手持ちのポケモンを回復し、二つ目の部屋へと入った穂乃果。
「お、ミカに勝ったんだ。やるじゃん!」
そこに、フミコが待っていた。
「二人目は、フミコなんだね」
「そうだよー。私も全力で闘うつもり。だから、審判さんよろしくね」
フミコの言葉に、審判は頷いた。
「それでは、四天王・フミコ対チャレンジャー・穂乃果のバトルを始めます。使用ポケモンは、お互いに六体のフルバトルです」
所定位置についた二人は、それぞれボールを掴む。
「ロズレイド、ファイトだよっ!」
「お願い、エレキブル!」
「ロズレイ!」
「キブル!」
最初のポケモンが、対峙する。
「電気タイプか……。あんまり相性はよくないけど、ロズレイドなら行けるよ!」
「レイ!」
颯爽と攻撃態勢に入るロズレイド。
「リーフストーム!」
「かみなりパンチ!」
飛んで来る若草の嵐に、エレキブルは電撃を纏った拳をぶつける。相殺こそしたが、その威力に押し負けやや地面を滑るエレキブル。
「凄い威力だね。エレキブルが押し負けるなんて」
「えへへ。ずっと一緒に旅してきた、仲間だからね!」
穂乃果のはにかみに、ロズレイドは深く頷く。
「ロズレイッ!」
「よーし! ロズレイド、ヘドロばくだん!」
「10まんボルト!」
空中でぶつかり、爆風を吹き散らす。
「攻めるよ、エレキブル!」
「キブルッ!」
エレキブルは砂塵が覆うタイミングで、ロズレイドへ肉薄する。
確かにロズレイドからは見えなかったが、穂乃果からはその様子がよく見えていた。
「しゃがんで!」
「ほのおのパンチ!」
「ッレイ!」
間一髪の所で、エレキブルの攻撃は空振りに終わった。
「くっ……、一旦退いて!」
「逃しちゃダメだよ! リーフストーム!」
「ロズレイッ!」
ロズレイドのリーフストームはエレキブルを捉え、空中へ吹き飛ばした。
「キブルゥ⁉︎」
「ヘドロばくだん!」
踏ん張りのきかない空中で、体勢の立て直しを図っていたエレキブルに、追撃が襲った。
「エレキブル、戦闘不能! ロズレイドの勝ち!」
「やったぁ! 凄いよロズレイド!」
「ロズ!」
エレキブルをボールに戻したフミコは、
「あの攻撃を躱されるなんて、思わなかったよ。以心伝心だね〜」
「うん! 私達、気持ちは一つだよ!」
「ホント、穂乃果はいつでも楽しそうだよね。ちょっと羨ましいな」
しみじみとした言葉に、
「フミコは、楽しくないの?」
「んー、楽しいけど、穂乃果には勝てないかな」
「そうなの?」
「だって穂乃果、単純だもん」
「うえぇ⁉︎ 酷いよ!」
「あはは、冗談だって。こうして穂乃果とバトルできてるってだけで、私は充分楽しいよ!」
ヒデコは屈託なく笑うと、ボールを放る。
「シビルドン!」
「シビビ!」
現れたポケモンに、穂乃果も再度気を引き締める。
「ロズレイド、リーフストーム!」
「かえんほうしゃ!」
放たれたロズレイドの攻撃は、アッサリと燃やし尽くされてしまう。
「炎タイプ……! これは、ロズレイドじゃ不利だね……。一旦戻って!」
シビルドンの技を見て、穂乃果はすぐにロズレイドをボールに戻した。
「ムーランド!」
「ワウゥ!」
「すてみタックル!」
いきなり全力で突貫を仕掛けるムーランド。
「10まんボルト!」
それを迎撃しようと、シビルドンは電撃を放つ。
「あなをほる!」
ムーランドは進路を、斜め下に変える。電撃は地面にぶつかり消える。
「凄いダイナミックな避け方だね……。でも、シビルドンの特性は《ふゆう》だから、地面タイプは当たらないよ?」
「それは、いつも通り!」
