μ'sバトルスタート!   作:『シュウヤ』

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結構久しぶりの後期で申し訳ないです。
割とガチなバトルしてるなぁ、という本人の感想。


第21話 優しき強きジムリーダー

トレーナーズスクールを出た穂乃果とことりは、帰宅する生徒達に手を振った後、向き合った。

「ありがとう! 穂乃果ちゃんのおかげで、すっごく楽しい授業ができちゃった!」

「穂乃果こそ! ことりちゃんと歌えて楽しかったよ!」

二人仲良く笑った後、ことりは大きく深呼吸をした。

「……穂乃果ちゃんは、ジムに挑戦しに来たんだよね?」

「うん、そうだよ。勝てば七個目!」

「じゃあ、私も全力で迎え撃ちます」

「やっぱり、ことりちゃんがジムリーダーなんだね」

「うん。穂乃果ちゃんといると凄く楽しいし、ずっと隣に立っていたい。__でも、私はジムリーダー。穂乃果ちゃんがチャレンジャーなら、バトルしないといけないの」

ことりが一瞬目を伏せると、

「ことりちゃん、ポケモンバトルは、別に喧嘩するわけじゃないんだよ。仲良しでも、友達でも、バトルしていいんだよ! お互い全力をぶつければ、もっと仲良くなれると思うんだ!」

「穂乃果ちゃん……」

穂乃果は、拳を突き出す。

「穂乃果は、ことりちゃんとバトルしてみたい。もっとことりちゃんの事を知りたい!」

「……うんっ! 私も!」

ことりも優しく、自分の拳をぶつけた。

 

 

 

 

「それでは、サウジムリーダー、ことり対チャレンジャー、穂乃果のバトルを始めます。ジムリーダーの使用ポケモンは四体。チャレンジャーに制限はありません。なお、チャレンジャーにのみ交代が認められます」

