μ'sバトルスタート!   作:『シュウヤ』

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穂乃果のパーティ、氷の一貫ヤバいね


第18話 新旧リーダー、激突!

「ロトム、ほうでん!」

ロトムが放った電撃は、ユラユラ浮遊するフリージオへ直撃する。

「よしっ」

「フリリリリリ」

「うそっ、効いてない⁉︎」

フリージオはまったく堪えた様子も無く、不気味に笑い声を漏らす。

「私のフリージオを甘く見ない事ね。__フリージオ、ソーラービーム!」

「フリリリリリ!」

フリージオはゆっくりと光源を吸収し始める。

「あれって、草タイプの技……? それはマズいよ……! ロトム、ハイドロポンプ!」

「ウィィィィーッ!」

かつてドサイドンを一撃で屠った高圧水流は、フリージオにはアッサリ受け切られてしまう。

「やりなさい、フリージオ!」

「フリリリリリッ!」

フリージオから放たれた極太のレーザーは、的確にロトムを貫いた。

「ロトム!」

「ウ、ウィィィ……」

何とか持ちこたえたロトムだが、ダメージはこの上なく深刻そうだ。

「くっ……一回戻ってロトム!」

ロトムをボールに戻した穂乃果を見て、絵里は頷く。

「賢明な判断ね。あなたのロトムじゃ、私のフリージオには勝てない」

「悔しいけど、その通りかも……。でも、私はみんなを信じてる! __ムクホーク、ファイトだよっ!」

「ホーク!」

穂乃果は拳を突き出す。

「つばめがえし!」

低空飛行でフリージオへ肉薄するムクホーク。

「れいとうビームで迎え撃って!」

「フリリリリリ!」

フリージオもビームを放ち、

「上へ逃げて!」

上昇するムクホークの背後を追いかける。フリージオの傾きが四十五度を超えた辺りで、

「今だ!」

「ホーク!」

穂乃果の掛け声で、ムクホークは急降下を仕掛ける。

「フリリリリリ……⁉︎」

突然の事にフリージオは反応が遅れ、その隙にムクホークは突撃。そして華麗に舞い上がった。

「よしっ」

衝撃で吹っ飛ばされたフリージオは、何度もクルクル回るとようやく静止した。そこには、若干の焦りが滲み出ている。

「……?」

穂乃果は、違和感を覚える。

「ロトムの攻撃は全然効かなかったのに、ムクホークの攻撃は効いてる……? __もしかして!」

何かに気付いた穂乃果。

「ムクホーク、もう一度突撃!」

「させない……! フリージオ、ふぶき!」

「躱して!」

ムクホークはギリギリでブリザードを避けると、フリージオへ肉薄。

「インファイト!」

そして全力の打撃をお見舞いした。

「フリージオ、戦闘不能! ムクホークの勝ち!」

「やったぁ!」

フリージオをボールに戻した絵里は、

「よく気付いたわね、フリージオが物理攻撃に弱い事に」

「うん。ふと思ったの!」

「バトルの最中に成長していく……。まったく、底なしのポテンシャルね」

絵里は四つ目のボールを掴む。

「私の最後のポケモンね。けど、負けるつもりは無いわよ?」

「望む所だよ!」

「ふふっ、ワクワクさせてくれるわね。__行きなさい、ユキノオー!」

「ノオー!」

「氷と草タイプ……。リザードンがいれば、活躍できそうだったのに……。って言ってもしょうがないか。飛行タイプだってバツグンだもんね!」

穂乃果が気を引き締めると、頭上から小さな氷の塊が降ってきた。

「な、何⁉︎ あられ⁉︎」

「ユキノオーの特性はゆきふらし。フィールドにあられを降らせるのよ。__そしてこれは、」

「ほ、ホーク……?」

「氷タイプ以外に、少しずつダメージを与える」

ムクホークの羽ばたきが、一瞬不規則に乱れる。

「油断していると、そのまま負かしちゃうわよ? __ユキノオー、ふぶき!」

「ノオー!」

「ムクホーク、躱して!」

ムクホークは全力で上昇する。だが、フリージオとは比べ物にならない広範囲でムクホークを飲み込んだ。

「ムクホーク、戦闘不能! ユキノオーの勝ち!」

「そ、そんな……あんなの避けられないよ……」

「その通りよ。あられが降っている時は、ふぶきは絶対に当たる。逃がさないわよ?」

ユキノオーの強さを再認識した所で、穂乃果は悩む。

「どうしよう……。ロトムはもうほとんど体力が残ってないし、ダグトリオもロゼリアも氷タイプが弱点だし……」

「どうしたの? 降参かしら?」

「絶対しないもん!」

即座に言い返した穂乃果は、