穂乃果としては、何度も経験してきた状況。ただ、それを知らないフミコは首を傾げる。
「飛び出して!」
「ワウッ!」
地面から飛び出し、シビルドンも飛び越えるムーランド。それを追って、シビルドンの首が上を向く。
頂点を迎えたムーランドは、落下を始める。
「ばかぢから!」
「ワウゥッ!」
そこから、全力でシビルドンを叩き伏せた。
「シビ……ッ!」
一撃では倒れなかったシビルドン。だがダメージは甚大に見える。
「技を連携してくるなんてね……。やる事なす事、規格外っていうか……」
やや呆れ顔を覗かせるフミコ。穂乃果としては、あまり特別な事をしている自覚は無かったのだが。
「でも、まだシビルドンは負けてないよ。10まんボルト!」
「躱して!」
ムーランドは左右のフットワークで、電撃を回避する。
「普通に避けるの……⁉︎」
破天荒な立ち回りを見たせいか、本来の立ち回りに意外性を感じてしまうフミコ。
「すてみタックル!」
「ワウゥッ!」
全力の突貫。直撃。シビルドンはフミコの後方まで吹っ飛び、壁にぶつかって止まった。
「シビルドン、戦闘不能! ムーランドの勝ち!」
「お疲れ、シビルドン」
ボールをしまったフミコは、
「気をてらった行動をしたかと思えば、素直に攻めてくる……。掴み所が無いなぁ」
「いやぁ、穂乃果はただ、この瞬間を全力で闘ってるだけなんだけど……」
「それが、穂乃果のバトルスタイルを生み出してるって事だね。強いわけだ」
フミコはどこか納得したように頷く。
「だからって、負けるつもりはないからね?」
「ドンと来いだよ!」
フミコの三体目は、
「ダース!」
「サンダース……!」
「素早い動きができるのは、こっちも同じだよ! 10まんボルト!」
サンダースは俊敏な動きで、ムーランドに電撃を浴びせる。
「ワウッ……⁉︎」
「ムーランド⁉︎」
不意に、ムーランドの動きが不自然に鈍った。
「これって……麻痺⁉︎」
「もう一度10まんボルト!」
素早さを奪われたムーランドは回避できず、電撃の餌食となってしまう。
「このままじゃ、ただやられるだけだ……。ムーランド、戻って!」
穂乃果はムーランドを戻し、
「ロズレイド!」
「ロズレイ!」
アロマセラピーをすべく、ロズレイドを繰り出した。
「……やってくると、思ったんだ」
「アロマセラ……⁉︎」
フミコが漏らした呟きが、穂乃果に聞こえた。
「そんな隙は与えないよ! ボルトチェンジ!」
消耗したロズレイドは、飛んで来た電気のリングを食らう。
「ロズ……ッ!」
ボールへ戻るサンダース。続いてフミコは、
「れいとうビーム!」
「ターン!」
繰り出した四体目に、いきなり指示を飛ばす。
即行で繰り出された攻撃は、的確にロズレイドを射抜いた。
「ロズレイド、戦闘不能! ランターンの勝ち!」
フミコが繰り出したのは、ランターン。
「うぅ……お疲れ様、ロズレイド」
なす術なく倒されたロズレイドを労い、
「……よく、ロズレイドの覚えてる技が分かったね」
「ロズレイドを見て、ムーランドが麻痺して、その時にロズレイドを出したからもしやと思ったんだよね。うまくいってよかったよ」
「…………」
目の前の友達が、強敵だという事実を再認識する穂乃果。
「ダグトリオ!」
気持ち新たに、次のポケモンを繰り出した。
「ダグトリオか……。ま、電気タイプが効かないから当然だよね」
「ここから巻き返すよ! ダグトリオ、じしん!」
「ターン……!」
ダグトリオの一撃を、ランターンはしっかりと耐える。
「くっ……強い……!」
「ランターン、ねっとう!」
「! その技は、海未ちゃんも使ってた……!」