審判が両手のフラッグを掲げ、

「バトル開始!」

「ムクホーク、ファイトだよっ!」

「ウォーグル、お願いします!」

「ホーク!」

「ウォウ!」

ポケモン図鑑を取り出した穂乃果は、

「ノーマルと飛行タイプ……。ことりちゃんは、飛行タイプなのかな? __飛ばして行くよ! ムクホーク、インファイト!」

指示を受けたムクホークは、ウォーグルに肉薄すると鉤爪を振り下ろした。

「ウォーグル、つばめがえし!」

対してウォーグルは急旋回すると、攻撃が空振りしたムクホークに突撃した。

「ウォウ!」

「あのウォーグル、速い……! でも、ムクホークの特性はいかく。物理攻撃は軽減でき……」

「ウォーグル、ふるいたてる!」

「ウォーウ!」

「っ!」

ウォーグルの目付きが変わったのを感じた穂乃果は、大きく息を吸い込んだ。

「ムクホーク!」

「ウォーグル!」

二人の声が重なる。

「「ブレイブバード!」」

互いに一直線に特攻したムクホークとウォーグルは、中心で交錯。凄まじい衝撃と爆風がフィールドを包み、

「ムクホーク、戦闘不能! ウォーグルの勝ち!」

そこには、倒れ伏すムクホークと、羽ばたくウォーグル。

「ああ……お疲れムクホーク」

ムクホークを戻した穂乃果は、ウォーグルとその先のことりを見据える。

「ことりちゃん、強い……。ムクホークがこんな簡単に負けちゃうなんて……。__ダグトリオ、ファイトだよっ!」

穂乃果が繰り出したダグトリオを見て、ことりは少し訝しむ。

「地面技は効かないのに……?」

「ダグトリオ、ストーンエッジ!」

「ダグ!」

「! 岩タイプの技! ウォーグル、かわして!」

「ウォウ!」

上下左右に飛び回り、飛来する礫を避けたウォーグル。

「ふふ、空を飛べるウォーグルの方が、有利だよ。__ブレイブバード!」

得意げなことりに、穂乃果は力強い笑みを返した。

「それは分からないよ! __あなをほる!」

地面に潜ったダグトリオ。突撃していたウォーグルは、慌てて急上昇した。

「地面に激突なんて、しないよ?」

余裕の表情で、現れるダグトリオを待っていたウォーグル。

だが穂乃果は、変わらない笑顔。

「ストーンエッジ!」

「⁉︎」

ウォーグルの真下。そこの地面を突き破って、一直線に礫が襲いかかった。

攻撃を全身に浴びたウォーグルは、

「ウォーグル、戦闘不能! ダグトリオの勝ち!」

たまらず墜落してしまった。

「まさか、地面の中から攻撃してくるなんて……。これが穂乃果ちゃんの闘い方……。やっぱり凄いなぁ」

一体倒されたことりが浮かべるのは、感嘆、尊敬に近い表情。それは決して、戦意を喪失した顔ではない。

「マンタイン、頑張って!」

「マンタ!」

「水と飛行か……。ダグトリオ、行ける?」

「ダグ!」

「よーし! あなをほる!」

再び地面に潜るダグトリオ。

今度のことりは、動じない。

「マンタイン、あまごい!」

「マンター!」

突如フィールドに、激しく雨が降り始めた。

「水タイプの威力を上げてきたのかな……。とにかく、ストーンエッジ!」

ウォーグルの時とは違い、やや斜め後方から地面を突き破っての攻撃。明らかに反応が遅れたマンタインだったが、

「かわして!」

「マンタ!」

「うそっ! 避けられた⁉︎」

尋常でない速度で動くマンタイン。

「だ、ダグ……⁉︎」

ダグトリオが困惑していると、

「ハイドロポンプ!」

超高速の一撃が襲った。

「ダグトリオ、戦闘不能! マンタインの勝ち!」

「そ、そんな……。速すぎるよ……」

「ふふっ、マンタインの特性はすいすい。天気が雨の時、素早さが上がるの」

「そ、そっか……。じゃあまずは、あの速さを何とかしないと……。__ロズレイド!」

「ロズレイ!」

「お願いね、ロズレイド。考えがあるの」

「レイ!」

マンタインに向き直ったロズレイドに、

「確かに草タイプに、水タイプは今一つだけど……マンタインはそれだけじゃないの! __エアスラッシュ!」

ことりから容赦なく指示が飛ぶ。

空気を切り裂いて飛んでくる刃は、動く暇を与えずロズレイドを襲った。

「うぅ、やっぱり速い……」

さらに、

「ロズ……ッ!」

反撃を試みたロズレイドの動きが止まった。

「ひるみ……⁉︎」

「何か作戦があるのかもしれないけど、そうはさせないよ! エアスラッシュ!」

「マンター!」

畳み掛けるような攻撃に、穂乃果は拳を強く握る。

「大丈夫……。チャンスは必ずある……」

マンタインの攻撃に踏みとどまったロズレイドに、穂乃果は集中する。

「マンタイン、もう一度エアスラッ__」

「フラッシュ!」

ことりの指示に被さるように、穂乃果の鋭い声が響いた。

「ロズレイッ!」

今まさに攻撃態勢に入っていたマンタインは、光を直視して視界がホワイトアウトした。

「マンタイン⁉︎」

空気の刃はあらぬ方向へと四散。順光のロズレイドには、その様子がよく見えた。そしてそれは、

「止まった!」

穂乃果も同じだった。

「ロズレイド、ギガドレイン!」

よく見えぬまま体力を吸収されたマンタインは、思わずふらつく。

「行っけぇぇぇ! リーフストーム!」

「ロズレイィッッ!」

若草の嵐はマンタインを包み込み、そのまま吹き飛ばした。

「マンタイン、戦闘不能! ロズレイドの勝ち!」

「やった!」

「すいすいが発動したマンタインが倒されるなんて……。穂乃果ちゃんの作戦って、何だったの?」

感心しながらも疑問が消えないことりは、そう訊ねていた。

「マンタインは確かに速かったけど、攻撃する時は狙いを定めるために動きが止まったの! そこを狙えば、何とかなるんじゃないかなー、って!」

「攻撃する時って……。一瞬なのに……」

驚き言葉を失ったことりに、穂乃果は笑顔を向ける。

「だって楽しいんだもん! ことりちゃんとバトルできて、穂乃果はすっごく楽しい! だから気付けたんだ!」

「…………」

正面のキラキラした笑顔を眺めながら、ことりは口元が綻ぶのを感じた。

「やっぱり、穂乃果ちゃんは凄い。__でも、私だって負けない!」

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