「ウワーーーー。」
カリアが跳び出していくとあいてもこちらに気づいたらしく唸りながら叫んで、光の波動を放ってきた。もはや男か女かも解らないまでに身体中の皮膚や血管、筋肉が断裂している姿は動いていなかったら死体と間違えそうなほどだった。そんな赤く染まった身体からでた光の波動が当たった微かに残っていた骨片や肉片は粉々になってそこらの赤黒いヘドロ混ざってに消えていった。しかしカリアに当たるはずの光の波動だけはカリア本人が出している微弱な魄の波動によって当たる直前に消えていった。
「やれやれ本当にコードを力任せにぶつけているだけなんですね。美しくない。こんなんじゃ割り込み詠唱《インターサイドアリア》で簡単に打ち消せてしまう。俺は完璧主義者なんかじゃないけど、この技巧の無さには呆れてくるな。」
相手の能力者はその様子を見てか更に唸りを上げて光の波動のインターバルを縮めてきた。しかしカリアはその光景に不自然さを感じた。
「ん?、もしかして意識があるのか?、いやあそこまで体が無理をきたして出血するまでになっているのに、それはないか。だとしたら外部干渉か。だとしたら本当に面倒な事をしてくれるな。ようするに、勝てなさそうだから捨て置くということか…。早く楽にしてやるか。」カリアはそう言うと相手の方に突っ込んでいった。それに対して相手の反応は単純に光の波動をカリアに対して集中的に放射するというものである。その光の波動は波動同士がぶつかって魄の欠片をまき散らすまでに密集していた。
「密接状態による破損が起きる程なんて、本当に力任せに出たな。はやくらくにして…やるよっと」
カリアは相手の懐に入り込み、その相手の胸に手をそっと手を当てた。
「能力者の子守唄《スキルスリープ》」
カリアがそっと言うと光の波動はピタリとやんだ。その瞬間遠くから武装した状態で様子見していたフェイトは直ぐにそこを飛び出した。
「クイックバインド」動揺を押し込めようとして無理に低くなった声がその場に響いた。フェイトはソニックムーブによってカリアの前に立ち、自分の持っている中で最も発動時間の短い拘束魔法《バインド》行使し相手を拘束したのだ。しかし、未だに相手は未だに身体をねじらせて抵抗を続けている。その様子を見たカリアは「待ってください危険です」と言って止めるフェイトを無視し近くによって話しかけた。
「救われぬ者よ、汝の魂に安息あれ…。安らかなる眠り繭《スリープコクーン》。」
そういうと相手はガクッと膝をつき倒れた。そのカリアの様子にフェイトは目を見張り無言で驚いた。そのあとカリアは目を閉じて立ち止まって何かをしているような素ぶりを見せた後冷ややかな目で振り返った。
「聞かないで置きます」
かりアのその言葉にフェイトは無言によって二つの意味で「是」と答えた。今の様な意味深な台詞をカリアが言った理由はフェイトがわざわざカリアを庇う様にして前に出たことといかにもな他人行儀で精子を呼び掛けたことにに関係する。本来なら今の状況でフェイトはカリアの前に無力化が不完全で襲われるかもしれないというリスクは犯す必要はなく拘束魔法《バインド》の射程距離の問題を考えたとしてもある程度二人に近づくだけで良かったのだ。普通なら子供であるカリアを庇おうとしたととれるが、そもそも庇う程カリアの戦闘能力を信用していないなら、そもそも単身で突っ込ませたりなどしていないし、その前に事件現場に連れていってなどしていないだろう。まあその理由についてはカリア自身見当がついていたがそれは言わないでおいた。フェイト自身カリアが感づいていることをわかっていて、あえて同意したのである。フェイトが今の様なことをしたのはあくまでもカリア自身、管理局とは無関係の一般人ということを示したかったのだ。何故なら、カリアから聞いた作戦ではスキルホルダーを捕縛した後にそのままバックに居る人間、平たく言うと黒幕のいる所に向かい捕縛する筈だったのだが、ここで予想外の事実がわかった、カリアの言動から相手側が此方の様子を何らかの方法を用いて感知していることがわかったのだ。ここでカリアを単に事件現場に飛び込んできた一般人だと偽装しなければ相手に逃走される可能性が大きくなる。何故ならカリアが単なる一般人ならスキルホルダーが捕縛された後事情聴取等で拘禁されるのが普通で、たとえカリアが昨日はやてとフェイトにしたような説明をしたとしても直ぐに自分の所に来るとは考えにくく、今すぐ逃げるという考えは普通は頭に浮かばないからだ。カリアが管理局を振り切って単独で来るということも考えられなくもないがカリア自身が偶然居合わせただけなら自分のこと探し当てられるという方が無理がある。そもそも、管理局が封鎖している場所に一般人が入れている時点で管理局との接点を疑えてくるがあいても今の戦闘を見ていたのならばカリアがギフト・スキルに関して造詣が深いということが解っている、よってカリア自身が何らかのギフト・スキルを用いて侵入してきたという方が自然で、よって「【偶然】、【一般人】が乱入してきた」と相手方に思わせないと踏み込んだころにはもぬけの殻ということもありえるのである。そして、カリアは今の台詞に暗にこう言ったのである「もう監視の目はありません」「黒幕の所に向かいますよ」と。そしてそれに対してフェイトは「YES」と答えたのである。
〈二人とも待機していた人たちにその子の護送を連絡したから早く行かんと。〉
〈わかりました。〉
〈うん、わかったよはやて。〉
はやての念話を聞いた二人は次の現場に向かったのだった。
感想よろしくお願いします。それとよろしかったら私のもう一つの小説もよろしくお願いします。