μ'sバトルスタート!   作:『シュウヤ』

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第5話 宇宙ナンバーワン!

「──穂乃果ちゃんには、これも」

「これは、わざマシン〈トライアタック〉。攻撃と同時に、やけど、まひ、こおりの状態異常のどれかにする事があるの」

「ほぇー、やっぱり凄い技だね」

「これからも、頑張ってね!」

「うん! ──で……、次はどこに行けばいいのかなぁ?」

「決めてないの!?」

「うん。この辺、あんまり詳しくなくて……。あはは……」

 この辺、とはカイトゥーン地方全体を指す穂乃果だが、今の花陽には分からず、

「ここからジムがある近い町というと……アロリームシティ、かな?」

「それってどこにあるの?」

「うーんと……とりあえず、外で教えるね」

 穂乃果と花陽はジムを出ると、町の入り口付近へやってきた。

「スモーファウンタウンの入り口は、別れ道になってるの。右の道を行くと、凛ちゃんのいるスタスカシティで、左の道を行くとアロリームシティだよ」

「あれ? こっちにもスモーファウンフォレストって書いてあるよ?」

 標識を確認した穂乃果が、疑問の声を上げる。

「スモーファウンフォレストには、二つの道があるの。穂乃果ちゃんが通ってきたのは西側で、アロリームに繋がるのは東側だよ」

「そうだったんだ。ありがとう!」

 穂乃果が礼を言ったその時、

「──かーよちーん!」

 西側から、こちらに向かって手を振る人物を見つけた。

「凛ちゃん?」

「あ、穂乃果ちゃんも一緒だ。もしかしてもうバトルしたの?」

「うん! ほら!」

 穂乃果はバッジケースを開いてフラワーバッジを見せる。

「わぁ、かよちんでも適わないなんて、穂乃果ちゃん凄いにゃ!」

 凛が飛び跳ね、

「うん。強かった」

 花陽も頷く。

「そ、そんな。褒めすぎだよ。あはは……」

 穂乃果は照れて頭をかくが、花陽の興味はすぐに移る。

「それより凛ちゃん、どうしてここに?」

「あ、そうそう。二人に伝えておく事があるのにゃ」

「私たちに?」

「この前の……オリジン団だったかにゃ? 町の人が調べてくれたんだけど、実はカイトゥーンの色んな所にいるみたいなのにゃ。ポケモンを盗ったりもするみたいだから、気を付けるにゃ!」

「穂乃果もこの前、森で捕まってたスボミー──今はロゼリアだけど……助けたんだよ! あの時は穂乃果もちょっと怒った!」

「そんな人たちがいるんだ……。気を付けようね!」

「うん!」

「にゃ!」

 

 

 

 

 花陽達と別れた穂乃果は、再びスモーファウンフォレストへ。

 こちらも道は整備されて歩きやすいが、

「そこのトレーナー、勝負だ!」

 その分人通りも多い。当然、トレーナーも。

「お前を倒して、スモーファウンジムへの勢いつけるぜ! ──いけ、ジグザグマ!」

「よーし! ヒトカゲ、ファイトだよっ!」

「カゲー!」

「ジグザグマ、たいあたり!」

「ヒトカゲ、ひのこ!」

 突っ込んできたジグザグマは、自分から食らいにいってしまう。

「なんのまだまだ!」

「ジグー!」

 元気に起き上がったジグザグマに、

「ヒトカゲ、ひっかく!」

「カゲッ!」

 強烈な一撃が入った。

「ザグ……」

 倒れたジグザグマに、トレーナーは半ば呆然としている。

「今の……ひっかくじゃないよな……?」

「え? 違うの?」

「今のは……メタルクローだ!」

「じゃあヒトカゲ、メタルクローを覚えたんだね! 凄い! 凄いよヒトカゲ!」

「カゲ!」

「くっそー! 次は負けないからな!」

「穂乃果だって!」

 走り去っていく少年を見ながら、穂乃果はぐっ、と拳を握る。

「私もポケモンも、もっともっと強くなれる……。頑張らなくちゃ!」

 

 

その後もバトルを重ねた穂乃果は、アロリームシティに到着した。

 

 

 

 