「考えていても仕方ない……。よし。__ダグトリオ、ファイトだよっ!」

「ダグ!」

「地面タイプ……? 何か意図があるのか、もしくは万策尽きたか、ね」

絵里の表情に、少し余裕が見える。

「ユキノオー、ふぶき!」

「ノオー!」

「ダグトリオ、あなをほる!」

「ダグ!」

ダグトリオは地面に潜り、攻撃をやり過ごした。

「やっぱり、これなら当たらない!」

「だからと言って、地面タイプじゃユキノオーには効かないわよ? さあ、あなたはどうするの?」

バトルフィールドに、一瞬の静寂が訪れる。

「大丈夫、できる」

穂乃果は、自分に言い聞かせる。「私達なら、できる! __ダグトリオ、今だ!」

穂乃果の合図で、ダグトリオはユキノオーの真下から体当たりをかます。だがやはり相性が悪いのか、体勢を若干崩すに終わった。

「ふふっ__」

「そこからストーンエッジ!」

「ダグッ!」

「なっ……?」

ゼロ距離で襲う礫の群れに、たまらずユキノオーも吹っ飛ばされる。

「くっ……ユキノオー、ふぶき!」

「ノオー!」

同じく超至近距離から放たれた攻撃は、逃げる暇なくダグトリオを襲った。

「ダグトリオ、戦闘不能! ユキノオーの勝ち!」

「ああ、一撃……お疲れ、ダグトリオ」

ダグトリオをボールに戻した穂乃果は、もう一度、あのボールを掴む。

「ロトム、頑張って!」

「ウィ!」

「まさか、攻撃を繋げてくるなんてね。あんなの初めて見たわよ?」

「できるか分からなかったけど、きっとできるって信じてたから!」

「……本当、不思議なトレーナーね。__でも、まだ私のポケモンは負けてない。元気な五体目じゃなく傷ついたロトムという事は、残りはユキノオーに不利という事。違う?」

「ぐ……ロトムなら行けるよ! ねっ?」

「ウィ!」

絵里の的を射た発言を跳ね返した穂乃果は、ロトムをしかと見据える。

「そう。なら、闘ってみせなさい! __ユキノオー、ウッドハンマー!」

腕を振りかざして向かってくるユキノオーに、

「ロトム、おにび!」

ロトムは青白い炎をぶつける。

「やけど、ね。__けど、勢いを止めるには弱すぎるわ!」

ユキノオーは渾身の力で、ロトムに一撃をお見舞いした。

「ウィィィ……ッ!」

後方へ弾き飛ばされるロトム。

「お願い、耐えて……!」

「ウィ…………ウィィィィーッ!」

「そんな、耐えられた……⁉︎」

「これで決めるよロトム! __たたりめ!」

「! その技は……!」

「ノオ……ッ、オッ……!」

ユキノオーの周りに現れた人魂のような光。それはすぐに消えたが、

「ユキノオー、戦闘不能! ロトムの勝ち! よって勝者、チャレンジャー、穂乃果!」

そこにいたのは、倒れ伏すユキノオーの姿だった。

「はぁ……はぁ……。か、勝った……!」

緊張のあまりか、肩で息をする穂乃果。

「……負けた、わね」

小さく息を吐き、下を見る絵里。

「絵里ちゃん……」

それを見た穂乃果は、ゆっくり歩み寄る。

そして、手を差し出した。

「穂乃果……?」

「絵里ちゃん、すっごく強かった。何度も、負けそうになった。__だから、穂乃果はまた絵里ちゃんと闘いたいな!」

「穂乃果……まったく、あなたって人は……」

明るい笑顔を浮かべる穂乃果に、絵里も苦笑する。穂乃果の手を握り返した絵里は、

「次は負けないわよ?」

「望む所だよ!」

「__あ、そうそう。忘れる所だったわ。これが、ガジアスジム制覇の証。リーダーバッジよ」

「これが、六個目のバッジ……。ありがとう!」

「そしてこっちは、技マシン《ふぶき》。強力な氷タイプの技よ。天気があられなら、絶対に当たるようになるわ。……例外はあるけどね」

「うん、ありがとう!」

「それにしても、まさか希の技で決着とはね」

「ん〜? 悔しいん?」

「って希⁉︎ いつからそこに……!」

「ついさっきやん。絵里ちが、ウチの技で負ける所からや」

絵里の背後から現れた希は、悪戯っぽく笑う。

「まったく希は……」

少しだけふてくされた絵里に代わり、希が穂乃果に向き直る。

「穂乃果ちゃん、勝利おめでとさん。ちょっと見て欲しい場所があるから、案内させてな?」

「見て欲しい場所?」

「そうね。バッジを集める穂乃果には、ぜひ見て欲しい場所」

絵里と希が、同じような笑みを浮かべる。後輩を試す、不敵な笑みを。

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