放浪者二人   作:草薙@シリアスくれ

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海上レストラン

 東の海(イーストブルー)を進む、エレフ達。

 その途中、リラからの希望で、東の海を移動していた海上レストラン「バラティエ」へ訪れた。

 

「いらっしゃいませイカ野郎」

 

 その言葉と共に迎えられた二人は、席についてメニューを開く。その際、辺りが少しざわついている事に気がついた。

 

「……おや、あれは……」

「海軍の方かしらぁ? ……なんだか、周りの客に笑われてるわねぇ」

 

 二人がふと見つけた視線の先。そこには、海軍大尉である、フルボディ大尉と、大人っぽい美麗な女性が腰掛けているのが見えた。なにやら大尉と副コック長、であろう男性は揉めているようだったが、自分達に火種が向かわないからか、特に気にする様子が見られない。

 また、笑い声が上がった。

 それとほぼ同時に、大尉は自身が向かっていたテーブルを()()()()()()()

 その瞬間、辺りはしん、と静まり返る。そのお陰か、それともご都合主義なのか。大尉と副コック長の会話の顛末は、いやにはっきりと聞こえた。

 

「……皮肉なものですね」

 

 エレフの呟いた言葉は、誰の耳にも届く事はなく。皆一様に、コックと客の揉め事から目を離せなかったようで、板前風の男性が訪れるまで、ただただ沈黙が続いていた。

 

「息の根止めとかなきゃなぁ」

 

 そう聞こえた副コック長の男に対し、大勢の人間が動揺を浮かべる。その内に、とうとう周りのコック達が副コック長の男を必死に抑え出す。

 その時。

 天井から二人の男性が降ってきた。そう、文字通り降ってきたのだ。そのうちの一人、"オーナー"と、そう呼ばれた老人は、一緒に落ちてきた麦わら帽子を被った男の子に何やら吠え立てているようで、それに負けじと男の子も言い返す。

 その後、"サンジを止めてくれ"と言われたオーナーは、副コック長の男ーー会話から察するに、サンジと言う名前なのだろうーーを義足で蹴り飛ばし、その上でフルボディ大尉も義足で蹴り飛ばした。二人は、そんな大尉の心中を察し、少しばかり哀れに思う。その情報量の少ない頭に対して。

 

「た、大変です大尉! 海賊クリークの手下を逃がしてしまいました!!」

 

 突如駆け込んできた海兵の言葉に、二人は顔を見合わせた。"クリーク一味"とは誰なのだと。

 そんな二人の様子に、驚いた様に周りの客が説明する。

海賊クリークは、ここ東の海で最強だと言われている海賊団だと。

 そんな中で、銃声音と共に海兵が地に倒れ伏せる。騒然とする船内に、無粋にも血だらけで入店するその男に、二人は少し驚いた。

 そして、何を思ったのかエレフは男性がコックの頭に鉛を渡そうとした事にコックが拳をいれ、更に暴行を加えようとした瞬間、()()で蹴られそうな男性をコックから引き離し、女神のような、そんな笑みを湛えた。

 

「あぁっ?なんでしょうかお客様?」

 

 コックは、エレフと言う少女が片手で大の男を引っ張ったと言う事実に気付かずに、そのままエレフを睨み付ける。

 エレフは、男性から手を離せば、予め持っていたお金の入った袋を取り出す。

 

「彼は私達の待ち人です、このお金で何かお出ししてはくれないでしょうか?」

「ちょ、ちょっとエレフ?!」

 

 男性はどうやらバルコニーまで逃げてしまったようだが、それでもエレフは見捨てもせずに上のように続けた。リラが驚いた様に声をあげたが、それも気にしない。

けれども、目の前の男は、コックは首を縦には振らず、最後にはリラに止められて渋々引き下がる始末になってしまう。それでも、エレフは以前助けた先程の男性が気になるーーとはいえ、恋愛感情は無いのだがーーようで、男性が消えた方へと駆けていく。リラは、「まったくもう……」とため息をつきながらも、エレフを追いかけた。

 

「ん?お嬢さん達もあの男のとこへ行くんですか?いやぁ俺は心配ですねぇ、喰われないか」

「ええ。古い知り合いでして、気になるもので……」

「私はこの子の付き添いよぉ」

 

 途中、サンジと言うのであろう男性と行き合い、口説くようなセリフを完全に無視しつつ、軽い会話を交わしながら男の元へと向かう。

 サンジの手には料理が収められていたので、恐らく男へ渡すのだろう。"彼はいい人だ"二人は無意識にそう感じた。

 

 バルコニーへ出て、倒れ伏せた男の前へサンジが持っていた料理を置けば、男は泣きながらその料理を口にし、喉へ通していく。

 

「クソうめぇだろ」

 

 タバコをくわえながら笑うサンジを見て、やはり二人は彼が人柄の良い人物だと感じたようだった。

 その時、その場にいた三人は知らなかったのだ。海賊に成り立てのとある少年が、サンジとエレフ、リラの三人の事を上から眺め、勧誘しようと目を向けていた事に。そして、その後直ぐに話しかけられる事にさえも。

 

 しかし、仲間になるのは少しばかり先のお話。今はまだ、ただ流れゆく時の流れに身を任せるしか無いのだろう。




私事で大幅に更新が遅れ申し訳ありません……今回、やっと東の海に入り、更に原作に突入致しました。

それでも、原作主人公と放浪者は一言も会話をしていません。原作主人公組で会話したのは今のところサンジだけです。というか今回リラの出番が……空気ごめんなさい……。

以上、草薙でした!

追記:サンジ書きにくい
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同日、17:38…発見した誤字を修整
6/15 12:32…友人からリラの出番スクナスギィと苦情が(やっぱり)来たので加筆修正
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