兄妹の甘くて淡い三日間   作:シロイルカ

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2話

そして、様々な試練のようなものを乗り越え、俺達はようやく深月の部屋に着いた。

 

「今日のところは、安静にして熱を下げな?」

 

「分かりました。それもそうですが、兄さん」

 

「なんだ?」

 

「……その、今から私はパジャマに着替えようと思うので、着替え終わるまでは、絶対に私の方を振り向かないでくださいね?」

 

「ああ、わかった。何かある限りは振り向かないようにする」

 

「何が起きても、ですよ?」

 

いや、それはさすがにまずいんじゃ……?

ま、大したことで振り向かなければ問題はないか。

 

ゴホッ、ゴホッ……

 

「おい、深月。本当に大丈夫な…………っ///」

 

心配して振り向くと、そこには、下着姿になった深月がいた。

……しまった。

 

「兄さんっ…! あれほど言ったのに……///」

 

「わ、悪い! 今のは反省している!」

 

大したことでは振り向かないつもりが、俺という奴は………

 

 

 

そして、数分後。

 

「今度こそ、振り向いてもいいですよ?」

 

言われた通りに振り向くと、確かに着替えが完了していて、深月はパジャマ姿になっていた。

 

「さっきは、マジですまなかった」

 

「全くですよっ。兄さんのバカッ///」

 

「ほんと悪かったって。だから、機嫌直せよ?」

 

「…………」

 

「……そうだ。もうそろそろ昼になるし、今から深月にお粥を作ってやるよ」

 

「兄さんが、料理を作れるのですか……?」

 

「当たり前だろ? 俺をナメてもらっては困るな」

 

「……ま、まあ、期待はしませんが、そこまで自信があるというのなら作ってみてください///」

 

相変わらず、兄である俺には冷たい態度を取る妹だ。

 

「ああ、任せろ!」

 

 

 

 

約10分でお粥は完成した。

湯気が立って、とても美味しそうな香りがしている。

 

「はい。お待ちどうさま」

 

「では、早速……」

 

「熱いから気をつけろよ?」

 

「分かっていますよ。子供扱いはしないでください」

 

「ただ伝えただけなのに……」

 

深月はれんげでお粥を一口分ほど掬い、口の中に入れた。

さて、こいつから良い感想は来るのか……?

 

「……お、美味しいです…!」

 

「だろ?」

 

「本当に、兄さんが作ったのですか?」

 

「見ていたから分かるだろ? 俺が作ったに決まってるよ」

 

「…………」

 

「なんだ? あまりの旨さに言葉も出ないのか?」

 

「……自ら自慢をしてきたため減点です」

 

「あれ?」

 

「ですが、夕食作りも兄さんにお願いできますか? お粥以外で」

 

「……当然、作らせてもらうよ」

 

 

 

 

そして時間は過ぎていき、午後6時。

夕飯は、消化に良さそうなうどんしてみた。

 

「こ、これまた美味しいです……! なぜこんなにも、兄さんは料理がお上手なのか…………信じられません」

 

「あはは……」

 

でも、段々と元気になってきたようで良かったよ。

……もしや、熱も大分下がっているのでは?

 

「深月」

 

「なんですか?」

 

「ちょっと、熱を測ってみようか?」

 

 

 

ピピピ、ピピピ……

 

測り終わり、深月は脇の下から体温計を取り出して温度を確認した。

 

「今度は俺にも見せてくれるか?」

 

「どうぞ」

 

深月から、意外とすんなり俺の手に体温計が渡った。

 

「……37度5分……」

 

あの39度の熱から、本当に大分下がっていた。

 

「お前、測り間違えたわけじゃないよな……?」

 

「私にそのようなミスが出来ると思えますか?」

 

「いえ」

 

マジか。

こいつの体内は、一体どのように出来ているんだ……?

 

「……これも、兄さんのお陰なんですよ? 本当に感謝しています」

 

「……今日、初めて深月に褒められた気がするな」

 

「そ、そんなことないですって……!/// でも、これで明日は授業に……」

 

「それはダメだ」

 

「兄さんのバカっ」

 

でも、この調子だと、明日は更に良くなっているはずだろうな。

 

 

 

 

午前1時頃

 

ゴホッ、ゴホッ……

 

この時間帯になっても眠れないようで、深月が酷い咳を繰り返している。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「大丈夫、です…… このくらいっ……」

 

ゴホッ、ゴホッ……

 

「いや、どう考えても大丈夫じゃないだろ」

 

心配になってきたので、俺は深月の額に手を当ててみた。

 

「ち、ちょっと兄さ……」

 

「黙ってろ」

 

「…………」

 

こ、これは……

 

「熱い…! お前、また熱が上がっているんじゃないのか…⁉」

 

「そ、そんな……」

 

「……もう一度、測ってみよう」

 

 

 

ピピピ、ピピピ……

 

測り終わり、深月は脇の下から体温計を取り出した。

 

「…………」

 

「……何度だ?」

 

「はい、兄さん」

 

今度は、素直に深月から俺に体温計を渡してくれた。

 

「……38.8度、約39度…! 朝の時の体温に戻っているじゃないか……‼」

 

おかしい。どうして、ぶり返しているんだ……⁇

 

「私にも、分かりません……」

 

ゴホッ、ゴホッ……

 

明日どころか、明後日も授業に出席できないのではないだろうか……?

とても心配で、俺の方まで眠れなくなってきてしまった。




3話へ続きます。お楽しみに!
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