そもそも地面タイプのダグトリオには、水タイプは相性抜群である。
かなりのダメージを負ったダグトリオ。さらに、
「ダグ……ッ⁉︎」
「火傷になっちゃった……!」
「よーし、ランターン! 一気に決めるよ! ねっとう!」
「ターン!」
一直線に肉薄する煮えたぎる水は、
「ダグトリオ、ストーンエッジ!」
地面から突き出した岩石の壁に阻まれた。
「えっ……⁉︎」
防がれると思っていなかったのか、フミコは一瞬思考が止まる。
「ダグトリオ、じしん!」
「ダグ!」
再び揺れる地面。だが火傷を負ったダグトリオでは、攻撃力が足りない。
「まだまだ終わらないよ! あなをほる!」
攻撃が終わった直後に、地面に潜るダグトリオ。
「ダグ!」
「ターンッ……!」
徐々に追い詰められるランターン。
「くっ……凄い猛攻……! こうなったら……ランターン、みずびたし!」
「ダグトリオ、じしん!」
ダグトリオの頭上から水滴が降り注ぎ、それと同時に決定打となる一撃がランターンを襲った。
「ランターン、戦闘不能! ダグトリオの勝ち!」
「お疲れ、ランターン。後は任せて」
一方穂乃果は、ダグトリオが受けた技が気になっていた。
「ダグトリオ、平気?」
「ダグ!」
「ダメージを受けてない……? 技が失敗したのかな?」
首を傾げながらも、とにかく相手を倒した事は事実なので気合いが入る穂乃果。
「ダグトリオは、電気タイプが効かない……。火傷はしちゃってるけど、このまま押し切れる……!」
「そうはいかないよ! サンダース!」
「ダース!」
「ダグトリオ、じしん!」
揺れる地面が、サンダースを襲う。
「電気タイプを使う以上、地面タイプは対策しないとね? サンダース、でんじふゆう!」
サンダースの足元が帯電したかと思うと、その身体が浮き上がった。
「えっ、何それ⁉︎」
空中にいるサンダースには、ダグトリオの攻撃は届かなかった。
「さあ、10まんボルト!」
「へっ?」
地面タイプのダグトリオに電気タイプの技を撃つなんて、何かを勘違いしたのかと思った穂乃果。だがさらに驚くべき現象が、すぐに起こった。
「ダググ……ッ⁉︎」
電撃が、ダグトリオを襲ったのだ。
「どうしてぇ⁉︎」
穂乃果が唖然とする間に、
「ダグトリオ、戦闘不能! サンダースの勝ち!」
ダグトリオは倒れてしまう。
「ふふ、さっきランターンが使ったみずびたしって技は、相手のタイプを水タイプに変えちゃうんだよ」
「ええ⁉︎ そんな技が……⁉︎」
「地面タイプだからって、電気タイプに勝てるわけじゃないって事だよ!」
思わぬ戦法に、穂乃果は唸る。
「ダグトリオがアッサリと……。油断、してたのかも。ーーもう、しない。絶対に、勝つ!」
そう言って、もう一度ボールを掴む。
「ムーランド!」
「ワウッ! ……ッ」
やはり麻痺が影響しているのか、ムーランドの動きは鈍い。
「そんな状態じゃあ、勝てないよ!」
「絶対に勝つもん! ムーランド、あなをほる!」
地面に潜るムーランド。
「だから、今は当たらないって…………っ!」
言葉の途中で、何かに気付いたフミコ。
「サンダース、下がって!」
「ばかぢから!」
「ワウゥッ!」
地面を突き破り、真上に飛び出したムーランド。間一髪で、サンダースは後方へ回避した。
「避けられた……!」
「危なかった……。麻痺して素早さが下がってなかったら、食らってたかも……」
冷や汗を拭ったフミコ。しかし、一息つく暇はなかった。
「すてみタックル!」
すぐに突貫を仕掛けてくるムーランド。
「素早さの下がった状態で正面から突っ込んでも、不利なだけだよ? 10まんボルト!」
