域振動現象の事である。
しかも発生原因は不明、発生時期は不定期、被害規模は不確定という理不尽極まりない現象だ。
この空間震と呼ばれる災害が初めて人類に認識されたのは、今から三十年前。
ユーラシア大陸の中央部……当時のソ連や中国、モンゴルを含む一帯がくりぬかれるようにして消失した。
士道達の世代の教科書にはその事が当たり前のように載っているし、写真もある。
それは、その空間震の被害があまりにも大きい事を意味している。
死傷者数およそ一億五千万人。過去の事例と比べてみても、有史始まって以来最大最悪の災害だ。
しかもその後の半年間、規模はそれに比べたら小さいものの、世界各地で似たような現象が発生し始めた。
士道の覚えている限りでは、その数はおよそ五十例。しかもそれは士道の覚えている限りなので、実際ではもっと多い可能性がある。
そして、空間震が発生しているのは日本も同じだった。
最大最悪の災害、ユーラシア大空災の六か月後に、東京都の南部から神奈川県北部にかけての一帯が円状に焦土と化したのだ。ちょうど今、士道達が住んでいる地域――――『
それからその大厄災――――南関東大空災を最後にして、空間震はしばらく確認されなくなった。
しかし五年前、再開発された天宮市の一角で空間震が確認された。するとそれをきっかけにするかのように、再び空間震が確認された始めたのである。
しかもどういう因果か、その多くは日本で起こっていた。
が、人類も空間震が起こらなかった二十五年間、ただ何もせずのんびりとしていたわけではない。
ここ天宮市をはじめ、三十年前から全国の地下シェルター普及率は爆発的とも言えるほどに上昇している。
それに加え、空間震の兆候を事前に観測する事も可能になり、極め付けには自衛隊の災害復興部隊などというものもある。
空間震が発生した被災地に向かい、崩壊した施設や道路などを再建する事を目的に組織された部隊であり、その仕事は魔法としか言いようがない。
なにせめちゃくちゃに破壊された街を、わずかな期間の内に元あった状態にまで復元してしまうのだ。普通の人々からしてみれば、まるで手品でも見せられているような気分だろう。
だが、BOARDという組織に所属している士道は知っている。自衛隊の災害復興部隊は、ある技術を用いる事で不可能を可能にしているのだ。
三十年前、人類が手にした奇跡の技術。コンピュータ上の演算結果を物理法則を歪めて現実世界に再現する。
簡単に言うと、制限付きではあるが想像を現実にする技術の事だ。科学的な手段を用い、『魔法』を再現するシステムと表現する事もできる。
これらを用いる事で、人類は復興を成し遂げてきた。
しかしどうやら、運命の神様とやらはよほど人類に理不尽を押し付ける事が好きらしい。
今から五年前、ある生物がこの世に解き放たれてしまった。
生物の特徴の一つは、地球上に住むあらゆる動植物の特徴を備えている事。今日士道が戦ったバットアンデッドはコウモリの性質を持っていたし、前に士道が戦ったボアアンデッドはイノシシの性質を持っている。
そしてこれらの生物の何よりの特徴は、どういう手段を用いたとしても『殺す』事ができないという事だ。
大きなダメージを与えたとしても、時間が経てばすぐに復活してしまうという厄介極まりない特性を持つ。
元々生物達を研究していたBOARDは、この生物達を不死を意味する『undead』から取ってアンデッドと名付けた。
街に与える被害は空間震の方が大きいかもしれないが、アンデッドは無差別に人を襲い、殺害するという下手をすれば空間震よりもタチが悪い生き物だった。
だがアンデッドは、空間震とは違って世間には公表されていない。その理由は、アンデッドがこの世界に解き放たれてしまった理由に直接関わってくるからだ。
元々アンデッドはカードに封印されていた生命体であり、何かの手違いでもない限り封印から解き放たれる事のない存在だった。
それが五年前、何者かの手によって封印されていたほとんどのアンデッドがカードの封印から解放され、世界に解き放たれてしまった。
アンデッドが解放された時の理事長、
全てのアンデッドを再封印するため、理事長を辞任する前に天王路はあるシステムを開発した。
封印されたアンデッドの力を再現する能力を応用したシステム、通称『ライダーシステム』を。
その後アンデッドを全て再封印する事を決定し、天王路は理事長を辞退し、新しく烏丸が所長に就任したというわけだ。
それからBOARDはライダーシステムの装着者を捜し、ある理由から一般人である士道に白羽の矢が立った。なので士道は正確にはBOARD所属ではなく、あくまでアルバイトの学生という身分である。命を懸けてアンデッドと戦う事をアルバイトと呼んで良いものか判別に苦しみはするが。
なお、ライダーシステム使用者である士道はたまにこう呼ばれている。
怪物と戦うために、怪物と同化する者。
ライダーシステムにはカテゴリー
ちなみに今士道が使っているライダーシステムは、ライダーシステム第二号『ブレイド』だ。元々第一号である『ギャレン』もあったのだが、ある事情で今は紛失してしまっている。
「ギャレンも今どこにあんのかな……。やっぱ一人だと、結構キツいんだよなぁ……」
まだ戦闘に関しては素人である士道が一人でアンデッドと戦うのは危険を伴うし、何体もいるアンデッドを封印するという面に関しての効率も悪い。ライダーがもう一人いてくれれば士道も楽になるのだろうが、生憎新しいライダーシステムもまだできていない。
無論その事を承知で士道もライダーシステムを使ってアンデッドと戦っているし、給料もアルバイトと呼ぶには少々高めなほどに振り込まれている。なので今の仕事にはそこそこ満足しているが、やはりアンデッドと戦う時など怖いものは怖い。
「っと、こんな事してないで早く帰らないとな。消しゴムとか買わなきゃいけないものもあるし……」
士道は少し慌てながらブルースペイダーのエンジンをかけると、スーパーへと急ぐのだった。
そして翌日の四月十日。
その日をきっかけにして運命の歯車が回り出す事を、士道は未だ知らない。
この話では明かされなかった話などは、後々明かしていこうと思っています。では亀更新になると思いますが、よろしくお願いします。