 アロリームシティに穂乃果が最初に抱いた感想は、

「大っきい……」

 だった。スタスカも規模はそこそこだったが、ここはそれ以上。道行く人々も、若者が目立つ。

「えーっと、ポケモンセンターは……ジムはどこだろ……」

 キョロキョロと辺りを見渡していると、

「お、穂乃果じゃん」

「久しぶり~」

「ジムはどうだったの?」

「ヒデコ! フミコ! ミカ!」

 ヒフミの三人と出くわした。

「アロリームに来てたんだ」

「うん! 今着いたところだよ!」

「旅は順調?」

「うん! バトルにも慣れてきたよ!」

「て事は、スモーファウンジムは?」

「うん! なんとか勝てたよ!」

 三人の質問に次々答える穂乃果。

「穂乃果の事だから、すぐに諦めちゃうかと思ったけど……やるじゃん!」

「分からない事ばかりだけど……。あはは……。──と、そうだ。ねえ、アロリームジムってどこ? 私全然分からなくて」

 その質問に、ヒデコは肩を落とす。

「ホント相変わらずね……」

「ジムはこっちにあるけど……」

「先にポケモンセンター行った方がいいんじゃない?」

「あ、そっか! ここまで、結構トレーナー多くて大変だったよー」

 ヒフミにポケモンセンターを案内され、穂乃果はポケモンを回復してもらう。

 ポケモンセンターを出た四人は、そのままアロリームジムへ向かう。

「アロリームジムはエスパータイプの使い手だよ」

「エスパータイプかぁ……。相性がいいポケモン、全然いないよ……」

「大丈夫だって。スモーファウンは知らないけど、リオルにヒトカゲで勝ったじゃん」

「そうだよ! 相性なんて関係ないよ!」

「そっか……。そうだよね!」

 そうヒフミに励まされる内に、ジムの前に到着。

「う……三回目だけど、やっぱり緊張する……」

 穂乃果は一度深呼吸すると、

「ジム戦お願いしまーす!」

 扉を開けた。

 そこにいたのは、

「──にっこにっこにー!」

「にこちゃん!?」

「にっこにっこにー! ──はい、アンタもやる」

 アロリームジムリーダー、にこは穂乃果を指差す。

「まったく……こんなキャラ作りもできないのに、ジム戦なんて「にっこにっこにー!」百年早──って躊躇ないわねアンタ……」

 即座ににこにー返しをした穂乃果に、やらせておいてにこは一歩引く。

「だってにこちゃんだもんね!」

「どういう意味よ!」

「そんな事より、バトルしようよ!」

「にこにとっては重要な事よ!」

 ひとしきりツッコんだにこは、

「おかしい……! ペースが掴めない……!」

 一人頭を抱える。

「ねーにこちゃーん」

「うるさい! 今それどころじゃないのよ!」

「え? どうして?」

「タイミングが悪いのよ! この忙しい時にジム戦とか、考えなさいよ!」

「ご、ごめんなさい」

 吠えたにこに、とりあえず穂乃果は頭を下げる。

「で……何が?」

「アンタ、何も知らないのね……。──コンテストよ」

「コンテスト?」

「そ。ポケモンコンテスト。今からそれが始まるから、そっちに行くの。だからジム戦なんかしてる場合じゃないの。分かった?」

 にこが言い放った言葉に、一応頷いた穂乃果。だが当然表情は納得せず、それを言葉にしたのはヒフミの三人だった。

「けど……」

「ジムリーダーなのに……」

「ジム戦放棄は……」

「……何よ」

 そこへにこの睨みが飛ぶ。

「ポケモンコンテストの魅力が分からないなら、仕方ないわね。どうしても私を納得させたいなら、アンタ達もコンテストに出てみなさいよ。それで上位に食い込めるなら、考えてやってもいいわよ?」

「それって結局、コンテストに行くって事じゃ……」

「…………」

 ヒデコの言葉に、にこは黙る。

「──分かった!」

 そして唐突に叫ぶ穂乃果。

「な、何がよ?」

「私も出ればいいんだね! コンテストに!」

「は、はあ!?」

 にこはあんぐりと口を開ける。

「素人がまともなパフォーマンスをできるわけが──」

「大丈夫! ライブみたいなものだよね!」

「アンタ、人の話聞かないわね……」

 にこが額を押さえ、

「大体、そう簡単に出られるワケが──」

「あー……私の友達のお父さんがディレクターやってるから、頼めば出られるかも」

「……は?」

 ミカが控えめに手を上げる。

「ホントに!? ──よーし! コンテスト、頑張るぞーっ!」

 本格的に開いた口が塞がらないにこと、対照的に元気に腕を振り上げる穂乃果。

「ね、ねぇ、じゃあ私も……」

「あーごめんなさい。飛び入り二人はさすがに……」

「何でよ!」

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