「ワイルドボルト!」
「ワウゥッ!」
ムーランドはそこから電撃を纏い、サンダースの攻撃を流す。
「なっ……同じタイプの技で、威力を抑えてるの……?」
「もう一度すてみタックル!」
「ワウウウウゥッ!」
サンダースの電撃をかいくぐり、ムーランドは全力でぶつかった。
吹っ飛ぶサンダース。しかし、ムーランドも勢いを止め切れずに地面を滑った。
「サンダース、ムーランド共に戦闘不能! よって引き分け!」
審判の旗は、同時に振られた。
「お疲れ、ムーランド」
「頑張ったね、サンダース」
それぞれボールにポケモンを戻し、
「まさか、あそこまで執念の攻撃を仕掛けてくるなんてね。絶対に倒せたと思ったのに」
「最後まで諦めない。だからだよ!」
「やっぱり、穂乃果らしいね。……褒めてるよ?」
「最後のそれ、いらないでしょー!」
フミコはクスッと笑う。
「さ、私の五体目。本当は使わないポケモン。……強いよ?」
「穂乃果のポケモンだって、強いんだから」
二人は同時に、ボールを放り投げる。
「ムクホーク!」
「エレザード!」
「ホーク!」
「ザード!」
お互いのポケモンは、睨みをきかせる。
「でんこうせっか!」
先に動いたのは、ムクホーク。俊敏な動きで、エレザードに迫る。
「ハイパーボイス!」
エレザードは近づかせまいと、大声で衝撃波を巻き起こす。
攻撃が不発に終わったムクホークは、上昇して距離を取る。
「そうはいかないよ! エレザード、かみなり!」
「ザァード!」
ムクホークの頭上で黒雲立ち込め、
「ムクホーク、でんこうせっか!」
落雷の前に、ムクホークは再び接近する。
「ザードッ……!」
威力は低いながらも、一撃にたたらを踏むエレザード。
「ここで叩く……! インファイト!」
ムクホークの打撃の応酬。その全てがエレザードに吸い込まれていく。
「よしっ……これはいいダメージになったはず……!」
手応えのある一撃に、穂乃果は拳を握る。
「その素早さで動き回られるのは、厄介だね……。エレザード、エレキネット!」
距離を取る前に、ムクホークにスパークするクモの巣のようなものが絡みついた。
「ホーク⁉︎」
ムクホークの羽ばたきが、若干鈍る。
「まさか、素早さを下げる技……⁉︎」
海未とのバトルで、似たような光景を見ている穂乃果。
「ご名答! これ以上撹乱されるのは困るからね。今度はこっちが決める番だよ! かみなり!」
「ザァードッ!」
「でんこうせっかで躱して!」
諦めず即決で指示を飛ばした穂乃果だったが、ムクホークの初速が一呼吸遅れた。結果、落雷の衝撃が全身を駆け巡った。
インファイトを撃った反動で下がってしまった耐久。そこに襲った相性抜群の一撃は、ムクホークの体力を奪い切るのに充分すぎる威力だった。
「ムクホーク、戦闘不能! エレザードの勝ち!」
墜落したムクホーク。
「よく頑張ったね、ムクホーク。後は任せて」
若干の悔しさを覗かせて、穂乃果はボールをしまった。
「私達の本気、受け取った?」
フミコの声を聞きながら、穂乃果は次のボールを持つ。
「……うん。凄く強い。……でも、私は勝つ! そう信じてるから!」
そして、リザードンを繰り出す。
「リザードンなら、きっとやってくれるって!」
「グォッ!」
「最初のポケモンだもんね……。信頼度はピカイチって事か」
「リザードン、かえんほうしゃ!」
放たれた熱線は、
「ハイパーボイス!」
衝撃波に相殺される。
巻き起こる噴煙。一瞬お互いの姿が見えなくなり、その煙が晴れた時、
「グオォ!」
リザードンは、エレザードの目の前にいた。
「ザード⁉︎」
「ドラゴンクロー!」
強力な一撃。
「エレザード、戦闘不能! リザードンの勝ち!」
流石に限界を迎えたのか、倒れるエレザード。
エレザードをボールに戻したフミコは、
「何の指示もしてないのに、距離を詰めてくるなんて……」
素直に驚く。
「これが、穂乃果とリザードンの絆って事なんだね。……それを倒してこそ、って事も分かった」
フミコも、最後のボールを手に取る。
「ライボルト!」
「ラァイ!」
「最初から全力だよ! メガシンカ!」
フミコのキーストーンと、ライボルトのライボルトナイトが反応した。不思議な光が四散した時、
「ラアァァァァァイッ!」
ライボルトはメガライボルトへとメガシンカしていた。
「メガシンカ……!」
そんなフミコを見て、穂乃果も右手も左手首に伸びる。
「それなら私も、それに応える!」
穂乃果のメガリストバンドと、リザードンのリザードナイトXが反応した。不思議な光が四散した時、
「グオォォォォォォッ!」
リザードンはメガリザードンXへとメガシンカしていた。
「これが、穂乃果のメガシンカ……! あの時のヒトカゲが、こんなになるなんて……」
メガシンカしたリザードンの迫力に、フミコは若干押される。
「ラァイ!」
それを、ライボルトが一喝した。
「……分かってる。絶対に勝つよ!」
「ライ!」
「10まんボルト!」
「かえんほうしゃ!」
電撃と熱線が、空中で相殺する。
「ライボルト、ほうでん!」
「グォッ⁉︎」
煙舞い上がる内に接近を試みていたリザードンは、攻撃を食らって身を退いた。
「そう上手くはいかないか……」
二度目には対策を講じられた穂乃果は、呟く。
「10まんボルト!」
「フレアドライブ!」
ライボルトの攻撃に、穂乃果は技をぶつけて立ち向かう。
「グオォ……!」
威力に打ち負け、後方に弾かれるリザードン。その様子強引な様子に、フミコは怪訝な顔をする。
「私のバトルスタイルを、ぶつける! それで勝つ!」
しかし質問するより早く、穂乃果が声を上げた。
「穂乃果……」
「行くよ……! リザードン、げきりん!」
「グオォォォォォォ!」
溢れんばかりに気迫を纏ったリザードンは、ライボルトへ特攻を仕掛ける。
「近づかせちゃダメだよ! ほうでん!」
「ラァイッ!」
襲いかかる電撃を、全身で受け止めそして弾きながら、リザードンはライボルトへ迫る。しかし、既に技の勢いはかなり失われてしまっている。
「今だ! ライボルト、10まんボル……」
「フレアドライブ!」
フミコの声に重なり、穂乃果の鋭い指示が響いた。
「グオォォォォォォ!」
炎を纏い、急加速するリザードン。ライボルトに衝突し、何とか堪えるライボルトをジワリジワリと後退させる。
「これで最後だよ! ドラゴンクロー!」
「そこから別の技を……⁉︎」
リザードンは両腕を振り上げ、
「ライボルト、避け……!」
「グオォォォォォォォォォォッ!」
全力で振り下ろした。
衝撃が巻き起こり、爆風が穂乃果とフミコまで届く。
「ライボルト、戦闘不能! リザードンの勝ち! よって勝者、チャレンジャー、穂乃果!」
フィールドには、倒れ伏すライボルトの姿。
「…………はー、負けちゃったかー。やっぱり穂乃果は強いね」
やれやれと首を振ったフミコは、穂乃果へ歩み寄る。
「おめでと、穂乃果」
「フミコ! ありがとう!」
「穂乃果の想い、何となくだけど伝わってきたよ。きっと、ヒデコにも勝てるかもね」
「きっとじゃないよ、絶対だよ!」
「あははっ! 穂乃果らしいね」
フミコの声を背中に受け、穂乃果は二つ目の扉をくぐった。残る四天王は、二人。